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第一章
三.男爵の過去その二
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「お前という奴は...!家を継ぐという自覚を持たんか!!それが出来んようなら今すぐ継いでその自覚を持て!」
仕事に集中できず、彼女以外は絶対に妻に迎えないと頑なな私に、両親はついに匙を投げた。
そして家督を私に押し付けるように譲り、両親は母方の領地へと旅立っていった。
私は二十五才で男爵家を継ぐこととなった。
卒業してから父について回り、仕事を覚えていった。
小さな領のため、経営だけではなく当主自らが領内を見て回り、時には領内の困り事や諍いに介入することもあった。
小さい領でもやることは次から次へと出てきて、私はヘトヘトになった。
初めての休日には半日ほどかけてレイアに会いに行った。
レイアは北に位置する隣国に面した伯爵領の出で、その町で本屋を営む両親のもとに生まれた。
家を訪れると、レイアは嬉しそうな顔を見せてくれた。
レイアの両親に挨拶をすると、困ったような苦い顔をされた。
レイアがお茶を入れに席を外した時、彼らは私に諭すように語りかけてきた。
「娘はただの平民で、貴方は男爵家のひとり息子と聞いている。相応の相手を迎え入れなければならないのではないですか?娘とはどういうつもりで付き合っているんでしょう?」
「そうかもしれません。だが私が妻に望むのはレイアさんだけですし、結婚したいと思っています。彼女を愛しているんです」
「レイアにはたくさんの縁談がきているの。それなのにどんな相手にも頷かなくて困っているのよ」
「レイアにしなくてもよい苦労を背負わせたくない親の気持ちをわかってくれないか?」
確かにレイアは、平民のままならばしなくてもいい苦労をたくさんすることになるだろう。
しかしレイアなら、レイアと二人ならそれも乗り越えられるはずだ。
それにしてもレイアに縁談がきている?
レイアが私以外と結婚する可能性があるということだ。
不思議なことにこれまで私は、彼女が私以外と一緒になるなどつゆほども思っていなかった。
私は返答につまってしまった。
彼女の父親が口を開きかけた時、レイアの怒鳴り声が割って入った。
「お父さんもお母さんもシモンになんてこと言うの?!」
「レイア、そうは言っても私たちは貴方の幸せを願って...」
「私は誰とも結婚しないと言ってるじゃない。それが私の願いなの。お母さんたちならわかってくれるでしょう...?」
普段から冷静なレイアが見せる初めての激しい感情に、私たちは狼狽えた。
レイアは胸に手を置き、気持ちを落ち着かせるように息を吐いてから皆に向けて口を開いた。
「少し外に出てきます。シモン、行きましょう」
両親に会釈をしてレイアに続いて家を出た。
「レイア、大丈夫かい?君に会いたくて来てしまったが、すまなかった...」
「そんなこと言わないで、私も貴方が会いに来てくれてとても嬉しいわ。私こそみっともないところを見せてしまってごめんなさい。」
「みっともなくなんて...それよりもレイア、縁談を断ったって...そもそも君は結婚する気がなかったのかい?」
「...ええ、そうよ。私、誰とも結婚するつもりはないの。シモン、貴方とも。だから貴方は私のことなんて気にしないで...幸せになって」
「僕のこと、嫌いになった?」
「ふふっシモンったら僕に戻ってるわ」
「レイア、はぐらかさないで」
レイアは少し俯き、迷ったように口を開いた。
「...貴方のことは好きよ。そうじゃなきゃ付き合わなかった。でも何度も言うように結婚はできないわ」
「だったら待つから!いつかレイアの気が変わるの。いや、待つとか変わるとかじゃなくて...僕が君としか一緒になりたくないんだ、僕が好きなのはレイアだけだから」
真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるシモンにレイアは胸がつまる思いだった。
「ごめんなさい、シモン。こんな私のことをそんなにも想ってくれてありがとう」
それからもシモンは休みのたびにレイアに会いに行った。
彼女は会うたびに綺麗になっていくので、誰か彼女にちょっかいをかけないか、という心配はあったが、彼女が私を愛していると感じることができたので不安は感じなかった。
そうして二年が経った頃、彼女が妊娠していることがわかった。
彼女の両親は泣いて私を責め立てた。
「この!このっ!この子を日陰者にしたいの?そんなにこの子を不幸にしたいの?!」
「結婚してないのに子供ができるなんて、この子が周りからなんて言われるかわからないのか!」
「この人のせいだけじゃないってお父さんもお母さんもわかってるでしょう?!私も望んだからこうなってるの!」
こうなることを分かっていたはずなのに、私は彼女を想う気持ちを止められなかった。
こんな状況で謝罪を受けてもらえるはずがなかった。
子供ができたなら彼女は結婚を了承してくれるのではないか。
そんな甘い気持ちを抑えらなかった私は「結婚しよう、私の両親は説得するから大丈夫だよ」と伝えたが、彼女は悲しげな目を向けてきた。
「シモンごめんなさい、結婚はできないわ。本当に、ごめんなさい」
涙交じりの声で言葉を伝えてくる彼女に、胸が苦しくなる。
「君は何をそんなに不安に思っているんだい?君の不安が何かは僕にはわからない。けどそれを取り除くことが出来たら、今度こそ君は私の妻になってくれるか?」
「そんなこと無理よ。私はこのままでも幸せよ。」
彼女は何かを諦めているが、私だけは絶対に諦めたくなかった。
「レイア、必ず君の不安を取り除いてみせる。だから待っていてほしい」
そう告げた私にレイアは返事をしなかったが、ついに涙を零した。
その後、私は彼女を養子として迎え入れてくれる貴族の家を探し回った。
同じ貴族になれば彼女の不安を取り除けるのではないかと思ったのだ。
しかし特別裕福ではなく、何の見返りも望めないだろう男爵家への返答は芳しくなかった。
中には、王立学園で特待生だった優秀さや、美人で有名だったレイアの当時のことを知る者は、レイアが愛人になることを見返りに求めてきた。
そんなこと、許せる筈がなかった。
平日は父について仕事をし、休日になると貴族の家に頼み込む生活をしているうちに、まもなくレイアは出産する時期を迎えてしまった。
私は父に頼み込んで長い休みを貰い、レイアが住む町で宿を取った。
この頃になると私の両親は呆れていたように思う。
毎日レイアのそばで過ごし、四日目の夕方には陣痛が始まった。
そして五日目の朝に彼女は女の子を出産した。
髪の色は私と一緒で、うっすら開いた瞳から見えた色は、彼女のものより少し明るかった。
「レイア、ありがとう。僕と君の子供を産んでくれて、本当にありがとう」
彼女の両親もそばで見守り、無事産まれたことを喜んでくれた。
「どういうこと...?どうしてこの子には...」
出産を終えてぐったりとしていたレイアはそう呟くと気絶するように眠ってしまった。
レイアが目覚めてから、眠る前に呟いた言葉の意味を訊いたが、何のこと?と不思議そうな顔で聞き返された。
私は彼女の両親が住む家の近くに家を借りて彼女と、ルピナスと名付けた子供との生活を始めた。
彼女と私は慣れない育児に戸惑いながらも共に向き合った。
娘は体調を崩しやすく、少しも気を抜くことはできなかった。
困っていると彼女の両親が手を貸してくれた。
彼女の両親はもうこの状況を諦めて、けれども受け入れてくれていた。
そうして半年を過ぎた頃。
「ずっと帰らないわけにも、仕事をしないわけにもいかないでしょう?両親もそばにいるし、貴方は帰った方がいいわ」
レイアにそう言われて渋る私は、彼女の次の言葉で帰ることを決めた。
「休みができたらまた会いに来てくれるでしょう?」
私は領地に帰り、また元の生活に戻った。
休みのたびにレイアとルピナスに会いにあの家に帰った。
私がそばに居られない間、彼女の両親がそばにいてくれることに安心していた。
しかし彼女はルピナスが一才になる前にルピナスと共に姿をくらませた。
私は彼女たちを探すのに必死になり仕事に集中できなくなった。
彼女の両親も同じで、どんどん窶れていった。
そうして冒頭に戻る。
領民を放っておく事などできるはずもなく、仕事をしながら彼女を探すことになった。
彼女と住んでいた町やその周辺の領、王都など関わりのありそうな場所はすでに探した。
彼女は目立つ容姿をしていて、さらに子連れなのですぐにでも見つかると思っていた。
二人を見つけられず、年月だけが過ぎて行った。
しかし彼女たちを探して九年目、金色の髪の美しい女性が亡くなり、茶色い髪の女の子が一人残されたという報せが私の耳に届いのだ。
彼女はずっと私を待っていてくれたに違いないと、今日ルピナスを見て確信した。
夕食後に「文字を読めるか」と聞くと、「文字の読み書きも母に教わりました。母が仕事をしている間は、本を読んで過ごしていました」とルピナスは答えたのだ。
娘は平民の中で暮らしてきたはずなのに、貴族としての教養を身につけているように見えた。
(彼女がいなくなった理由はわからない...でも本当はずっと待っていてくれたんだ...それなのに私は間に合わなかった!)
書斎には男爵の嗚咽が遅くまで響いていた。
仕事に集中できず、彼女以外は絶対に妻に迎えないと頑なな私に、両親はついに匙を投げた。
そして家督を私に押し付けるように譲り、両親は母方の領地へと旅立っていった。
私は二十五才で男爵家を継ぐこととなった。
卒業してから父について回り、仕事を覚えていった。
小さな領のため、経営だけではなく当主自らが領内を見て回り、時には領内の困り事や諍いに介入することもあった。
小さい領でもやることは次から次へと出てきて、私はヘトヘトになった。
初めての休日には半日ほどかけてレイアに会いに行った。
レイアは北に位置する隣国に面した伯爵領の出で、その町で本屋を営む両親のもとに生まれた。
家を訪れると、レイアは嬉しそうな顔を見せてくれた。
レイアの両親に挨拶をすると、困ったような苦い顔をされた。
レイアがお茶を入れに席を外した時、彼らは私に諭すように語りかけてきた。
「娘はただの平民で、貴方は男爵家のひとり息子と聞いている。相応の相手を迎え入れなければならないのではないですか?娘とはどういうつもりで付き合っているんでしょう?」
「そうかもしれません。だが私が妻に望むのはレイアさんだけですし、結婚したいと思っています。彼女を愛しているんです」
「レイアにはたくさんの縁談がきているの。それなのにどんな相手にも頷かなくて困っているのよ」
「レイアにしなくてもよい苦労を背負わせたくない親の気持ちをわかってくれないか?」
確かにレイアは、平民のままならばしなくてもいい苦労をたくさんすることになるだろう。
しかしレイアなら、レイアと二人ならそれも乗り越えられるはずだ。
それにしてもレイアに縁談がきている?
レイアが私以外と結婚する可能性があるということだ。
不思議なことにこれまで私は、彼女が私以外と一緒になるなどつゆほども思っていなかった。
私は返答につまってしまった。
彼女の父親が口を開きかけた時、レイアの怒鳴り声が割って入った。
「お父さんもお母さんもシモンになんてこと言うの?!」
「レイア、そうは言っても私たちは貴方の幸せを願って...」
「私は誰とも結婚しないと言ってるじゃない。それが私の願いなの。お母さんたちならわかってくれるでしょう...?」
普段から冷静なレイアが見せる初めての激しい感情に、私たちは狼狽えた。
レイアは胸に手を置き、気持ちを落ち着かせるように息を吐いてから皆に向けて口を開いた。
「少し外に出てきます。シモン、行きましょう」
両親に会釈をしてレイアに続いて家を出た。
「レイア、大丈夫かい?君に会いたくて来てしまったが、すまなかった...」
「そんなこと言わないで、私も貴方が会いに来てくれてとても嬉しいわ。私こそみっともないところを見せてしまってごめんなさい。」
「みっともなくなんて...それよりもレイア、縁談を断ったって...そもそも君は結婚する気がなかったのかい?」
「...ええ、そうよ。私、誰とも結婚するつもりはないの。シモン、貴方とも。だから貴方は私のことなんて気にしないで...幸せになって」
「僕のこと、嫌いになった?」
「ふふっシモンったら僕に戻ってるわ」
「レイア、はぐらかさないで」
レイアは少し俯き、迷ったように口を開いた。
「...貴方のことは好きよ。そうじゃなきゃ付き合わなかった。でも何度も言うように結婚はできないわ」
「だったら待つから!いつかレイアの気が変わるの。いや、待つとか変わるとかじゃなくて...僕が君としか一緒になりたくないんだ、僕が好きなのはレイアだけだから」
真っ直ぐに気持ちを伝えてくれるシモンにレイアは胸がつまる思いだった。
「ごめんなさい、シモン。こんな私のことをそんなにも想ってくれてありがとう」
それからもシモンは休みのたびにレイアに会いに行った。
彼女は会うたびに綺麗になっていくので、誰か彼女にちょっかいをかけないか、という心配はあったが、彼女が私を愛していると感じることができたので不安は感じなかった。
そうして二年が経った頃、彼女が妊娠していることがわかった。
彼女の両親は泣いて私を責め立てた。
「この!このっ!この子を日陰者にしたいの?そんなにこの子を不幸にしたいの?!」
「結婚してないのに子供ができるなんて、この子が周りからなんて言われるかわからないのか!」
「この人のせいだけじゃないってお父さんもお母さんもわかってるでしょう?!私も望んだからこうなってるの!」
こうなることを分かっていたはずなのに、私は彼女を想う気持ちを止められなかった。
こんな状況で謝罪を受けてもらえるはずがなかった。
子供ができたなら彼女は結婚を了承してくれるのではないか。
そんな甘い気持ちを抑えらなかった私は「結婚しよう、私の両親は説得するから大丈夫だよ」と伝えたが、彼女は悲しげな目を向けてきた。
「シモンごめんなさい、結婚はできないわ。本当に、ごめんなさい」
涙交じりの声で言葉を伝えてくる彼女に、胸が苦しくなる。
「君は何をそんなに不安に思っているんだい?君の不安が何かは僕にはわからない。けどそれを取り除くことが出来たら、今度こそ君は私の妻になってくれるか?」
「そんなこと無理よ。私はこのままでも幸せよ。」
彼女は何かを諦めているが、私だけは絶対に諦めたくなかった。
「レイア、必ず君の不安を取り除いてみせる。だから待っていてほしい」
そう告げた私にレイアは返事をしなかったが、ついに涙を零した。
その後、私は彼女を養子として迎え入れてくれる貴族の家を探し回った。
同じ貴族になれば彼女の不安を取り除けるのではないかと思ったのだ。
しかし特別裕福ではなく、何の見返りも望めないだろう男爵家への返答は芳しくなかった。
中には、王立学園で特待生だった優秀さや、美人で有名だったレイアの当時のことを知る者は、レイアが愛人になることを見返りに求めてきた。
そんなこと、許せる筈がなかった。
平日は父について仕事をし、休日になると貴族の家に頼み込む生活をしているうちに、まもなくレイアは出産する時期を迎えてしまった。
私は父に頼み込んで長い休みを貰い、レイアが住む町で宿を取った。
この頃になると私の両親は呆れていたように思う。
毎日レイアのそばで過ごし、四日目の夕方には陣痛が始まった。
そして五日目の朝に彼女は女の子を出産した。
髪の色は私と一緒で、うっすら開いた瞳から見えた色は、彼女のものより少し明るかった。
「レイア、ありがとう。僕と君の子供を産んでくれて、本当にありがとう」
彼女の両親もそばで見守り、無事産まれたことを喜んでくれた。
「どういうこと...?どうしてこの子には...」
出産を終えてぐったりとしていたレイアはそう呟くと気絶するように眠ってしまった。
レイアが目覚めてから、眠る前に呟いた言葉の意味を訊いたが、何のこと?と不思議そうな顔で聞き返された。
私は彼女の両親が住む家の近くに家を借りて彼女と、ルピナスと名付けた子供との生活を始めた。
彼女と私は慣れない育児に戸惑いながらも共に向き合った。
娘は体調を崩しやすく、少しも気を抜くことはできなかった。
困っていると彼女の両親が手を貸してくれた。
彼女の両親はもうこの状況を諦めて、けれども受け入れてくれていた。
そうして半年を過ぎた頃。
「ずっと帰らないわけにも、仕事をしないわけにもいかないでしょう?両親もそばにいるし、貴方は帰った方がいいわ」
レイアにそう言われて渋る私は、彼女の次の言葉で帰ることを決めた。
「休みができたらまた会いに来てくれるでしょう?」
私は領地に帰り、また元の生活に戻った。
休みのたびにレイアとルピナスに会いにあの家に帰った。
私がそばに居られない間、彼女の両親がそばにいてくれることに安心していた。
しかし彼女はルピナスが一才になる前にルピナスと共に姿をくらませた。
私は彼女たちを探すのに必死になり仕事に集中できなくなった。
彼女の両親も同じで、どんどん窶れていった。
そうして冒頭に戻る。
領民を放っておく事などできるはずもなく、仕事をしながら彼女を探すことになった。
彼女と住んでいた町やその周辺の領、王都など関わりのありそうな場所はすでに探した。
彼女は目立つ容姿をしていて、さらに子連れなのですぐにでも見つかると思っていた。
二人を見つけられず、年月だけが過ぎて行った。
しかし彼女たちを探して九年目、金色の髪の美しい女性が亡くなり、茶色い髪の女の子が一人残されたという報せが私の耳に届いのだ。
彼女はずっと私を待っていてくれたに違いないと、今日ルピナスを見て確信した。
夕食後に「文字を読めるか」と聞くと、「文字の読み書きも母に教わりました。母が仕事をしている間は、本を読んで過ごしていました」とルピナスは答えたのだ。
娘は平民の中で暮らしてきたはずなのに、貴族としての教養を身につけているように見えた。
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