気ままに…スライムの冒険…

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 余暇【第三章ニ幕】『流転の者』少しブレイクタイム。

 天武の才、防御に置いてだけど…。

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 アッイーの前に様々な面妖な女の団体が、面白がる様に来ていた。
 此処の主人の奥方も、同様にアッイーを見に来ていた。
 御婦人の中には、この国の隣に在る大国とも言えぬが、其れなりの王族と成、御婦人と言う人も居る様であった。
 流石に御婦人等の後ろには、護衛役のお供が控えて居る。
 アッイーが見ても其れなりの凄腕が、数名、アッイーを凝視した様に感じられた。
 一人は可成りのイケメン。
 もう一人は余り強いとは言い切れないが、何かの力を持った様に感じられた。
 そして3人目と残りは、又少し離れて矢張り此方を値踏みする様に、互いに監視する気配が読み取れる。
 だが、此処でもアッイーが何か気に成る気配を見て、少し怖く成って居るようです。
 御婦人の一人が、アッイーを見ながらそのぷるぷる間に取らわらている様子であった。
「もう、堪らないわ、私スライムを抱いても良いかなぁ。」
 皆一様に同様の様子で居る様であったが、流石に初めの一人には賛同しない様子であった。
 逸れはこの館の主人で有る、御婦人が何も言わない事が起因であった。
 主人(婦人)は少し周囲から離れた場所で、他の御婦人達を見る様に、此方を確認している様であった。
 そして何食わぬ様に手を真横にして指を鳴らす様な仕草で、護衛役の者を呼び、護衛役の一人がアッイーを摘み上げる様に持ち上げ、確認とばかりアッイーをクシャクシャに引っ張ったり、叩いたりして確認をしていた。
 アッイーもなすがままにされて、その体が色々と変化している様であった。
 流石にアッイーは、此処は我慢と未動きせず、なすがままであった。
 その後確認を終えた護衛の者は。
「大丈夫です、不審な物はありません、無害で有ると思われます。」
 などと、殆どざるの護衛言葉であった。
 
 その光景を他から見ていた者が……。
「おっ、凄い金の匂いがするぞぃ。
 何ににで、その方角にスライムが居るのんゃろ~、此れは何ぃか、裏が有るやも知れんなぁ~。」
 この者は幼虫の様な、奇妙な格好で、頭の上には変な葉っぱが乗っかった変人風の者であった。
 そしてそそくさと、カジノから出て行った。
 
 その頃アッイーは護衛からキツめに色々言われながらも、豊満な胸に抱かれ、御満悦であったそうな。
 しかし色々とアッイーに降り掛かる受難は此れからでも在る様ですが。

 さてその頃少し前に話した者が……。
 幼虫の様なこの者が、カジノの外で何やら悪巧みをして居る様であった。
 此処はカジノ会場の裏手に在る、特殊な場所で、所謂処の換金所の様な場所。
 普段なら此の様な場所では換金しないが、悪の巣窟とも呼ばれた者が此処に集まり、カジノからの上前をはねる様に、弱い立場の者からせしめる為、此処に巣を作った感じであった。
 中では今回のターゲットを、金の在りそうなスライムにした様であった。
 柄の悪い者達は、如何にスライムからお金を巻き上げるか、三段をしていた。
 特にその中で此処の管理をする、親分の様な者が、幼虫の者と会話をしていた。
「ミクニさん、スライムから物凄い金の匂いが致しましたぞぃ。」
 ミクニと呼ばれた親分風の者が。
「騒々しい、スライム、スライム如きが金の匂いをさせる訳が無いだろうが。
 そんな夢見たいな事で、わざわざ俺を呼び付けるな。」
「イヤイヤ、そんな事は無い、現にそのスライムは、アノカジノの婦人から呼ばれて、カジノの中にまで入った逸材だぞぃ。」
 物凄い捲し立てて、語る幼虫の様な者がであった。
「そんなスライムが居る訳が無い。」
 殆どはなから信じられないミクニであった。
 幼虫の様な者が。
「なら一緒に其奴を見に行けば良いぞぃ。」
 少し穏やか成らぬ様で、ミクニに食ってかかる様に言い放つ。
 ミクニは手を払う様に、我関さずと言う感じで、殆ど取り合う事が無い。
 其れでも食い下がる様子に、折れた様に二人でスライムを、見に行く事と相成った。
 
 アッイーはその頃御婦人の集まる部屋で、手厚く持て成されて居た。
 アッイーのぷるぷる感を堪能する者達は其々互いの方に、アッイーを引き寄せながら、話題が色々交わされて居た。
 アッイーはその会話には参加しない様に心掛けて居たが、此れから向かうドワーフ集落に付いて少し話が及ぶと、聞き耳を立てて聞くのであった。
「アキノさん、この頃ドワーフ集落では、又隕石を落として居るそうねぇ。」
 アキノと呼ばれた御婦人。
「そうなのよ、隕石の為か、近頃ドワーフ集落では物凄い砂が舞い上がり、ホコリ臭くて、わたくしの住む街まで砂が舞い込むの。
 処でトモエさんの街はどうでしょう。」
 トモエと呼ばれた御婦人が。
「私、私の処はドワーフが妖精達を手懐けて、鉱石を運び込むから、何時も石ころが至る処に落ちて、馬車の車輪を跳ね上げるのよねぇ。」
「そうなのよ、私の処でも妖精風情が人々をないがしろにして、食事をしてましたわ。」
「嫌よねぇ、シズエ様のカジノにも、何人かの小汚い妖精が居ましたわょ。」
 カジノの御婦人(シズエ)が、少し不満顔で、話す人々を睨み付けた途端、話が終って仕舞った。
 少し戸惑いが在るアッイーは、その後少しのお金を(小遣い程度)貰い、そのままカジノの中で、御婦人達とお別れと成った。
 アッイーは殆ど気まぐれで、1つのスロットを弾いた。
 初めに、七が出ました、続いてまたまた七、そのまま連続して七、その後も続く七の数。
 合計七が出ました。
 普通は777の代が主だけど、此処カジノでは7個の数字で、七✕七百倍と言う途方も無い金額が出ました。
 全部締めて総額4200万。
 此処カジノでも、稀な…普通は出無い設定であっただけで、出た途端アッイーの周囲に、群がる人々であった。
 だがアッイーにおいそれとは渡さないカジノ経営者達がアッイーを取り押さえる騒動に成って仕舞った。
 アッイーとて、不本意ながらスロットを回し、真逆あまつさえ当てるとは、考えが及ばなかった。
 そして此処カジノでは、アッイーはならず者、一部では英雄と言われてしまった。
 カジノの主人が、アッイーを見て、少し多めの小遣い程度を持たし、そのままアッイーを追い出し、カジノ出入り禁止と成りました。

 出た途端、彼方此方からアッイーの小遣い目当ての者達に寄り、取り囲まれ、アッイーは殆どスッからカンと成って仕舞った。
 其処に遅れて来た者達。
 幼虫の者は、アッイーからの匂いが無くなり、踏みつけてそのままカジノの中に向かって行った。
 踏んだり蹴ったりのアッイーであった事は、言うまでもない。
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