竜と王と剣と盾~改訂版

刹那玻璃

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始まりのご挨拶から……ぼっこぼこです(笑)

綾ちゃんは言霊を大事にしてる女の子です(大事ですよ?本当に)

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 アルドリーは、巨大な翼つきの犬にしか見えない漆黒の獣の頭を撫でながら、

「この子が俺の大事な友達のレイ・ロ・ウ・アルドリア。女の子だよ? この子はとってもお利口で良い子なんだけど……」

 急に唸り声をあげ、後ろ足で立ち上がると、蹴りかかろうとする。
 ちなみにその相手は……。

「アレク……一応父さん……やめてくれない? うちの子に飛びかからないでよ! この子は密猟者に襲われて、俺のところに逃げてきた子なんだよ!」
「希少種……エンナ……くれ!」
「やるか~! 俺の大事な友達なんだから!」

 アレクの手を振り払うと、周囲に、

「申し訳ないけど、基本的にレイは臆病で、神経質で、大人の男嫌いなの」
「でも……」

 甥のアルドリーだけではなく、美少女の顔立ちだがれっきとした男のフィアと、ルゥの父親を示す伯父の清秀せいしゅうに、

「シルゥじいとフィアちゃんは、調教師の資格を持ってるんだよ。だから、レイの様子を確認したり、これは駄目だと思ったら、即離れる。落ち着いていたら、訓練をするんだよ。パパファンもだよね?」
「まぁ……父様……親父どのが、基本的にと言うか徹底的に叩き込んだから……私も、何とか近づけるけれど、いつもこいつが……」

 懲りずに近づこうとするアレクを、今度こそ本気で投げ飛ばしたシュティーンは、

「いい加減にしろ! アレク! 全く。それでも父親か!」
「どうせ、子供たちにも嫌われてるし……良いんだもん♪」
「何が良いんだもん♪ だ! お前が、親としての自覚がないから駄目なんだ!」

 説教を始めるシュティーンを横目に、

「だから、なるべく……大人の男は……遠慮して? 女の子なら大丈夫だよ」
「むーちゃんは?」

 六槻むつきは、自分を示す。

「大丈夫……と言うより、レイ……六槻みたいに可愛い子、大好きだよね?」

 そうだと言いたげに、漆黒の尻尾を振る。

「じゃぁ、レイ? この子は六槻。カズールのお姫様。仲良くしてね? そして、この子……俺の妹のさーや。で、あやちゃんは……セイラさんの妹。六槻とさーやと綾ちゃん、仲良くしてね?」

 うんうんと何度も大きく頷いた漆黒の獣は、ご挨拶と言わんばかりにすりすりと頬をさすり、ベロ~ンとなめる。

「ふわぁ! レイちゃん可愛い! むーちゃんも大好き!」
「さーも! ぎゅっする!」
「……私が、触っても平気か?」

 だぼだぼとした大きな袖から出した手を、レイに見せ……、

「これは君を殴る為の手ではない。親指以外動かぬのだ。だから……触っても平気か? それと、姪の日向夏ひゅうか月歩つきほも仲良くしてほしい」

その言葉を理解できるのか、レイはすりすりと頬をすりよせる。

「日向夏。月歩。いいこいいこして、仲良くしてねと言うがいい」

 姪たちに告げ、綾は頬を寄せる。
 綾の様子を見た4才と2才の二人は、安心したように近づき、撫でる。

「いいこいいこ! ひゅーかだよ。レイちゃん。仲良くしてね! つきちゃんは、いいこいいこしようね?」
「う、うん。れーちゃんこにちは、つきなの。いいこするね?」

 撫でられ、レイはゆっくりと、小さい子供たちにすりすりとする。
 巨大な体躯に怯えられたら、レイ自身も悲しいからである。
 その様子に、周囲は特に幼児二人の両親は目を見開く。
 上の日向夏は、物怖じしないしっかりとした……少々お転婆な子供だが、月歩は人見知りが激しく、なにかが起こると怯え泣きじゃくる。
 しかし、今は……。
 ひょいっと、レイに背中にのせてもらった六槻と日向夏、月歩はゆっくりと歩き出したのにわぁっと歓声をあげる。

「いいなぁ……さーも」

 羨ましげな清夜さやに近づく純白のナムグ。
 首をかしげ、そしてひょいっと背に乗せ、綾も乗せると、レイの後を追うように歩き出す。

「わぁ! ありがとう! えっと、エーナちゃんでいい?」

 清夜は問いかけると、いいよ~♪ と言いたげに、

 きゅるん♪

と鳴く。

「……一度馬に乗ったけれど、それよりも乗り心地が良いし、それに、エーナ……?の毛並みの艶やかさは素敵だ」

 綾がエーナの背中を撫でながら呟くと、当然♪ と、再び、

 きゅるるん♪

と鳴く。

「賢いのだな……エーナは。私は綾だ。友達になってくれないか?」

 綾の言葉に、主のシルゥは微笑み告げる。

「綾ちゃんだっけ? エーナは、とっても綾ちゃんのことを大好きだって言っているよ? それにお友達にもうなっているんだから、これからもよろしくね、だって」
「……ありがとう。エーナ。それにシルゥ伯父も、私は大好きだ!あ、も、すみません。私は、言葉が……き、きつい、と……ごめんなさい。許してください」

 頭を下げつつたどたどしく謝罪するその言葉に、シルゥは、

「気にしていないよ? 綾ちゃん? この国は言霊ことだまの国でしょう? 嘘偽りは穢れになる。それに、ちゃんとグランディア……清野さやmpの言葉じゃなくシェールディア話しているじゃない。上手だよ? 伯父さんビックリしちゃった!」
「……ほ、本当に……?」
「うん。それにね? エーナに言ったありがとうは、とっても綺麗な発音で、やっぱり綾ちゃんは言霊を大事にしてるんだって分かったんだよ。だからね? お話ししてくれて、伯父さんの方こそありがとう。綾ちゃんの言葉は本当に、綺麗な言葉だね。素敵な女の子だね」

 シルゥの言葉に、綾はポロポロと涙を流す。

「え、な、泣いちゃった!伯父さん……悪いこと……」
「ううん。伯父上のことも、私は大好きだ! だから、ありがとう。伯父上もエーナも大好きだ!」

 綾は、突然シルゥの腕のなかに飛び込む。

「大好きだ! 伯父上。仲良くしてほしい」

 とっさのことで、よろけそうになったものの、華奢とはいえ騎士、受け止め微笑む。

「伯父さんも大好きだよ。仲良くしてね?」

 その様子に兄の隼人はやとは、眼鏡をはずし懐の手巾で涙をぬぐったのだった。
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