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豹変
しおりを挟む突然の出来事により ドッヂボールは
中止となった。
さっきまで賑やかだった体育館は
まるでさっきまでの賑やかさを失っていた。
葬式のような体育館で、はじめに口を開いたのは 涼子さんの取り巻きの一人だった。
「おまえ、涼子に恨みでもあるんだろ?だからわざと怪我させたんだろ?」
「違う!そんなつもりなんてなかった!わたし
再び パァンと乾いた音が響き渡る。
そしてその乾いた音は連続して
わたしを襲いかかる。
制止しようとしても 敵わない。
数えたら、1 2 3 4 5。。5人も私を
攻撃するために群がっていた。
こんなの無力な私1人で、到底敵わない。
どうしよう。どうしよう。
頭の中で考えを巡らせても どんどん私の頭は考えることに集中できなくなっていた。
どんどん、気力も体力も奪われて、
ぼろぼろな私を
乾いた音は 襲いかかってきた。
誰か、とめてくれないかな。。
誰も、たすけてくれないか。。
諦めるしか ないんだね。。
そうぼんやり考えていたら、ふっと意識が遠くなった。
気がついたら、私は白いベッドの上に寝転がっていた。
天井もカーテンもまっ白。
「ここは どこ。。?」
そう、1人つぶやくと
カーテンをシャーっとあけて愛弓がはいってきた。
「澪!大丈夫?!さっきはごめんね。。何もできなくて 本当にごめんね。。」
泣きながら入ってきた愛弓に なんだか少しホッとして その手を握りながらつぶやいた。
「大丈夫だよ。でも、いつから私ここにいたのかな。。?」
それを聞いた愛弓は さめざめと泣きはじめた。
「私。。私。。。何もあのとき助けてあげられなかった。。ごめんね。。私は澪を見殺しにしたの。」
「愛弓は何も悪くないよ。もっと言えば私も悪くない。正直なぜこんなに責められたのかわからないよ。私には一切悪気なんてなかったんだもん。」
なのに 理不尽な扱いをうけた。
なんだかだんだん腹がたってきた。
私は 悪くない。
強いて言うなら 運が悪かっただけ。
だってそうでしょ?
私は何もしていない。
心の中で 何度もそう叫んだ。
そしてボロボロな自分を見て
余計に惨めになり 悲しくなった。
でも 泣いてはいけない。
泣いたら辛くなってしまうから。
そう考えていたら、保健の先生も入ってきた。
「澪ちゃん、大丈夫?? 怪我は痛くないかな??」
優しく微笑むこの先生が私は大好きだった。
みんなに平等に接する この先生は
私にとって 神様のように見えた。
「もう日が暮れてしまいそうだけど、お家には自分の足で帰れそうかな?もし辛かったらお家の人に迎えに来てもらおうか?」
そう問いかける先生に
「大丈夫です。なんとか自分で帰れそうです。愛弓もいるし、1人じゃないから。」
そういって、愛弓の方を見ると、
愛弓も微笑みながら うん。と頷いてくれた。
「それならよかった。愛弓ちゃん、澪ちゃんのことをよろしくね。今日は気をつけて帰ってね。私から担任の先生に 二人は帰ったって伝えておくから、そのまま今日は帰っていいわよ。」
そう言って、じゃあちょっといってくるわね。といって 先生は出て行った。
2人きりになったとき、また再び保健室のドアがあいた。
先生が忘れ物でもしたのかな?
と考えていたら、急にカーテンをあけて、
涼子と その取り巻き達がはいってきた。
「お ま た せ 。 そのまま無事に帰れるとでも思った?」
竹刀を持って仁王立ちする涼子が不気味に笑った。
凍りついた空間で
もう終わりだ。 と
そう悟った。
豹変した彼女達を もう誰もとめることは
できない。
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