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‐第39夜‐ 会議室へ
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「服の上からでも分かってましたけど、サテラさんって大きいですね!」
「えっ、そう……かな?」
そう言う彼女のモノもかなりデカい。というか、このやり取りは昨日の夕方もレーネとした気がするよ。
シェイリは「そうですよ!それはとても」と何故か嬉しそうに私の胸を見つめてくる。視線が妙にこそばゆくて不快な感覚だ。
「そういうシェイリさんだって立派なものじゃないですか、レーネよりも張りがあって弾力が過ごそうだ」
「そんなことは……きゃっ、ちょ、ちょ、ちょっと!!サテラさん!?何をしてるんですかっ!?」
「いいじゃないですかシェイリさん、ちょっとくらいっ、ほれ」
バスタブの中で2人でジャレついていると私達の声で起きたのかある人物がこちらへと喋りながらやって来る。
「なんだなんだ、紅茶と珈琲の良い香りがすると思って起きてみたら、浴室の方から2人の可愛い声が聞こえるし……そのやり取りアタシも混ぜてくれよ」
その声はレーネのものでは無かった。あの美容師だ。カーテン越しに大きくなってくる彼女の影。そして、美容師は少しの躊躇いもなく、そのカーテンを横に思い切り引いた。
「きゃっ!」とシェイリが叫び、「やめろっ!」と私が言ったが時すでに遅し。まだ湯気が出ているカップを片手に持った彼女がそこに立っていた。寝癖の後が少し付いている。前髪が3本ばかりアホ毛立ちしていた。
「朝起きたら紅茶ってアタシは決めてるんだ。ありがとな残しておいてくれて。美味しいよこのお茶」
彼女は聞いても無いことを言ってくる。
「ちょ、ちょっと、美容師さん!何してるんですか!?早くカーテン閉めてくださいよ!」
「え、なんで?」
シェイリの問いに彼女は驚いた表情だ。何故、お前がそんな顔をする。これっぽちも理解が出来ない。
「なんでって……」
シェイリは言葉を詰まらせていると彼女は「え、だって同じ女じゃん?異性じゃ、まだしも同性なら別に裸くらい見られても良くね?アタシは別にいいよ?気にしないし?あ、なんならアタシも脱ごうか?これでお相子ね。じゃあ、アタシも今からそっちへ……」と彼女は勝手に話を進め始める。流石にこれには私も驚きを隠し切れない。だから、こう彼女に告げ、追い払う事にした。
「おい、美容師。ポットに残ってる紅茶全て飲んでいいぞ?気に入ったんだろ?それとあのバスケット。バスケットの中に入ってるクッキーとビスケットも全部食べていい。レーネの分なんて考えなくてもいいぞ」
意外にも彼女は単純だった。
「え、マジ!?いいの?嬉しいわ~アタシったら、朝から付いてる~」
そう言って部屋へと戻って行った。
「ふぅ~」
シェイリも一安心をしたのか安堵の息が漏れる。私も息こそは出なかったが、内心ホットしていた。
身体の芯まで温まった私とシェイリは浴室から出て、脱衣所(洗面所)で着替えをしていた。その頃には既に美容師がバスケットのお菓子を食べ終えていた為、こちらへ「もうお菓子は無いのー?お茶は~?」とお代わりを求めて来ていた。
「悪いがそれで全てだ、そんなにお代わりが欲しいならサービスコールを鳴らしてくれ~」と扉越しに返すと彼女は「ちぇ~」と口惜しそうに返して来た。
着替え終わり、脱衣所を後にする私とシェイリ。ベッドの方を見るとまだレーネは獣のような鼾を立てて眠っていた。しかも、お腹も出して……。とても、上流階級が出身のお嬢様とは思えない姿だ。彼女の家族に見せてあげたい。
「こいつ、何度起こしても起きなくて……アタシも手を焼いていたんだ。どうすればいいんだ?サテラ」
ベッドの角っこに座って足を揃えながら前後にブランブラン動かしている美容師に私は「レーネの事は任せろ。私がなんとかしておく。お前はその間、お風呂でも入って来い」と彼女に促した。
美容師は素直に「りょ~かーい」と了承すると「あっ、私の裸見る?ねぇ、見る?」と訊いてくる。「誰が見るか」と返すと「ちぇ、つまんないの~」と言って彼女は浴室の方へと向かって行った。
彼女は再度、浴室に向かう前に脱衣所の扉から首から上だけを出し「ねぇ、ホントに見ないの?」と言ってきたが私はそれを一蹴した為、彼女は大人しくバスタブの方へと向かって行った。
「全く、しつこい奴だ」
「悪い人では無いと思うんですけどね。なかなか愉快な人です」
そんな呑気なことを言うシェイリは暖炉で大方、髪が乾いたのか手持ちの櫛で髪をとかし始める。
「まぁ、それは分かるよ。シェイリさん」
そう返した私はいつまでも寝ている寝坊助に向かって「おい、起きろ」と言った。だが返ってくるのは鼾のみ。
「おい、レーネ。いい加減起きろ。話し合いの時間まで間に合わなく、なるぞ。時計を見ろ。もう午後だ」
だがそれでも彼女は起きることは無かった。漸くまともな返答が来たと思ったら「もう、食べられましぇん~」なんて言いやがる。昨日もそんな寝言を言っていたなこいつは。どんだけ食意地を張っているんだ?
「サテラさん、どうします?」
心配そうにシェイリが私を見つめてくる。
「とりあえずやれる事だけの事はするさ。シェイリさんはそのまま着替えてていいですよ。淑女たるもの最低限の身だしなみは必要ですからね。こいつの方は私に任せてください」
それから私はあらゆる手を駆使して相方を起こそうとしたがどれも空振りに終わった。
(なんなんだこいつは、お腹の上にのしかかったり、目ん玉思い切り開かせても起きねぇじゃねぇか。耳に直接大きな声で名前を呼んでも目が覚めないし、一体どうなってんだ!?)
「サテラさん、ダメですレーネさん。脇や足の裏をこちょこちょしても起きません……」
なんて生易しいことを言っているんだシェイリさん。そいつがそんなんで起きる訳が無い。こうなったら……禁断の最終手段を使うしかない。
「さ、サテラさん!?」
私がこれからしようとしている事をなんとなく察したのだろう。彼女は不安そうな目でこちらを見つめてくる。
「良いからっ!シェイリさんは黙って見ててくれ。面白い光景が見れますよ?」
彼女へ不敵な笑みを向けると私は昨日の冷え冷えの紅茶が入ったポットと今朝、あの爺さんがメイドに持って来させた熱々のコーヒーが入ったポットを持って来る。
「大分冷めたけど、まぁ、まだ大丈夫でしょう」
私はそれら2つのポットの底を交互にレーネのお腹や顔に当てる。
(嘘だろ、これでも起きないのか……?)
「ちょっ、ちょっ、サテラさん!?ねぇ、サテラさん!?」
流石にヤバいと思ったのかシェイリは止めようとこちらに歩み寄るも時既に遅し。今朝来たばかりのポットの中身は全てレーネの肩に掛かり、漸く彼女も飛び起きた。
「熱っっつつつつつつ、って、ちょ、ちょ、ちょ」
必死に踊り暴れ狂うレーネに私は冷たい紅茶を頭からかけてやった。
「冷っ、ちょ、ちょっと、ちょっと。なんですかっ!これはっ!?一体、先輩~っ」
涙目で訴えてくる彼女に私は「おはよレーネ。よく眠っていたな」と挨拶をしさっさとお風呂に入って来るようにと促した。
シェイリはこのやり取りを口を開けた状態でただ静かに見守っていた。唖然としているのだろうか?彼女は何も言わなかった。
レーネはとりあえずベッドから降りると歯を磨きに洗面所へと向かった。そろそろあの美容師が浴室から出て来ても良い頃だけど……まだ出てくる様子は無い。
ベッドのシーツの方はと言うと少し濡れているが、今すぐに新しい物と代えるという程でも無い。暖炉が部屋を暖めてくれているんだし、そのままでも問題話さそうだ。
「驚かせてしまってすみません。あ~でもしないとうちの馬鹿は起きなくて」
そうはにかみながら私はシェイリへと言うと、乾いてきた髪に櫛を通し、簡単な御粧しをすることにした。
レーネが歯を磨き終わった頃、美容師が浴室から出て来た。「お湯も大分冷めてきてぬるま湯だし、水の量も少ないけど、追加の連絡をするか?」と彼女は言ったがそんな時間も無かった為、私は「レーネはぬるま湯で十分だ」と伝え、美容師が早くそこから出てくるように促した。
レーネは「全然温かくないです~これじゃあかえって風邪引きそうですよ~」等と浴室からほざいていたが私達はガン無視を決め込み、話し合いへと向けた準備をしていた。
既に部屋を出る準備が出来ている私とシェイリは美容師が自身に行う独特なヘアセットを見物していた。
「なんだ美容師。今日も髪の毛を2つ結びするのか?その変わった装飾の付いたヘアゴムで」
「まぁ、ね。この髪型気に入ってるの。ツインテールって言うみたいだ。なんでもな。そういうサテラこそ今日はどうした?後ろで一つ結びなんてしちゃって。昨日は髪を下ろしていたのに」
「たまには結きたくなったんだ。気分転換って奴かな」
美容師は「そう」と答えると「可愛いじゃん?似合ってるよ」と言ってくれた。私もまた「どうも」とだけ返しておいた。
レーネは思ったよりも早くお風呂から出て来た。あまりにもお湯がぬる過ぎてまともに浸かっていられなかったらしい。
「お前が起きるのが遅いから悪いんだ。恨むなら自分を恨め」
「はいっ……」
シェイリや美容師の手を借りて、なんとか彼女の髪を乾かし御粧しを即効で終わらせると、暖炉の火を消して50分頃に部屋を出た。
「これならなんとか間に合うだろう。ギリギリだったな」
「本当だレーネ。早く起きろ」
私に便乗し、美容師がレーネを叱責するが、この時、ここにいるだれもが『お前が言うな』と思った筈だ。少なくとも、私はそう心の中で呟いた。
「シェイリさん、扉の方はどうですか?」
私の問いに彼女は「大丈夫です!ちゃんと鍵閉まってるっ!」と元気に答えてくれた。
「それなら良かった。では、参りましょうか皆さん。1階のリビングルームへ」
私の言葉にレーネは「えぇ、参りましょう先輩」と答え、シェイリは「行きましょっ!」と言った。美容師はというと、落ち着きの無い子供みたいにソワソワしながら「んじゃ、行こっか☆」っと楽しそうに答えた。
「えっ、そう……かな?」
そう言う彼女のモノもかなりデカい。というか、このやり取りは昨日の夕方もレーネとした気がするよ。
シェイリは「そうですよ!それはとても」と何故か嬉しそうに私の胸を見つめてくる。視線が妙にこそばゆくて不快な感覚だ。
「そういうシェイリさんだって立派なものじゃないですか、レーネよりも張りがあって弾力が過ごそうだ」
「そんなことは……きゃっ、ちょ、ちょ、ちょっと!!サテラさん!?何をしてるんですかっ!?」
「いいじゃないですかシェイリさん、ちょっとくらいっ、ほれ」
バスタブの中で2人でジャレついていると私達の声で起きたのかある人物がこちらへと喋りながらやって来る。
「なんだなんだ、紅茶と珈琲の良い香りがすると思って起きてみたら、浴室の方から2人の可愛い声が聞こえるし……そのやり取りアタシも混ぜてくれよ」
その声はレーネのものでは無かった。あの美容師だ。カーテン越しに大きくなってくる彼女の影。そして、美容師は少しの躊躇いもなく、そのカーテンを横に思い切り引いた。
「きゃっ!」とシェイリが叫び、「やめろっ!」と私が言ったが時すでに遅し。まだ湯気が出ているカップを片手に持った彼女がそこに立っていた。寝癖の後が少し付いている。前髪が3本ばかりアホ毛立ちしていた。
「朝起きたら紅茶ってアタシは決めてるんだ。ありがとな残しておいてくれて。美味しいよこのお茶」
彼女は聞いても無いことを言ってくる。
「ちょ、ちょっと、美容師さん!何してるんですか!?早くカーテン閉めてくださいよ!」
「え、なんで?」
シェイリの問いに彼女は驚いた表情だ。何故、お前がそんな顔をする。これっぽちも理解が出来ない。
「なんでって……」
シェイリは言葉を詰まらせていると彼女は「え、だって同じ女じゃん?異性じゃ、まだしも同性なら別に裸くらい見られても良くね?アタシは別にいいよ?気にしないし?あ、なんならアタシも脱ごうか?これでお相子ね。じゃあ、アタシも今からそっちへ……」と彼女は勝手に話を進め始める。流石にこれには私も驚きを隠し切れない。だから、こう彼女に告げ、追い払う事にした。
「おい、美容師。ポットに残ってる紅茶全て飲んでいいぞ?気に入ったんだろ?それとあのバスケット。バスケットの中に入ってるクッキーとビスケットも全部食べていい。レーネの分なんて考えなくてもいいぞ」
意外にも彼女は単純だった。
「え、マジ!?いいの?嬉しいわ~アタシったら、朝から付いてる~」
そう言って部屋へと戻って行った。
「ふぅ~」
シェイリも一安心をしたのか安堵の息が漏れる。私も息こそは出なかったが、内心ホットしていた。
身体の芯まで温まった私とシェイリは浴室から出て、脱衣所(洗面所)で着替えをしていた。その頃には既に美容師がバスケットのお菓子を食べ終えていた為、こちらへ「もうお菓子は無いのー?お茶は~?」とお代わりを求めて来ていた。
「悪いがそれで全てだ、そんなにお代わりが欲しいならサービスコールを鳴らしてくれ~」と扉越しに返すと彼女は「ちぇ~」と口惜しそうに返して来た。
着替え終わり、脱衣所を後にする私とシェイリ。ベッドの方を見るとまだレーネは獣のような鼾を立てて眠っていた。しかも、お腹も出して……。とても、上流階級が出身のお嬢様とは思えない姿だ。彼女の家族に見せてあげたい。
「こいつ、何度起こしても起きなくて……アタシも手を焼いていたんだ。どうすればいいんだ?サテラ」
ベッドの角っこに座って足を揃えながら前後にブランブラン動かしている美容師に私は「レーネの事は任せろ。私がなんとかしておく。お前はその間、お風呂でも入って来い」と彼女に促した。
美容師は素直に「りょ~かーい」と了承すると「あっ、私の裸見る?ねぇ、見る?」と訊いてくる。「誰が見るか」と返すと「ちぇ、つまんないの~」と言って彼女は浴室の方へと向かって行った。
彼女は再度、浴室に向かう前に脱衣所の扉から首から上だけを出し「ねぇ、ホントに見ないの?」と言ってきたが私はそれを一蹴した為、彼女は大人しくバスタブの方へと向かって行った。
「全く、しつこい奴だ」
「悪い人では無いと思うんですけどね。なかなか愉快な人です」
そんな呑気なことを言うシェイリは暖炉で大方、髪が乾いたのか手持ちの櫛で髪をとかし始める。
「まぁ、それは分かるよ。シェイリさん」
そう返した私はいつまでも寝ている寝坊助に向かって「おい、起きろ」と言った。だが返ってくるのは鼾のみ。
「おい、レーネ。いい加減起きろ。話し合いの時間まで間に合わなく、なるぞ。時計を見ろ。もう午後だ」
だがそれでも彼女は起きることは無かった。漸くまともな返答が来たと思ったら「もう、食べられましぇん~」なんて言いやがる。昨日もそんな寝言を言っていたなこいつは。どんだけ食意地を張っているんだ?
「サテラさん、どうします?」
心配そうにシェイリが私を見つめてくる。
「とりあえずやれる事だけの事はするさ。シェイリさんはそのまま着替えてていいですよ。淑女たるもの最低限の身だしなみは必要ですからね。こいつの方は私に任せてください」
それから私はあらゆる手を駆使して相方を起こそうとしたがどれも空振りに終わった。
(なんなんだこいつは、お腹の上にのしかかったり、目ん玉思い切り開かせても起きねぇじゃねぇか。耳に直接大きな声で名前を呼んでも目が覚めないし、一体どうなってんだ!?)
「サテラさん、ダメですレーネさん。脇や足の裏をこちょこちょしても起きません……」
なんて生易しいことを言っているんだシェイリさん。そいつがそんなんで起きる訳が無い。こうなったら……禁断の最終手段を使うしかない。
「さ、サテラさん!?」
私がこれからしようとしている事をなんとなく察したのだろう。彼女は不安そうな目でこちらを見つめてくる。
「良いからっ!シェイリさんは黙って見ててくれ。面白い光景が見れますよ?」
彼女へ不敵な笑みを向けると私は昨日の冷え冷えの紅茶が入ったポットと今朝、あの爺さんがメイドに持って来させた熱々のコーヒーが入ったポットを持って来る。
「大分冷めたけど、まぁ、まだ大丈夫でしょう」
私はそれら2つのポットの底を交互にレーネのお腹や顔に当てる。
(嘘だろ、これでも起きないのか……?)
「ちょっ、ちょっ、サテラさん!?ねぇ、サテラさん!?」
流石にヤバいと思ったのかシェイリは止めようとこちらに歩み寄るも時既に遅し。今朝来たばかりのポットの中身は全てレーネの肩に掛かり、漸く彼女も飛び起きた。
「熱っっつつつつつつ、って、ちょ、ちょ、ちょ」
必死に踊り暴れ狂うレーネに私は冷たい紅茶を頭からかけてやった。
「冷っ、ちょ、ちょっと、ちょっと。なんですかっ!これはっ!?一体、先輩~っ」
涙目で訴えてくる彼女に私は「おはよレーネ。よく眠っていたな」と挨拶をしさっさとお風呂に入って来るようにと促した。
シェイリはこのやり取りを口を開けた状態でただ静かに見守っていた。唖然としているのだろうか?彼女は何も言わなかった。
レーネはとりあえずベッドから降りると歯を磨きに洗面所へと向かった。そろそろあの美容師が浴室から出て来ても良い頃だけど……まだ出てくる様子は無い。
ベッドのシーツの方はと言うと少し濡れているが、今すぐに新しい物と代えるという程でも無い。暖炉が部屋を暖めてくれているんだし、そのままでも問題話さそうだ。
「驚かせてしまってすみません。あ~でもしないとうちの馬鹿は起きなくて」
そうはにかみながら私はシェイリへと言うと、乾いてきた髪に櫛を通し、簡単な御粧しをすることにした。
レーネが歯を磨き終わった頃、美容師が浴室から出て来た。「お湯も大分冷めてきてぬるま湯だし、水の量も少ないけど、追加の連絡をするか?」と彼女は言ったがそんな時間も無かった為、私は「レーネはぬるま湯で十分だ」と伝え、美容師が早くそこから出てくるように促した。
レーネは「全然温かくないです~これじゃあかえって風邪引きそうですよ~」等と浴室からほざいていたが私達はガン無視を決め込み、話し合いへと向けた準備をしていた。
既に部屋を出る準備が出来ている私とシェイリは美容師が自身に行う独特なヘアセットを見物していた。
「なんだ美容師。今日も髪の毛を2つ結びするのか?その変わった装飾の付いたヘアゴムで」
「まぁ、ね。この髪型気に入ってるの。ツインテールって言うみたいだ。なんでもな。そういうサテラこそ今日はどうした?後ろで一つ結びなんてしちゃって。昨日は髪を下ろしていたのに」
「たまには結きたくなったんだ。気分転換って奴かな」
美容師は「そう」と答えると「可愛いじゃん?似合ってるよ」と言ってくれた。私もまた「どうも」とだけ返しておいた。
レーネは思ったよりも早くお風呂から出て来た。あまりにもお湯がぬる過ぎてまともに浸かっていられなかったらしい。
「お前が起きるのが遅いから悪いんだ。恨むなら自分を恨め」
「はいっ……」
シェイリや美容師の手を借りて、なんとか彼女の髪を乾かし御粧しを即効で終わらせると、暖炉の火を消して50分頃に部屋を出た。
「これならなんとか間に合うだろう。ギリギリだったな」
「本当だレーネ。早く起きろ」
私に便乗し、美容師がレーネを叱責するが、この時、ここにいるだれもが『お前が言うな』と思った筈だ。少なくとも、私はそう心の中で呟いた。
「シェイリさん、扉の方はどうですか?」
私の問いに彼女は「大丈夫です!ちゃんと鍵閉まってるっ!」と元気に答えてくれた。
「それなら良かった。では、参りましょうか皆さん。1階のリビングルームへ」
私の言葉にレーネは「えぇ、参りましょう先輩」と答え、シェイリは「行きましょっ!」と言った。美容師はというと、落ち着きの無い子供みたいにソワソワしながら「んじゃ、行こっか☆」っと楽しそうに答えた。
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