わたしがわたしをわすれるひ【R18】

仲村來夢

文字の大きさ
28 / 45

27

しおりを挟む
「もうちょっと舌使ってや…」

ほんとならあんなこと言われたら断固として拒否して、なんなら剛くんを殴って帰ってもいいのに結局あたしは今、剛くんのを口でしてる。

「んっ」

ゲホッ、ゲホッ。

後頭部を持たれて顔を剛くんの下腹部に押し付けられたことで喉の奥まで剛くんのモノが入ってきた。苦しくてえづいた後、咳き込んだ。

「きつい?」

「…きつい」

「ごめんな、あとちょっとやし頑張って」

剛くんはあたしの頭を持って前後に動かした。吐きそうになり、何度もえづく。辛くて離れようとしても頭を離してくれない。

「んぅぅ、んんっ」

「吐かんといてや…もうちょいやし、ごめん」

あたしの目から涙が流れた。口いっぱいにモノを咥えさせられて、息をするのが苦しい。…それから、ただの性欲を解消する為の物みたいに扱われているのが悲しい。

「ん…っ、う…」

「いくっ…」

喉の奥に苦いのが広がる。飲み込むのが辛くて口から剛くんの精液が溢れた。前ならあたしのフェラで気持ちよくなってくれるのが嬉しくて全部飲み込めたのに。

洗面所に駆け込んで口をゆすいでいると服を脱いだ剛くんが入ってきて、シャワーを浴び始めた。

鏡が湯気で曇る。あたしの目が涙で滲んでいることもあってか、ぼやけて自分の顔が見えない。

悲しさと涙でひどい顔になっているだろうから、丁度いいのかも。自分のそんな顔見たくないし…部屋に戻りベッドに座り込んで下瞼をこすると、マスカラが指についた。

「菜々ちゃん、行くわ。また連絡するしな」

剛くんはすぐにシャワーを終えて出てきて、身支度を整え始めた。最後にネクタイを締め終えた後鼻をすすっているあたしの頭をぽんぽんって軽く触れた。

「ごめんな、しんどい思いさせて。今度ゆっくりしよ」

黙り込んでいるあたしの頭をくしゃくしゃと撫でて剛くんが部屋から出て行った。

***

…今日会うので1ヶ月ぶり、か。嬉しいけど…ううん、本当に嬉しいかな?

あたしは剛くんに会う時、前みたいに笑えなくなった。でも会いたくて、会いに行ってしまう。

“離婚届出してきたよ”今日はそう言ってもらえるんじゃないかっていつも期待しながら。けどその日はなかなか訪れない。

「…もうちょっと待って欲しいねん」

「…もういい。そんなつもりないなら言わんといて欲しかった」

「別れへんなんて言ってないやん。子供おったら親権とか色々あんねん。わかってや」

「また子供出す。ずるい」

「ずるいとかちゃうやん。そんな顔せんといてや」

剛くんが、あたしを押し倒してキスをした。

「んっ…」

そのまま剛くんの手がスカートの中に入ってきてあたしのパンツに手をかける。

「…ごまかさんといてっ…」

「好きな女抱きたくなったらあかんの?」

剛くんがもう一度キスをしながらパンツを下ろして、あたしの中に指を入れた。

「どしたん、あんま濡れてないやん」

舌が絡まってくるにつれ更に指が深く入ってきた。剛くんがネクタイを緩め、ベルトを外して下の服だけ脱いであたしの入り口にモノをあてがう。

まだちゃんと濡れてないよ…。無理やり入れられたら余計濡れないのに。その思いとは裏腹に剛くんのモノがあたしの膣をゆっくりと掻き分けながら入ってくる。

「痛…」

「気持ちよくするから」

気持ちよくなんてならないもん…こんなの嫌だよ。

そう思ってたのに…受け入れたくなかったはずなのに、剛くんが動く度にだんだん気持ちよくなって濡れてきて、我慢出来ず声が漏れた。

「…あっ…」

「まだ痛いかな、やめる?」

「…やめない…」

結局あたしは快感に抗えなかった。嫌だったのに。悔しいけど、あたしは結局いかされてしまった。

「あれ、いっちゃったん?」

「は、ぁ、あぁっ!もうやめて変になるっ」

「嫌や、俺まだいってないもん」

「あっ、んん!や…」

「やっぱり菜々ちゃんのは気持ちいい」

菜々ちゃんのは、って。奥さんともしてるって言いたいの?わざと?

「出る…」

剛くんがいつもの様に、あたしの中で果てた。

シャワーから上がって、服を着始めている剛くんをベッドで裸のまま横向きになってぼーっと見ていた。

「剛くん…」

「なーに、菜々ちゃん」

剛くんがあたしをちらっと見て、またすぐに服を着る作業に戻る。

「…あたしと奥さん、どっちが気持ちいい?」

「は?」

剛くんが笑い、言葉を続ける。

「2人目出来てからしてないし忘れた。比べようないわ」

「…そっか…」
 
あたしは力無く笑った。嘘だとわかっていてもちょっとだけ嬉しくなる。バカみたい。去りゆく剛くんの背中を目で追いかけ、涙をぽろっとこぼしながら呟いた。

「お仕事頑張ってね…」

「ありがとう。愛してるよ」

唇に軽く触れるようなキスをして、剛くんが出て行く。

愛してなんかないくせに。もうそんな言葉いらないよ…。

流れる涙と共に剛くんがあたしの中に出したものも、少しずつ流れ出していた。

最近の剛くん、全然思いやりが無い。セックスも前はあんなに時間かけてくれたのに、ちょっと舐めて触って、すぐ入れて、一人だけいってシャワー浴びて、さっさと帰る。時間ない時間ない、ばっかり。

今日なんて舐めてもくれなかったし、ちょっと指入れられただけ。

あたしと会う時間を短くして、仕事さっさと片付けてなるべく早く家に帰れるようにしてるんだよね。剛くん子供好きだもんね。生まれたばっかりなんて可愛くて仕方ないだろうし。

そんなに時間ないなら誘わなきゃいいのに呼び出すのは、あたしで性欲を解消したいから。前からそうだったってわかってるよ。あたしだって最初はその程度の気持ちだった。

いっぱい気持ちよくしてくれて、自分が自分じゃなくなるくらいめちゃくちゃにされる時もあって。剛くんとのセックスはいつも刺激的だった。

けど、愛されてるって勘違いするぐらい時間をかけて優しく抱いてくれる時もあったよね…

前みたいに愛してるっていっぱい言いながら抱いて欲しいよ…
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...