40 / 68
番外編を集めてる^_^ ねこネコ(=^ェ^=)
【番外編】厄介ごとがやってきた……ちぃちゃん目線
しおりを挟む
「そんな顔すんなよ……俺だって、お前に嫌われたくないんだ」
……いや、俺も、兄弟子で義兄弟……お互いの嫁が姉妹でもあるラファ兄を嫌ったりはしない。
嫌なのは、ラファ兄との間を挟む、テーブルの上のモノだ。
俺……千夜だ……は手を合わせ、頭を下げる。
「俺は見ませんでした! 聞いてもいません! 今日時間がなくて、ラファ兄に会わなかったので、期限切れでポイしてください!」
「期限はない! ナマモノじゃないし、イキモノでもない! 場所を取るものじゃないから、いつでもどこでもお前に見せるとも!」
「いーやーだー!」
「……お前の気持ちはわかるが、簡単にポイできるモノじゃないんだ」
腕を組み、背もたれにもたれかかるラファ兄を恨めしげに見る。
「あぁぁ~! ラファ兄に会う前に、幸矢兄に会うんじゃなかった! いや、幸矢兄を悪者にしてはいけない! 今日、来るんじゃなかった!」
「俺もこんな厄介なモノ、預かるんじゃなかった!」
二人して頭を抱えるしかない。
俺は、彩映の体調が良くなってきたのを主治医のアルスさまに太鼓判を押してもらい、そのあと戸籍を正式に整えるために王宮に出向いた。
戸籍を扱うのはカズール伯爵。
現在は騎士団総帥である大叔父が当主で、当時は彩映から目が離せないため、書類提出だけは親族に頼んだが、手続き完了の書類は自分で取りにこいと言われた。
ついでに、俺自身が長期休暇を取っていたため、職場に次の出勤日の確認と上司達に挨拶にとも思ったのだが……。
出張から帰還したことをラファ兄が先に報告していたらしく、
「ちぃ。ラファが、いつでもいいから会いたいって言ってたよ」
と気安くお声をかけてくださったので、つい、
「忙しいラファ兄……白騎士団長に手間をおかけするより、いらっしゃるようでしたらお会いしておきます」
と言ってしまったのだ。
後悔先に立たず……その言葉通り。
「……なんで、こんなもん、持ってたんだ? あいつは……売っ払っておけばいいものを!」
「……はぁぁ……本当にな……俺も少々目が利くと思ってたんだが、まだまだだな。これ、ごく普通のエメラルドのついたネックレスだと思ったんだよ」
「俺も分かりませんよ……あいつなら、この大きさでも小遣い程度で買えそうじゃないですか」
「そうなんだよ……世界一の金持ち一族の坊ちゃんだ。普通に持ってそう……だからと思ったのが間違いだった!」
ラファ兄は髪をかきむしる……。
俺は硬くてまっすぐの黒髪だが、柔らかそうな明るい金色の髪がぐしゃぐしゃになる。
あぁ、羨ましい。
俺のは髪の毛が多いし重い。
短く切るより、梳いてもらいたいが、手入れが面倒ということで、適当に伸ばして編んでいる。
ラファ兄はおしゃれだ……。
「ラファ兄。あんまりかきむしるとハゲるよ? 切れ毛とか、枝毛になったらどうすんの?」
「……ほぉ……ちぃは、俺がハゲると言いたいのか?」
「いや、いいなぁと思って。俺の髪は重いし多いし……」
「そんなこと言ってる奴が、まずハゲるんだぞ」
その言葉に俺は、慌てて編んだ髪を抱きしめる。
ハゲは嫌だ……。
「そこで、話を逸らせてそのまま終わらせようとしないんだよ? ラファ、ちぃ」
にっこりと笑うのは、幸矢兄……。
「終わらせてくださいよ~! もうこれ、王宮に置いて帰ります!」
「いらないって、そんなの。俺、使えないし必要ないもん。蒼記だって、面倒って言ってたよ?」
「面倒って! これ、めちゃくちゃ容量のある空間魔法付き鞄だって言ったの、幸矢兄じゃないですか!」
「いやいや、正確に言うとそれ、エメラルドのネックレスっぽく見せてるけど、石自体が魔法石で、マジックバッグに加工したモノなんだよ」
その言葉に、気味わるげに、テーブルの上のネックレスを見る。
真ん中には、大きな四角いカットを施した緑色の石。
周りには、小さく細かいダイヤモンドが埋め込まれ、存在感がありまくり、無駄に派手な装飾のそれである。
「こんな派手なの、彩映に渡すことを考えるバカが悪いわ~! こんなん、彩映に似合うわけないだろ! 彩映にはリスティル陛下が下さった、小さい宝石を埋め込んだプチネックレスの方が似合うわ!」
「それは否定しないね」
幸矢兄は同意するように何度も頷き、ラファ兄は不思議そうな顔になる。
「なんなんだ、それ」
「いま、普段使いしてますよ。こんな小さいピンクダイヤモンドとパパラチアサファイアが花の模様に埋め込まれたもので、うちの子、色白でふぅちゃんに似てて可愛いでしょ? 胸元に飾ると、ものすっごくよく似合うんですよ~! でも、普通のイミテーションって、本人には言ってます。あれ、国宝並みの価値ですから……」
「そりゃ、ルーズリアのピンクダイヤモンドは、リスティル陛下の山でしか発掘されないもんな……」
すごいものもらったな……その言葉に頷く。
「一応、大きな石をカットする時に残った、ちょっと形は歪で公式な贈答用に使えないクズ石ばかりとは言ってたみたいなのですが、それでも最高級の色、透明度、傷なしのものが5つも埋め込まれてて、サファイアはパパラチアサファイア、合計6つです。全部合わせても一カラットもないものでも、リスティル陛下が自分で作られたってだけで……」
「うん、国宝、文化財級だ」
「それ一つでも、彩映に持たせるのも迷ったのに~!」
「まぁ、俺がちぃなら、いらないっていう気持ち、わかるんだよな……でも、空間魔法付きだなんて……早いとこ気づいてればよかった! 見てわからなかったのか、俺!」
いや、俺だって、見た目普通のエメラルド……まぁ、非常に大粒で、無駄に派手なもの……にしか見えなかった。
お金を使いまくっていた馬鹿……彩映の元父なら買うだろうと思うような品。
送り届ける際に、二人きりになった時に、
「俺は持っていても仕様がないので、あの子に渡してください」
と、珍しく真剣な面持ちで渡されたので、ラファ兄は幼なじみのよしみで受け取ったらしい。
しかし、帰ってすぐ、帰還の挨拶に訪れた王宮で、国王であり兄弟子である幸矢兄が、
「……たいそうなもの預かってきたんだね。ラファ。めちゃくちゃ重い、重い、おも~い荷物」
と嫌そうな顔で言ったそうだ。
「重いって……重くはないですよ? このサイズです。無駄にデカイのが趣味悪いなーってくらいで」
「何言ってんの。それ、空間魔法付きの魔法石だよ? 見た目エメラルドに見せてるだけ。それに、一つの石じゃない。複数の石が光や力を屈折させて増幅してる。結構入るよ?」
「えっ? 俺のベルトにつけるポーチくらいですか?」
「そんな、騎士団で渡されるポーチくらいなわけないでしょ? その程度なら言わないよ……うーんと、最低でも部屋一つ分。持ち主によっては謁見の間くらいは入るかな……誰の持ち物だったの? まぁ、聞かなくてもわかるけどさ」
と言われたため、青ざめたラファ兄が俺が来るまで待機していたらしい。
「全く……こんなものどこで見つけたんだか……マルムスティーン家の宝物庫から、かっぱらっていったのかな?」
「それはないよ。一応、マルムスティーン家の宝物庫は厳重に管理してるし、彗やおじいさまたちだって目を光らせてるから。それに、そういう最高ランクのものは、後継者がはっきりするまで見せてもない。多分、怪しいところで見つけたんでしょ。あの子はなんだかんだ言って、そういうもの見極める《目》は優れてたから、ねぇ? 彗」
「うん……」
彗兄は沈痛な面持ちで頷く。
……ちなみにあいつのことを思い出していたのではなく、ルナリアだった彩映が俺の娘になり、今まで《おじいさま》呼びだったのに、《おじさま》呼びに格下げになったのがショックだったらしい。
《おじいさま》の方が《おじさま》より年寄りくさいのではないか……とも思うのだが、
「《おじさま》なんて、あちこちにいるでしょ? ちぃはいいよ! あの可愛い彩映にパパってよんでもらえるんだもん! ラファだって、後宮騎士団のみんなだって、彩映からすれば《おじさま》じゃないか! レクもエルもリーも! セイだってそうだよ! それに、同年代は全部《おじさま》! それに比べて《おじいさま》は特別じゃないか!」
「いや……そこで、泣きながら拳を振り回されても……」
「隼人兄さんに《おじいさま》とられた~! 僕の孫なのに~!」
「……傷心中だから、あまり突っ込まないであげな。彗の孫は嫁いだ娘のとこに男しかいないでしょ? 内孫で、女の子の彩映はめちゃくちゃ可愛いんだよ。うちは、娘しかいなかったからあまり思わなかったけど、孫娘、欲しいなぁ……うちも男ばかりだし、暑苦しい」
「ほら! 幸矢だって男は暑苦しいって言ってる!」
食ってかかる彗兄。
「でも、一応俺は、彩映に幸矢パパだよ? よかったね。彗おじさま」
「うわーん! 僕もパパがいい!」
「やめてくださいよ! ママは日向夏とマレーネ、乳母のノエルとふぅちゃんで一杯一杯で、パパは俺とレク、幸矢兄までです!」
必死に拒否する。
これ以上増えては、パパも価値が下がる。
「でも、このエメラルドもどき、彩映に持っておけって言うんですよね? でも、ネックレスじゃ無理ですよ。こんなの趣味悪いです」
リスティル陛下からの貰い物で首は埋まっているし、こんな大きすぎる石、彩映に似合うはずもない。
だから増やせないというか、増やしたくない!
「じゃぁ、ブレスレットというよりバンクルにしてもらおうか? フェルディ様にお願いするよ? 魔法石ならお手の物でしょう」
「お願いできますか? あ、お金……」
高いだろうなぁ……遠い目になる。
すると、はいっと手をあげるのは彩映の実の祖父。
「お金は僕が持ちます! 僕から快気祝いであげるってことにする!」
「お願いします……」
「やった! じゃぁ、重さは少ないようにしてもらって、可愛い装飾にしてもらおうかなぁ……」
改めて彩映は、愛されているんだなと思ったのだった。
……いや、俺も、兄弟子で義兄弟……お互いの嫁が姉妹でもあるラファ兄を嫌ったりはしない。
嫌なのは、ラファ兄との間を挟む、テーブルの上のモノだ。
俺……千夜だ……は手を合わせ、頭を下げる。
「俺は見ませんでした! 聞いてもいません! 今日時間がなくて、ラファ兄に会わなかったので、期限切れでポイしてください!」
「期限はない! ナマモノじゃないし、イキモノでもない! 場所を取るものじゃないから、いつでもどこでもお前に見せるとも!」
「いーやーだー!」
「……お前の気持ちはわかるが、簡単にポイできるモノじゃないんだ」
腕を組み、背もたれにもたれかかるラファ兄を恨めしげに見る。
「あぁぁ~! ラファ兄に会う前に、幸矢兄に会うんじゃなかった! いや、幸矢兄を悪者にしてはいけない! 今日、来るんじゃなかった!」
「俺もこんな厄介なモノ、預かるんじゃなかった!」
二人して頭を抱えるしかない。
俺は、彩映の体調が良くなってきたのを主治医のアルスさまに太鼓判を押してもらい、そのあと戸籍を正式に整えるために王宮に出向いた。
戸籍を扱うのはカズール伯爵。
現在は騎士団総帥である大叔父が当主で、当時は彩映から目が離せないため、書類提出だけは親族に頼んだが、手続き完了の書類は自分で取りにこいと言われた。
ついでに、俺自身が長期休暇を取っていたため、職場に次の出勤日の確認と上司達に挨拶にとも思ったのだが……。
出張から帰還したことをラファ兄が先に報告していたらしく、
「ちぃ。ラファが、いつでもいいから会いたいって言ってたよ」
と気安くお声をかけてくださったので、つい、
「忙しいラファ兄……白騎士団長に手間をおかけするより、いらっしゃるようでしたらお会いしておきます」
と言ってしまったのだ。
後悔先に立たず……その言葉通り。
「……なんで、こんなもん、持ってたんだ? あいつは……売っ払っておけばいいものを!」
「……はぁぁ……本当にな……俺も少々目が利くと思ってたんだが、まだまだだな。これ、ごく普通のエメラルドのついたネックレスだと思ったんだよ」
「俺も分かりませんよ……あいつなら、この大きさでも小遣い程度で買えそうじゃないですか」
「そうなんだよ……世界一の金持ち一族の坊ちゃんだ。普通に持ってそう……だからと思ったのが間違いだった!」
ラファ兄は髪をかきむしる……。
俺は硬くてまっすぐの黒髪だが、柔らかそうな明るい金色の髪がぐしゃぐしゃになる。
あぁ、羨ましい。
俺のは髪の毛が多いし重い。
短く切るより、梳いてもらいたいが、手入れが面倒ということで、適当に伸ばして編んでいる。
ラファ兄はおしゃれだ……。
「ラファ兄。あんまりかきむしるとハゲるよ? 切れ毛とか、枝毛になったらどうすんの?」
「……ほぉ……ちぃは、俺がハゲると言いたいのか?」
「いや、いいなぁと思って。俺の髪は重いし多いし……」
「そんなこと言ってる奴が、まずハゲるんだぞ」
その言葉に俺は、慌てて編んだ髪を抱きしめる。
ハゲは嫌だ……。
「そこで、話を逸らせてそのまま終わらせようとしないんだよ? ラファ、ちぃ」
にっこりと笑うのは、幸矢兄……。
「終わらせてくださいよ~! もうこれ、王宮に置いて帰ります!」
「いらないって、そんなの。俺、使えないし必要ないもん。蒼記だって、面倒って言ってたよ?」
「面倒って! これ、めちゃくちゃ容量のある空間魔法付き鞄だって言ったの、幸矢兄じゃないですか!」
「いやいや、正確に言うとそれ、エメラルドのネックレスっぽく見せてるけど、石自体が魔法石で、マジックバッグに加工したモノなんだよ」
その言葉に、気味わるげに、テーブルの上のネックレスを見る。
真ん中には、大きな四角いカットを施した緑色の石。
周りには、小さく細かいダイヤモンドが埋め込まれ、存在感がありまくり、無駄に派手な装飾のそれである。
「こんな派手なの、彩映に渡すことを考えるバカが悪いわ~! こんなん、彩映に似合うわけないだろ! 彩映にはリスティル陛下が下さった、小さい宝石を埋め込んだプチネックレスの方が似合うわ!」
「それは否定しないね」
幸矢兄は同意するように何度も頷き、ラファ兄は不思議そうな顔になる。
「なんなんだ、それ」
「いま、普段使いしてますよ。こんな小さいピンクダイヤモンドとパパラチアサファイアが花の模様に埋め込まれたもので、うちの子、色白でふぅちゃんに似てて可愛いでしょ? 胸元に飾ると、ものすっごくよく似合うんですよ~! でも、普通のイミテーションって、本人には言ってます。あれ、国宝並みの価値ですから……」
「そりゃ、ルーズリアのピンクダイヤモンドは、リスティル陛下の山でしか発掘されないもんな……」
すごいものもらったな……その言葉に頷く。
「一応、大きな石をカットする時に残った、ちょっと形は歪で公式な贈答用に使えないクズ石ばかりとは言ってたみたいなのですが、それでも最高級の色、透明度、傷なしのものが5つも埋め込まれてて、サファイアはパパラチアサファイア、合計6つです。全部合わせても一カラットもないものでも、リスティル陛下が自分で作られたってだけで……」
「うん、国宝、文化財級だ」
「それ一つでも、彩映に持たせるのも迷ったのに~!」
「まぁ、俺がちぃなら、いらないっていう気持ち、わかるんだよな……でも、空間魔法付きだなんて……早いとこ気づいてればよかった! 見てわからなかったのか、俺!」
いや、俺だって、見た目普通のエメラルド……まぁ、非常に大粒で、無駄に派手なもの……にしか見えなかった。
お金を使いまくっていた馬鹿……彩映の元父なら買うだろうと思うような品。
送り届ける際に、二人きりになった時に、
「俺は持っていても仕様がないので、あの子に渡してください」
と、珍しく真剣な面持ちで渡されたので、ラファ兄は幼なじみのよしみで受け取ったらしい。
しかし、帰ってすぐ、帰還の挨拶に訪れた王宮で、国王であり兄弟子である幸矢兄が、
「……たいそうなもの預かってきたんだね。ラファ。めちゃくちゃ重い、重い、おも~い荷物」
と嫌そうな顔で言ったそうだ。
「重いって……重くはないですよ? このサイズです。無駄にデカイのが趣味悪いなーってくらいで」
「何言ってんの。それ、空間魔法付きの魔法石だよ? 見た目エメラルドに見せてるだけ。それに、一つの石じゃない。複数の石が光や力を屈折させて増幅してる。結構入るよ?」
「えっ? 俺のベルトにつけるポーチくらいですか?」
「そんな、騎士団で渡されるポーチくらいなわけないでしょ? その程度なら言わないよ……うーんと、最低でも部屋一つ分。持ち主によっては謁見の間くらいは入るかな……誰の持ち物だったの? まぁ、聞かなくてもわかるけどさ」
と言われたため、青ざめたラファ兄が俺が来るまで待機していたらしい。
「全く……こんなものどこで見つけたんだか……マルムスティーン家の宝物庫から、かっぱらっていったのかな?」
「それはないよ。一応、マルムスティーン家の宝物庫は厳重に管理してるし、彗やおじいさまたちだって目を光らせてるから。それに、そういう最高ランクのものは、後継者がはっきりするまで見せてもない。多分、怪しいところで見つけたんでしょ。あの子はなんだかんだ言って、そういうもの見極める《目》は優れてたから、ねぇ? 彗」
「うん……」
彗兄は沈痛な面持ちで頷く。
……ちなみにあいつのことを思い出していたのではなく、ルナリアだった彩映が俺の娘になり、今まで《おじいさま》呼びだったのに、《おじさま》呼びに格下げになったのがショックだったらしい。
《おじいさま》の方が《おじさま》より年寄りくさいのではないか……とも思うのだが、
「《おじさま》なんて、あちこちにいるでしょ? ちぃはいいよ! あの可愛い彩映にパパってよんでもらえるんだもん! ラファだって、後宮騎士団のみんなだって、彩映からすれば《おじさま》じゃないか! レクもエルもリーも! セイだってそうだよ! それに、同年代は全部《おじさま》! それに比べて《おじいさま》は特別じゃないか!」
「いや……そこで、泣きながら拳を振り回されても……」
「隼人兄さんに《おじいさま》とられた~! 僕の孫なのに~!」
「……傷心中だから、あまり突っ込まないであげな。彗の孫は嫁いだ娘のとこに男しかいないでしょ? 内孫で、女の子の彩映はめちゃくちゃ可愛いんだよ。うちは、娘しかいなかったからあまり思わなかったけど、孫娘、欲しいなぁ……うちも男ばかりだし、暑苦しい」
「ほら! 幸矢だって男は暑苦しいって言ってる!」
食ってかかる彗兄。
「でも、一応俺は、彩映に幸矢パパだよ? よかったね。彗おじさま」
「うわーん! 僕もパパがいい!」
「やめてくださいよ! ママは日向夏とマレーネ、乳母のノエルとふぅちゃんで一杯一杯で、パパは俺とレク、幸矢兄までです!」
必死に拒否する。
これ以上増えては、パパも価値が下がる。
「でも、このエメラルドもどき、彩映に持っておけって言うんですよね? でも、ネックレスじゃ無理ですよ。こんなの趣味悪いです」
リスティル陛下からの貰い物で首は埋まっているし、こんな大きすぎる石、彩映に似合うはずもない。
だから増やせないというか、増やしたくない!
「じゃぁ、ブレスレットというよりバンクルにしてもらおうか? フェルディ様にお願いするよ? 魔法石ならお手の物でしょう」
「お願いできますか? あ、お金……」
高いだろうなぁ……遠い目になる。
すると、はいっと手をあげるのは彩映の実の祖父。
「お金は僕が持ちます! 僕から快気祝いであげるってことにする!」
「お願いします……」
「やった! じゃぁ、重さは少ないようにしてもらって、可愛い装飾にしてもらおうかなぁ……」
改めて彩映は、愛されているんだなと思ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。
ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。
俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。
そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。
こんな女とは婚約解消だ。
この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
いらない子のようなので、出ていきます。さようなら♪
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
魔力がないと決めつけられ、乳母アズメロウと共に彼女の嫁ぎ先に捨てられたラミュレン。だが乳母の夫は、想像以上の嫌な奴だった。
乳母の息子であるリュミアンもまた、実母のことを知らず、父とその愛人のいる冷たい家庭で生きていた。
そんなに邪魔なら、お望み通りに消えましょう。
(小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる