愛の奴隷にしてください。【R18】

仲村來夢

文字の大きさ
44 / 47

ご主人様は突然に〜夜の世界編〜5

しおりを挟む
その日あたしは真悠くんとそのホテルに泊まった。

美香ごめん…

一緒に眠ったけど、あたしはすぐに目が覚めてしまい、真悠くんの寝顔をずっと見ていた。

本当に、作り物みたいに綺麗な顔…見てるだけでうっとりする。思わず写真を撮ってしまいそうな衝動に駆られた。撮らなかったけど。

「真悠くん、そろそろ出ないと」

「…ん…」

「おはよう」

「おはよ」

真悠くんが寝ぼけながらあたしをぎゅっと抱きしめた。

「…なぁ、真悠くん」

「ん?」

「何であたしとこんなことしたん?枕営業したって意味ないやん…」

「ん?営業とかそういうの何も考えてない。あゆ帰っちゃうし、最後に思い出作りたかったから」

「そっか…」

思い出作るほどの深い関係でもないんだけどな。まぁセックスしたことで深い関係にはなったのかな、一応。

***

「首絞められた!?ありえへんねんけど、怖すぎ!!あたしやったら逃げるわ!!」

元々泊まっていたホテルに戻り美香に謝った。何があったか…まぁ大体わかるからどんなことしたんか教えてくれたら許す!と言われて正直に話すと、美香はドン引きしていた。

まぁ、こう思うのが普通だよな…

「あゆちゃんドMなんやな」

「え…どうやろ、そんなん考えたことなかった」

「ドMやわ!あたし首絞められるとか絶対無理。下手したら窒息死やん」

けど、めちゃくちゃ気持ちよかったよ。気持ちよすぎて死んじゃうくらい。

…なんて言ったら美香に更に引かれそうなので黙っておいた。

その日、はとバス乗ろー!ベタで面白いやん!と美香に言われ、はとバスツアーに参加したり買い物したり、新幹線の時間いっぱいまで遊んで、帰りの新幹線では2人とも爆睡だった。

楽しい旅行になったな。…真悠くん、また会いたいな…

真悠くんが関西でホストをしていたら違ったのかもしれない。近いところにいればお店に行けばすぐ会えるし、嫌なところだっていっぱい見えるだろうからすぐ嫌いになれるかもしれない。

忘れられないかも…どうしたらいいんだろう…

大阪に帰ってきてからも、真悠くんがずっと忘れられなかった。というより真悠くんのセックスが忘れられなかった。

あれから何人かとセックスしてみたけどあの時ほどの快感は得られなかったし相手に首絞めて、って言ったら「え…死ぬやん、何言ってんの?」と美香同様ドン引きされて、それ以来会ってくれなくなった人もいた。

中には渋々やってくれた人もいたけど喉までぎゅって絞められて咳き込んじゃって、ごめん…やっぱり止めてください。なんてこっちから言っちゃう申し訳ない感じになってしまったり。

当時のあたしは、世の中には首を絞めるのが上手い人と下手な人とドン引きして絞めること自体しない人がいるんだな…なんてバカみたいなことばっかり考えてしまっていた。後者2つの方が普通なのに。

自分からは連絡しないけど、真悠くんに呼ばれたらまた会いに行っちゃうだろうな…

そしてその日は半年後に訪れた。

仕事辞めて暇してるから会おうよ、なんて連絡がきて。元々東京に住んでいたけど、仕事を辞めてから実家の横浜に戻ったらしくあたしは横浜に行くことにした。ちょうど日本初出店の服屋が原宿に出来て、行きたいって思ってたし。東京にも付き合ってね、ってお願いしたら快く引き受けてくれた。

休みの日の前日にアパレルの仕事を前もってお願いして早番で上がらせてもらい、東京行きのほぼ最終の新幹線で真悠くんに会いに行った。

「あゆー」

横浜駅の改札で待っていた真悠くんは、あたしをすぐ見つけて手を振ってくれた。

半年経っても覚えてるものなんだ…とちょっと感動した。

「よく来たねっ、ありがとー」

真悠くんは人目を憚らず、改札から出てきたあたしを抱きしめた。

「ちょっと真悠くん…皆見てる」

「ああ、ごめんごめん。ご飯食べにいこっか」

真悠くんに連れられ、駅の近くの居酒屋でご飯を食べた。ホストクラブじゃなくて、居酒屋で真悠くんと乾杯するのって変な感じ…

「いつ仕事辞めたん?」

「1ヶ月くらい前ー。疲れちゃって」

「そっか。これからどうすんの?」

「んー…やだけどもうちょっとしたらまたホストに戻る…」

「へー、嫌なんや」

「嫌だよー、俺ほんとは人見知りだもん。でもホストしかしたことないしホストしか出来ないよー…18から今までの5年間それしかやってないから職歴無いし」

「あー…そっか真悠くんあたしの2個上やったっけ。けっこう積んでんな真悠くん」

「はっきり言わないでよー!」

かっこよさは相変わらずだけど、真悠くんは半年前に会った時より雰囲気が柔らかく…というよりちょっと弱々しくなった気がした。

「もうヒモでもしたら?真悠くんならいけるやろ」

「いやーでも自分でお金稼がないとね…まぁホストなんてヒモみたいなもんだけどさ」

「まーでも働こうとするだけ偉いやん」

「うーん、まぁ養育費払わないとだし」

…養育費。ん?

「え?真悠くん子供いんの?」

「認知してるだけで結婚歴無いし子供にもその母親にも全然会ってないけどねー」

「真悠くん…一応あたし客やで、ぶっちゃけ過ぎやろ…」

「だってほんとだもん、ほら。っていうか俺あゆのことお客さんっていう感覚ないし」

真悠くんはあたしに子供のエコー写真まで見せてきた。ぶっちゃけ過ぎのぶっ飛び過ぎ…

ここまで何でも話してくるとなると、確かにこの人あたしのこと客だと思ってないのかもな…それからあたしに恋愛感情も一切無いんだな。まぁこっちも無いからいいけど。

食事を済ませ、あたしと真悠くんは街をぶらぶら歩いた。

恋人でもないのに、恋人同士みたいに肩を寄せ合って手を繋いで。お互い恋愛感情もないのにな。

「ところであゆホテルとか取ってるんだっけ?」

「ううん。なんか適当に」

「そっか。じゃ一緒に泊まろっか」

「うん」

「こっち。いっぱいあるからどっか絶対空いてるよ」

半年前と同じ様に真悠くんの後をついていくと、人気が無いながらも煌々とした灯りがたくさん見えてきた。

…あの時のことを思い出して、胸がどきどきしてきた。真悠くんはどんなこと考えてるんだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...