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第7章

【番外編】アルフィナとアンネリ

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「……ねー……ねぇね……ねーた」

 将来はお転婆娘確定のアンネリが初めて喋ったのは、調子が悪いのが続き、ぐずぐずと泣いているアルフィナのベッドの上だった。

「ねぇね、いーこ、いーこ」

 撫でるのは出来ないのでポンポンと叩いたのだが、ベルンハルドやアルフレッドは驚く。

「えぇぇぇ! アンネリが喋った!」
「アンネリ? もう一回言ってみて?」
「ねぇね、あにゅ、だ~しゅき! ねぇね、あんにゅ、いこ!」

 アルフレッドは、アルフィナを抱き上げ微笑む。

「アルフィナ? アンネリがアルフィナを『お姉ちゃん、大好き』だって。『泣かないで』って言ってるよ?」
「アンネリ?」
「ねぇね! いーこいーこ!」



 普段アルフィナは、アンネリによく頭を撫でて、

「いい子いい子、アンネリ、いい子。大好き!」

と言っていたのを覚えていたらしい。

「ねぇね、いーこいーこ。あーい」
「アンネリ……だいしゅき! ね、ねぇねも、アンネリ大好き!」

 お互い頭を撫でてアンネリは満足したのか、ハイハイをして、叔父のベルンハルドの元に行き抱っこをせがむ。

「ハイハイ。アルフィナ? 泣かないでいいよ? 疲れたんだから、ゆっくり休んで。アンネリだけじゃなく、皆アルフィナ大好きだからね? 元気になったら、お兄ちゃん達と皆でお出かけしようね?」
「あいっ」
「アルフィナ? 今日はお父様と寝ようね? 無理に頑張らなくていいんだよ? お父様はアルフィナ大好きだからね? それに、無理に頑張っているより、セシルやフェリシア達とニコニコ笑っている、お父様やお祖母様とお話ししてくれるアルフィナでいいんだよ?」

 アルフィナを抱きしめ、あやすようにする。

「大好きだよ。愛しているよ。私の可愛い娘……おやすみ。次目を覚ましたら、気分が悪いのが良くなるからね……」
「おとうしゃま……アユフィナもだいしゅき……」

 しばらくして、アルフィナの寝息が聞こえてきたのだった。



 そしてアンネリのおしゃべりは、アルフィナと叔父のベルンハルドの口癖から始まり、

「はぁぁ……どちて、あにゃにゃえのおにゃにゅななよう! 兄にゅえと母にゅえにょ、ウニャウニャ」
「よく覚えてるね……ベルンハルドの口癖」

ルシアンは楽しげに笑う。



 幼い子供達の成長を周囲は温かい目で見守っているのだった。
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