わたくしは親も兄弟もおりません!自由にさせていただきます!……はぁぁ?今更何をおっしゃいますの?

刹那玻璃

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番外編を集めてる^_^ ねこネコ(=^ェ^=)

【番外編】うちの子たちは可愛い……ラファ目線目線

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『はじめまして』
『俺がラファエル。よろしくね』
『この子が、息子のメオだよ』



 ルナが倒れてから初めて、俺は彩映に会う。

 病気の前は頭が重そうというか、身体が痩せすぎで、手足が長くて、まんまるの瞳が大きくて、ずっと何かを考えているのか好奇心の塊という感じでキラキラしてた。

 オレが出張の間、時々連絡をもらっていたが、一時はかなり危険だったらしい。
 元気になったというので来たが、体格はあまり変わらないが、うーん……めちゃくちゃ可愛いな。
 うん、叔母にあたる二葉そっくりだし、ちぃにも似てる。



 最初から、ちぃの娘で良かったんじゃないかな……彗兄には悪いけど。
 一応、パパと呼ばれるのはちぃと、うちの陛下……幸矢兄、そしてレクに落ち着いたらしい。
 じーじはそのまま、シュウ師匠。
 おじいさまを誰にするかで、元父親の父……実の祖父の彗兄と、日向夏や俺の那智の父である義父が、喧々轟々の立ち回りをしたらしい。
 どちらも彩映が可愛くてたまらないから、おじいさまって呼ばれたいし、全力で可愛がりたいんだろうと思うけど、一応俺は、彗兄におじさんで我慢した方がいいと言っておいた。
 千夏と風深と兄妹になる彩映。
 千夏たちがおじいちゃんと呼ぶ義父を、同じように呼ばせる方が混乱はない。

 ついでに、ママは日向夏と二葉、そしてベランダの向こうにいるドラゴンのマレーネと、乳母のノエルをそう呼ぶらしい。



 そして、彩映は前は邪魔だからと言ってポニーテールだったが、今はツインテールで、ちぃデザインの膝丈のパステル色のワンピースだ。
 フリルもレースも少なめだけれど、上品だ。
 代わりに、うさ耳フードの上着を着ている。
 おい、可愛いな。うちのメオにも着せようか……。

 ちなみに前に着ていたのは紺色とか黒、ダークグレーにダークブラウンの襟がきっちり閉じられた服。
 濃い色は細く見えるというが、本当にひょろひょろしていた。
 色といい形といい、6歳の子供らしくなかった。
 その上にはエプロンドレス。
 それは、発明研究の時に服が汚れないようにというんだから、ますます子供らしくない。
 時々着ていた可愛い服は、ほとんどちぃ作だったのだから、親がちゃんと選んでないのかわかる。

 一応、祖父母である彗兄たちも、可愛い服を着せようとしたらしい。
 しかし、仕立て屋に布地を持ってきてもらうたびに、元バカたちがひいきひいきと文句を言い、自分の子供の服を仕立てろとか、嫁の服の生地をくれといいものは全て強奪し、残ったのが濃い色の布ばかり。
 しかし、それでいいというルナに、泣きたくなったと言っていた。
 ちなみにバカ嫁は、ルナのためのピンクの布で、レースやリボン過多の普段着なのにどこで着るんだ? 裾が床に擦れてるぞという、無駄に意味のない膨らんだスカートのドレスを作り、それを向こうに持っていった。
 どこで着るんだ? 売るのか? 売っても布代にもならないぞ。
 解いて、子供服にすれば売れるだろうな……。
 着てたら笑ってやろう(実は、着ている)。



「はじめまして。お兄さん」

 にっこり笑う顔は、本当に幸せそうだ。
 ちぃや日向夏に、可愛がられているんだろうな。
 昔は、あのバカ両親に愛されたいと思っていたのだろう……悲しそうな顔をしていることもあり、とても痛々しかった。
 今は、目も耳も不自由だというが、穏やかで落ち着いている。
 でっかいうさぎのぬいぐるみをそばに置き、先まで風深と絵本を読んでいたらしい。

 あれ?

 千夏が大きな画用紙に文字を書く。
 それをみせて、彩映は頷く。

 これで意思疎通をしているのか……。
 しかも、結構大きな文字を書くんだな。
 漢字は読めるみたいだが、これだけの距離なのに、かなり視力が悪いのか。大変だ……父さんや伯母上にデザインしてもらって、眼鏡でも贈るか……。

 それにしても、ニコニコしていると嬉しくなるな。
 こちらもまだ、記憶がないみたいだが、何か気になってこっちを見てるみたいだ。
 あぁ、胸元のこのペンかな?

 差し出された画用紙に文字を書く。

『この胸元のペンは』
『彩映がくれたものだ』

 見せると、うんうんと頷き、

「そうなのですか? お兄さんにぴったりです。嵌め込まれた宝石は、那智ちゃんの色ですね」

 そうそう。
 プレゼントだと渡してくれた時、

「……ラファパパは、那智ちゃんと一緒に出かけられないでしょう? だから、那智ちゃんの色なのです!」

そう言ってくれたな。

『那智のには、俺の目の色だ』
『去年の結婚記念日にくれた。宝物だ』

 書いてみせる。

「良かったです。じゃぁ、今年は何を贈りましょうか……」

『今年はいい!』
『彩映やメオが元気ならいい!』

 慌てて首を振った。



 本当にいらないんだ。
 那智と俺は、まだ子供がいない。
 できにくいだろうというのは、実は結婚前にわかっていた。
 那智は身体が丈夫な方じゃないし、俺も仕事が忙しい。
 だから那智が大丈夫になるまで、俺も仕事が落ち着くまで、二人きりの生活を楽しみたかった。
 それにどうせ後継者問題なんかも、俺は養子だし、リーがいるのだからと思っていたが、父さんが、

「跡取りはラファ。リーダイルが後継者の意思なしだそうだ。ファーもその方がいいそうだ」
「えぇぇ!」
「それにファーが、ラファがウィンのところに帰ったら悲しいと言っていた。ウィンのところに帰るのはいいが……まぁ、向こうが離婚すればなお良い」

……それは俺も同意見だ。
 そう言う話をしていたら、弟……従兄弟であり、養父の息子であるリーがとうとうしでかした。
 仕事中毒だった俺でもしないぞ……騎士団の武器庫に、メオ置き去り一晩。
 暑い地域の上、まだ4歳のメオは水も飲まずにいた為、ひどい脱水症状と高熱で倒れた。
 それだけじゃなく、彩映とは違い目は見え、耳も聞こえるのに、心を閉ざしてしまった。
 食事も拒否して、ぼーっとしているだけ。
 孫を心配した父さんが駆けつけて、オロオロしていたリーを殴り飛ばし、連れ帰って、即、俺と那智の息子にしてくれた。

 今腕の中にいるのは、俺たちの息子メオ。
 今度親子3人で、お出かけしようと思ってる。

 メオはちょっと大人しいし、おっとりとしているが、何故か俺にそっくりなんだよな……。
 俺もリーも、父さんに似ているし、メオも似てる。
 リーは精悍だが、メオはタレ目とホクロの位置が俺と一緒。
 那智と会いに来た時、本気で驚いた。
 うわぁ……俺の小さい頃に似てるって。
 ファー母さまも、うちの母さん……実母……も、俺を職場から連れてきて引き合わせ、泣いて喜んだ。
 今はまだ、俺や那智に慣れていないから、父さんに半分預ける感じだが、落ち着いたら3人家族で暮らしたいと思っている。

 メオは4歳だが、ちょっと痩せ気味だ。
 それに、俺のそばでコチコチになっている。
 緊張しているんだな……。



 その間に那智が、紙に文字を書いていて、彩映に見せた。

『いろはちゃん、お菓子を作ってきました』
『みんなで食べましょうね』

「はい! じゃぁ、メオくん。こちらにどうぞ」

 立ち上がると、席をすすめる。
 ……うん、何度も言うが、可愛い……。
 示されたのは千夏の横。
 緊張するメオを抱いてそこに座る。
 那智は一人用のソファに座った。

 モジモジしていたメオの手首を握って、手をぶらんぶらんさせてみる。
 コチコチだな~。
 この間お出かけした時には、歩くのも緊張して、右手と右足が一緒に出てた。
 もう少しリラックスしないかなぁ……。

 何かないかと思ってキョロキョロしていたら、千夏が俺を見た。

「どうしたの? ラファ団長」
「うーん、メオは人見知りで、今緊張してるみたいなんだ。でもみんなのこと嫌いじゃないから」
「うん。わかってるよ。メオ? よろしくね? 千夏だよ」
「よ、ろしく、でしゅ……メオでしゅ」

 メオは顔を真っ赤にして、小声で必死に言葉を紡ぐ。

「おきいきししゃん……しかいなかたの……おにいしゃん、おねえしゃん、うれしい」
「そうなんだ~大人ばっかりだったんだね。じゃぁ、オレや風深と彩映と遊ぼうよ。ね?」

 ニコッと笑い、メオと握手をした。

 あぁ、リー夫婦が忙しかったらしいから、大人しく控室で過ごしていたらしいって聞いたけど、本当だったのか……。
 言い訳にしかならないけど、子供がいるんだ、転属願いとか出して、働きやすい職場に異動してもよかったのに……。

「メオ、向こうにいる小さい子が弟の風深。そして隣が彩映だよ。彩映はこの間まで重い病気で、目と耳が悪いんだ。今、こうやってお話ししてるからね」

 千夏がテーブルの紙に文字を書き、順番に見せていった。

『メオ、人見知り。緊張してる』
『でも、嫌いじゃないって』
『同じくらいの子と遊んだことなかったんだって』
『今日来て嬉しいってメオ言ったよ』

 じっと文字を追った彩映は、何度も頷く。

「良かったです……あ、くまちゃんです!」

 思い出したように立ち上がると、ゆっくりとベッドまで歩いて行く。
 前はちょこまか走っていたけれど、まだ体力が回復していないんだな。

 ベッドの上にはぬいぐるみの山……誰がどれを渡したのかは正確にはわからないが、もう思いっきり愛情全開って感じだな……あ、多分、あのブルードラゴンは陛下だ。
 その中から、金の毛色のクマを抱き戻ってくる。

 うわぁ……お人形のように可愛いツインテールの彩映が、セーラーカラーの服を着たクマを抱っこしてトコトコ歩いてる。
 めちゃくちゃ、可愛いなぁ……おい!

 そういえば、ちぃが、

「うちの子、あげませんからね! あぁぁ……レクも幸矢兄もパパ呼びさせるし! ラファ兄までパパになったら、俺の立場がない!」

って言ってたなぁ……俺もパパってよんでもらおうかな。

 そして、メオを抱いた俺に近づくとクマを差し出した。

「はい! メオくん。これは簡易お休みキットです! くまちゃんの服をめくったら、ファスナーで、その中にブランケットが入ってます」
「!?」

 硬直するメオの上で、俺は横を向いてつい吹き出した。

 やばい……彩映は、見た目は変わったが、中は昔のまんまだ。
 昔は多分、部屋に置いておいたら、あのチビに盗られてたんだろうなぁ……ぬいぐるみとかリボンとか。
 今は盗られないから、腕に抱いたりベッドやソファに置ける。
 そうすると、多分、そのぬいぐるみたちを置いておく理由を作りたくなったんだろう。
 もう誰も奪ったりしないけれど、奪われない方法、理由を。

「はぁぁ……わたくし、このもふもふ大好きなので、ずっと持ち歩きたいのです。でも疲れたときにおやすみできるよう、ブランケット収納です。もし、大事なものがあったらそれも入れられますよ。例えば、ペンとか手帳とか非常ベルとか」

 ……やっぱりな。

 そっちの方も考えると思った。

 楽しそうに中から取り出してみせる彩映。

「わたくしや風深ちゃんが迷子になったら困るので、簡易お休みくまちゃんと、緊急事態対策ドラゴンさんをパパと一緒に考えて用意しました。でも、わたくしにはこのうさちゃんがいるので、メオくんにあげます」

 わたわた……俺と彩映を交互に見るメオ。

 俺が4歳の時は、もっと口巧者で可愛げがなかったぞ。
 めちゃくちゃ可愛いな……俺の息子は。
 那智に似て、このまま可愛く育ってくれ……。

「いいの? お、おねえしゃんのだいじなもの……ちがう?」

『いいの? いろはの宝物じゃないの?』
『って、メオ言ってる』

 筆記通訳凄いぞ、千夏。

「いいのです! 次は、もっと重さを調整できるものを作って、ぬいぐるみリュックやバッグを考えてます。メオくんは大事な従兄弟でお友達なのです。もらってください」

 渡されてメオは、クマの頭を撫でて、俺を見る。
 ニコニコ……頬を赤くして笑うメオは本当に可愛い……俺はメオの頭を撫でた。

 メオは彩映を見て、お礼を言った。

『ありがとうってメオが言ってる』

「仲良しなのです!」

「よかったな、メオ。クマさん、可愛いな?」
「うん! パパ。メオ、うれしい」



 しばらくして、疲れて昼寝を始めた彩映を日向夏たちがベッドで休ませ、千夏が風深とメオと中庭の木陰で輪投げをして遊ぶのをバルコニーで眺めながら、先日、出張から帰ってすぐちぃと話したことを思い出し、ため息をついた。
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