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イヤメテの町

30「【女戦士の武器箱】の再設計、からの別行動」の巻

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「……どうですか?」

 武器屋のおじさんに再設計した【女戦士の武器箱】の設計図を見てもらいながら、オレはおじさんに尋ねる。オレとしては一応ちゃんと作ったつもりだが、『プロ』の意見を聞いておきたい。

 店の製図台を武器屋のおじさんに借りたオレは、その場で『なんとなくこんな感じ』くらいの即席の設計図を書いてみたところだ。
 実際の使用者であるカフェルや年上のサクラの意見も聞きながらなので、設計図が出来るのに一刻ほどかかったが、武器屋のおじさんは何も言わずに製図台を貸してくれた。
 武器屋のおじさんは、設計図を細かいところまで確認した後でオレに言った。

「……よく出来てる、とは思う。だが、あいにく俺は『造る方』は専門外でな。設計図コレ通りに作れる『素材』を吟味する必要がありそうだな」

 新聞紙の様に広げたオレの設計図を、手の甲で『パン』と軽く叩きながらおじさんは言った。

 確かに設計したオレもそう感じている。
 どれだけ設計図がよくても、『それを作れる素材』がこの世に存在しなければ意味はないのだ。

「……少し待ってろ。仲間の素材屋に紹介してやる。そいつに色々教えてもらうといい」

 そう言って武器屋のおじさんは武器屋の裏口から出ていった。おそらく『仲間の素材屋さん』につなぎを付けに出ていったのだろう。


 時間がかかりそうなので、オレはカフェルとサクラの二人に別行動を取る提案をした。久しぶりの町中での休暇だから、二人とも羽根を伸ばした方がいいと思ったからだ。

 カフェルは「自分が使う武器箱モノだから最後まで付き合う!」と言い張っていたが、結局年上のサクラからも説得されて渋々納得したようだ。

「……では、お言葉に甘えさせてもらう。後でこの町の中心にある公園で落ち合うことにしよう」

 カフェルはそう言ってサクラと二人で武器屋から出ていった。

 武器箱の設計図をチェックしていたオレは、毒蛇のように邪悪な目でカフェル(しなやか溌剌ハツラツボディ)の若くしなやかな肢体を見ながら、サクラ(わがまま細身スレンダーボディ)がいやらしく舌舐めずりをしたことに全く気付けなかった。



 続く…
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