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神聖な閉鎖空間から、現実世界へ帰還です。
絶対安静面会禁止の清影様のいるところは?
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日々、飽くなき修行と思いつつ、生活していた清影だが、シェールドに来てすぐ、ぶっ倒れた。
しかも、意識のある最後の言葉が、
「私の可愛い盆栽に錦鯉、茶器が……壊れてしまったら、泣く……」
に、それを聞いていた周囲は涙が止まらなかったらしい。
繊細すぎる清影。
歳は72歳なのだが、苦労が多い上に短命のグランディアの民だと言うのに年齢未詳で若い。
美貌発掘人間のウェイトが、泣いて喜ぶ程の鋭い美貌と言うよりも優しげで童顔、でも漆黒の髪と瞳と色白の肌、立ち居振る舞いが優雅である。
しかし、昔は、生まれる前に16才年の離れた実の姉の六花が連れ去られ、産まれて二月後に母、清香が急死した。
父、清瀧は有耶無耶にしたが、グランディアでもシェールド程ではないが権力争いがあり、父は元々北澤と言う有力な一族の女性と結婚が決まりかけていたが、足立と言う権力から少々遠い下級一族の女性に一目惚れし、周囲の反対を押しきって生まれたのが3人兄弟。
六花の双子の兄でもある兄の清羅が、2才の時に婚約者の清歌を異空間に誘拐され、清歌は生還したものの、清羅は殺された。
その為たった一人の後継者だったのだが、元々癇癪持ちではなく、感情が薄く、周囲には見えない精霊、妖精、その上、精霊の神も見えた。
ぼっけー……
と、自分達を見つめる清影に、彼らは慌て攻撃したり、代わりに別のモノは庇ったり……と凄まじい様相だったと、見た瞬間目眩を感じたと言うヴィクターが告げた。
「主じゃなくて、友達……仲間と、特に風の精霊は思っていて、水の精霊も名前が水に関連するから取り合い。ちょっかいを出すのが火の精霊。渋い顔をしてたのが土の精霊……」
父親の清瀧もある程度理解していたらしく、しかし、小さいものの国の主として、他の権力を握ってあれこれと考える輩から国を守り、二人の子を失い愛妻の遺してくれた末息子に跡を継がせる為、必死にヴィクターに息子の養育を依頼した。
ヴィクターは、帰還の道が開かないこともあって引き受けたが、ボケーっとしているのが、元々はおっとりしているだけと理解し、一応どうしたんだろう? と困惑しているものの大人しい少年に言い聞かせて、精霊を制御したり、その上途中で、言霊使いだと分かった少年に力の使い方も教え込むようになった。
子供は反抗期もある。
その為、根気強く言い聞かせ、それに趣味を勧めた。
それを極めていったのは、清影の努力と天性の勘もあったのだろうが、その多趣味ぶりにもヴィクターは感動した。
「家の子は全くこっち方面は駄目なのに、何で、清影は教えただけでこんなに……師匠としても、勧めた人間としても嬉しいよ!」
「いえ、義父上のお陰です。10才で父もなく、後見もない人間がすんなり長になれたのは、この能力を動かす為の術や安定性を増す制御の方法です」
10歳で父を亡くし、グランディアの長となった少年は、自分の地位を理解していた。
しかし、それで納得できる程大人でもなかった。
「……北澤の? 私よりも10年上の方ではないか」
ある時見合いが決まり、その相手に眉を寄せる。
「それにこの方は、私が2才の時に父との間に婚礼の話が持ち上がった方。義理の母になられたかも知れぬ方と、私に結婚しろと皆は申すのか?」
グランディアには北澤、足立、宮下、大宮、風早と言う一族があり、現在清影は、宮下の姓を名乗っている。
有力な一族は北澤と大宮だが、最近、大宮は陰を潜めている。
大宮は清影の祖母の家系だが、清影の祖母は体が弱く、父を生んですぐ逝ってしまった。
それが穢れのきっかけだと、北澤に因縁をつけられているのである。
祖母が死んだのは病弱で出産、清影の母が死んだのも、さほど丈夫ではなかったからである。
それに……。
「あら、北澤のお姉さま。ご結婚のご報告ですか? おめでとうございます」
現れたのは清雅。
養父ヴィクターと、兄の婚約者の清歌の間の娘。
清歌は松崎姓だったので、松崎清雅。
松崎は、風早一族の分家である。
「な、何ですって? まだ、正式には決まっていないわよ!」
悲鳴のようなキンキン声が上がる。
不思議そうに清雅は、その狐目の女を示す。
「えっ? 何でですか? お姉さまの体の水が、小さなものを包んでいるのに。子供が出来ましたってことでしょう?」
「な、何だと?」
「北澤の……どう言うことか、教えて頂けるかな?」
「わ、ワシは知らん!」
「私も! その子供の言うことを、真に受けてはなりませんわ!」
叫ぶ親子に風早の長老が、
「水のお方。解りませぬか?」
とヴィクターを見る。
風早の長老とはいえ50代。
ヴィクターは、すでにその数倍である。
そして、北澤に権力が集中するのをよしとしなかった先代を知っている。
「お伝えしてもいいけれど、こう言った相談の後は、私の屋敷を荒らすものが多いんだ。ほーら、そこの。私の装飾品だよ。返しなさい! 返さなければ……」
風早の長と大宮の長以外から、全部を取り上げたヴィクターだが、
「まだ足りない。特に私が、愛しい人から貰った……指輪を……7つ。ピアスは二対、エイ。返して貰ってくれない? バラバラにしていたら……命はないと。ここは、風の力が強いだけじゃなく、水も土も炎も光もあるからね……取りに戻れ!」
出入口を示す。
「でなければ……」
周囲は見る間にかきくもり、そして、
ドカーン! バリバリバリ……!
凄まじい光と音と共に、横にそびえていた樹が一本、倒れていた。
「あれ位してあげよう。今すぐ返せ! 今日中だ! でなければ、奪った一族の家屋敷を全て壊しつくそう……構わないかな? エイ?」
「結構です。私も、誰が何の関係のない義父上の屋敷に、勝手に入り込んで盗み出したのか知りたいし……みやび、義父上、席を用意致します。恥ずかしい臣下の顔をご覧になられますか?」
席を用意させる。
出ていこうとしない長老達に、
「……これは楽しい。大宮のじい。共に貝合わせをしましょう。風早の長は、義父上と囲碁でも」
「そうですなぁ……」
と遊び始める。
じわじわと時間が過ぎ、
「面倒な。この社ごと、犯人を燃やし……」
囲碁も終えて、イライラ最高潮のヴィクターが呟いた目の前で、北澤の親子が出ていった。
「やっぱりな」
清影の呟きに、
「でも、大宮のじいと風早の長以外は、ちゃんと父上に謝って! 何なの? この世界って、人のモノを盗んで、笑っていられるの? 信じられない!」
清雅はかんしゃくを起こす。
「冗談じゃないわ! それに、さっきの本当よ! 見えたんだもん! 水の中でちっちゃな赤ちゃんが見えたんだもん!」
「と言うか、あのごり押しと言い、親子で計算しておるんでしょう」
「今結婚しておけば、少し早く出産でも、バレはしないと」
「そう言うのがおかしいんだよ」
ヴィクターは笑う。
「さっきも言ったように、エイはまだ12才で、結婚が早すぎる。しかも、長とはいえ12の子が、恋愛感情抜きで10才も上の女性に手を出したりはないね。性欲よりも勉強と動き回るのと食欲と睡眠。欲求は成長すれば現れるだろうけど、アァ言う子には出さないよ」
「義父上。私のことを馬鹿にしてますか?」
「いいや。いい子に育ったなぁと、お父さんは自慢だよ」
にっこりと笑って見せると、すねた顔で頬が赤い。
そういうところが、本当に可愛いのだ。
「女性と男性は、ある程度愛情の持ち具合が違うらしいから。それに、まだ精神的にも男性的にも幼いエイが、化粧がベタベタしている女性を好きになったりしないよ。潔癖だしね。選ぶならもっと、清潔感のある若い子だね」
「ほぉ……」
「義父上!」
そういう感じだった。
穏やかな空気にふっと目を醒ます。
側にいた、くるくるっと丸い真紅の瞳の少女が、
「あはは! 貴方、エイでしょ?」
「えっと……」
「あ、知らないっか。あたしは……」
世界が動き始める……。
しかも、意識のある最後の言葉が、
「私の可愛い盆栽に錦鯉、茶器が……壊れてしまったら、泣く……」
に、それを聞いていた周囲は涙が止まらなかったらしい。
繊細すぎる清影。
歳は72歳なのだが、苦労が多い上に短命のグランディアの民だと言うのに年齢未詳で若い。
美貌発掘人間のウェイトが、泣いて喜ぶ程の鋭い美貌と言うよりも優しげで童顔、でも漆黒の髪と瞳と色白の肌、立ち居振る舞いが優雅である。
しかし、昔は、生まれる前に16才年の離れた実の姉の六花が連れ去られ、産まれて二月後に母、清香が急死した。
父、清瀧は有耶無耶にしたが、グランディアでもシェールド程ではないが権力争いがあり、父は元々北澤と言う有力な一族の女性と結婚が決まりかけていたが、足立と言う権力から少々遠い下級一族の女性に一目惚れし、周囲の反対を押しきって生まれたのが3人兄弟。
六花の双子の兄でもある兄の清羅が、2才の時に婚約者の清歌を異空間に誘拐され、清歌は生還したものの、清羅は殺された。
その為たった一人の後継者だったのだが、元々癇癪持ちではなく、感情が薄く、周囲には見えない精霊、妖精、その上、精霊の神も見えた。
ぼっけー……
と、自分達を見つめる清影に、彼らは慌て攻撃したり、代わりに別のモノは庇ったり……と凄まじい様相だったと、見た瞬間目眩を感じたと言うヴィクターが告げた。
「主じゃなくて、友達……仲間と、特に風の精霊は思っていて、水の精霊も名前が水に関連するから取り合い。ちょっかいを出すのが火の精霊。渋い顔をしてたのが土の精霊……」
父親の清瀧もある程度理解していたらしく、しかし、小さいものの国の主として、他の権力を握ってあれこれと考える輩から国を守り、二人の子を失い愛妻の遺してくれた末息子に跡を継がせる為、必死にヴィクターに息子の養育を依頼した。
ヴィクターは、帰還の道が開かないこともあって引き受けたが、ボケーっとしているのが、元々はおっとりしているだけと理解し、一応どうしたんだろう? と困惑しているものの大人しい少年に言い聞かせて、精霊を制御したり、その上途中で、言霊使いだと分かった少年に力の使い方も教え込むようになった。
子供は反抗期もある。
その為、根気強く言い聞かせ、それに趣味を勧めた。
それを極めていったのは、清影の努力と天性の勘もあったのだろうが、その多趣味ぶりにもヴィクターは感動した。
「家の子は全くこっち方面は駄目なのに、何で、清影は教えただけでこんなに……師匠としても、勧めた人間としても嬉しいよ!」
「いえ、義父上のお陰です。10才で父もなく、後見もない人間がすんなり長になれたのは、この能力を動かす為の術や安定性を増す制御の方法です」
10歳で父を亡くし、グランディアの長となった少年は、自分の地位を理解していた。
しかし、それで納得できる程大人でもなかった。
「……北澤の? 私よりも10年上の方ではないか」
ある時見合いが決まり、その相手に眉を寄せる。
「それにこの方は、私が2才の時に父との間に婚礼の話が持ち上がった方。義理の母になられたかも知れぬ方と、私に結婚しろと皆は申すのか?」
グランディアには北澤、足立、宮下、大宮、風早と言う一族があり、現在清影は、宮下の姓を名乗っている。
有力な一族は北澤と大宮だが、最近、大宮は陰を潜めている。
大宮は清影の祖母の家系だが、清影の祖母は体が弱く、父を生んですぐ逝ってしまった。
それが穢れのきっかけだと、北澤に因縁をつけられているのである。
祖母が死んだのは病弱で出産、清影の母が死んだのも、さほど丈夫ではなかったからである。
それに……。
「あら、北澤のお姉さま。ご結婚のご報告ですか? おめでとうございます」
現れたのは清雅。
養父ヴィクターと、兄の婚約者の清歌の間の娘。
清歌は松崎姓だったので、松崎清雅。
松崎は、風早一族の分家である。
「な、何ですって? まだ、正式には決まっていないわよ!」
悲鳴のようなキンキン声が上がる。
不思議そうに清雅は、その狐目の女を示す。
「えっ? 何でですか? お姉さまの体の水が、小さなものを包んでいるのに。子供が出来ましたってことでしょう?」
「な、何だと?」
「北澤の……どう言うことか、教えて頂けるかな?」
「わ、ワシは知らん!」
「私も! その子供の言うことを、真に受けてはなりませんわ!」
叫ぶ親子に風早の長老が、
「水のお方。解りませぬか?」
とヴィクターを見る。
風早の長老とはいえ50代。
ヴィクターは、すでにその数倍である。
そして、北澤に権力が集中するのをよしとしなかった先代を知っている。
「お伝えしてもいいけれど、こう言った相談の後は、私の屋敷を荒らすものが多いんだ。ほーら、そこの。私の装飾品だよ。返しなさい! 返さなければ……」
風早の長と大宮の長以外から、全部を取り上げたヴィクターだが、
「まだ足りない。特に私が、愛しい人から貰った……指輪を……7つ。ピアスは二対、エイ。返して貰ってくれない? バラバラにしていたら……命はないと。ここは、風の力が強いだけじゃなく、水も土も炎も光もあるからね……取りに戻れ!」
出入口を示す。
「でなければ……」
周囲は見る間にかきくもり、そして、
ドカーン! バリバリバリ……!
凄まじい光と音と共に、横にそびえていた樹が一本、倒れていた。
「あれ位してあげよう。今すぐ返せ! 今日中だ! でなければ、奪った一族の家屋敷を全て壊しつくそう……構わないかな? エイ?」
「結構です。私も、誰が何の関係のない義父上の屋敷に、勝手に入り込んで盗み出したのか知りたいし……みやび、義父上、席を用意致します。恥ずかしい臣下の顔をご覧になられますか?」
席を用意させる。
出ていこうとしない長老達に、
「……これは楽しい。大宮のじい。共に貝合わせをしましょう。風早の長は、義父上と囲碁でも」
「そうですなぁ……」
と遊び始める。
じわじわと時間が過ぎ、
「面倒な。この社ごと、犯人を燃やし……」
囲碁も終えて、イライラ最高潮のヴィクターが呟いた目の前で、北澤の親子が出ていった。
「やっぱりな」
清影の呟きに、
「でも、大宮のじいと風早の長以外は、ちゃんと父上に謝って! 何なの? この世界って、人のモノを盗んで、笑っていられるの? 信じられない!」
清雅はかんしゃくを起こす。
「冗談じゃないわ! それに、さっきの本当よ! 見えたんだもん! 水の中でちっちゃな赤ちゃんが見えたんだもん!」
「と言うか、あのごり押しと言い、親子で計算しておるんでしょう」
「今結婚しておけば、少し早く出産でも、バレはしないと」
「そう言うのがおかしいんだよ」
ヴィクターは笑う。
「さっきも言ったように、エイはまだ12才で、結婚が早すぎる。しかも、長とはいえ12の子が、恋愛感情抜きで10才も上の女性に手を出したりはないね。性欲よりも勉強と動き回るのと食欲と睡眠。欲求は成長すれば現れるだろうけど、アァ言う子には出さないよ」
「義父上。私のことを馬鹿にしてますか?」
「いいや。いい子に育ったなぁと、お父さんは自慢だよ」
にっこりと笑って見せると、すねた顔で頬が赤い。
そういうところが、本当に可愛いのだ。
「女性と男性は、ある程度愛情の持ち具合が違うらしいから。それに、まだ精神的にも男性的にも幼いエイが、化粧がベタベタしている女性を好きになったりしないよ。潔癖だしね。選ぶならもっと、清潔感のある若い子だね」
「ほぉ……」
「義父上!」
そういう感じだった。
穏やかな空気にふっと目を醒ます。
側にいた、くるくるっと丸い真紅の瞳の少女が、
「あはは! 貴方、エイでしょ?」
「えっと……」
「あ、知らないっか。あたしは……」
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