新月の光

恵あかり

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第三部「凛廻」(連載中)

13 渓谷の向こう側

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 夕泉親王を伴った涼景の部隊は、着々と紅蘭へと道を進めていた。
 大きな戦闘もなく、兵たちの間には一定の緊張感だけが保たれていた。この先の亜塵渓谷を渡る橋を越えれば、都まで二日の道のりである。
 あとわずかで終わる。
 誰の顔にも疲れと、安堵が見え始めていた。
 涼景を除いては。
 行く先の渓谷に架かる橋を調べに行った斥候が、曇った表情で戻ってきた。
「橋が落とされています」
 来たか。
 特別驚いた様子はなく、涼景は落ち着いて進軍を止め、休息を取らせた。その間に詳しい話を聞き出す。
 斥候によると、橋のそばの町を盗賊が襲い、逃げるに乗じて焼き払ったという。
 蓮章の伝言が蘇る。
『宮中の敵を忘れるな』
 橋の倒壊は、単なる盗賊の仕業ではあるまい。
 涼景には、宮中で恨まれる心当たりがありすぎる。
 だが、今回のことに深く関わっている者となれば、自ずと絞られてくる。最も疑わしいのは、禁軍大将・然韋だ。だが、立場も責任もある然韋が、自ら動くとは考えにくい。実行役は別にいると思われた。
「ほとんどが、北側の道へ迂回しているようです」
 斥候は現地の状況を、そう知らせた。
 涼景は腕を組んだ。
 北の道は平坦で、通行は容易である。ただし、日数がかかりすぎる。また、道中に宿場町もあり、人目にも付きやすい。夕泉を連れ、部隊で移動するには、少々難がある。万が一、胡断との戦闘になれば、無関係な者を巻き込んでしまう可能性が高い。
 それよりは、多少の危険は伴うが南へ下り、崖沿いの旧道を使う方が時間の短縮にもなる。
 どうする?
 今回の橋の崩落は、陽動である線が濃厚だ。
 ならば、どちらに行っても待ち伏せの恐れがある。
 涼景はここに至るまでの、奇妙な気配を思い出した。
 忌まわしい太久江の記憶。それに惑わされる不安に加え、明らかに別の、人のものと思われる視線を感じ続けていた。
 それは、付かず離れず、まとわりついている。もし、宮中の何者かが策を巡らせるとしたら、正規軍内部に、密偵を忍ばせている可能性も高い。黒幕が然韋であれば容易なことだ。ならば、北へ回っても、南を選んでも、敵方にはつつ抜ける。
 俺一人なら、南を選びたいところだが……
 南の旧道は、崖沿いを一度谷底まで下り、そこから渡河して反対の崖を登ることになる。崖の移動中を狙われる危険性が高く、谷底も、野生動物が多数生息する湿地だ。
 時はかかるが、北へ行くべきか。
 涼景は兵たちの様子に目を向けた。
 束の間の休息に、どこかぐったりとした空気が漂う。
 明確な敵との衝突もなく、常に緊張感を保て、というのは難しい。長引くほどに、士気は落ちる。北を進み、隠れる場所のない地形で一般の民衆をかばいながらの戦闘となれば、集中力と臨機応変な対応が要求される。それに耐えうるだろうか。
 どちらを選んでも、厳しくなる。
 涼景の目が彷徨う。
 刹那、早く帰ってこい、という蓮章の声が聞こえた気がした。
 北の道を通れば十三日かかる。南に行けば、最短で四日で済む。
 涼景の心が決まった。
「このまま進路を南へ変更する」
 伝令が、涼景の判断を、全軍に知らせた。
「渓谷沿いを進み、旧道の入り口で今夜は陣を張る。明日の朝、日の出とともに渓谷を渡る」
 ふたたび、隊列が整い、南側の盆地へと軍は動き始めた。
 橋がかけられ、北の迂回路が整備されてからは、南の旧道を使う者はほとんどいない。整備が滞り、道は荒れていた。草地の中をゆっくりと進む。夕泉を中心に歩兵が列を成し、周囲を工兵と補給隊が挟み、その外を騎兵と涼景が守る。
 向こう岸までは、すっきりとよく見通せる。直線距離ならばいくらもかからない。だが、幅の半分ほどの深さの谷が、それを阻んでいる。
 東の空に満月が輝いて、明るい夜を招いた。
 月だけは味方してくれるようだ。
 涼景は、その白い光にわずかに微笑んだ。
 満月を見ると、あの小生意気な少年を思いだす。
 月が満ちるたびに胸を痛めていた彼は、今、どんな思いでこの月を見ているのだろうか。
 文句を言われながら飲む酒が懐かしかった。
 一行は、月明かりに守られて、何事もなく目的地までたどり着いた。
 涼景は、旧道を見下ろす崖の上で歩みを止め、野営の準備を命じた。兵たちが慣れた手つきで作業を進める。それが落ち着く頃、湖馬が涼景を見つけて駆け寄ってきた。
「隊長、ここを降りるのですか?」
 湖馬は四つん這いになって、下を覗き込んだ。
「気をつけろ。足元がすぐに崩れる」
 崖を覗くと、荒れ果てた切り通しが、斜めに折れつつ、谷底へと続いていた。底は中央あたりに川が流れ、周囲は沼地で草が生い茂っている。
「危なそうですね」
「本来なら無茶はしたくないが」
 涼景も、湖馬に並んで片膝をつき、底を伺った。そうしながら、そっと湖馬に口を寄せる。
「北へ行っても、ここを通っても待ち伏せされている可能性が高い」
 低めた声が口早に告げた。
「待ち伏せ?」
 湖馬の表情がぴんと張る。
 正規軍内に密偵の恐れがある以上、本音を話せる相手は湖馬しかいなかった。決して蓮章のような軍師ではないが、一人で抱えるよりも、誰かと分かつだけで気持ちが落ち着いた。
「胡断が狙ってくるのは、ここですか?」
「おそらく」
 涼景は目を細めた。
「この谷を越えれば、もう、襲撃の機会はない」
「けれど、どうしてこんな都の近くで? 襲うなら、もっと人目につかない場所もあったでしょうに」
「いい視点だ」
 涼景は頷いた。
「おそらく、届かないのだ」
「……届かない?」
 涼景は一層、声を低めた。
「胡断を統率する者が、都を離れにくいということだ」
「それって、宮中の誰か……」
 ほんのわずか、涼景は頷いた。
「本当に、夕泉様を狙うなんて……」
「あくまで推測となるが……その可能性は低い」
 涼景は息を吐き出した。
「夕泉殿下は、目立たず、敵を作らない。狙ったところで、宝順帝を脅す以外に使い道はない。第一、あの皇帝のことだ、弟を見殺しにすることも考えられる。そもそも、本気で刃向かうつもりならば、やり口が杜撰すぎる」
 一つ一つに頷きながら、湖馬は話に集中した。
 夕泉を狙う、というのは、単なるでまかせに過ぎない気がしてくる。
「だとしたら、なぜ? 俺には、意図が全くわかりません」
 湖馬は口をつぐんだ。
 二人揃って崖に膝をつき、下を見下ろす。静かな姿勢のまま、二人の語る内容は、この軍の命運を握っていた。
「はっきりとは言えないが」
 涼景は声を絞って囁いた。
「今回のこと、狙いは夕泉殿下ではないと考えている」
「では?」
 合わせて、湖馬も声を落とす。
「おそらく、最初から、俺を陥れるため」
 涼景の大胆な推測に、湖馬は少なからず驚いた。
「隊長を?」
「……少なくとも、俺の失脚を望む者が絡んでいる」
 湖馬は遠く目を上げ、崖の対岸を見た。南側には山からつながる森が広がり、北へ行くにつれて、木々の背丈は低くなり、やがて草原へと変わる。その奥に位置する紅蘭の外壁はまだ見えず、闇の向こう側だ。
 宮中には、さまざまな思惑が交錯する。
 湖馬にはわからぬ策謀が、涼景を脅かしている噂はよく耳にしていた。それも、ひとつふたつではない。
 湖馬から見れば、涼景は信頼できる上官だった。
 どうして、このような人を陥れるのだろう。
 出世欲とは無縁の湖馬には、想像もつかない。
「俺にとって、この任務における最大の失態は何か、おまえにもわかるだろう?」
 涼景の問いかけに、湖馬はこくりと頷いた。
「夕泉様が無事に戻れないこと、ですね」
「湖馬、殿下のそばを離れるなよ。おまえは近衛だ。要人警護にかけては、誰よりも知識がある。任せたぞ」
 涼景の言葉を、湖馬は素直に嬉しく受け止めた。
「身命に代えて、お守りします」
「いや、そこまでしなくていい」
 湖馬の精一杯の決意を、涼景はあっさりと横によけた。
「おまえの身も命も、おまえのためにとっておけ」
「隊長……?」
 湖馬は、苦笑した。いつも通りの涼景だ。このような危機せまる状況にあっても、変わらない涼景の口調は湖馬を安心させ、勇気付けてくれた。
「それで、これからどうするんですか?」
 涼景にならって、湖馬は谷底を眺めた。
 南の山脈からくだってくる川が紅蘭の方角へゆっくりとうねり、流れてゆく。途中で太久江と合流し、一本の川となる流れである。川幅はそれほどないが、大軍を率いて移動するとなると、難儀が予想された。
 涼景は目を細めて、谷底を見つめた。空には満月が昇り、白々と辺りを照らし出している。
 川沿いに、赤い火が、ちらりと見えた。湖馬が震えた。
「人がいる……?」
「すでに斥候を送っている。待ち伏せする気なら、目立つ火など焚かないだろうから、おそらく民間人だと思うが……あのような危険な場所で一夜を過ごすつもりなら、保護したい」
「……もし、民間人じゃなかったら?」
 胡断か、または別の敵であったなら、と、湖馬は息を詰めた。
「場合によっては、俺が前線に出る」
「隊長自ら、ですか?」
「必要ならば、な」
 実戦における涼景の強さを、湖馬は直接見たことはない。
 相当な腕前だとは聞いているが、このように足場の悪い場所で、無事に切り抜けられるものか、不安もあった。
 何より、涼景を失った軍は、そのあと、どうなるのだ?
「指揮官は、最後まで生き残るべきなのでは?」
 湖馬が、不安を隠さずに涼景を見た。
 涼景は一瞬、意外そうな顔をして、それから、ふっと笑った。
「誰が死ぬって?」
「い、いえ、俺は隊長が心配なだけで……」
「俺は、戦場では死なない」
 どこか、当然のように、涼景は答えた。
「どうしてそんなこと、言いきれるんですか?」
「約束したからだ」
 涼景は、東の闇空に目を向けた。
「わがままな幼馴染との、約束だ」
「……それは、絶対、ですね」
 湖馬は、思わず笑みを浮かべた。灰色の隻眼が脳裏をかすめた。
「死んで帰ったら、間違いなく殺されますね」
「だろう?」
 楽しげに、涼景は肩をすくめた。
 ああ、だからこの人は強いんだ。
 湖馬は、すっと胸が軽くなった。
「湖馬、西苑を出てから、おまえはずっと、親衛隊にいただろう?」
「はい。俺にできるのは、それくらいですから」
「もし、よそ者が紛れ込んでいるとしたら、その中にいると、俺は思う」
「……確かに、隊長を狙うより、直接夕泉様を狙った方が簡単……」
 言いすぎたか、と湖馬は口を押さえたが、涼景は頷いた。
「その通りだ。問題は、いつ、それを行うか、だ」
「いつ?」
 湖馬は考え込んだ。
「裏切り者がいるとしても、そう、数は多くないですよね?」
「だろうな。大掛かりになれば、その分、しくじった時に厄介だ。口封じが難しくなる」
「だとしたら、片手で数える程度が妥当か……」
「炙り出せるか?」
 涼景の視線に、湖馬はどきりとした。
「どうやって?」
「方法は教える。おまえの冷静さと度胸が試されることになるが」
 ごくり、と湖馬は息を飲んだ。涼景は不敵な笑みを見せた。
「うまくいけば、祥雲に手柄話ができるぞ」
「……やります」
 つけこまれた、と思いながら、湖馬はどこか誇らしかった。
「そろそろ、殿下のところへ行かねば。進路の詳しい説明もせなばなるまい」
「お供します」
 湖馬は涼景の先に立って、夕泉の天幕に向かった。
 西苑の一件以来、特に夕泉が涼景に手をかけることはなかった。
 だが、この非常時に、余計な負担を強いられるのは避けたい。
 涼景は天幕の中にまで、湖馬を同席させた。
 夕泉の天幕は、四方を帳で囲い、周囲からの視線を遮っている。入り口だけ二重に布がかけられ、内側の帳は半ば開かれて、風が柔らかくしのび込む。
 天井の中央には小さな風抜きの開口部があり、虫除けの紗の網に覆われている。地面には厚手の敷布が敷かれ、換気口の近くには香炉が一つ、既にかすかに焚かれていた。
 中央に低めの交椅があり、その脇には、食事の皿が置かれた几案が用意されていた。照明は几案の上の油灯一つだけだ。寝床は織物を重ねて作られ、肌触りの良い絹布がかけられている。薄い藤色の天幕の色が、夕方の光と溶け合って、幻想的な空間として、そこだけを切り取っていた。
 旅の疲れからか、夕泉は寝床に伏して目を閉じていた。髪は敷布の上にふんわりと静かに広がる。指先には、白檀の香扇が畳まれており、野営の天幕の中だということを忘れるほどの穏やかな光が漂っている。
 涼景は内側の帳を掲げて中へ踏み入り、その場で片膝をついた。間を空けず、涼景の陰に身をひそめるようにして、湖馬が従う。夕泉がそっと上体を起こした。
「呼び付けて済みませぬ」
 いつもの穏やかな声である。涼景は、じっと足元を見つめたまま、わずかに頭を下げた。
「道を変えたと聞きました。ご苦労をおかけします」
 夕泉の話す言葉は穏やかで、本当にこちらを気遣っている風がある。だが、涼景はどうしてもそれを素直には受け止められない。
 ただ、淡々と状況を伝えるのみに徹する。
「予定していた橋が、通行不能となってございます。そのため、進路を変えて都を目指します。殿下におかれましては、かようなご心労を伴う長旅、さぞ煩わしいことも多かろうと存じます。まもなくの都入りが叶います。あとわずかのご辛抱、どうぞお心安くお待ち下さいますよう」
「亜塵渓谷を通ると聞きました」
「は」
「あそこは仙女が住まう神聖なる場所。どうぞご加護がございますように」
 涼景の背中に悪寒が走った。同じ口、同じ声で、夕泉が少し前に自分に語った言葉を忘れたことはない。
 仙女の加護を祈るくらいなら、人としての道を思い直してほしい。
 信心深くはない涼景だが、夕泉の祈りを聞き届ける神がいるなら、よほどの愚神だろうと思う。
「して、暁どの。太久江を離れてご気分はおさまりましたか?」
 何を言っているのだ、と、湖馬は首を傾げた。反して、涼景は目を見開いた。
「そなたにとって、あの川はさぞ、恐ろしかったでしょうと」
 鳥肌が立ち、涼景は膝に置いた手に力を込めた。
「古より争いの絶えぬ地……」
 涼景は逸る鼓動を沈めながら、
「太久江には多くの魂魄が沈むと言われます。夜霧に乗じて彷徨う影の噂も尽きぬと」
「そなたは、影を見ましたかえ?」
 ぞくり、と涼景の喉の奥が冷えた。
 自分が太久江の流れに不吉を感じていたことは、誰にも話してはいない。ましてや、夕泉になど知られるはずもない。
 やはり、底の知れぬ者よ。
 涼景はかろうじて、首を横に振った。
「幸いにして、私は何も」
「左様か」
 夕泉の答えは短く、しかし信じたとは思われない響きがあった。
「暁どの」
 その呼び声は異様に乾いて聞こえた。
「度々の働き、心より感謝しております。都へ戻りましたら、改めて礼をせねば。その際は是非、我が元へ」
 お断りだ。
 涼景の心が音を立てて縮む。
「ありがたきお言葉ではございますが、すべては……」
 と言いかけて、涼景の喉が詰まった。何を言っても声が震えそうな予感がした。まるで見透かしたように、夕泉は小さく声を立てて笑った。それは、鳩が鳴くような、柔らかく丸い、優しげなものであった。
「暁どのは、まこと、忠臣であられる。手間をおとらせした。お下がりなされ」
「は」
 視線を落としたまま、涼景は立ち上がると背を向けた。
 わずかに首を垂れ、早足で天幕を出る。香の匂いが絡み付くようで、思わず服を払う手を止められなかった。それを見ていた湖馬が、しかめっ面で寄ってきた。
「隊長?」
「心配ない」
 自分を取り戻すように、涼景は深呼吸を繰り返した。湖馬は唇を曲げて首を傾げている。
「夕泉様は、どうしてあんな変なことを言ったのでしょうね」
「変なこと?」
 最初から全てがまともじゃない、と、涼景は思わず心で呟いた。
「ほら、太久江がどうの、って」
「……ああ」
 ため息混じりに、涼景は唸った。
「俺が、北ではなく南の道を選んだからかもな」
「え? 太久江が怖くて進路を決めたと思ってるんですか?」
「さぁ、あの方の考えていることはさっぱりわからない。都に戻ったら、さっさと左近衛にお返ししよう」
 涼景の疲れた顔に、湖馬は表情を緩めて頷いた。
「歌仙様の考えていることも、全然わかりませんけど」
「まだ、気を遣わずに済むだけましだ。それより、湖馬。今日は早めに寝ておけ。もしかすると、早朝、騒がしくなる」
「え?」
「ちゃんと、横になって眠れよ」
 口角を上げて、涼景はニッと笑った。先日の居眠りを思い出して、湖馬は慌てて手を振った。
「大丈夫です、あれから、ちゃんと横になってます」
「それは良かった」
 涼景の穏やかな声に、湖馬は、安心したように微笑み返した。
 この旅で、もし湖馬がいなかったら、と思うと、涼景は身がすくんだ。軍事的に、際立って何かの役に立つということはない。だが、彼の存在は間違いなく自分を支えてくれる。犀星の助言で、湖馬を同行させて正解だった。
 星はどこまで見越していたんだろうな。
 そんなことがよぎる。考えが読めないところは夕泉と良い勝負だが、犀星の方が信じて後悔はない。
 帰ったら、白状させてやる。
 早く懐かしい顔を見たかった。

 玲凛は初めて見る大渓谷の雄大な景色に目を奪われた。夕暮れで、視界はそれほど良くないが、その光の薄さが余計に圧倒的な存在感を示している。幅は橋をかけられないほどに広く、谷底を覗くと、谷幅の半分に近い深さがある。南側の山脈から流れ出した清流が一本、谷底を蛇行しながら通っている。
 川沿いには湿地が広がり、丈の高い草が繁茂している。玲凛の判断で、皆、馬を近くの宿場に預け、荷物を背負って崩れかけた岩肌の道を慎重に進んだ。
 底へ降り立つと、第一歩が、ずぶりと沈んだ。ひどくぬかるみ、足を取られる。縦横に茂る葦や、ところどころに倒木があり、地面は見えない。
 想像以上に、とんでもないところね。
 崖の上からは、新緑の広がる美しい模様に見えたが、実際にそこに立ってみると、決して快適な地面ではなかった。
 玲凛は、身長を超える葦の原に目を凝らした。普通にはわからないが、彼女には獣の通った跡が読める。
「鹿がいる」
 玲凛はつぶやいた。さらに丁寧に草をかき分け、水場に近づく。踏みつけられた葦の根元に、猪の足跡も見られた。川には魚の影もあるようだが、玲凛は魚よりも肉が好きだ。雪どけ時期で水の量は多い。常に水音がする景色は、故郷と似て懐かしかった。
 しっとりと湿った空気、苔の香りが、わずかに漂う。風が吹くと、急激に体感温度が下がる。
 玲凛はすぐに仕事に取り掛かった。まず、人数を半分に分ける。旦次たちには焚き火と野営の準備を任せ、自分は数人と共に、あちこちを歩き回る。地形を確認し、明日の狩りに備えて仕掛けを仕込む。
 日が落ち、暗くなっても、玲凛にはまだ景色が見えるようだった。ちょうど満月が空の低い位置から照らしている。
「今夜は明るいから、夜のうちにやれることをやっておきましょう」
「やれること?」
 慎は玲凛の傍らで、眉をひそめた。残念ながら、隻眼の慎には暗がりは辛かった。
「静かに。音を立てないで」
 玲凛が仲間たちを振り返る。
 性格の荒い連中揃いだが、そんな彼らだからこそ、玲凛の言葉には従った。まるで、獣が自分より強い相手に従うのに似ていた。
 玲凛は背にしていた弓をとると、引き絞った。
 その体勢のまま、じっと前方を伺う。
 川の音、風の音、草が揺れるかすかな音。
 音は聞こえても、視界はうす闇である。
 玲凛には、触れるか触れないかの僅かな風の味がわかった。
 ヒョッ、と、矢が闇を裂く。ザッと草が蠢き、その動きが少し進んで、ドサリ、と止まる。
「よし」
 玲凛は獣用の槍を抜いて、動きの止まった場所まで慎重に近づいた。慎たちは身を乗り出したが、長い草が視界を遮って、何も見えない。
 玲凛は槍を下に突き立てた。小さな獣の声がしたような気がした。玲凛はそのまま、音を立てて草むらを探っている。
「凛?」
 慎が呼びかける。玲凛は、草をかき分けて戻ってくると、まだ痙攣している狐を勢いよく突きつけた。
「今日の晩ご飯よ」
「うわ!」
 思わず、慎は後じさった。
「何だよ。梨花、怖いのか?」
 一斉に、仲間たちから囃し立てる声が沸き起こる。慎は、しまった、と顔を歪めた。蓮章ならば、これしきのことに動じるわけがない。
 玲凛は、気の強そうな一人に狐を預けた。
「もう数匹取っていくから、先に焼いておいて。順に食べていいから。でも、血は川に流しちゃって。残ってると、余計な獣を呼び寄せる」
「おう!」
 嬉しそうに狐を受け取り、男は一人で先に、野営場所へと戻っていく。
 その繰り返しで、玲凛は更に三匹の狐と、一匹のいたちを仕留めた。
 そのあまりの手際の良さに、見守る面々も呆然とする。見つけたと思えば、次の瞬間には仕留めている。反応が素早い。そして正確だった。
 普段、太刀や戟などの長物を使うことが多い玲凛だが、弓の腕も相当である。
 獲物を持って、一人ずつ野営に帰り、最後には、慎と二人きり、月の光も届かぬ岩陰に身をひそめた。
 素人の慎から見ても、玲凛の腕前はよくわかった。
「おまえ、すごいな」
 素直に、慎は言った。それなりに武術の心得はあるが、到底、玲凛の真似などできない。
「やっと二人きりになれたわね」
 玲凛は、むき出しになった岩に腰掛けた。
 満月の夜に、川のせせらぎが聞こえる人目のない暗がりで、若い男女が静かに語らう。
 だが、そこに甘い空気は一片すらない。
「じゃ、話してもらいましょうか? あんた、誰?」
 慎は、玲凛に狙われた狐の気持ちを察した。
「俺は……蓮章ではない」
「それは見ればわかる」
 ピシャリと玲凛は言ってのけた。
「外見を似せているけれど、みんなを騙してどうするつもり? 本当の蓮章様はどこ? あんたは敵? 殺してもいいの?」
「おい、待て!」
 一気に剣呑な流れに追い込まれ、慎は慌てた。
「そう、一度に言うな。こちらにも準備ってものが……」
「死ぬ覚悟ならいらないわよ。なくてもやる」
「だから、待て!」
 思わず声を高め、慎はハッとして野営の方を振り返った。
 赤々と燃える焚き火と、談笑の声。そして、肉の焼ける匂いが漂ってきた。
「……わかったから、剣は抜くな」
「熊の匂いがする」
「え?」
「あまり、長居したくない。はやく話して」
「…………」
 慎はたじろいだ。玲凛は今まで出会った誰とも違った。まるで世界のすべてを知り尽くしているような深さがある。
 到底、何事も隠し通せる気がしなかった。
 リィ、俺が浅はかだった。
 心で、こっそり蓮章に詫び、慎は腹をくくった。
「俺は、蓮章の影だ」
 玲凛は眉を寄せ、腕を組んだ。
「あいつは家柄が特殊だ。簡単に言えば、大事にされている。だから、あいつの身に危険が及んだときのために、俺がいる」
「つまり、あんたは蓮章様にかわって、先に殺される役、ってことね?」
「……そう、思ってもらって間違いじゃない」
「まどろっこしい言い方は嫌い。そうなの? 違うの?」
「……そうだ」
 慎は観念した。玲凛の口調は落ち着いているが、そこに通った一本の芯は、決して折れることはない。
「暁武場にいたのは、蓮章様の様子を見るため、って言ったわね?」
「ああ」
「本物はどこ?」
「昨夜までは、右衛房にいた。俺と一緒だったから間違いない」
 慎の頭に、全身で抱いた蓮章の身体が蘇った。わずかに動いた慎の表情を、玲凛は見逃さない。満月の下、彼女には多くのものが見えていた。
「俺の存在は知られてはならない。暗いうちに右衛房を出て、暁武場へ行った。あいつが、早朝に出かけると聞いていたから……」
「けれど、蓮章様はこなかった。そして、私に見つかった」
「そういうことだ」
 慎は諦めた顔で首を振った。
「俺のことを知っているのは、リィ……蓮章と、涼景。そして、五亨庵の圓だけだ」
「五亨庵? 星兄様の?」
「ああ。圓はリィと涼景の師匠でな」
「そう」
 あらかたのことは飲み込めた、と玲凛はうなずいた。
「つまり、あんたはへまをして私に見つかり、偶然ここにいる。敵どころか、ただの役立たずってことね」
「……おまえ、その性格、どうにかならないのか?」
「あんたこそ、まともに役目を果たしたらどうなのよ?」
 ふたりの間には、相容れない沈黙が横たわっていた。
「凛、こんなことを言えた義理じゃないのだろうが……」
「わかってる。あんたのことは黙ってるわ」
 玲凛はふっと、焚き火の方へ目を向けた。
「今回の目的は、あくまでも食糧の調達とあいつらの訓練。自信をつけさせてやらないと」
「自信?」
「蓮章様が選んだ人たち。とりわけ素行が悪くて手に余すって言ってたけど、涼景様が追い出さなかったってことは、素質はあるはずよ。ただ、まだ、自分に自信がないだけ。だから周りに噛み付く」
「……凛、おまえ、年は幾つだ?」
「十六」
「どんな人生、送ってきたんだよ?」
「あんただって、色々あったんじゃないの?」
 再び、沈黙が訪れる。互いに距離を測りつつ、しかし、どちらからも動かない。
 前触れなく、玲凛が弓を構えた。
 その矢尻は慎に向けられている。
 腰が抜けて尻餅をついた慎の頭上を、鋭い矢が突き抜けた。ガサっと背後の茂みが揺れる。
「そろそろ戻って。あんまり遅くなると、変な噂立てられるわよ」
 玲凛は、取ったばかりの狐を、震える慎に押し付けた。

 宮中の中央に位置する、皇帝御所・天輝殿。
 三百年の歴史の中で、増築を重ねてきた巨大な城の全容を知るものはいない。
 前殿の謁見室、中殿の控えの間、後殿の寝所と、その奥の後宮。
 さらに、左右を取り囲む数々の部屋と廊下、地下へ伸びる階段と、楼閣へ上がる梯子。それらをつなぐ細い横穴と、通路に用意されたいくつもの仕掛け。その先に何があるのか、禁軍も近衛隊も全てを把握してはいない。
 まさに伏魔殿だな。
 蓮章は、浅葱色の着流しを風に揺らして、天輝殿の表階段の中程にいた。巡回する近衛に目を向ける。
 満月が、ちょうど、頭上にさしかかろうとする時刻。
 星の煌めきはいつもより静かで、黒い地平線の近くにひとつだけ、激しく瞬くものが目についた。
 涼……
 何を見ても、今の蓮章には友が案じられた。
 春の夜風が、その頬に流れる髪を、しめやかに揺らしていく。
 転々と燃える篝火は、灯りの代償に黒い闇を産んだ。その光景は、夜の天輝殿にあまりに似つかわしい。
 闇の一つ一つが、この場所で、無惨に散らされた人々の魂であるようで、蓮章は胸が騒いだ。花街の療養所で見た悲惨な光景と、あの時、自分を満たした虚無感が蘇る。
 闇は、人の怨念か。
 嫌な想像ばかりがちらついて、蓮章は頭を振った。
 そうでなくても、今は遠くに離れた友のことが気がかりでならない。
 当番でもない夜に蓮章が天輝殿にいるのには訳があった。
 昼間、備拓が彼を訪ねてきた件だ。あられもない姿での対面は申し訳なかったが、こちらとしても致し方ない状況だった。
 詳しく聞いた備拓の話は少々、混み入っていた。
 左近衛の実態について、蓮章も表向きの事は把握している。現在の近衛隊長備拓、副隊長の夏史。二人とも左派の人間である。特に備拓は厳格で格式を重んじる硬い性格である。どちらかと言うと、蓮章が苦手とする人物だ。
 それに対し、夏史は少々身が軽く、かつては蓮章や涼景とともに訓練に励んだこともある仲だった。だが、先の左近衛隊長・英仁に失ってからは、性格が変わった。何かと暁隊や右近衛、とりわけ涼景を目の敵にする。暁隊がちまたで問題を起こすたびに、難癖をつけてくるのも夏史である。
 備拓の話は、その夏史にまつわるものだった。
 ここしばらく、夏史の動向がおかしいという。そして、本来であれば夜勤を務めなければならないこの時期に、急遽、休暇を願い出た。遠方の親戚の都合で都を空ける必要があるとの理由だった。
 虚言の代表例じゃないか。
 備拓の話を聞きながら、蓮章は苦笑した。
 通常であれば、残った者で補填し合い、それで済むことなのだが、備拓には嫌な予感があるという。
 夏史がよからぬことをしでかすかもしれない、と、備拓は丁寧に蓮章に詫びた。
「内輪の揉め事で厄介をかけて申し訳ない。こちらでけじめをつけさせてもらう。今回のこと、借りを作らせてもらえないだろうか」
 備拓が心配しているのは、夏史と胡断とのつながりだ。
 もし今回の胡断による夕泉親王の誘拐の話が、最初から涼景の失脚を狙ったものであったとしたら、すべてに辻褄が合う。
 胡断の名を使って夕泉の誘拐をほのめかし、その警備には、左近衛ではなく野戦経験豊富な涼景を推薦する。今思えば、軍議の席で涼景を推したのは夏史である。
 襲撃の話をきっかけに、涼景を都の外に誘き出す。そして胡断を動かし襲撃をしかける。防衛に失敗すれば、涼景の名声を落とすことができる。あわよくば、その命を奪うことも叶う。
 夏史が動くとしたら、今夜か明日、と、気難しそうに備拓は唸った。
 蓮章は、必要なだけ引き受けるから決着をつけるようにと、備拓に請け合った。
 蓮章の気性から言えば、自ら夏史を捕えたかった。だが、お互いに立場がある。左近衛の副長に、右近衛の副長である自分が関わると、ことを大きくしてしまう。同じ左近衛内部で解決してもらった方が後腐れがない。
 自分が表に出て行くことは、逆に涼景の負担を増やすだけだと、蓮章もかろうじて堪えた。
 夏史だけならば良いが……
 蓮章はさらに奥を探った。
 夏史一人に、全てが出来るとは思われなかった。
 胡断を囲うには、物理的にも負荷が大きい。夏史を助ける者があるのなら、それはさらに権力を持つ者、そして、涼景を快く思わない者。
 心当たりはありすぎるが、こと、軍事に関して言うならば、禁軍大将である可能性が高い。
 蓮章は西の空を見た。
「おまえなら大丈夫だよな」
 それは自分に言い聞かせる、一縷の望みのようでもある。
 いつもそうだ。
 蓮章は形のよい眉を歪めた。
 前線に出るのは、いつも涼景だった。自分は後方で役割があるが、それでも震える気持ちでその背中を見送ってきた。強がって何も言うことができない自分に、いつも涼景は笑って言った。
『心配するな。俺は戦場では死なない』
 それが何ひとつ保証のない、ただの気休めだと知っていながら、蓮章にとっては、唯一のよりどころであった。
「誰かに殺されるくらいなら、俺が殺してやる」
 涼景を見送るたびに、蓮章はたまらない胸の内で叫ぶ。
「死んだら許さねぇぞ」
 想いはいつしか、小さな声になって、それは春の宵にゆらめいた。
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