新月の光

恵あかり

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第三部「凛廻」(連載中)

6 新緑は風に唄う

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 東雨は、己の人生を受け入れていた。
 皇帝の密使として、十年にわたる心荒ぶ日々も。尊厳を奪った体の傷も。新しく手に入れた近侍としての未来も。
 全てを受け入れ、そして、満足していた。新しい日々は、希望に溢れていた。
 昨夜、歌仙からの突然の訪問者に、三杯の粥を食べ尽くされるまでは。
 食欲をもって、東雨にその身の不遇を思い知らせた玲凛は、今、颯爽と朝の都を歩いていた。
 歌仙から初めて出てきた少女には、目に映る全てが新鮮だ。
 軒を連ねる色鮮やかな市場の賑わい、故郷より透き通った乾いた風、どこまでも続く家々と人の波。彼女はそれを、入り混じる匂いとともに鮮烈に感じ取った。
 玲凛が紅蘭へ旅している間に、都の季節は移り変わった。歌仙を発つ頃には蕾だった白梅も、今を盛りと花開いた。
 今年は、二度、春を迎えた気がする。
 遅れてやってきた紅蘭の春は、玲凛に遠く旅した実感を与えた。
 日差しの温もりは、少し物足りない。が、動くには爽やかな朝だ。自然と、駆け足になる。
 薄桃の袍に、濃茶の裳、黒足袋に手製の牛皮の靴。腰には、緋色と群青の二振りの太刀。揺らす髪は小さな髷を結って横髪をまとめ、金色に垂れる步搖を差している。彫りの深い顔立ちに凛々しい目元が、常人ならざる気迫を宿す。
 初参者とは思われない確かな足取りで、玲凛は暁番屋を目指していた。
 昨日、厩舎の都合で預けていた愛馬を迎えにいくのである。今頃、犀星の邸宅では、四頭目の馬を迎え入れるため、厩舎の増築が慌ただしく進んでいるはずだった。
 南東の宿場町での騒動の話は、一夜のうちに暁隊に広まっていた。
 あの力自慢の旦次が敵わなかった相手を、一刀の下に沈めた女。歌仙では熊を素手で仕留めていたらしい、との話までが口から口に伝えられた。しかもそれが、歌仙親王の従兄妹であり、悌君の妹である。
 玲一族には、関わらない方がいい。
 玲凛の登場は、犀星の数少ない頼れる『友人』をさらに減らした。
 今、玲凛の歩みを止めるものはいない。
 ゆるく温み始めた風の中を、玲凛の黒髪が美しく波打って、軌跡を描いてゆく。猛者として、既に名を馳せてしまった彼女のあどけない頬に、柔らかな春の日差しが溶けていた。
 暁番屋の前では、門番が形だけの寝ずの番をしていた。塀にもたれて、うつらうつらしながら交代が来るのを待っている。
「おはよう!」
 呼び起こされ、眠たい目を擦りながら、門番が顔を上げると、そこにはキラキラとした少女が一人。あまりに場違いなその雰囲気に、夢でも見ているのかとまた目をこする。
「馬を引き取りに来たんだけど」
 何を言っているのか、門番は理解できなかった。改めて少女を見れば、その細い体に似合わぬ二振りの刀が、腰に下がっている。しかも、群青の大太刀のほうは、見た目にも上物とわかる。
 眩しげに、門番は目を細めた。
「馬?」
 玲凛は大きくうなずいた。
「屋敷の厩舎がいっぱいだったから、こちらに預けたのだけど?」
 玲凛は、上目遣いに門番をねめあげた。
「まさか、どこかにやったりしてないでしょうね?」
 突然の喧嘩腰に、門番は一瞬ひるんだ。ひるんでしまってから、どうしてこんな少女相手に自分が圧を受けたのかと、不思議に思う。玲凛の凄みは本物だ。
 暁隊は決して、気の弱い集団ではない。むしろ、どんな荒事にも動じない胆力は、皆が持ち合わせている。間違っても、少女一人を相手に臆するなどありえなかった。
 門番は誰にも見られていないことを確かめてから、一つ咳払いをした。
「馬というのは?」
「薫風。栗毛の牝馬……」
 玲凛が眉をしかめた。ただそれだけのことで、何かとてつもなくも良くないことが起こりそうな気配がある。
「勝手に通すわけには……」
「は?」
 玲凛の声が、門番を後じさらせた。
「おい、女!」
 下がってしまってから、門番は慌てて去勢を張った。
「だ、だいたい、おまえは誰だ、名乗りもせずに?」
 精一杯の勇気で、門番は言い返した。だが、玲凛には涼風同然の気迫だった。
「南陵郡歌仙の、玲仲咲。蓮章様に伝えて貰えばわかるわ」
「……歌仙の……玲……だと!」
 門番の顔が青ざめた。
「熊殺しか!」
「はい?」
 意味不明な反応に、玲凛は苛立った。
「とにかく、通して。蓮章様、中にいるんでしょう?」
 遠慮なく、玲凛は門番の脇をすり抜けた。
「ま、待て……」
 キッと睨まれて、門番はそれ以上、何も言えなかった。
 つかつかと詰所の前室に入ってきた少女に、当直でたむろしていた数名が驚いて立ち上がった。玲凛は隊士たちを一瞥し、
「蓮章様はどこ?」
 一瞬、目配せしてから、隊士は恐る恐る道を開けた。
 何も言わず、玲凛は奥へ進んだ。
 逆らったら殺される。
 そんな思いが、隊士たちの顔に浮かんでいた。
 玲凛は気配を頼りに、明かりのない廊下を進み、物音がした部屋をのぞいた。
 こちらに気がついて、几案の前に座っていた蓮章が深いため息をついた。
「おはよう」
 玲凛はにこりともせずに踏み込んだ。
「薫風を迎えにきたのだけど……?」
「ああ」
 蓮章は柔らかい横髪を耳に掻き上げた。美しい顔は、玲凛の目にさえ色っぽく映った。
「今、朝の世話をさせている。それが済んだら連れて行け」
「それはどうも」
 言いながら、玲凛はちらっと几案の上を見た。
 木簡や竹簡、布切れに囲まれて、二の腕ほどの長さの鉄の棒が置かれている。片方の先端には薄い四角の面があり、見たところ、物騒な代物のようだった。
「まさか、薫風に焼印なんて……」
「するもんか! どこまで信用してないんだよ」
 蓮章はもう一段、ため息を深くした。その中には、一向に進まない傷害事件捜査への憤慨もあった。
「厩舎は裏手だ。廊下を左に折れて進めばわかる。行け」
 追い払うように、蓮章は手を振った。玲凛は一つ鼻を鳴らし、何気なく机上を眺め、足を止めた。
 その表情に、じんわりと警戒が滲み、几案の上の一点を見る。
「なんだ?」
 蓮章は顔を上げた。玲凛の視線の先を追う。そこには、焼印の写しがあった。
 玲凛は几案を回り込み、焼印を覗いた。印面を見つめたまま、険しい表情をしている。それがどんな使われ方をしたのか、都に来たばかりの玲凛は知らないはずなのだが、その顔は明らかに嫌悪を宿していた。
「あんた、これ、どうするつもり?」
 玲凛は、脅す声色で言った。蓮章は眉を寄せた。
「どういう意味だ?」
「こんなもの、気軽に扱うものじゃない」
「誰も、好き好んで抱えてるわけじゃない。事件の証拠品だ」
「事件?」
 玲凛はじっと蓮章を見た。
「おまえには関係ない」
 蓮章はさっさと片付けようと、焼印に手を伸ばした。
「!」
 すばやく、その手首を玲凛が掴み止めた。蓮章の目がぴくり、とする。それは、彼が知っている花街の女の指ではなかった。白く細いが、握力が桁違いだ。
「話して」
「あん?」
「事件、って何?」
「だから、関係ないと……」
「どんな事件?」
「しつこいな」
「言いなさい」
 玲凛の口調は荒くはないが、有無を言わさぬ凄みは強烈である。蓮章の手首に、玲凛の指が、ギシと食い込む。利き手を封じられては、どうにも居心地が悪い。しかも、咄嗟のこととはいえ、玲凛の方は左手だ。本能的に優位に立つ。
 町の連中が知ってる程度のことなら……
「手を離せ。そうしたら教えてやる」
 蓮章に嘘がないことを察して、玲凛は手を引いた。鮮やかに指の跡が残されていた。蓮章はそれを撫でながら、昨年秋から続いていた花街の事件について、かいつまんで説明した。
「結局、現在の生存者は二名だ。それも、長くはもたないだろう」
 最後に、現状を付け加え、蓮章は黙った。
 話している間、ずっと声の震えを堪えていた。犯人の理不尽に対する怒り。そこには、蓮章個人が失った、大切な命への思いがあった。
 変わり果てた姿でこの世を去った娘の姿は、生涯、忘れることはできないだろう。
「……これで、満足か? わかったら、馬を連れて……」
「あんたたち、これがただの傷害事件だって考えているの?」
 玲凛からの問いかけに、蓮章は顔色を変えた。
「どういう意味だ?」
「だからさ、犯人が単に、怪我をさせただけだと思っているわけ?」
「……他に、目的があったというのか?」
 玲凛は、じっと焼印とその写しを睨みつけ、唇を引き結んでいる。
「凛、何か知っているのか?」
 蓮章は、わずかな変化も見逃すまいと、玲凛の様子を伺った。動揺は顔よりも体に現れる。しかし、玲凛は指先ひとつ、動かさない。隙がないとはこのことだ。
「知っていることを、話してくれないか」
 今までで一番、蓮章は丁寧な言い方をした。口惜しいが、自分たちでは手詰まりだ。もし、何か情報があるのだとしたら、藁でも掴みたかった。
「どうして私があんたに協力しなきゃいけないわけ?」
 突然の言葉に、蓮章が返答に窮する。
「そんなことして、私に何か得なことが?」
 そう言いかけて、玲凛は口を閉ざした。
 蓮章の灰色の左目に、ちら、と焦りが浮かぶ。色薄い瞼が苦しげに歪んだ。
 玲凛は見逃さなかった。蓮章にとって、これは数ある事件の一つではないのだ。おそらくは、心深くに傷を負った、特別なものに違いない。玲凛は直感した。
 素直な奴。
 涼景が彼を信用するのも理解できる気がした。玲凛は一度、息をついた。
「そうか、あんたの大事な人も、犠牲になったんだね」
 蓮章の目が、見開かれた。
 加良……
 膝の上で、握る手に力が入る。
 わずか十六歳、会ったばかりの娘に、見透かされるとは思わなかった。
 涼景は玲凛の武術を褒めたが、蓮章はその観察眼に恐れ入った。このような鋭い相手に、ごまかしは通用しない。むしろ、隠そうとすればするほどに、本心が透けてしまう。
 蓮章は、どこか諦めたように頬杖をつき、遠くを見る。美しい顔に、儚い色気がたゆたう。
「どうしても、犯人を見つけたい。力を貸して欲しい」
「案外、純情じゃない」
「大した礼はできないが……」
 玲凛は蓮章の向かいに遠慮なく座った。そして同じように肘をついて蓮章を眺めた。
「美味しいもの、奢って。それでいいわ」
「教えてくれるのか?」
 わかりやすく、蓮章の顔が晴れた。
「教えることは教える。でも……」
 反して、玲凛は少し表情を曇らせる。
「だからって、すぐに犯人が見つかると思わないで」
「かまわない。なんでもいい。どんなわずかなことでも」
 蓮章はいつになく真剣だった。
 癖のある性格の玲凛だったが、これで以外と情には厚い。
 玲凛は姿勢を正した。そっと懐から一枚の札を取り出す。薄く、木簡の半分ほどの大きさで、表面には何か文字が刻まれている。護符の類だろうと蓮章は思った。
 玲凛はそれを机上に置き、自分の正面に据えた。それから指先を札に乗せ、話し始める。
「『傀儡』というものを、知っている?」
 蓮章には心当たりがなかった。
「涼景様は何も言ってないのね」
「涼は……知ってるのか?」
「そのはずだけど」
 蓮章の胸に、かすかに寂しいものが吹いたが、今はそこにこだわっている場合ではない。すぐに思い直す。
「それはなんだ?」
「『怨霊』と言えばわかるかしら。厳密には少し違うけれど、それが想像しやすいと思う」
 突然に現実味に乏しい話題を振られて、蓮章の眉間に皺がよる。玲凛は声を抑えた。
「信じるかどうかは勝手だけど、とにかく今はそういうものだと思っていて」
 玲凛は一つ、前置きをしてから、
「人が深い恨みや怒り、悲しみなどの情を抱いて命を落とすと、その魂がこの世界に形を持って残る。それは、目には見えないし、声も聞こえない。だから普段は気づかないけれど、結構その辺にいる」
 ぞっとして、蓮章は体をびくつかせた。
「大丈夫。普段は危害はない。けれど、傀儡と共鳴することにより、体を取られてしまう」
 蓮章は玲凛の説明に必死に食らいついたが、あまりに飛躍した内容に困惑を隠しきれなかった。玲凛はそれを察した。
「例えば……」
 玲凛は少し考えて、
「大切なものを失って、悲しみながら死んだ人がいるとする。その人は傀儡として、ずっとその場所に残る。亡くなった場所にね。そして同じように何かを失った悲しみを抱えていたり、その人のことを知っていて哀れんだりする人が近づくと、その人に取り付く」
「共感する者に?」
「そう。だから、たちが悪いの。たいていは親族や友人につくことが多い」
 蓮章は初めて聞く話を、一つ一つ自分の中で咀嚼し、理解していった。
 玲凛はさらに続けた。
「傀儡に操られると、自分の意識がなくなる。悲しみや怒りに囚われたまま、大抵は暴れて周りを傷つけたりする。めちゃくちゃに動くから、取り憑かれた人の体も壊れる……」
 玲凛は、何かを思い出したらしかった。忌まわしい感情が、一瞬、表情をかすめた。
「とにかく厄介なの。詳しいことは陽兄様に聞いて。私より、よく知ってるから」
「陽は、その傀儡ってやつに関わってきたのか」
 蓮章は、都に来てすぐの玲陽を思い出した。
 酷く心がすり減っていた。どんな経験をしてきたのか、詳しいことは聞かなかったが、今の玲凛の話から、なんとなく想像がついた。
 この世ならざるもの。人の触れてはならない世界に触れすぎたのだろう。
 蓮章は今一度、焼印を見た。
「その傀儡と、この印。どういう関係がある?」
 自分の言葉を確かめるように、蓮章はゆっくり言った。合わせて、玲凛も口調を緩める。
「普段、傀儡は自分が死んだ場所に残るの。そこからあまり動かない。動けないと言ったほうがいいかな」
 玲凛は、視線だけを、焼印の写しに向けた。
「でも、この印は、呼び寄せる。磁力を持った石が、砂鉄を吸い寄せるみたいにね」
「この印が引き寄せる?」
「この文様には意味があるの。一定の法則に添って作られてる」
 落ち着きを払っているが、見るのも忌まわしい、という思いが、玲凛から感じられた。
「呪いの文様を作成するには、自分の真名を使うの」
 蓮章は眉を寄せた。玲凛の話には、いちいち聞きなれない言葉が使われる。理解が追いつかない。
 玲凛は、ゆっくりと話した。
「真名は、自分の本当の名前。誰にも言わず、教えることもない。その名前の字を変形させて、文様を作る。自分の願いを込めて」
「『呪うこと』を『願う』か」
「そういうこと」
 静かに、玲凛は頷いた。
「理解はした。そうやって、誰かが作ったのが、この文様……それを刻むための焼印だと?」
「そうなる。事の重大性、わかってくれた?」
 蓮章はしばし黙り、それから、頷いた。
「誰かが、女郎の体に印を刻み、その体に傀儡を集めようとした……」
「そう。傀儡はその人の生命力を食らいながら、大きく成長していく。やがて、誰かを操るほどに」
 二人の間に、わずかに沈黙が挟まる。蓮章が静かにそれを破った。
「この印が、もとはどんな文字だったかわかるか?」
「文字は、わかる」
 けれど、と、玲凛は少し悔しそうな顔をした。
「でも、それは真名だから、誰なのかはわからない」
 そう言って、玲凛は机の上に指先で一つ、字を書いた。
 軌跡をたどって、蓮章がつぶやく。
「『詩』」
 玲凛はうなずいた。
「この文字を真名に持つ人が作ったのは間違いない。でも、それは探しようがないわ」
 その文字を名に持つ人間なら、何人か心当たりがあった。だが、それはあくまでも蓮章が知る名であり、その人物の隠された名ではない。
「私にわかるのは、ここまでよ」
 玲凛は、そっと護符を撫で、指先でつまんで、また胸元に戻した。机の上の図案から目を背ける。
「片付けて欲しい」
 蓮章は、手早くそれをたたみ、玲凛の目に触れないよう、焼印とともに木箱に収めた。
 ほっと息をついて、玲凛は蓮章を盗み見た。
 ただでさえ色の白い蓮章の頬が、さらに青くなっている。
 自分の話を信じてくれたようだが、それは彼を余計に追い詰めたようでもある。
 張りつめた空気。玲凛は蓮章のまとう気配に危うさを感じた。
 こいつ、見かけによらず、相当、情が深い。
 玲凛の勘が正しければ、蓮章はおそらく、傀儡に心を寄せ、同情し、共鳴してしまうだろう。
 生まれながらに、玲凛には人の本質を見抜く目があった。
 さまざまに思いを巡らせ、玲凛は口を開いた。
「私にどこまでできるかわからないけれど、被害者に会わせてもらえない?」
 蓮章には、思わぬ申し出だった。
「……会うことはできるが」
 蓮章は口元を手で覆い、言い淀んだ。
「皆、心が壊れている。まともに会話はできない」
「それでもいいの。どうせ、もう、誰にも助けることはできない。でも、このままにしておくと、その人たちの印のせいで、さらによくないことが起こる。破壊しておく必要がある。もし、傀儡が集まってきたら、取り憑かれる人たちが出る」
 たぶん、あなたも。
 心で、そう呟き、
「そうなったら……」
 玲凛は眉を顰めた。
 そうなれば、また、陽兄様が傀儡喰らいで苦しむことになる。
 蓮章は考えた。
 玲凛の話が真実ならば、この案件はあまりにも複雑で、底が知れなかった。玲家の力が必要なのかもしれない。
「これ以上の被害を食い止められるなら」
 蓮章は腹を決めた。
「力を貸してもらいたい」
 玲凛が小さくうなずいた。
 ただし、と蓮章は付け加えた。
「危ない真似はするな。俺も一緒に行かせてもらう」
「当然。奢ってもらうんだから」
 口調は砕けていたが、玲凛の表情は真剣だった。
 今はむしろ、蓮章を一人にする方が心配だった。
 そしてそれは、期せずして、蓮章にとっても同じだった。
 万が一にも玲凛の身に何かあれば、蓮章は無事ではいられない。
 彼女は、仮にも親王の従兄妹である。さらに、あのおとなしそうに見えて、実は気性の激しい玲陽の妹だ。若い娘を花街に連れ込んだとなれば、師匠の慈圓も黙ってはいない。何よりも、玲凛の力量を買っている涼景が、自分を責めるのは火を見るより明らかだ。
 全員から袋叩きにされる。
 玲凛には、傷一つ、つけるわけにはいかなかった。

 東雨は玲陽から預かった木簡の束を抱いて、ひとり、市場に来た。
 春先の市場の匂いは軽い。冬場は生姜や大蒜にんにくが空気を席巻する。だが、春になるとそこに甘さや塩辛さが混じってくる。風がふんわりと柔らかく溶けるようだ。
 そんな市場を、東雨は少し緊張した顔で歩いていた。
 人々の流れは暖かくなるにつれて増え、その表情にはようやく終わった冬への安堵が見られる。
 昼近くの時刻である。午前中は、ずっと屋敷の厩舎の増築に当たっていた。玲凛が馬を一頭連れてくることになっている。犀星と玲陽と東雨、そして不運にもこの日の屋敷警護にあたっていた暁隊の手を借りて、どうにか急拵えの厩舎を作った。
 東雨は、玲凛のことが嫌いではない。だが、怖い。何を考えているのかよくわからない上、すぐに怒りだす。要するに、苦手なのだ。
 だが、このまま引き下がるつもりはない。ここは都だ。東雨の生まれ故郷だ。堂々としていれば良い。
 とは言っても、やはり、玲凛は親王の従兄妹であり、東雨にとって目上の存在であることに変わりはない。しかも同時に、義理の妹にあたるという最悪な関係性だ。
 やりにくいなぁ。
 犀星も玲陽も、気にしなくて良いと笑ってくれた。
 気にしないのはいいとして、馬鹿にされるのだけはごめんだった。
 すでに、剣術では敵わないと諦めている。
 東雨にも、矜持らしきものがある。せめて、何かで成果を出したかった。
 頑張ろう!
 東雨は、さらに表情を引き締めた。
 果物の荷車が気になる。蜜柑が山の形に積まれている。今年、最後の蜜柑だろう。甘酸っぱい果汁が懐かしかった。
 小料理屋の前を通ると、一際強く、韮の焼き餅の香りが鼻にきた。刻んだ韮、卵、豚肉の餡を米粉の薄い皮で包み、炭火で香ばしく焼いている。
 ご馳走だ……
 東雨は、旨そうな匂いの染みた唾を飲み込んだ。
 だが、足は止めない。今、東雨が調べるべきは、季節の味覚ではない。
 数々の誘惑を超えて、市場の奥の、少し離れた大きな構えの店に向かう。にぎやかに店の者たちと客のやりとりがある。一歩後ろで堂々とした大柄な男が、全体の様子を監督していた。
「おじさん!」
 東雨は明るく声をかけた。
「うん?」
 魚商の主人は、少し意外そうな顔をして、それからすぐに人の良い笑顔になった。
「東雨! 久しぶりじゃないか。どうしてた?」
「いろいろ忙しくて」
 東雨は笑い返した。
 まさか、生死の境をさまよう怪我を負っていました、とは言えない。ついでにもう、俺は東雨ではありません、とも。
「ここの魚、美味しいから、またよろしくお願いします」
「なんだぁ? 値切りをよろしくってことか?」
 からかわれても、東雨はにこにこと笑うだけだ。
 とっくに子供という年齢を過ぎ、少年とも呼べず立派な青年だ。
 だが、元来のその幼い顔と明るい気性は、いつまでたっても都の者たちに可愛がられる。
「今日は何が欲しい? いい鮎が入ってるぞ。生姜と塩で煮込んでだなぁ……」
「ああ、いえ。今日は魚を買いに来たんじゃないんです」
 東雨は真面目ぶって姿勢を正した。それに主人も気がついた。
「うん? ずいぶんとかしこまってどうした?」
 東雨は背筋をぴっと伸ばした。それから慣れないよそ行きの声で、
「五亨庵の東雨です」
 主人は不思議そうに首をかしげた。
「そんなこと知ってる」
「ですよね」
 東雨は照れて笑った。
 ここでは、やはり、自分はただの、東雨なのだ。
「少し、話をお聞きしたいのですが」
 主人は、すっかり驚いた顔で見下ろした。目をぱちくりさせて、東雨も見返す。
「なんだかよくわからないが、真面目な話みたいだな」
「はい、実は……」
 東雨は簡単に、ここへ来た経緯を説明した。
「なるほど、歌仙様に仕事を任されるとは」
 立派になったものだ、と、主人はしみじみと何度もうなずいた。
「よし、そうとなりゃ、力になるぞ。おまえの初仕事だもんな」
「初仕事って……それじゃ俺が今まで何もしてなかったみたいじゃないですか」
 少し口をとがらせる。
「細かいことは気にするな」
 言って、主人は軒下の長榻を勧めた。東雨は、ハッとした。以前から、犀星がこうやって、人々の話を聞いていた姿を思い出す。自分が同じことをする日がくるなど、想像もしていなかった。
「……照れる」
「え?」
「いえ、何でもないです」
 東雨は素直に主人の隣に腰掛けた。その顔は少し誇らしくも見えた。
「それで、何が聞きたい?」
 東雨は懐から木簡の束を出して順番を揃えた。玲陽が、必要な質問をまとめてくれている。
「いろいろと。わかる範囲で構いませんので」
「……おまえ、何だか役人みたいだな」
「えっ!」
 木簡を探る手が止まり、東雨は拗ねたように主人を見た。主人はニヤリとした。東雨が役人嫌いな事はよく知っている。
「そう、力むな。歌仙様に頼まれて緊張しているのかもしれないが、いつものおまえでいいんだよ」
 主人の声は優しかった。東雨はフッと息を吐いた。
「はい」
 素直に頷く。横目でやりとりを見ていた店の者達が、ちらっと笑うのが聞こえた。
「あの、亀池って知ってます? 正式には、玄武池」
 主人は首をかしげた。すぐには思い出せないらしい。東雨は続けた。
「北東にある、昔作った養殖池だとか」
 主人は少し眉を寄せてから、ぱっと目を開き、手を打った。
「ああ。腐れ池のことか」
 腐れ池……?
 その言い方には、明らかなあざけりがあった。主人はニヤニヤしながら、
「あれは最悪だった。当時、穴だけ掘って水溜めてな。とりあえず、魚さえ入れときゃ勝手に増えるだろうって。結局、水は濁るは魚は腐るわで、散々よ。あの池から引いた水は、今でも時々、妙な匂いがするくらいだ」
 東雨は首をかしげながら、
「しっかり作らなかったんですか? 確か、粘土とか竹とか…… あと、水門で流れを調節する必要があるとか」
「金がなかったんだとよ」
「ああ……」
 今も昔も、結局それか。
 東雨は苦笑し、納得する。
「あんな馬鹿げたことやろうとするやつの気が知れん」
 東雨の笑顔がそのまま凍りついた。
「その馬鹿げたこと、今度は歌仙様がやることになったのか?」
「元をたどれば、もっと偉い人からの嫌がらせです」
 東雨は思い切り、困った顔をした。それを見て、主人も苦笑いする。察したらしい。
「まぁ、歌仙様なら、きっと、うまくやってくれるだろ」
 どういうわけか、街の者たちは犀星に対して無条件で協力的だ。どんな無理難題であっても、どうにかなるだろう、と気楽に信頼を寄せる。
 これが若様の魅力だよな。
 心の中で、東雨はニヤニヤした。
「それで、何が聞きたい?」
 主人は堂々と迎え撃つように言う。実に頼もしい。
 東雨は、携帯用の硯を脇に置き、小筆と木簡を構えた。玲陽の質問が書かれた裏に、回答を書いていく。
「俺、宮中の池を泳いでる魚くらいしかわからないんですけど、食べるために育てるとしたら、どんな種類がいいんですか?」
 主人は神妙な顔で腕を組んだ。
「まずは鯉だな。丈夫で育てやすい。最近は祝い事にも使う縁起物だ。特に黒い模様だと、高く売れる」
 池にいるやつだ、と東雨は書き込んだ。
「鮎は春から初夏の売れ筋だが、綺麗な流れのある池じゃなきゃ無理だぞ」
「水の流れを操るなら、若様にお任せください」
 東雨はにこっとして胸を張る。水害の恐ろしさは知っているが、犀星ならばどうにかしてくれるだろう、という自信がある。
 主人はさらに続けた。
なまずは下魚扱いだが、冬の鍋には引きがある。市場じゃ意外と重宝される」
「鍋……」
 東雨の頭の中で、ぐつぐつと煮たつ鍋料理が想像される。
「葱に韮に、生姜も入れたいなぁ。大根は飾り切りにして…… 木耳きくらげ、椎茸と戻し汁で味を添えて、豆腐に羊肉なんて入れたら豪華だなぁ」
「おお、いいねぇ、陳皮も加えると臭みも消えて……」
 ふたりの話は鍋の中身に脱線した。
 背後のやりとりに聞き耳をたてて聞いている店の衆たちは、そのつど、目線をかわしてにこやかな顔をする。
 彼らにとっても、東雨は古くから知る親戚の子どものようである。
「逆に、避けた方いい魚もいるぞ」
 主人は唇をニッと横に結んで、
ふなは増えすぎるし臭いがひどい。泥抜きが甘いと売り物にならん」
「手間がかかるんですね」
「同じ池で飼うなら、他の魚にもよくない影響がでやすい」
「なるほど」
 東雨はさらさらと小筆を走らせた。
うなぎは高値だが、手間がかかりすぎる。下手にやると死ぬ」
「うーん、手頃に食べられるようになると嬉しかったけど、難しいんですね」
「生き物を育てるってのは、そういうことだ」
 なにやら妙に納得した顔で、主人はうなずいた。
 東雨はひとつ、気になっていたことを尋ねた。
すっぽん、ってどうなんですか?」
 ああ、と、主人の顔が笑った。過去の失敗を思い出したらしい。
「あいつらは魚というより、気の荒い獣だ。池の底に泥を敷き、冬はそこで眠らせねばならん。水は常に流れを作れ。淀んだ水ではすぐに病む」
「なんか、贅沢……」
 一瞬、東雨の脳裏に玲凛の顔がちらついた。
「餌は肉片でも小魚でもいいが、余計なものを与えれば泥臭くなる」
「肉片……」
「屠殺場で出るくずでも十分だ」
「それなら……」
 金がかからない。東雨はにやっとしたが、
「出荷まで二年は見ておけ」
「ええっ!」
 すぐに夢はやぶれた。
「二年……ですか」
「では、鯉、鮎、鯰ってところがちょうどいい感じですね? なんだか地味だけど」
「最初は、そんなものだろう。それだって、うまくいけば大儲けだぞ」
 大儲け……
 いまだかつて、犀星が引き受けた仕事には、決して縁のない言葉だった。
 東雨は木簡をめくった。
「次に、魚の運び方について、何か希望とかありますか?」
「そりゃ、鮮度だろ」
 堂々と、主人は言い切った。
「池から市場まで一日以内だな。夏場なら半日以内。これを外すと鮮度が落ちる」
「方法としては?」
「鯉や鯰は生かしたまま運ぶのが望ましい。都じゃ生き締めを好む料理屋も多いしな」
「桶にいれて、泳がせながら……」
 東雨は、巨大な風呂桶を引きずる荷車を想像した。
「それ、結構大変なんじゃ……」
「だからこそ、高く売れるんだ」
 高く売れる……
 再び東雨の目が輝き、木札に書き付ける。
「生きたまま運べない場合は、すぐに絞めた方がいい。池のそばに魚房を置いて管理すると、出荷量も調整できる。塩締めや干物にもできるが、それでも二日が限度、ってところか」
「おじさん、詳しい!」
 東雨に褒められて、主人は満面の笑みだ。
「若い頃は、海沿いの魚房で修行してたんだ。あの頃は海水魚だったが、基本は変わらない」
 内陸の紅蘭育ちの東雨は、海を見たことがない。
 話を聞いてみたかったが、今は仕事が優先だ。
 かろうじて、東雨の使命感が好奇心に打ち勝った。
「ところで」
 と、今度は主人のほうから問いかけた。
「養殖では、どれくらいの数が出る? 鯉なら月に千尾単位で捌けるが、安定供給はできるのか?」
「千尾!」
 東雨が驚き、聞きつけた店の連中が笑った。
「そ、そんなにたくさん、必要なんですか?」
 その声は動揺に震えている。
「まぁ、腐れ池……養殖池だけに頼るわけではないが、いずれはそれくらい期待したいものだ」
 千匹の鯉の群れなど、東雨の想像を超えている。
「鮎は旬ものだから、夏前から初秋まで集中して出す形になる」
 主人の言葉は、ぼんやりと鰯雲を眺める東雨の耳を通り過ぎて言った。
「冬は魚の動きが鈍る。そこをどう補うかが課題だ。婚礼や祭りの前は一気に需要が跳ね上がる。備えられるか?」
 東雨は少し泣きそうな顔になった。
 思っていたよりも、はるかに情報量が多い。そして、難しそうだ。
 主人も、かわいそうだと思ったらしく、首を振った。
「全部、一度にやろうとするな。相手は生き物だ。こちらの思ったようには動かない」
 すっかり、肩を落とした東雨に、主人はどうしたものかと唸ってしまった。
「とりあえず、やれる範囲で、気をつけてみるのはどうだ?」
「やれる範囲?」
 聞く前から、すでに東雨は涙目だ。
 主人は、できるかぎり口調をやわらげた。
「泥抜きは必須だ。臭いが残った魚なんざ誰も買わん。病気や死魚が混じったら、市場で俺の首が飛ぶ。絶対に避けろ」
「…………」
「あとな。値崩れは困る。池の魚だからって安売りはなしだ。下手すりゃ、養殖じゃ天然物より高くつく。そこ、理解しとけよ」
 理解どころか、東雨は話についていけていない。
「一度でも悪い魚が出回れば、腐れ池の魚って笑いものだ。絶対に失敗できねぇ。わかるな?」
 東雨は唇を引き結んで、下を向き、うなずいた。
 犀星に恥はかかせられない。
 袖でぐいっと目を拭うと、一つ、気持ちを切り替える息を吐き出した。
「教えてくれて、ありがとうございます」
 声はまだ少し震えていたが、強い決意がその目には宿っていた。そして、無理をした笑顔を見せる。
 町の者たちは、東雨のこの顔にほろりとくる。
「こいつを持っていけ」
 主人は、土産に、と藁包みを東雨に手渡した。
「貴重だぞ。今夜、すぐに夕食にしろ」
「……これは?」
 手の中で小石がぶつかるような音がする。東雨がそっと藁をめくると、
小さな貝が一山、湿った海藻に包まれている。ふわりと、不思議な香りがした。
「今朝届いたばかりの浅蜊あさり。海の香りも一緒にお届けだ」
 東雨は、小さく泡を吹いている貝を凝視した。
「触ってみろ」
 東雨は、おそるおそる、縞模様の表面に触れた。とたんに、貝がパタンと閉じる。
「わ……動いた! これ……生きてる?」
「船だ。沿岸で獲ったやつを籠詰めにして、濡らした藁をかけて運ぶ。春先なら三日は持つ」
「新鮮な海のものなんて……こんな高そう……貴重なもの、いいんですか?」
「先行投資ってことにしといてやる」
 主人は片目を瞑った。
「そのかわり、養殖がうまくいったら、贔屓にしてくれよ」
 東雨は、ようやく、安心した笑みを浮かべた。
 五亨庵が抱えた問題が決して簡単ではないことが、よくわかった。それでも、こうして協力を惜しまず、応援してくれる者たちがいる。
 若様がしてきたことって、こういうことなんだ。
 東雨はあらためて、犀星の努力に思いを馳せた。

 夕立が過ぎ、あたりは大地からの湿気にむせかえるほど、息苦しかった。
 太久江から別れてすぐ、伍江の流れの上流に、古くに打ち捨てられた池が、荒れ放題に風雨に晒されていた。
 亀池。
 正しくは玄武池と呼ばれた、かつての開発の名残である。
 当時の皇帝で会った蕭白は、この場所に執着を示した。
 玄武池の一帯を掘り起こし、養殖池という名目のもと、土地を荒らした。
 今からさかのぼること、三十年以上前の話である。
 当時、陰陽官として見習いで会った紀宗は、師匠とともにこの事業に深く関わっていた。
 魚の養殖と陰陽、一見すると何のつながりもないように見えながら、そこには深い因果があった。
 それを知る者は、今はもう、少ない。
 数名の補佐官を連れ、紀宗は玄武池のほとりに立った。
 曇天のもと、風は緩く、紀宗にはそこに瘴気すら感じた。川の周辺は泥炭が広がり、その上に赤っぽい砂が堆積している。大雨のたびに氾濫を繰り返し、人々を遠ざけていた。
 伍江の流れは深く力強い。玄武池の水はゆっくりと下流へ押し流される。無計画に掘り起こされた池は大半が崩れ、岸は崩れ放題となり、露頭が至る所に見られた。当初予定されていた池の外観はとうに失われていた。
「紀宗様」
 補佐官の一人が、小柄な紀宗の倍はある体をかがめて、話しかけた。
「五亨庵は、本当に、ここを再生できるのでしょうか?」
 紀宗は細い目をより細くした。
「魚など育たぬ」
 きっぱりと、紀宗は言った。
「ここで育つのは、呪詛よ」
 その声には、複雑な思案がにじんでいた。
 補佐官たちは顔を見合わせ、不気味そうにあたりを見回した。
 太久江も、伍江も、何百年の間に繰り返された北方との戦いにおいて、戦場となってきた場所である。
 この川底にも、泥濘の底にも、数知れない報われない魂が渦巻いているに違いなかった。
 養殖池どころか、近づくことさえはばかられる場所である。
「呪詛を育てる、とは?」
 恐る恐る、大柄な補佐官が尋ねた。紀宗は面倒そうに、口を薄く開けて、
「荒らせば荒らすほど、傀儡は動く。新月の光があればなおのこと」
 それ以上、紀宗は何も言わなかった。
 彼らは、玄武池と伍江の流れを目で追いながら、その地に眠り、今、目覚めの時を迎えようとしている何かの存在を、強く、感じ取った。
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