45 / 95
第一章……ゲームの章
38……acht und dreißig(アハトウントドライスィヒ)
しおりを挟む
ディナーは、手際の良いディーデリヒとイタルが用意をしていた。
まぁ、ディーデリヒとイタルの獲ってきた獲物やハーブを、アストリットが保存食として調理しておいたものを、アストリットが調理しているのを見ていた二人が、その通り調理をするだけである。
侍女と執事は二人……特にディーデリヒのことを知っている為に、自分たちがと止めるのだが、ディーデリヒは、
「大丈夫、大丈夫。こちらは三人と罪人も三人だけど、ヒュルヒテゴット様以外の騎士、護衛たちは何人?」
「えと、十数人はおりますわ」
「じゃぁ、具沢山のスープにするか。燻製や干し肉はイタル、お願いするよ」
「えぇ。あ、もしよければ、敷物などを敷いて下さい。それに、火にくべるものを」
二人は頷く。
そして去って行くと、代わりにあまり柄の良くない……つまりヒュルヒテゴットが途中で雇った護衛らしい人間が数人近づいてくる。
「うまそうだな!良い匂いだ」
「本当だな。おい、大盛りでくれよ」
「俺も俺も。それにしても、でかい馬車の女はギャアギャアうるさかったが、小さい馬車のお姫さんは本当に人形か妖精みたいだったよなぁ。どこの姫さんだ?」
「ヒヒヒッ、旦那が見初めたか……」
無視をしつつ料理を続ける二人に、
「おい、お前ら、あの、姫さんは旦那の愛人か?」
その言葉に、イタルはピシッと表情を強張らせる。
その横で表情を変えず、料理に専念していたディーデリヒは、それ以降もベラベラ喋る男たちを無視する。
すると、執事と半分の騎士が手伝いに来て、護衛の暴言に青ざめる。
「お、お前たちは、何を言っている!」
「失言は控えろ!」
「何でぇ。そんなにお貴族様が慌てるってことは、旦那が見初めたってことか」
「まぁ、最初見た時は子供だったが、着飾ると変わるもんだ」
「……お前達。殺されたいか?それとも命だけでも助かりたいか?」
低い声が響いた。
怒りとビリビリと刺さるような声に、振り返る。
ディーデリヒが続ける。
「下品な言葉はやめろ!雇われている身で、雇い主に対してあれこれ詮索するな!」
「ほぉ……お前、顔はいいが、昨日雇われたんだろう?先輩に対してそういう言葉はいけねぇな」
「誰が雇われたんです!」
イタルはハーブを選びながら睨む。
「僕はともかく、ディはヒュルヒテゴット様の客人!アスティはヒュルヒテゴット様の……」
「イタル、馬鹿は放っておけ。こちらはもうすぐ出来上がる。どなたかヒュルヒテゴット様にお伝えを」
「は、はい!」
執事は去るが、ディーデリヒの言葉に護衛達が怒り狂う。
「何だと!テメェ!」
「ガキのくせに!」
「もう19だ。それに、雇われている身でそんな失言、暴言は駄目だろう?そのまま解雇もあり得るぞ。それにしても最近品のない奴が多いな」
「コイツ!」
「ディーデリヒ様!」
騎士達が庇うように立つ。
「お前達!この方を誰だと思っている!先程通過したディレンブルク領の次期領主、ディーデリヒ・アーダルベルト・ディレンブルク様だぞ!」
「えっ!」
ざわつく男達に、別の騎士が言い聞かせるようにいう。
「それに、馬車に乗っていらっしゃるご令嬢は、これから向かうディーツ辺境伯領の当主エルンスト様のお嬢様でアストリット・エリーザベト・ディーツ嬢。旦那様の姪だ!失礼な、無礼なことを言うな!」
その言葉に青ざめる護衛達。
「やれやれ……侍女や執事から連絡は受けていたが、最近のギルドは役に立たない者を護衛に勧めるらしい。今後、あのギルドと手を切り、別のギルドをエルンストに紹介してもらおう」
姿を見せたのはヒュルヒテゴット。
「紙と羽根ペンを」
「はい」
ヒュルヒテゴットは携帯式の羽根ペンと没食子インクを使い、羊皮紙に文字を書き込むと、それを封筒に収め、蝋を垂らし、指輪に彫られた紋章を押して閉ざす。
没食子インクとは、砕いた没食子を水で溶いたものとアラビアゴムの混合物を煤や鉄塩で着色したものである。
「見張っている者の元にこの者たちを連れて行き、携帯食を与え、イヴァ、手間をかけるがこの書状を手に、この者たちとギルドに先に向かえ」
「はっ」
「あ、イヴァさんですか?アスティの作った保存食を使った食事をどうぞ」
「あ、ありがとうございます!……えと……」
「お前には遠回りして貰うことになる。先に食べておきなさい」
ヒュルヒテゴットは部下に声をかける。
別の者が、ギルドで雇った護衛を連れて行く。
「全く、最近のギルドはイタルのような者が少ない。知識もない品もない」
ヒュルヒテゴットはぼやく。
「あ、僕、アスティとディの所に滞在するので、ギルドを辞めようと……」
「それは到着してからでも十分だろう。だが、もう少しとはいえ、馬鹿どもを減らすと護衛が足りないな……」
「……私の猟犬と狼たちを呼び戻しましょうか?あれらは、護衛に充分です」
「大丈夫かな?」
「大丈夫です」
ディーデリヒは笑い、指笛を吹く。
返事なのか狼の鳴き声が響き、もう一度返すと、
「大丈夫です。そんなに離れていませんでした。食事の時間の間に戻るでしょう。あの……お願いがあります」
「何だ?」
「実は、フェルナンドに刺されて死にかけ、アスティに命を救われた狼がいます。昔は狩に出ていましたが、傷が深く元に戻らず、今はあまり長距離を走れません。でも、アスティには無条件で私同様主人だと慕うのです。もし、侍女の方がよろしければ、馬車に同乗は可能でしょうか?人に危害は加えません。それに、今一番近くにいるのが、そのアナスタージウスです。アナスタージウスの家族は先行していましたが、戻ってくるそうです」
「……狼……大丈夫か?」
侍女を見ると、
「犬のようなものでしょう?私、お屋敷では犬の世話もしておりましたし、大丈夫ですよ」
「と言うことだ。大丈夫だろう」
「ありがとうございます!」
ディーデリヒは頭を下げる。
もっと先に行っていると思っていたが、すぐにアナスタージウスの返事がした。
体力のある家族と離れ、猟犬たちと共にペースを落としていたらしい。
ちなみに、リューンとラウはアナスタージウスにくっついているので、余計に体力が奪われているらしい。
先に食事をする騎士たちに、ソーセージを入れたスープと保存食のパン、そして、燻製の肉を切って提供する。
塩漬けの肉や干した肉の多かった彼らは燻製肉に驚き、ガツガツと食べている。
その前に、ヒュルヒテゴットはアストリットを迎えに行っているので、その様子は見ていない。
「う、美味い!こんなに美味しいパンは久しぶりだ」
「それにスープも」
「いや、やっぱり、肉だよ肉!この肉は?」
「私が狩に行き、イタルが血抜きをしてさばいて、アスティが調理したものです。スープもパンもアスティが作ってくれたものですね」
「なんて素晴らしい!これは都の調理人と変わらない!旅の途中で食べられるなんて!」
感動する騎士たちにイタルは、
「デザートはどうですか?」
「デザートまであるのか!」
驚いた彼らの中には涙ぐむ者もいる。
ディーデリヒも知っているが、旅や遠征中は本当に塩辛いか味はないか、硬いかで散々な携帯食である。
こんな豪華な食事を旅の間に口にできるのは、大きな食堂のある街に泊まるかくらいである。
デザートに、アスティが梨を砂糖漬けにしていたものを配り、それも涙ぐむ。
イタルも、この食事が尋常じゃないのは理解できる。
スキルの高いアストリットのおかげで快適な食事ができるのである。
騎士たちが、満足して去っていくと、残りの騎士たちと執事と侍女、そしてヒュルヒテゴットに抱かれたアストリットが姿を見せる。
ヒュルヒテゴットにとって、可愛い姪は見せびらかしたくて堪らないらしい。
用意された席に着くと、自分の膝の上に乗せる。
そして、交代した騎士が捕まえている三人に食事を持っていき、イヴァは封書を持って馬に乗ったのだった。
…………………………………………
☆没食子インク……iron gall ink、iron gall nut ink、oak gall inkは鉄の塩と植物由来のタンニン酸から作られた紫黒色もしくは黒褐色のインクで、ヨーロッパでは筆記用及び描画用のインクとして9世紀から19世紀にかけて一般的に使われており、20世紀に入ってもよく使われ続けた。
☆没食子……英: Gallnuts / Oak apple / Oak gallとは、ブナ科の植物の若芽が変形し瘤になったもの。この瘤はタンニン成分を多く含み、これを抽出し染料やインクとした。
この瘤ができる理由は、若芽にインクタマバチCynips gollae-tinctoriae (Gall wasp)が産卵し、この瘤の中で成長するからである。
まぁ、ディーデリヒとイタルの獲ってきた獲物やハーブを、アストリットが保存食として調理しておいたものを、アストリットが調理しているのを見ていた二人が、その通り調理をするだけである。
侍女と執事は二人……特にディーデリヒのことを知っている為に、自分たちがと止めるのだが、ディーデリヒは、
「大丈夫、大丈夫。こちらは三人と罪人も三人だけど、ヒュルヒテゴット様以外の騎士、護衛たちは何人?」
「えと、十数人はおりますわ」
「じゃぁ、具沢山のスープにするか。燻製や干し肉はイタル、お願いするよ」
「えぇ。あ、もしよければ、敷物などを敷いて下さい。それに、火にくべるものを」
二人は頷く。
そして去って行くと、代わりにあまり柄の良くない……つまりヒュルヒテゴットが途中で雇った護衛らしい人間が数人近づいてくる。
「うまそうだな!良い匂いだ」
「本当だな。おい、大盛りでくれよ」
「俺も俺も。それにしても、でかい馬車の女はギャアギャアうるさかったが、小さい馬車のお姫さんは本当に人形か妖精みたいだったよなぁ。どこの姫さんだ?」
「ヒヒヒッ、旦那が見初めたか……」
無視をしつつ料理を続ける二人に、
「おい、お前ら、あの、姫さんは旦那の愛人か?」
その言葉に、イタルはピシッと表情を強張らせる。
その横で表情を変えず、料理に専念していたディーデリヒは、それ以降もベラベラ喋る男たちを無視する。
すると、執事と半分の騎士が手伝いに来て、護衛の暴言に青ざめる。
「お、お前たちは、何を言っている!」
「失言は控えろ!」
「何でぇ。そんなにお貴族様が慌てるってことは、旦那が見初めたってことか」
「まぁ、最初見た時は子供だったが、着飾ると変わるもんだ」
「……お前達。殺されたいか?それとも命だけでも助かりたいか?」
低い声が響いた。
怒りとビリビリと刺さるような声に、振り返る。
ディーデリヒが続ける。
「下品な言葉はやめろ!雇われている身で、雇い主に対してあれこれ詮索するな!」
「ほぉ……お前、顔はいいが、昨日雇われたんだろう?先輩に対してそういう言葉はいけねぇな」
「誰が雇われたんです!」
イタルはハーブを選びながら睨む。
「僕はともかく、ディはヒュルヒテゴット様の客人!アスティはヒュルヒテゴット様の……」
「イタル、馬鹿は放っておけ。こちらはもうすぐ出来上がる。どなたかヒュルヒテゴット様にお伝えを」
「は、はい!」
執事は去るが、ディーデリヒの言葉に護衛達が怒り狂う。
「何だと!テメェ!」
「ガキのくせに!」
「もう19だ。それに、雇われている身でそんな失言、暴言は駄目だろう?そのまま解雇もあり得るぞ。それにしても最近品のない奴が多いな」
「コイツ!」
「ディーデリヒ様!」
騎士達が庇うように立つ。
「お前達!この方を誰だと思っている!先程通過したディレンブルク領の次期領主、ディーデリヒ・アーダルベルト・ディレンブルク様だぞ!」
「えっ!」
ざわつく男達に、別の騎士が言い聞かせるようにいう。
「それに、馬車に乗っていらっしゃるご令嬢は、これから向かうディーツ辺境伯領の当主エルンスト様のお嬢様でアストリット・エリーザベト・ディーツ嬢。旦那様の姪だ!失礼な、無礼なことを言うな!」
その言葉に青ざめる護衛達。
「やれやれ……侍女や執事から連絡は受けていたが、最近のギルドは役に立たない者を護衛に勧めるらしい。今後、あのギルドと手を切り、別のギルドをエルンストに紹介してもらおう」
姿を見せたのはヒュルヒテゴット。
「紙と羽根ペンを」
「はい」
ヒュルヒテゴットは携帯式の羽根ペンと没食子インクを使い、羊皮紙に文字を書き込むと、それを封筒に収め、蝋を垂らし、指輪に彫られた紋章を押して閉ざす。
没食子インクとは、砕いた没食子を水で溶いたものとアラビアゴムの混合物を煤や鉄塩で着色したものである。
「見張っている者の元にこの者たちを連れて行き、携帯食を与え、イヴァ、手間をかけるがこの書状を手に、この者たちとギルドに先に向かえ」
「はっ」
「あ、イヴァさんですか?アスティの作った保存食を使った食事をどうぞ」
「あ、ありがとうございます!……えと……」
「お前には遠回りして貰うことになる。先に食べておきなさい」
ヒュルヒテゴットは部下に声をかける。
別の者が、ギルドで雇った護衛を連れて行く。
「全く、最近のギルドはイタルのような者が少ない。知識もない品もない」
ヒュルヒテゴットはぼやく。
「あ、僕、アスティとディの所に滞在するので、ギルドを辞めようと……」
「それは到着してからでも十分だろう。だが、もう少しとはいえ、馬鹿どもを減らすと護衛が足りないな……」
「……私の猟犬と狼たちを呼び戻しましょうか?あれらは、護衛に充分です」
「大丈夫かな?」
「大丈夫です」
ディーデリヒは笑い、指笛を吹く。
返事なのか狼の鳴き声が響き、もう一度返すと、
「大丈夫です。そんなに離れていませんでした。食事の時間の間に戻るでしょう。あの……お願いがあります」
「何だ?」
「実は、フェルナンドに刺されて死にかけ、アスティに命を救われた狼がいます。昔は狩に出ていましたが、傷が深く元に戻らず、今はあまり長距離を走れません。でも、アスティには無条件で私同様主人だと慕うのです。もし、侍女の方がよろしければ、馬車に同乗は可能でしょうか?人に危害は加えません。それに、今一番近くにいるのが、そのアナスタージウスです。アナスタージウスの家族は先行していましたが、戻ってくるそうです」
「……狼……大丈夫か?」
侍女を見ると、
「犬のようなものでしょう?私、お屋敷では犬の世話もしておりましたし、大丈夫ですよ」
「と言うことだ。大丈夫だろう」
「ありがとうございます!」
ディーデリヒは頭を下げる。
もっと先に行っていると思っていたが、すぐにアナスタージウスの返事がした。
体力のある家族と離れ、猟犬たちと共にペースを落としていたらしい。
ちなみに、リューンとラウはアナスタージウスにくっついているので、余計に体力が奪われているらしい。
先に食事をする騎士たちに、ソーセージを入れたスープと保存食のパン、そして、燻製の肉を切って提供する。
塩漬けの肉や干した肉の多かった彼らは燻製肉に驚き、ガツガツと食べている。
その前に、ヒュルヒテゴットはアストリットを迎えに行っているので、その様子は見ていない。
「う、美味い!こんなに美味しいパンは久しぶりだ」
「それにスープも」
「いや、やっぱり、肉だよ肉!この肉は?」
「私が狩に行き、イタルが血抜きをしてさばいて、アスティが調理したものです。スープもパンもアスティが作ってくれたものですね」
「なんて素晴らしい!これは都の調理人と変わらない!旅の途中で食べられるなんて!」
感動する騎士たちにイタルは、
「デザートはどうですか?」
「デザートまであるのか!」
驚いた彼らの中には涙ぐむ者もいる。
ディーデリヒも知っているが、旅や遠征中は本当に塩辛いか味はないか、硬いかで散々な携帯食である。
こんな豪華な食事を旅の間に口にできるのは、大きな食堂のある街に泊まるかくらいである。
デザートに、アスティが梨を砂糖漬けにしていたものを配り、それも涙ぐむ。
イタルも、この食事が尋常じゃないのは理解できる。
スキルの高いアストリットのおかげで快適な食事ができるのである。
騎士たちが、満足して去っていくと、残りの騎士たちと執事と侍女、そしてヒュルヒテゴットに抱かれたアストリットが姿を見せる。
ヒュルヒテゴットにとって、可愛い姪は見せびらかしたくて堪らないらしい。
用意された席に着くと、自分の膝の上に乗せる。
そして、交代した騎士が捕まえている三人に食事を持っていき、イヴァは封書を持って馬に乗ったのだった。
…………………………………………
☆没食子インク……iron gall ink、iron gall nut ink、oak gall inkは鉄の塩と植物由来のタンニン酸から作られた紫黒色もしくは黒褐色のインクで、ヨーロッパでは筆記用及び描画用のインクとして9世紀から19世紀にかけて一般的に使われており、20世紀に入ってもよく使われ続けた。
☆没食子……英: Gallnuts / Oak apple / Oak gallとは、ブナ科の植物の若芽が変形し瘤になったもの。この瘤はタンニン成分を多く含み、これを抽出し染料やインクとした。
この瘤ができる理由は、若芽にインクタマバチCynips gollae-tinctoriae (Gall wasp)が産卵し、この瘤の中で成長するからである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる