稀代の魔法使いと魔法が使えない唯一の弟子~引きこもり魔法使いが術を失敗して~

笠岡もこ/もこも

文字の大きさ
2 / 11
プロローグ

目覚めれば異世界2

しおりを挟む
『えぇ⁈ 日本語⁈ だって、ついさっきまでは、全然理解できなかったのに!』

 レモンシフォンの男性に詰め寄ると、さりげない調子ですっと体を離された。特に照れた様子はないので、本当に嫌だったのだろう。
 まっまぁ、物語の王子様みたいなイケメンが、私相手に照れる理由はないけど。たぶん、ちょっと傷ついたのは別の理由。さっきまでは、気遣いが見て取れたから。

『なっ馴れ馴れしくして、すいません。あの、言葉が通じて、嬉しくて、つい』

 両手をぎゅっと握って、体を後ろにひく 。

『心配しなくても、この魔法使い、引き篭りすぎて人と近い距離にいるのに慣れていないだけだから。安心しなよ』

 俯いた顔を覗き込んできたのは、意外にも、最初は私を睨んでいた薄桜色の長髪イケメンさんだった。
 私を責めるような姿勢だった人のフォローに、思わず眉間に皺が寄ってしまう。
 そんな私を見て、薄桜色のイケメンも自分の行動を自覚したようだ。気まずそうに視線を逸らした。

『あぁ、ごめんね。さっきは掴みかかるような真似をしてしまって』
『ごっごめんなさい。私のこと、嫌っているように見えたから』
『君のことをどうのこうの思ったわけじゃないんだよ。怖がらせてしまったのなら、ごめんね。僕はセン』

 センさんと名乗った男性は、儚げに微笑んだ。少し、申し訳なさそうに。
 レモンシフォンの男性が『ざまぁねえな』と、自分よりちょっと背の高い薄桜色の男性を見上げた。

『ウィータは人をからかっている余裕、あるのかい?』
『うっせぇ』

 けっと吐き捨てたレモンシフォンの男性――ウィータさん。さっきまでの落ち着いた雰囲気とは違い、口調がなんだか幼く見える。
 そういえば、子猫たちはどうしたかな。ベッドの上に視線を動かすと、大福みたいに丸くなって寝ていた。可愛いなぁ。そっと背中に指を触れさせると、わずかにひっかかる部分があった。藍色の毛をわけてみると、桜の花びらみたいな羽があった。そういえば、さらりと流していたけど、さっき飛んでたっけ。

『おい、お前』

 ぶっきらぼうな問い掛けに、思わず背筋がしゃんと伸びてしまう。

『ふぁっはい!』

 大慌てで振り向くと、ウィータさんが長い前髪の隙間から睨んでいた。腕を組んで、尊大な態度だ。さっきまでの気遣いはどこにいったの⁈

『っていうか、なんで急に言葉が通じているんですか?』
『急にじゃない。魔法を使っているの目の当たりにしていただろうが』

 え、あの。その。今、聞こえた言葉のまま受け止めてもいいのだろうか。
 今、はっきりと魔法って聞こえたけど……。現実を目の当たりにしてもなお、正直否定したい自分がいる。私、自分が思う以上にひどい人間みたいだ。怖くって、言葉が通じないのに優しくしてくれた 人を、言葉が通じた途端、拒否している。

『まっ魔法って、冗談ですよね?』

 拒否した態度を後悔しても、 やはり受け入れられない現実に声が震えてしまった。ついでに、おさまっていた全身の震えも蘇ってくる。現実に、腰が抜けて、ベッドに座り込んでいた。

『わっ私にも、わかります。貴方たちが、嘘なんてついていないの。でも――嘘だって思わないと、私、魔法って、だって、そんなの物語の中だけで、受け入れてしまったら、私――』

 受け入れてしまったら、私はどうなるのだろう。なにを受け入れるのが怖くて、目の前の現実を拒否しているのだろう。
 両腕を抱えても震えはおさまらない。

『なら、認めなければいい。目の前に起きたことを否定することで、お前は自分を保てばいい 』

 違う、私は否定したいわけじゃない。突き放す言葉に、冷たい声に、頭が一気に冷静になる。
 震える指をウィータさんに伸ばし、やっとの思いで彼の黒い袖を掴んだ。それだけでも、どうしてかほっとできた。彼は私を振りほどいたりせず、じっと見つめてくれたから。

『違うの。思い出せない自分が、嫌なの。今がわからない自分が、嫌なの』 
『わからないのは――お前が悪いわけじゃない。結界内とはいえ、異空間に精神がついてこないんだろう 』
『いっ異空間?』

 私、普通に会話しているけれど、この状況はどう考えても異常だ。かたかたと鳴る歯をなんとかとめたくて食いしばってみるが、どうにもならない。

『まっ魔法って本当に? 私、夢を見ているの?』

 両腕を抱え、震える私を前に、男性二人は顔を見合わせた。二人から顔をそらし、しんしんと降る雪をぼんやりと眺める。
 あぁ、あぁ。わかる。わかってしまう。世界とか関係なく。彼らの仕草が意味するところを。

『さっきからの話をまとめると、君の世界には魔法が存在しないんだね?』

 かけられた声は意外なほど、優しかった。声の主は、私の前で膝を抱えてしゃがんでいるセンさん。
 必死にこくこくと頷くと、『ごめん』という小さな謝罪と共に、頭を撫でられた。一瞬だけびくっと体が跳ねたものの、あまりに優しい手つきに視界が歪んでいく。

『私がいたところでは、魔法は物語の中にしかなくって、あの、ここでは魔法が普通ってことですか?』

 ここまできてもなお、否定してほしい自分がいる。どっきりでしたなんて、展開を望んでいる。これは夢で、きっと漫画の読みすぎで見た夢で、起きればお母さんが寝すぎなんて怒って、半日授業で帰ってきた中学生の弟の雪夜(ゆきや)と妹の華菜(はな)に呆れられて……。
 私の頬に、そっと触れてきた指先。あまりの冷たさに、はっと意識が戻った。触れていたのは、前髪に表情を隠したウィータさんだった。

『……悪い』

 肯定は、私には死刑宣告そのもの。
 その一言で、すべてを悟った。答えじゃなかったのに、答えよりひどい反応。
 どうして、どうして? なんで、私が?

『どっ――』
『いやぁ、悪い悪い。間違えた』

 あまりにあっけらかんとした明るい口調に、ずるっと体が滑ったよ! っていうか、さっきまでの雰囲気はどこにいったのか!
 ウィータさんは、あっはっはと笑いそうな勢いの笑顔を浮かべているじゃないか! あまりのあっけらかんとした笑顔に、絶句だ。

『実はな。お前は覚えているかわからねぇが、とある奴が召喚に失敗して異次元に飛んで行っちまった召喚獣の回収をしていたんだが、近くにいたお前まで失敗して巻き込んじまったんだよ』

 美人な顔に似合わない荒っぽい口調。重いはずの内容を『悪かったな』と軽く頭を叩かれて、私のキャパはオーバーだ。
 私は、ものすっごい顔をしているのだろう。目の前の美形二人は大爆笑である。
 じゃなくって! ふざけるな!

『ばかにしないでください‼ 人をなんだと――』

 怒りに任せてウィータさんの胸倉を掴む。掴んでも、当人は楽し気に私を見下ろすだけだが。なになに、その嬉しそうな表情。引き篭り魔法使いは他人に怒られるのも嬉しいの⁈

『お前の名前は?』

 私の怒りはまるっと無視! かっとなって、体を乗り出す!

『だから――!』
『だから、お前の名前は?』

 再度、問われて、ぐっと息を飲んだ。視線の強さがはんぱないんだもん。眠そうなのに、すごい目力だ。
 それでも、アイスブルーの瞳に、自然と唇が弾んでしまう。

『私は、しらふ――』

 最後まで言い切らなかった。言い切れなかった。
 私の言葉は最後まで出る ことなく、途中から漢字の光となり、ウィータさんが持つ紙に吸い込まれていった。まるで体の全部からエネルギーを吸い上げられるみたいな感覚。喉の奥からなにかを引っ張られている感覚。
 っていうか、いつの間に紙を手にしていたのか。

『じゃなくって! なんで、私の名前がその紙に吸い込まれているんですか!』
『お前の真名は俺が預かった』

 あ、この人、自分のこと俺っていうんだ。ちょっと荒い口調から想像はできるけれど……って、違う違う。私、なんでそんなところに注目しているんだ!

『真名ってなんですか! ファンタジーじゃあるまいし!』

 この期に及んで出た言葉。私の常識が全力で目の前の現実を拒否しているのを自覚しつつ、どうしても受け入れきれない。
 私、知っている。真名っていう意味を。それは、その存在を示す、縛る呪文。日本古来からの言霊。それは異次元でも変わらないんだなぁなんて考えた私は、かなり追い込まれている。

『ウィータ、最初からちゃんと説明してあげなよ』
『センがそれを言うのか?』
『そうやって、最初から僕にやらせようってしていたんだろう?』

 腰までの長い薄桜色の髪が、彼が立ち上がるのに合わせてふわりと広がった。耳にかけられた長い前髪を指が滑る。ため息交じりに立ち上がった彼を改めてると、かなり大きい。間違いなく百八十以上はある。サークルで仲が良かった先輩みたい。
 その隣に立つウィータさんは、彼より頭半分ほど低い。そんな彼の頭をぽんと叩いたセンさんが、小さく笑う。

『ごめんね。彼、あぁ見えても結構動揺しているんだ 』
『セン』

 私の横に腰掛けたセンさんに、厳しい声をかけるウィータさん。が、ウィータさんはそれ以上の反応は示さなかった。ベッドの近くにある椅子に腰かけ、円卓に肘をつき、ぶすりと結んだ口でこっちを見るだけだ。

「うなぁー」

 と、緊張した空間を破ったのは、甘い鳴き声だった。
 少し後ろを振り向くと、目を覚ました子猫たちが小さな体をめいっぱい伸ばしていた。可愛い! うーんと伸びた背中に、ぷりっとあげられたお尻。
 私が手を伸ばすより早く、ぶるっと顔をふるった子猫たちは、ウィータさん目がけて飛んで行った。本当に飛んでいる。背中の小さな花びらを必死に動かして。やっやっぱりファンタジー世界なんだろうか。

『フィーニスにフィーネ、寝起きでも元気がいいな』

 飛びついてきた子猫たちを受け止め、くすぐったそうに笑ったウィータさん。無表情とか意地悪とか、そんな表情とのギャップに心臓が跳ねた。はっ反則だ。急に、そんな無邪気な笑顔。
 まぁ、私には『んだよ』と冷たい言葉を浴びせてきたわけだけれど。

『まず、きちんと話しておくよ』

 ぶすりとなりかけた私に、センさんがそっとささやいた。
 小さくて、でもずきんと心臓にしみてくるような音。さっきからの感情の幅にやっと気が付いた。センさんと話している時は、恐くてしょうがない。一方、ウィータさんとの会話は、どうしてか気が抜けてしまう。

『率直に言おう。ここは君がいた世界じゃない。召喚直前や今までの君の言動から、世界の性質そのものが異なっているのもわかるよ』
『せかい?』
『うん。君にとって、ここはいわゆる異世界だろうね。つまりは、さっきウィータが言ったことは現実で、君は自分がいた魔法が存在しない次元をこえて、魔法が存在する異質な次元にきてしまった』

 改めて、真剣に告げられ、がつんと頭を殴られたような気がした。
 頬が引きつっているのがわかる。目の前にある違和感の塊たちを目の前にしてなお、私は正直、ナニイッテルノと思っている。

『えっと、おっしゃっている意味がわかりません』

 引きつる口元をなんとか動かしてしゃべっても、心と声が別の場所にあるみたいに感じている。

『……君はわかっているんだよね?』

 問われて、頭に血が上った。
 なになに、なんなの⁈ わかっているってなに?
 意識するより早く、隣に座るセンさんの肩を突き飛ばしていた。立ち上がって、彼を見下ろす。

『わかるわけないじゃないですか‼ っていうか、理解したくないの、わかりません⁈ はい、そうですかって受け入れると思いますか⁈ ふざけるな! 今すぐ、戻の場所に帰せ!』

 出したことのない声をあげた。絶叫に近かった。
 後悔したのは、見下ろした先にいたセンさんと、振り返った先にいたウィータさんの顔を見てしまったから。見なければよかった。下を向いていれば、ただ、私を巻き込んだという彼らを憎めたのに。
 また、彼らが瞳を曇らせたのが、どうしようもなく辛かった。

『ど、してそんな顔するの。やめてよ。さっきみたいに、笑っていて!』

 私を見て得も言われぬ感情を浮かべる彼らを、忌々しいと思う自分が嫌になった。彼らの言葉は雄弁だけれど、顔や瞳に滲み出る感情はとても不器用だと思ってしまった 。感情なんて見えなけれないいのに。

『ずるい、よ。ずるい』

 あとはもう、床に座り込んで号泣するしかなかった。泣きすぎて、自分自身、なにに対して泣いているのかわからなるくらい、声を上げ続けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...