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08. 長代理、朱夫という男――
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「親父、それぐらいにしておいてもらおうか」
思わぬところから助け舟が出され、僕は驚きから目を見開いた。
朱夫が焔生の手をつかんで言ったのだ。
「さっき、会議で決めたじゃないか。今は尋問するだけだ、と」
「なんだ貴様……そんなに現長が怖いのか?」
「……あぁ、怖いな。現長も先代長も。先先代であるあんたよりずっと怖い」
そう言う朱夫の表情や声色からは、その言が心の底からのものなのかは読み取れない……けれど、嘘を言っているようにも聞こえなかった。
「奴等は力もあるし、頭も良い。そして何より狡猾だ」
「……はっ、確かに力だけの俺とは違うな。……で、お前は奴らの猿真似か?」
「…………」
「それとも、己に火の粉がかかることすら恐れる臆病者か?」
二人の手は微かに震えていて、力が均衡しているだろうことがわかる。僕は圧からくるあまりの気持ち悪さに、涙目になりながらその様子をうかがった。
「……そうとってもらっても構わない。とにかく今、して良いのはただの取り調べ、尋問だ」
朱夫がただの臆病者? それは違う気がする……。
「ただ今晩……牢番も寝静まった頃に何が起きるかは知らないさ。先日の嵐でうちの船もやられていて、捜索やら何やらで人員は不足してるんでな」
――やっぱり――
「なるほどなぁ……長代理もなかなか忙しいもんなんだな」
朱夫の手をふりほどいて嬉しそうに言った焔生は、ニヤリと、とても満足そうに不穏な笑顔をしていた。
つられて笑いを浮かべる老人達、そのニチャァっとした笑顔が気持ち悪すぎる。
僕、明日の朝まで生きていられるだろうか……
思わぬところから助け舟が出され、僕は驚きから目を見開いた。
朱夫が焔生の手をつかんで言ったのだ。
「さっき、会議で決めたじゃないか。今は尋問するだけだ、と」
「なんだ貴様……そんなに現長が怖いのか?」
「……あぁ、怖いな。現長も先代長も。先先代であるあんたよりずっと怖い」
そう言う朱夫の表情や声色からは、その言が心の底からのものなのかは読み取れない……けれど、嘘を言っているようにも聞こえなかった。
「奴等は力もあるし、頭も良い。そして何より狡猾だ」
「……はっ、確かに力だけの俺とは違うな。……で、お前は奴らの猿真似か?」
「…………」
「それとも、己に火の粉がかかることすら恐れる臆病者か?」
二人の手は微かに震えていて、力が均衡しているだろうことがわかる。僕は圧からくるあまりの気持ち悪さに、涙目になりながらその様子をうかがった。
「……そうとってもらっても構わない。とにかく今、して良いのはただの取り調べ、尋問だ」
朱夫がただの臆病者? それは違う気がする……。
「ただ今晩……牢番も寝静まった頃に何が起きるかは知らないさ。先日の嵐でうちの船もやられていて、捜索やら何やらで人員は不足してるんでな」
――やっぱり――
「なるほどなぁ……長代理もなかなか忙しいもんなんだな」
朱夫の手をふりほどいて嬉しそうに言った焔生は、ニヤリと、とても満足そうに不穏な笑顔をしていた。
つられて笑いを浮かべる老人達、そのニチャァっとした笑顔が気持ち悪すぎる。
僕、明日の朝まで生きていられるだろうか……
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