121 / 129
第10章
バロンは本当は、歴史の研究者になりたかったのです。
しおりを挟む
バロンは考える。
聖華紋は白百合……でも、それは現在の王家の紋章。
しかし、もしかしたら過去の紋章は百合ではなく、月下美人だったのかもしれない。
それに……。
前に読んだ発掘調査会の本を思い出す。
そこでの百合は純白ではなく、薄いものの黄色かピンク。
ピンクの百合の花言葉は『虚栄心』、黄色の百合は『偽り』。
純白は『純潔』だが、色が違うなら意味が違う。
記憶して後で調べようと思った。
そして、罠のチェックをしようとしたメイたちをとどめ、バロンは壁や床、天井を念入りにチェックする。
月下美人の中に一輪、何故か黄色味を帯びた百合を見つけ、それを押す。
すると、グラグラと足元が揺れ、慌ててジャンプする。
「な、何があったの?」
メイに抱きついていたマゼンタに、
「(壁の模様の中に、違う花があったから押したんだ)」
「違う花?」
「(月下美人の花言葉は『儚い美』『儚い恋』『艶やかな美人』なんだ。その中に、ここ……黄色に見えるでしょ? 百合。黄色の百合は『偽り』)」
「い、偽り?」
「(色によって違うんだよ。だから、見つけて押してみた……うん。出てきたね)」
バロンが飛んで逃げた地面には、地下に続く階段が現れたのだった。
「ヤッタァ!」
「行くぞ!」
「突進するな!」
メイが兄とユールを蹴りつける。
「本当に迷惑しかかけないんだから! 兄さんとユールのせいで全然進まないじゃないの! 一回帰る? 私、兄さんやユールと一緒はもうやだ!」
怒り狂うメイは、兄達をボコボコにすると、怒りが治らなかったのかボールのように蹴りつけた。
すると、ゴロゴロと二人は階段を転げ落ちていった。
その音に、冷静になったメイは、バロンとマゼンタを振り返る。
「ねぇ……ヤバい……かな?」
青ざめた親友に、マゼンタはニヤッと笑い、
「あの程度で死なないわよ。それに、本来、イザーク兄さんの教えてくれた正しい道をぶっ潰したのは、二人なんだから、もっとやればいいのよ!」
「(あ、あのね。僕、調べたいことがあるから、この通路壊さないでね。お願い!)」
バロンは双子の妹に頼む。
「まぁ、馬鹿に階段を綺麗にしてもらったと思って進みましょうか。行きましょう」
マゼンタはメイの肩を叩き、手を繋いで歩き出したのだった。
聖華紋は白百合……でも、それは現在の王家の紋章。
しかし、もしかしたら過去の紋章は百合ではなく、月下美人だったのかもしれない。
それに……。
前に読んだ発掘調査会の本を思い出す。
そこでの百合は純白ではなく、薄いものの黄色かピンク。
ピンクの百合の花言葉は『虚栄心』、黄色の百合は『偽り』。
純白は『純潔』だが、色が違うなら意味が違う。
記憶して後で調べようと思った。
そして、罠のチェックをしようとしたメイたちをとどめ、バロンは壁や床、天井を念入りにチェックする。
月下美人の中に一輪、何故か黄色味を帯びた百合を見つけ、それを押す。
すると、グラグラと足元が揺れ、慌ててジャンプする。
「な、何があったの?」
メイに抱きついていたマゼンタに、
「(壁の模様の中に、違う花があったから押したんだ)」
「違う花?」
「(月下美人の花言葉は『儚い美』『儚い恋』『艶やかな美人』なんだ。その中に、ここ……黄色に見えるでしょ? 百合。黄色の百合は『偽り』)」
「い、偽り?」
「(色によって違うんだよ。だから、見つけて押してみた……うん。出てきたね)」
バロンが飛んで逃げた地面には、地下に続く階段が現れたのだった。
「ヤッタァ!」
「行くぞ!」
「突進するな!」
メイが兄とユールを蹴りつける。
「本当に迷惑しかかけないんだから! 兄さんとユールのせいで全然進まないじゃないの! 一回帰る? 私、兄さんやユールと一緒はもうやだ!」
怒り狂うメイは、兄達をボコボコにすると、怒りが治らなかったのかボールのように蹴りつけた。
すると、ゴロゴロと二人は階段を転げ落ちていった。
その音に、冷静になったメイは、バロンとマゼンタを振り返る。
「ねぇ……ヤバい……かな?」
青ざめた親友に、マゼンタはニヤッと笑い、
「あの程度で死なないわよ。それに、本来、イザーク兄さんの教えてくれた正しい道をぶっ潰したのは、二人なんだから、もっとやればいいのよ!」
「(あ、あのね。僕、調べたいことがあるから、この通路壊さないでね。お願い!)」
バロンは双子の妹に頼む。
「まぁ、馬鹿に階段を綺麗にしてもらったと思って進みましょうか。行きましょう」
マゼンタはメイの肩を叩き、手を繋いで歩き出したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる