わたくしは親も兄弟もおりません!自由にさせていただきます!……はぁぁ?今更何をおっしゃいますの?

刹那玻璃

文字の大きさ
54 / 68
番外編を集めてる^_^ ねこネコ(=^ェ^=)

番外編:彩映の伯母さまとお会いしました。

しおりを挟む
 お久しぶりです、彩映です。
 今日は、ばぁばとふぅちゃんとお出かけです^ - ^
 ばぁばはパパのお母さまで、ふぅちゃんはパパの双子のお姉さんです。
 本当は、途中までママとパパも一緒だったのですが、つきちゃんのお家の方で用事があって途中でお別れしました。
 えっと、わたくしは会ったことがないのですが、つきちゃんの旦那さんの弟さんたちが、悪いことをしたそうです。
 ……旦那さんの弟さんはたくさんいるらしいです。
 サドと脳筋バカと浮気者と可愛いのと一番腹黒、そしてやんちゃ坊主だそうです。
 で、可愛い弟さん以下は大丈夫らしいですが、今回は浮気者さんが問題を起こしたのでシメに行くそうです。

 千夏ちゃんと風深ちゃんは、レクパパのマガタ領のお家に行きました。

『いろはと一緒に行く!』

 千夏ちゃんは首を振って、行きたくないって言ってましたが、にっこり笑ったルードじぃじに連れて行かれました。

『騎士になるそうだから』
『ルードじぃじが期待してるんだ』
『剣の稽古するんだって』
『うちのベルはなりたくないみたい』

って、レクパパは丁寧に紙に書いてくれました。

 ルードじぃじは、レクパパのお父さまです。
 わたくしにはパパとママ、じぃじとばぁばがいっぱいです。
 そして、ベルお兄ちゃんは、レクパパとふぅちゃんの末っ子で、わたくしより5歳上だったと思います。

 ただいまわたくしは、ばぁばとふぅちゃんと手を繋いで歩いています。
 お出かけ先は、カズールの街にあるセイおじさまの奥さんである、おばさまのお店兼工房です。

 おばさまは、次期公爵夫人兼芸術家です。
 お若い頃から刺繍やパッチワーク、編み物、レース編み、刺し子、ぬいぐるみ作りなどをコツコツされていて、セイおじさまと出会って結婚しました。
 活動は続けつつ、子供を生み育てながら、バトロンとしても、若くまだ芽の出ていない作家を発掘したり、題材を考えて色々な方と個展を開いたりされていたそうです。
 今度新作を発表するので、今は工房に篭りっきりらしく、おじさまが寂しがってるそうです。

「ばぁばとふぅちゃんと、お出かけ嬉しいです……えっと、どうしてセリちゃんも一緒なのですか?」

 そうなのです。
 今日は後一人、セリちゃんも一緒です。

『三人だけなんて、絶対ダメ』
『護衛も少ないんだから』
『最低でもボクも行きます!』
『ボクは強いんだからね!』

って、紙に書いてくれました。

 強い……。
 ばーばとふぅちゃんとセリちゃんを見て、

「じーじとパパと、レクパパとセリちゃん……一番強いのは?」

とつい聞いてしまいました。
 すると困った顔になって、

『答えられないです』
『言うなら、シエラおじさんかな?』
『ボク達の師匠だから』

って、セリちゃんは見せてくれました。

 強いんですね。
 そういえば、カズール伯爵のシエラじーじはものすごく強くて、お弟子さんの殆どが高位騎士だって聞きました。
 パパだけじゃなく、幸矢パパや蒼記パパ、セリちゃんを小さい頃から教えてきたそうです。

「わたくしも、シエラじーじにお願いしたら、教えてもらえるでしょうか?」

 もうちょっと、身体を鍛えることができるでしょうか?

 考え込んでいると、セリちゃんが必死に首を振ります。
 紙に向き合い、いつになく乱れた文字で、

『いろははやめよう!』
『散歩と柔軟体操だけでいいよ!』
『パパに散歩行こうって言おう!』

と見せられました。

「でも……パパは、千夏ちゃんと風深ちゃんと行くのです。わたくしは……運動音痴みたいです……かけっこも遅いのです」

 思い出してがっかりです。
 千夏ちゃんはとっても足が速いです。
 風深ちゃんもおっとりしているのですが、わたくしはすぐに逃げられてしまいます。
 この間、あまりにも転んでしまうので、膝とひじにプロテクターをつけられました。

『ヘルメットもつけなさい』
『怪我をしたらパパは泣く』

 パパが真剣な顔で言っていました。
 あまり大袈裟にしてほしくないので良いって言ったのに、勘違いして、

『じゃぁ、可愛くしようか?』

と、ヘルメットに猫耳、手袋は猫の手、尻尾も準備されてしまいました。
 しまおうとしたら、パパに悲しい顔をされて、仕方なくつけて中庭に出たら、パパだけじゃなく、じーじ達が、

『可愛い!』
『この格好でいいと思う!』

と言ってくれました……恥ずかしかったです。
 でも、完全装備しても速くなった訳じゃありません。
 それにあのままずっと走るのも嫌です。

『今は走るより体力つけなきゃ』
『階段登り降りもいいんだよ?』
『廊下をゆっくり歩くのも』

「そうなのですか?」

『走り続けるより長く歩く方がいい』
『これはボクの経験から』

 セリちゃんはペンにキャップをつけると、握って力こぶ。
 筋肉っていうのは分かりませんが、セリちゃんは華奢そうに見えて、とっても強そうです。
 パパは長身ですが、やっぱり鍛え方が違うのかもです。
 わたくしは小さい方なので、多分、セリちゃんのいう通りなのかもです。

 セリちゃんが、別の方向を見ます。
 その視線を追っていくと、大きく両手をブンブン振って近づいて来ます。

『あ、ナオミ姉さんだ』

 ナオミお姉さんですか?
 誰でしょうか?

 すごいです!
 真っ赤な、燃えるような……でも、ギラギラじゃなくて、少し寂しそうな色です。
 うんと……夕焼け色です。
 もう少ししたら沈むような……最後に太陽がため息をついている色です。

 前に、夕焼けの色をパパにそう伝えたら、

『いろはのおばさまが』
『こんな夕焼け色の髪』
『綺麗な色だよ』

って言っていました。

『寂しいってため息をついてる』
『夕焼けの色って素敵な表現だね』

とも言ってくれました。

 近づいてきた女の人は……パパのナムグちゃんのカンナギに似ていました。

 カンナギというのは、グランディアの言葉で『巫女』という意味だそうです。
 カンナギは、朱金の毛並みと緑色の瞳で、パパはデレデレなのに素っ気ないお姉ちゃんみたいな子です。
 でも、パパがいうにはカンナギはわたくしにはとっても甘いのだそうです。
 パパのお休みの日には、わたくしが中庭で遊ぶ時にはついていてくれます。
 わたくしがリハビリでお散歩していて疲れてしまった時には、背中に乗せて帰ってくれました。

 ぴょんぴょん飛び跳ねながらお姉さんは、ばぁばに近づいてお話ししています。
 お姉さんの髪は後ろにおだんごにしていて、それを包んだ布をカラフルなリボンで結んでいます。
 可愛いですね。

『ナオミお姉さんは、いろはのおばさま』
『会いにきてくれてありがとうだって』

 わぁぁ、じゃぁ、セイおじさまの奥さまなんですね。

『いろは、ご挨拶しようか?』

 うなずいて、ばぁばとお話を終えたタイミングを、合図してもらって、

「こんにちは、ナオミおばさま。彩映です」

と挨拶をしました。
 にっこりと笑ったおばさまは、

『ようこそ、いろはちゃん』

と書いてくれました。

『会えて嬉しいわ』
『今日は可愛いワンピースね』

 頭を撫でてもらえたのでとっても嬉しいです。
 このワンピースは、ママがわたくしのために生地から選んで作ってくれたものです。
 明るいパステル色が大好きです。
 それから、案内されたこぢんまりとしたお家で、朱金色の髪のおじさまと栗色の髪のおばさまがいたのでご挨拶したのだけれど…… 

『私の両親よ』
『久しぶりに戻ってきたの』

とおばさまが書いてくれました。
 アルファリドルおじさまと、エーメおばさまです。
 アルファリドルおじさまは昔騎士で、今は培った知識を活かして地域に貢献する仕事をしているそうです。
 すごいですね。

 おばさまのお家は、可愛くてとてもいっぱいのものがありました。
 不思議なのは、織り機……ラディリアの大祖父ちゃまの別荘にある織り機とも違う形をしている。

『これはリボン用なの』
『この地域のおじいちゃんに譲ってもらったのよ』

 マジックバッグの中に入れていた眼鏡をかけてじっくりと見る。
 面白そう……作ってみたいなぁ……。
 パパにお願いしたいなぁ。

『もし気になるなら』
『これはダメだけど』
『使っていない小さいのをあげる』

 おばさまのボードを見て、わたくしは嬉しくなりました。

「本当? おばさま! 嬉しいです!」

『でも、長時間使わないでね?』
『1日1時間までよ?』

「はい!」

 嬉しいです。
 今度、風深ちゃんの誕生日なので、何か考えていたのですが。
 間に合えば、リボンタイや髪を結ぶ細いリボンを作るのです。
 使い方を教わるのが楽しみになりました。
 そして、お茶をのんで、ゆっくりした後、カズールのお屋敷に帰ってお昼寝をしたのでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

いらない子のようなので、出ていきます。さようなら♪

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 魔力がないと決めつけられ、乳母アズメロウと共に彼女の嫁ぎ先に捨てられたラミュレン。だが乳母の夫は、想像以上の嫌な奴だった。  乳母の息子であるリュミアンもまた、実母のことを知らず、父とその愛人のいる冷たい家庭で生きていた。  そんなに邪魔なら、お望み通りに消えましょう。   (小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています)  

【完結】シュゼットのはなし

ここ
恋愛
子猫(獣人)のシュゼットは王子を守るため、かわりに竜の呪いを受けた。 顔に大きな傷ができてしまう。 当然責任をとって妃のひとりになるはずだったのだが‥。

王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。が、その結果こうして幸せになれたのかもしれない。

四季
恋愛
王家に生まれたエリーザはまだ幼い頃に城の前に捨てられた。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ

さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。 絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。 荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。 優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。 華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。

処理中です...