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第一章
冷え性には原因があるので詳しくチェックです。
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「あの……ブレイハ公爵夫人……」
弟妹と手を繋ぎながら、先を歩くマグダレーナに声をかけるツィリル。
「私たちは……」
「あぁ、本当にスラヴォミールが女の子だったら、ツィリル殿を婿に迎えたのに……残念だわ……そうすれば、エマとチナを領地のお屋敷に連れて帰って、わたくし、二人に色々と服を仕立てたり、お部屋を用意して一緒に過ごしていたと思うのよ?」
「本当?」
エマヌエルは、実の母のように慕うマグダレーナを見上げる。
「兄さま、お婿さん?」
「残念だわ……スラヴォミールはわたくしに似ているけれど男の子でしょう? それとも、チナ、マティアーシュかカシュパルのお嫁さんになってくれるかしら?」
「マティアーシュお兄さま?」
コテン?
クリスチナは首を傾げる。
「あら、そうだったわね? ツィリル殿は知っているけれど、二人は会ったことがないわね? マティアーシュはわたくしの一番上の息子なのよ。こちらで、夫の補佐を務めているわ」
「あ、あの……どうして、チナを嫁にという……」
「……ツィリル殿は知っているでしょう? わたくしの父には孫が6人いるのですけれど、リリー以外はみんな男。その上、ラディスラフは騎士団、スラヴォミールは魔法省、カシュパルは外交官、マティアーシュも次期宰相ということで、全く結婚する様子もないの。グスタフ……殿下だけね? リリーと結婚するって、生まれたばかりのリリーを連れ去って閉じ込めようとしたのよ」
ため息をつく美貌の女性。
「まだ目も開いてない子なのに、『この子は僕のだ!』 って奪い取っていこうとしたものだから、本気でお父様が投げちゃったわ……そして、『欲しいなら正式に婚約からだ!』 って。一人娘でしょう? 先に兄もいるから早く決めたくなかったのに、兄上も兄上だわ。デレデレに甘やかしちゃって……」
「大変でしたね……」
「当時、リリーも幼かったけれど、スラヴォミールも魔力過多で大変だったの。貴方たちもとてつもなく多いのよ? なのに制御できるでしょう? スラヴォミールは元々身体が弱かったのもあって、制御できなかったのよ。よく寝込んでいたわ。上の3人は早いうちから英才教育をお父様や義父に勧められたけれど、スラヴォミールは1日起きていることも稀だった。だから、リリーと一緒に育てたの。元々気が合ったのね。それに見た目に反して意志も強い子だったから、時間はかかっても魔力を制御できるようになった。リリーはみんなに可愛がられたけれど、それに甘えすぎることもなく、真っ直ぐに育った……」
自慢の子供たちよ。
ぽつりと呟く。
「本当に……早く結婚して欲しかったわ。孫を見たかったの……もう見られないわね」
「えっ……どうしてですか?」
「……ツィリル殿? そして、エマ、チナ? このままこの道をまっすぐ進みなさい。そして、誰かがいてもこれを見せなさい。これはブレイハ公爵家の紋です」
手を解くと、三つの懐中時計をそれぞれ首にかける。
「意匠は同じですが、ツィリル殿の持つものはスラヴォミールのものです。エマはラディスラフ、チナにはカシュパルのもの。誰にも渡してはいけませんよ? 見せるだけ。大事にして頂戴ね?」
「ですが……これは!」
「生きなさい。わたくしも行かなければ……大丈夫です。貴方たちの命は保証します。さぁ!」
ツィリルに二人の手を握らせ、背中を押した。
「貴方たちは、わたくしの子供です。ブレイハの名に誇りを持ち進みなさい! いいですね?」
「公爵夫人……! いえ、母上! ご無事で! すぐ戻ります!」
「……いえ、貴方たちも進みなさい。未来で逢えますように」
「母さま!」
「……母さま!」
泣き出す妹を抱き上げ、唇を噛む弟の手を引き歩き出す。
遠くなる実の子同然の子供たちを見送ったマグダレーナは、
「……行きましょう。みんなが待っているわ」
と呟き、目元をぬぐい、夫と子供たちのもとに戻って行ったのだった。
遠くから子供の泣く声が近づくのに気がついた王妃ガブリエラは、女官長を見上げる。
「……少々お待ちくださいませ、ガブリエラさま」
スッと下がり、様子を確認しに行った女官長はしばらくして、3人の客人を迎え入れる。
「ガブリエラさま。ブレイハ公爵家の方でございます」
「ブレイハ公爵家? マグダレーナ?」
「いえ、どうぞこちらに。まずはおかけくださいませ」
「いえ……申し訳ありません。突然お目にかかることになり、本当に……」
二十歳くらいだろうか途方にくれた表情の青年は、デビュタントすらまだの幼い二人を連れていた。
一人を抱っこし、もう一人は青年の後ろにしがみついている。
青年は頭を下げると、
「申し訳ありません。私は魔法省勤務、ツィリルと申します。この子たちは双子の弟妹で、エマヌエルとクリスチナと申します。本当に……本来、ご尊顔を拝することすら叶わぬ身分ですが、ブレイハ公爵夫人、マグダレーナさまより預かりましたこちらで、ここまでまいりました」
丁寧にそういい、首に下げていた懐中時計をそっと見せる。
「これは……奪い取ったのですか? ダグマル子爵令息」
ガブリエラの凛とした眼差しに、哀しげに微笑む。
「ご存知だったのですね。はい……私たちは、ダグマル子爵家に生まれました。ですが、私は元々祖父に育てられ、学院に入学後はブレイハ公爵家のスラヴォミールと仲良くなり、長期休暇などは、この二人とともにブレイハ公爵家の領地で過ごしておりました。今回の件は全く知らず……捕らえられた時に」
「なぜわからなかったのです?」
「この二人と共に住もうと、家から出るの手続きと借家の手配、未成年である二人を引き取るために戸籍変更の手続きに奔走しておりました。両親も妹も、私だけではなく二人を虐待し、どうしようもなかったからです」
真っ直ぐ見返すが、自分の息子とそう変わらぬ青年の疲れ果てた様子と、幼い子供たちのすすり泣きに、チラッと再び女官長を見る。
「正妃さま。この方は間違いなく、魔法省薬学科勤務、正妃さまの日頃お飲みになる薬も全てこの方の育てた薬草から作られております。調合はスラヴォミールさまがされますが、最近のお薬は特に飲みやすく効果が出やすいはず」
「……そうね? 昔は苦かったわ。それに手足が冷えて辛かったの」
「……それは確か、最近取れるようになった珍しい薬草の効能かと。本来でしたらこの地では育たないと言われている薬草が育ちましたので、先年取り寄せた薬の調合の本の中の薬を作り出すことが可能となりました。ですが、薬をお渡しする前、スラヴォミールに確認しましたところ、正妃さまは執務上腹部を締め付け、高いヒールを履くこともあり、薄着……申し訳ございません。私どもと違い、デコルテを華やかにするためのレース飾りや、袖のないドレスも多いかと思います。その為、身体を冷やしやすくなられるかと。正妃さまにドレスの変更を申し上げるというのは難しいかと思いますので、配合を少々変え、そしてスラヴォミールから、手湯、足湯をお勧めさせて戴きました。不躾で申し訳ございません」
頭を下げる青年に、ガブリエラは一瞬にして見る目が変わる。
実は、マグダレーナとスラヴォミールに話を聞いていた。
温厚で誠実、そして知識の深い青年がいるのだと。
そして……。
「貴方が、陛下が仰られていた魔力垂れ流し、無自覚魔法使いなのね。あなたのいる温室は、様々な薬草が季節、生息地の温度関係なく育っているのだと。その上、毒草をまるっきり無害化させてしまう変質の能力も持っているとか」
ふふふっ……
つい笑ってしまった。
一度、彼が入る前に温室で劇薬指定されていた毒草の解毒剤を作るためにその大元の原材料の毒草の種や苗を手に入れ育てていた。
ところが、彼が勤めるようになると、毒草の葉の色が変化し、花の色も全く変わってしまった。
魔法使いたちが調べても全く理由がわからず、鑑定能力のある魔法使いを呼び、確認すると、全く毒草だった要素が消え去り、無害の薬草に変化していた。
「これでは、解毒剤も作れない!」
と焦る横でスラヴォミールが、
「ツィリルに確認してもらったらどうです?」
と言い、呼ばれたツィリルが首を傾げつつ、
「解毒剤でしたら、この薬草で作れますよ? 余計なものを入れずに済むかと思いますので、身体に負担もありません。ただ、摘むときも金属のハサミではなく、手で摘むこと。乾燥させてすりつぶすときも金属ではなく陶器のすり鉢や、はかるときも同様にするといいかと思います。前にこっちの毒を妹に盛られたので、庭に出て生えていたこの薬草を摘んで噛んでたんです。生だと臭いし時間はかかりましたが助かりましたから」
と言ったため、その通りにすると、あっけなく解毒剤が出来上がったらしい。
「……女官長。女官たちにブレイハ公爵家のツィリル殿。エマヌエル殿とクリスチナ嬢に一緒の部屋を用意して差し上げなさい。疲れているようですから軽いものと温かい飲み物を差し上げて」
「かしこまりました。どうぞ、ツィリルさま」
「……ありがとうございます」
マグダレーナや親友のことは気になるが、まずは疲れている二人を休ませねばと、ツィリルは頭を下げて女官長の後をついて行ったのだった。
弟妹と手を繋ぎながら、先を歩くマグダレーナに声をかけるツィリル。
「私たちは……」
「あぁ、本当にスラヴォミールが女の子だったら、ツィリル殿を婿に迎えたのに……残念だわ……そうすれば、エマとチナを領地のお屋敷に連れて帰って、わたくし、二人に色々と服を仕立てたり、お部屋を用意して一緒に過ごしていたと思うのよ?」
「本当?」
エマヌエルは、実の母のように慕うマグダレーナを見上げる。
「兄さま、お婿さん?」
「残念だわ……スラヴォミールはわたくしに似ているけれど男の子でしょう? それとも、チナ、マティアーシュかカシュパルのお嫁さんになってくれるかしら?」
「マティアーシュお兄さま?」
コテン?
クリスチナは首を傾げる。
「あら、そうだったわね? ツィリル殿は知っているけれど、二人は会ったことがないわね? マティアーシュはわたくしの一番上の息子なのよ。こちらで、夫の補佐を務めているわ」
「あ、あの……どうして、チナを嫁にという……」
「……ツィリル殿は知っているでしょう? わたくしの父には孫が6人いるのですけれど、リリー以外はみんな男。その上、ラディスラフは騎士団、スラヴォミールは魔法省、カシュパルは外交官、マティアーシュも次期宰相ということで、全く結婚する様子もないの。グスタフ……殿下だけね? リリーと結婚するって、生まれたばかりのリリーを連れ去って閉じ込めようとしたのよ」
ため息をつく美貌の女性。
「まだ目も開いてない子なのに、『この子は僕のだ!』 って奪い取っていこうとしたものだから、本気でお父様が投げちゃったわ……そして、『欲しいなら正式に婚約からだ!』 って。一人娘でしょう? 先に兄もいるから早く決めたくなかったのに、兄上も兄上だわ。デレデレに甘やかしちゃって……」
「大変でしたね……」
「当時、リリーも幼かったけれど、スラヴォミールも魔力過多で大変だったの。貴方たちもとてつもなく多いのよ? なのに制御できるでしょう? スラヴォミールは元々身体が弱かったのもあって、制御できなかったのよ。よく寝込んでいたわ。上の3人は早いうちから英才教育をお父様や義父に勧められたけれど、スラヴォミールは1日起きていることも稀だった。だから、リリーと一緒に育てたの。元々気が合ったのね。それに見た目に反して意志も強い子だったから、時間はかかっても魔力を制御できるようになった。リリーはみんなに可愛がられたけれど、それに甘えすぎることもなく、真っ直ぐに育った……」
自慢の子供たちよ。
ぽつりと呟く。
「本当に……早く結婚して欲しかったわ。孫を見たかったの……もう見られないわね」
「えっ……どうしてですか?」
「……ツィリル殿? そして、エマ、チナ? このままこの道をまっすぐ進みなさい。そして、誰かがいてもこれを見せなさい。これはブレイハ公爵家の紋です」
手を解くと、三つの懐中時計をそれぞれ首にかける。
「意匠は同じですが、ツィリル殿の持つものはスラヴォミールのものです。エマはラディスラフ、チナにはカシュパルのもの。誰にも渡してはいけませんよ? 見せるだけ。大事にして頂戴ね?」
「ですが……これは!」
「生きなさい。わたくしも行かなければ……大丈夫です。貴方たちの命は保証します。さぁ!」
ツィリルに二人の手を握らせ、背中を押した。
「貴方たちは、わたくしの子供です。ブレイハの名に誇りを持ち進みなさい! いいですね?」
「公爵夫人……! いえ、母上! ご無事で! すぐ戻ります!」
「……いえ、貴方たちも進みなさい。未来で逢えますように」
「母さま!」
「……母さま!」
泣き出す妹を抱き上げ、唇を噛む弟の手を引き歩き出す。
遠くなる実の子同然の子供たちを見送ったマグダレーナは、
「……行きましょう。みんなが待っているわ」
と呟き、目元をぬぐい、夫と子供たちのもとに戻って行ったのだった。
遠くから子供の泣く声が近づくのに気がついた王妃ガブリエラは、女官長を見上げる。
「……少々お待ちくださいませ、ガブリエラさま」
スッと下がり、様子を確認しに行った女官長はしばらくして、3人の客人を迎え入れる。
「ガブリエラさま。ブレイハ公爵家の方でございます」
「ブレイハ公爵家? マグダレーナ?」
「いえ、どうぞこちらに。まずはおかけくださいませ」
「いえ……申し訳ありません。突然お目にかかることになり、本当に……」
二十歳くらいだろうか途方にくれた表情の青年は、デビュタントすらまだの幼い二人を連れていた。
一人を抱っこし、もう一人は青年の後ろにしがみついている。
青年は頭を下げると、
「申し訳ありません。私は魔法省勤務、ツィリルと申します。この子たちは双子の弟妹で、エマヌエルとクリスチナと申します。本当に……本来、ご尊顔を拝することすら叶わぬ身分ですが、ブレイハ公爵夫人、マグダレーナさまより預かりましたこちらで、ここまでまいりました」
丁寧にそういい、首に下げていた懐中時計をそっと見せる。
「これは……奪い取ったのですか? ダグマル子爵令息」
ガブリエラの凛とした眼差しに、哀しげに微笑む。
「ご存知だったのですね。はい……私たちは、ダグマル子爵家に生まれました。ですが、私は元々祖父に育てられ、学院に入学後はブレイハ公爵家のスラヴォミールと仲良くなり、長期休暇などは、この二人とともにブレイハ公爵家の領地で過ごしておりました。今回の件は全く知らず……捕らえられた時に」
「なぜわからなかったのです?」
「この二人と共に住もうと、家から出るの手続きと借家の手配、未成年である二人を引き取るために戸籍変更の手続きに奔走しておりました。両親も妹も、私だけではなく二人を虐待し、どうしようもなかったからです」
真っ直ぐ見返すが、自分の息子とそう変わらぬ青年の疲れ果てた様子と、幼い子供たちのすすり泣きに、チラッと再び女官長を見る。
「正妃さま。この方は間違いなく、魔法省薬学科勤務、正妃さまの日頃お飲みになる薬も全てこの方の育てた薬草から作られております。調合はスラヴォミールさまがされますが、最近のお薬は特に飲みやすく効果が出やすいはず」
「……そうね? 昔は苦かったわ。それに手足が冷えて辛かったの」
「……それは確か、最近取れるようになった珍しい薬草の効能かと。本来でしたらこの地では育たないと言われている薬草が育ちましたので、先年取り寄せた薬の調合の本の中の薬を作り出すことが可能となりました。ですが、薬をお渡しする前、スラヴォミールに確認しましたところ、正妃さまは執務上腹部を締め付け、高いヒールを履くこともあり、薄着……申し訳ございません。私どもと違い、デコルテを華やかにするためのレース飾りや、袖のないドレスも多いかと思います。その為、身体を冷やしやすくなられるかと。正妃さまにドレスの変更を申し上げるというのは難しいかと思いますので、配合を少々変え、そしてスラヴォミールから、手湯、足湯をお勧めさせて戴きました。不躾で申し訳ございません」
頭を下げる青年に、ガブリエラは一瞬にして見る目が変わる。
実は、マグダレーナとスラヴォミールに話を聞いていた。
温厚で誠実、そして知識の深い青年がいるのだと。
そして……。
「貴方が、陛下が仰られていた魔力垂れ流し、無自覚魔法使いなのね。あなたのいる温室は、様々な薬草が季節、生息地の温度関係なく育っているのだと。その上、毒草をまるっきり無害化させてしまう変質の能力も持っているとか」
ふふふっ……
つい笑ってしまった。
一度、彼が入る前に温室で劇薬指定されていた毒草の解毒剤を作るためにその大元の原材料の毒草の種や苗を手に入れ育てていた。
ところが、彼が勤めるようになると、毒草の葉の色が変化し、花の色も全く変わってしまった。
魔法使いたちが調べても全く理由がわからず、鑑定能力のある魔法使いを呼び、確認すると、全く毒草だった要素が消え去り、無害の薬草に変化していた。
「これでは、解毒剤も作れない!」
と焦る横でスラヴォミールが、
「ツィリルに確認してもらったらどうです?」
と言い、呼ばれたツィリルが首を傾げつつ、
「解毒剤でしたら、この薬草で作れますよ? 余計なものを入れずに済むかと思いますので、身体に負担もありません。ただ、摘むときも金属のハサミではなく、手で摘むこと。乾燥させてすりつぶすときも金属ではなく陶器のすり鉢や、はかるときも同様にするといいかと思います。前にこっちの毒を妹に盛られたので、庭に出て生えていたこの薬草を摘んで噛んでたんです。生だと臭いし時間はかかりましたが助かりましたから」
と言ったため、その通りにすると、あっけなく解毒剤が出来上がったらしい。
「……女官長。女官たちにブレイハ公爵家のツィリル殿。エマヌエル殿とクリスチナ嬢に一緒の部屋を用意して差し上げなさい。疲れているようですから軽いものと温かい飲み物を差し上げて」
「かしこまりました。どうぞ、ツィリルさま」
「……ありがとうございます」
マグダレーナや親友のことは気になるが、まずは疲れている二人を休ませねばと、ツィリルは頭を下げて女官長の後をついて行ったのだった。
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