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第16話 勇気を出して
しおりを挟むするとその時、どういうわけか、華奈の頭の中にシオンの声が聞こえてきます。
『華奈。起きた事は変えられない。気にはしても抱え込むな。あと、勝手に想像して決めつけるのは良くないぞ』
外で何が起きているのか、華奈が何を考えているのか、全てわかっているかのような、シオンの声。
『なぁ、無くなった物、見つけるのは良いことか?』
(それが出来るの……?)
ビックリしながら、思わず華奈が心の中で問うと、返事が返ってきました。
『出来る』
なんと、シオンは華奈の心の声を聞き取っているようです。
(この、シオンの声が聞こえているのは……)
『この世界でいう、テレパシーっていうやつだな。あ、今だけだぞ? 心を読むのも、こうやって語りかけるのも、力を使っちゃうからな』
おどろいた華奈は、全部が聞かれているわけではないのね、と、安心しました。そして、先程シオンが言った「勝手に決めつけない」ということに気をつけて考えてみます。
(見つけることで……持っていかれちゃったあの子も、持っていってしまった人も。正しく、良い方に導けれるのなら……。それができるなら、すごい良い事だと思うわ)
もし、欲しくて持っていってしまったのなら、それはいけないことなのだと……ちゃんと理解しなければならない。
もし、何か別の理由があって持っていったのだとしても、まず勝手に持っていってしまった事を、持ち主の子に。そして、今うたがわれ、非難されている子たちには、そのようなきっかけを作ってしまったことを、謝らなければならない。そう華奈は思いました。
『よし、じゃあちょっと協力してくれるか?』
(もちろん。何をしたらいいの?)
シオンから何をやってほしいのかを聞き、何と言うのかを、心の中で相談して決めました。
それを自分がするのかと、想像しただけで華奈は緊張で胸がドキドキしてきます。ですが──
(……わかった。やってみる)
華奈は、そう心の中で答えました。
「ねぇ! なんとか言ったらどうなのよ⁉︎」
教室に残っていた二人の女子を囲んで、詰め寄る女子グループの四人。その周りには、少し離れて輪になるように、様子を見ているクラスの子達がいます。
華奈は呼吸を整え、その輪の外から声を上げました。
「ちょっと待って! 聞きたいことがあるのだけど……」
突然上がったその声に、女子グループの子たちは静かになりました。そして、その場にいる子たちの視線がいっせいに華奈へと集まります。華奈は、ゴクリとつばを飲み込んでから話をはじめました。
「……その子たちが鏡を持っていくのを、誰も見てなかったし、持っていったという証拠はないのよ……ね……?」
華奈は、うたがわれている子たち程ではありませんが、ひかえめな性格で。いつもだったら、皆の後ろから、そっと眺めているだけだったでしょう。なので、夕実佳を含む周りの子もですが、特にその女子グループの子たちは驚いた様子で、華奈を見ていました。
「なんなのよ、あなた……! この子たちの味方をするの?」
長い髪をかわいくツインテールにしている絢音が、イライラとした様子で華奈を見て言います。
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