女勇者がクズ過ぎて皆逃げ出したい

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旅の準備に時間かかりすぎだしいい加減にしろと言いたい

貴方もですか?…そして誰が起こす?

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 部屋に戻った私はベッドに知らない男の人がいるのに驚いた!誰なの?この赤髪のイケメンは!ウィル様は銀髪騎士だけどこのイケメンは真紅のように真っ赤な髪色だ。

「あら、おかえりなさーい!待ってたわよおリリイちゃん」
 ん?ちょっと待って?その口調まさか!

「あ…アリアさん?うそおっ?」
 と驚くがその声は確かにアリアオネェ様だ!

「うふふっ驚いた?普段はお化粧してるものねー!」
 口調はオネェだがアリアさんもまた意外とミステリアスな感じのするイケメンだった。伏せ目がちの目が美しい。
 見惚れていると

「リリイちゃん?それでね?お話なんだけど…あたしと逃げない?」

「はい?」
 本日3回目の逃げましょう発言。いずれもイケメンによって。

「まぁこっちに来てお話しましょう」
 とポンポンとベッドにクッションを置いて座るスペースを作ってくれた。
 私が座ると

「リリイちゃんはあのクソ女どう思う?私はいろいろもう無理!生理的に受け付けない!ていうか何なのあの子!下品だし…異世界の女の子が皆ああだったらおぞましくない?旅なんて無理無理!」

「解ります。メイカさんはちょっとデリカシーないし基本的に私もああいう人だめです。ついていけないっていうか関わりたくないんです…」

「だよねー!うんうん、皆そうだと思うわよお?でも儀式はやり直せないし…。これもう逃げるしかないわ。

 私ね、他国に知り合いいるからしばらくそこで雇ってもらえるわ…ね、サンムーン出たらそこに向かいましょう!しばらく身を隠してれば大丈夫よ!」
 アリアさんがニッコリ怪しく微笑む。うおおお!色気が凄いイケメンの色気が!
 と赤くなると

「あらあら可愛いのね…。大丈夫よ?リリイちゃんはあのクソ女よりお肌キレイだし」
 と私の頰を自然に撫でている。ひいっ至近距離でお触りは禁止ですう!オネェ様、もといイケメンオネェ様に口説かれてる気分になるからやめてください。

「うふふっ。リリイちゃんにお化粧したらもっと綺麗になっちゃうわねぇ…。嫌だわ私だけのお人形さんになってほしいわぁ…」

「ええ?」
 と言うと唇に指を当てられて

「このお話は他の二人には内緒よ?いい?リリイちゃん…。
 国を出たらどこかのお店のトイレで変装して逃げましょう!大丈夫よカツラも用意して行くからそうそうバレないわ!安全な馬車に飛び乗ってさっさと消えましょう!」
 そう言うとオネェ様…アリアさんは私をゆっくりとベッドに押し倒して怪しく笑い

「それじゃあおやすみなさい!早く寝ないとそのお肌が可哀想!と手にチュッとキスをしてアリアさんはひらひら手を振り部屋から出て行く。
 ひっひっひいいいいい!も、もうだめ息苦しい!私はそのまま朝まで気絶するように眠った。


 目を覚まし、メイドの一人が食事を持ってきてくれた。

「ありがとうございます」
 すぐに食べて皆と合流しないと…。
 今日は街で装備を整えたりする必要がある。まぁ逃げる予定だからそんなに手入れは必要ないけど…と考えてハッとする。

 そう言えば誰と逃げればいいの?皆お互いに秘密と言っていた。ええ?どうしよ!皆あのクソ女から逃げたいのだ。必死だ。
 悩んでいる私だが遅くなったらすまないと思い城のエントランスに向かうとシグルさん、アリアさん、ウィル様はもう来ていた。

「遅れてすみません!」
 と駆け寄ると

「いや、遅れてはいない、俺たちが早すぎたんだ」
 とウィル様。

「むしろ時間通りですよ」
 とメガネをクイっと押し上げるシグルさん。

「そうよぉ?とりあえず座ってあの勇者を待ちましょうか」
 と皆は側の手頃な椅子に座って待つことにした。だが来ない。流石に遅すぎだ。ウィル様なんかもう貧乏揺りまで始めている。オネェ様もイライラした顔になる。シグルさんに至っては

「あいつ死ねばいいのにまじ」
 とか物騒な声でブツブツ言っている。

「あの…まだ寝ているんでしょうか?」

「もう昼近いぞ」

「なんなのあの子!昨日ちゃんと待ち合わせ時間言ったわよね?」

「ええ、ちゃんと決めましたよ。時間を守らないなんて最悪ですね」
 とシグル様が言い、皆うなづいた。
 オネェ様がメイドを呼び止めて

「ねぇ貴方…ちょっとあの勇者ちゃん起こして来てくれない?」
 と言うとビクっと肩を揺らしてそのメイドは

「じじ、実は私共も何人か起こしに行きましたの。そ、そしたら扉の中からそれはもう不機嫌なドスのきいたお声で…「うるせーんだよブス!もっと寝かせろ!次起こしに来たら殴るぞ!」との声の後枕を扉に投げつける音がしてメイド達は皆怖がって誰も起こしに行けなくて…」
 と涙ながらにメイドは訴えた。
 私達は絶句した。

「寝起きが最悪ってこと?」

「だめだあのクズ女」
 ついにクソからクズに変わった。ウィル様は眉間に皺を寄せ唸った。

「どうしますか?もうお昼近いし、武器や防具やアイテムを揃えなきゃいけません。午前中からやればスムーズだったのに無駄に時間を費やしてます」
 とシグルさんが言うと

「勇者を起こす?どうする?誰が?」
 オネェ様が言うと

「僕は遠慮します」

「俺も嫌だ」

「あたしだって嫌よお!」

「わ、私も無理です」
 私達はお互いに嫌だと主張し、シグル様が提案した。

「あの…もう勇者は放っておいてもいいのでは?僕たちでさっさと済ませましょう。勇者の武器なんかは適当に与えておけばいいでしょう。どうせ最初に戦うのは僕等であの人何もしないと思いますよ」

「同感だシグル!そうしよう!全く無駄な時間だったなすぐに行くか!」

「ええ、そうね!夕方になっちゃうわ!」
 と私達は勇者を置いて城を飛び出した。
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