6 / 50
あづさゆみ
第六話 疑惑の矢(3)
しおりを挟む
鷹狩が始まると霞は前方に座る菖蒲に近づき、小声で話しかけた。
「菖蒲様……。大変申し訳ないのですが暫く牛車に戻ります。少し眩暈がしてしまって……。代わりの者をお側に付けさせますので」
「そうなの?霞、大丈夫?」
菖蒲が心配そうな表情を浮かべる。霞は額を押さえて苦しむ素振りを見せた。
「ええ、少し休めば治ると思います。……失礼させて頂きます」
牛車のある方角へ小走りに向かう。人目に付かないよう、気を付けながら使用人を捕まえる。
「急いで輿の中に入れて」
と小声で告げた。
「へえ、それはいいですけど……。随分お早いお戻りですね」
「準備を終えたらすぐに出るから。いい?このことは誰にも言わないこと、良いわね?」
「はあ……」
使用人は霞の剣幕に押されて頷くことしかできなかった。
「静かだな……」
美しい新緑の中を楓は馬の手綱を引きながら森の中を歩く。鷹狩が行われる範囲を馬で駆け回ったのだが特に異変はない。馬を休ませるためにこうして馬から降りて辺りを見渡していたのだ。
獲物を追っているのは自分だというのに、何者かに狙われているかのような焦燥感に襲われる。
(俺は緊張してるのか……?)
それは宮中とは異なる、四方を木々で囲まれた自然の中にいるからだろうか。
激しい鳥の羽ばたきと鳴き声を耳にして、楓は思わず肩を揺らした。
「行ったぞ!」
「向こうだ!」
鷹狩の参加者の声と共に馬の駆け足が聞こえる。鷹が獲物を見つけ、人が動き始めたらしい。再び楓の周辺に静けさが訪れた。
(舞台の周辺はあれだけ護衛の者がいるんだ。東宮様を狙うのは無理だ……。だとしたら『化け物』が動くというのは俺の杞憂だったのか?)
その場に立ち止まり、考え事をしていると此方に向かって馬を駆ける音が聞こえてくる。楓は弾かれたように顔を上げた。
「何だ……?もしや、化け物か?」
楓がその人物を見定めようと正面から見据える。馬の上には狩衣姿の小柄な人物が見えた。見覚えのない参加者に楓は息を止める。
もし、彼が化け物だとしたらここで正体を突き止めなければならない。楓が馬上で声を上げた。
「止まれ!お前は何者だ!」
「楓様……!すぐに森から抜けてください!」
聞き覚えのある声に楓が目を見開く。
「お前は……!」
その人物の正体はすぐに分かった。
馬を止め、降りてきたのは霞だった。狩衣と烏帽子を身に付けた姿は鷹狩の参加者の男子のように見える。矢筒に弓まで背負っていた。
「なるほど、備えとはそういうことか……。それで、どうしたんだ?もしかして化け物に動きが?」
息を切らしながら霞は声を張り上げた。
「良いから早く!ここから離れてください!化け物狙いは東宮様じゃなかった……」
「は?」
言葉を続けようとして、霞が遠くに何かを見つけたのか顔色を大きく変える。
「危ないっ!」
霞の声と共に楓は勢いよく背後に突き飛ばされた。
「あれは……?」
背後に倒れながら楓は正面にいる霞の右肩に何かが掠めて飛んでいく物体を捉えた。
それが矢だと分かった時、初めて霞の言っていることを理解する。
(帝に近い者……!狙いは俺だったのか!)
矢は霞の右肩を掠ると、少し離れた木の幹に音を立てて止まる。楓は恐怖で体を起こすことができなかった。顎を上げ、辛うじて敵が射てきた方角を確認するが、葉や木が邪魔で良く見えない。朧気ながら人が立っているのは確認できた。
楓の身体から離れた霞は背負ってきた弓矢を構えた。敵からしてみれば立ち上がった霞は射ぬきやすい的だ。
「おい!何してる!止めろ!」
楓の言葉に耳を貸すことなく霞は射手に狙いを引き絞る。その瞳は炎が燃え上がっているようだった。
(駄目だ。復讐の炎に憑りつかれている!)
射手は反撃すると思っていなかったのか。草陰から馬の声がすると、再びこちらを射ることなく遠くへ駆けて行った。
「逃さない!」
霞は引き絞った弓から手を離すが、その矢がどこに当たったのかは確認できなかった。矢は木々の中に消えさり、馬が駆けていく音だけが小さく聞こえた。
「やめろ!何者か確認しないまま殺す気か?」
射手が立ち去ったのを確認した楓が霞の弓を下ろさせる。
「……動きを止めたかっただけです。もし私の両親の仇だったのなら……死んでも仕方ないと思います」
「仕方ないって……」
霞の低い声に楓は思わず黙り込んでしまった。
楓を視界に入れず、霞は後ろに刺さった流れ矢の元に歩みを進める。右手で矢を引き抜いて見下ろした。
「でも……これで……化け物に近づけ……」
「……霞様?」
楓は霞の後ろ姿から目を離せなかった。たどたどしいその物言いに眉を顰める。
異変を感じ取ったのは楓だけではない。霞自身も自分の身体に違和感を感じる。呼吸が浅く、何だか体が熱い。
特に熱を感じる左手で右肩に触れる。掌に血痕が見えて、霞は自分が怪我を負っていたことを知った。そして、ふっと鼻で笑う。
(やられたわ。矢じりに……毒が塗ってあったのね……)
「おい!しっかりしろ!」
楓の叫び声を最後に霞はその場に倒れ、記憶は途絶えてしまった。
「か……すみ。霞!」
懐かしい声が聞こえてきた。もう、随分前に聞いた心地良い声。
霞が目を開けると、視界には天井が広がっていた。
(ここはどこ……?)
「霞!いつまで寝てるんだ。今日は兵法《ひょうほう》を教えてやると言っただろう?」
「……父上?」
霞は慌てて起き上がる。
目の前に霞の父、榊がいた。年若く、活気に満ち溢れている。霞は元気な父の姿に瞬きを繰り返した。
「貴方、霞は女子ですよ。他の学問ならともかく。兵法など……。この平和な世で何の役に立つというのです?おやめください」
「そう言うな!梅。宮中は戦場だ。女子とはいえ兵法は必要だろう」
はしゃぐ榊に、霞の母である梅はため息を吐く。
「よく言いますわ……。それより、霞を入内させることに決めたのですね?少し前まではまだ早いなんて渋っていたのに」
「ああ、泣く泣く決断した。入内し、宮中で男に霞を取られでもしたら嫌だしな……。かと言って霞の才能をこのままにしておくことも出来ぬし」
霞は両親の他愛もない会話を聞いて、くすくすと笑い声を上げた。この時、霞はここがどこなのかと考えるのを放棄していた。
二人が目の前にいる。それだけで十分だった。
「ほら、霞まで呆れてるではありませんか」
梅が口元を袖に当て、榊を睨む。榊は頭を掻いて困った様子を浮かべていた。
「私としては立派な殿方を宮中で捕まえて欲しいものです」
「な!やっぱり霞にはまだ早い!ほら霞、早くこっちに来なさい」
榊は梅の言葉を誤魔化すように霞の手を引いた。霞はまだくすくすと笑いながら「はいっ」と元気よく答えた。
榊に手を引かれながら辿り着いたのは、榊の居室だった。所々に刀剣や槍など武具が飾られている。梅はこの部屋を汚いと文句を言っていたが、霞はこの雑然とした部屋が好きだった。
ここ数十年。陽ノ国では戦など起こっていないが、武官は知識として兵法を学んでいたようだ。榊はそれを面白半分で霞に教え込んでいた。
「良いか、霞。戦というのは民の生死、国の存亡に関わる大事だ。だから常に冷静であらねばならぬ。だからやるからには勝たねばならぬし、負けると思うのならやらないことだ」
「……それでもやらねばならぬ時はどうするのです?」
榊の膝の上に座って、同じ巻物を見ていた小さな霞は振り返って問う。
「その時は……敵を騙して勝利を手にするしかない」
「騙す……?」
「ああ、戦は騙し合いだからな」
霞が首を傾げると父は悪戯小僧のような笑みを浮かべた。
「人を騙すのは良くないことではないのですか?」
「そうだな……。無暗に人を騙すのは駄目だな。だが道理にかなった、誰かを守るため、己を守るために騙しが必要な時がこの世にはある。偽りなく生きていければそれに越したことはないが……この世の中、そううまくできておらんのよ」
榊は腕組をして、眉間に皺を寄せる。
「そうなのですか?」
霞が目を細め、膝の上から榊を見上げた。
「本当だぞ!騙しは使いようによっては己を、命を守ることができるんだ。例えば……敵に沢山の兵力があるとする。だけど俺達の兵力が少ない」
そう言って榊は手近にあった盤上遊戯《ばんじょうゆうぎ》を引っ張り出してくると駒を掬いあげる。
霞の前に少量の駒を。反対側に大量の駒を置く。それを霞は膝を抱えて眺めていた。
「こういう時にこちら側にも兵力が沢山ある、と騙せば敵は襲ってこないかもしれない。そうすれば戦をせずに勝てるかもしれないだろう?」
ばらばらと霞の前に駒を増やしてやる。
「どうすれば騙せるの?」
「それはな……人心を動かす力が必要になってくる」
「ひと……ごころ?」
幼い霞は聞き慣れない言葉をたどたどしく繰り返した。
「菖蒲様……。大変申し訳ないのですが暫く牛車に戻ります。少し眩暈がしてしまって……。代わりの者をお側に付けさせますので」
「そうなの?霞、大丈夫?」
菖蒲が心配そうな表情を浮かべる。霞は額を押さえて苦しむ素振りを見せた。
「ええ、少し休めば治ると思います。……失礼させて頂きます」
牛車のある方角へ小走りに向かう。人目に付かないよう、気を付けながら使用人を捕まえる。
「急いで輿の中に入れて」
と小声で告げた。
「へえ、それはいいですけど……。随分お早いお戻りですね」
「準備を終えたらすぐに出るから。いい?このことは誰にも言わないこと、良いわね?」
「はあ……」
使用人は霞の剣幕に押されて頷くことしかできなかった。
「静かだな……」
美しい新緑の中を楓は馬の手綱を引きながら森の中を歩く。鷹狩が行われる範囲を馬で駆け回ったのだが特に異変はない。馬を休ませるためにこうして馬から降りて辺りを見渡していたのだ。
獲物を追っているのは自分だというのに、何者かに狙われているかのような焦燥感に襲われる。
(俺は緊張してるのか……?)
それは宮中とは異なる、四方を木々で囲まれた自然の中にいるからだろうか。
激しい鳥の羽ばたきと鳴き声を耳にして、楓は思わず肩を揺らした。
「行ったぞ!」
「向こうだ!」
鷹狩の参加者の声と共に馬の駆け足が聞こえる。鷹が獲物を見つけ、人が動き始めたらしい。再び楓の周辺に静けさが訪れた。
(舞台の周辺はあれだけ護衛の者がいるんだ。東宮様を狙うのは無理だ……。だとしたら『化け物』が動くというのは俺の杞憂だったのか?)
その場に立ち止まり、考え事をしていると此方に向かって馬を駆ける音が聞こえてくる。楓は弾かれたように顔を上げた。
「何だ……?もしや、化け物か?」
楓がその人物を見定めようと正面から見据える。馬の上には狩衣姿の小柄な人物が見えた。見覚えのない参加者に楓は息を止める。
もし、彼が化け物だとしたらここで正体を突き止めなければならない。楓が馬上で声を上げた。
「止まれ!お前は何者だ!」
「楓様……!すぐに森から抜けてください!」
聞き覚えのある声に楓が目を見開く。
「お前は……!」
その人物の正体はすぐに分かった。
馬を止め、降りてきたのは霞だった。狩衣と烏帽子を身に付けた姿は鷹狩の参加者の男子のように見える。矢筒に弓まで背負っていた。
「なるほど、備えとはそういうことか……。それで、どうしたんだ?もしかして化け物に動きが?」
息を切らしながら霞は声を張り上げた。
「良いから早く!ここから離れてください!化け物狙いは東宮様じゃなかった……」
「は?」
言葉を続けようとして、霞が遠くに何かを見つけたのか顔色を大きく変える。
「危ないっ!」
霞の声と共に楓は勢いよく背後に突き飛ばされた。
「あれは……?」
背後に倒れながら楓は正面にいる霞の右肩に何かが掠めて飛んでいく物体を捉えた。
それが矢だと分かった時、初めて霞の言っていることを理解する。
(帝に近い者……!狙いは俺だったのか!)
矢は霞の右肩を掠ると、少し離れた木の幹に音を立てて止まる。楓は恐怖で体を起こすことができなかった。顎を上げ、辛うじて敵が射てきた方角を確認するが、葉や木が邪魔で良く見えない。朧気ながら人が立っているのは確認できた。
楓の身体から離れた霞は背負ってきた弓矢を構えた。敵からしてみれば立ち上がった霞は射ぬきやすい的だ。
「おい!何してる!止めろ!」
楓の言葉に耳を貸すことなく霞は射手に狙いを引き絞る。その瞳は炎が燃え上がっているようだった。
(駄目だ。復讐の炎に憑りつかれている!)
射手は反撃すると思っていなかったのか。草陰から馬の声がすると、再びこちらを射ることなく遠くへ駆けて行った。
「逃さない!」
霞は引き絞った弓から手を離すが、その矢がどこに当たったのかは確認できなかった。矢は木々の中に消えさり、馬が駆けていく音だけが小さく聞こえた。
「やめろ!何者か確認しないまま殺す気か?」
射手が立ち去ったのを確認した楓が霞の弓を下ろさせる。
「……動きを止めたかっただけです。もし私の両親の仇だったのなら……死んでも仕方ないと思います」
「仕方ないって……」
霞の低い声に楓は思わず黙り込んでしまった。
楓を視界に入れず、霞は後ろに刺さった流れ矢の元に歩みを進める。右手で矢を引き抜いて見下ろした。
「でも……これで……化け物に近づけ……」
「……霞様?」
楓は霞の後ろ姿から目を離せなかった。たどたどしいその物言いに眉を顰める。
異変を感じ取ったのは楓だけではない。霞自身も自分の身体に違和感を感じる。呼吸が浅く、何だか体が熱い。
特に熱を感じる左手で右肩に触れる。掌に血痕が見えて、霞は自分が怪我を負っていたことを知った。そして、ふっと鼻で笑う。
(やられたわ。矢じりに……毒が塗ってあったのね……)
「おい!しっかりしろ!」
楓の叫び声を最後に霞はその場に倒れ、記憶は途絶えてしまった。
「か……すみ。霞!」
懐かしい声が聞こえてきた。もう、随分前に聞いた心地良い声。
霞が目を開けると、視界には天井が広がっていた。
(ここはどこ……?)
「霞!いつまで寝てるんだ。今日は兵法《ひょうほう》を教えてやると言っただろう?」
「……父上?」
霞は慌てて起き上がる。
目の前に霞の父、榊がいた。年若く、活気に満ち溢れている。霞は元気な父の姿に瞬きを繰り返した。
「貴方、霞は女子ですよ。他の学問ならともかく。兵法など……。この平和な世で何の役に立つというのです?おやめください」
「そう言うな!梅。宮中は戦場だ。女子とはいえ兵法は必要だろう」
はしゃぐ榊に、霞の母である梅はため息を吐く。
「よく言いますわ……。それより、霞を入内させることに決めたのですね?少し前まではまだ早いなんて渋っていたのに」
「ああ、泣く泣く決断した。入内し、宮中で男に霞を取られでもしたら嫌だしな……。かと言って霞の才能をこのままにしておくことも出来ぬし」
霞は両親の他愛もない会話を聞いて、くすくすと笑い声を上げた。この時、霞はここがどこなのかと考えるのを放棄していた。
二人が目の前にいる。それだけで十分だった。
「ほら、霞まで呆れてるではありませんか」
梅が口元を袖に当て、榊を睨む。榊は頭を掻いて困った様子を浮かべていた。
「私としては立派な殿方を宮中で捕まえて欲しいものです」
「な!やっぱり霞にはまだ早い!ほら霞、早くこっちに来なさい」
榊は梅の言葉を誤魔化すように霞の手を引いた。霞はまだくすくすと笑いながら「はいっ」と元気よく答えた。
榊に手を引かれながら辿り着いたのは、榊の居室だった。所々に刀剣や槍など武具が飾られている。梅はこの部屋を汚いと文句を言っていたが、霞はこの雑然とした部屋が好きだった。
ここ数十年。陽ノ国では戦など起こっていないが、武官は知識として兵法を学んでいたようだ。榊はそれを面白半分で霞に教え込んでいた。
「良いか、霞。戦というのは民の生死、国の存亡に関わる大事だ。だから常に冷静であらねばならぬ。だからやるからには勝たねばならぬし、負けると思うのならやらないことだ」
「……それでもやらねばならぬ時はどうするのです?」
榊の膝の上に座って、同じ巻物を見ていた小さな霞は振り返って問う。
「その時は……敵を騙して勝利を手にするしかない」
「騙す……?」
「ああ、戦は騙し合いだからな」
霞が首を傾げると父は悪戯小僧のような笑みを浮かべた。
「人を騙すのは良くないことではないのですか?」
「そうだな……。無暗に人を騙すのは駄目だな。だが道理にかなった、誰かを守るため、己を守るために騙しが必要な時がこの世にはある。偽りなく生きていければそれに越したことはないが……この世の中、そううまくできておらんのよ」
榊は腕組をして、眉間に皺を寄せる。
「そうなのですか?」
霞が目を細め、膝の上から榊を見上げた。
「本当だぞ!騙しは使いようによっては己を、命を守ることができるんだ。例えば……敵に沢山の兵力があるとする。だけど俺達の兵力が少ない」
そう言って榊は手近にあった盤上遊戯《ばんじょうゆうぎ》を引っ張り出してくると駒を掬いあげる。
霞の前に少量の駒を。反対側に大量の駒を置く。それを霞は膝を抱えて眺めていた。
「こういう時にこちら側にも兵力が沢山ある、と騙せば敵は襲ってこないかもしれない。そうすれば戦をせずに勝てるかもしれないだろう?」
ばらばらと霞の前に駒を増やしてやる。
「どうすれば騙せるの?」
「それはな……人心を動かす力が必要になってくる」
「ひと……ごころ?」
幼い霞は聞き慣れない言葉をたどたどしく繰り返した。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜
菰野るり
キャラ文芸
皇帝陛下はお年頃。
まわりは縁談を持ってくるが、どんな美人にもなびかない。
なんでも、3年前に一度だけ出逢った忘れられない女性がいるのだとか。手がかりはなし。そんな中、皇太后は自ら街に出て息子の嫁探しをすることに!
この物語の皇太后の名は雲泪(ユンレイ)、皇帝の名は堯舜(ヤオシュン)です。つまり【後宮物語〜身代わり宮女は皇帝陛下に溺愛されます⁉︎〜】の続編です。しかし、こちらから読んでも楽しめます‼︎どちらから読んでも違う感覚で楽しめる⁉︎こちらはポジティブなラブコメです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる