わたしがわたしをわすれるひ【R18】

仲村來夢

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「いっつもこんなんしてんの、剛くん」

「こんなんって?」

「奥さんいるくせに女連れ込んで」

「人聞き悪いな、そんなことないし。菜々ちゃんこそこんなんばっかしてんの?」

「…ばっかりじゃ、ないけど」

してない、って断言すればいいのにあたしはあえてそれをしなかった。

純粋な子なんて思われたくなかった。普通は逆なんだろうけど、昔の話を掘り起こす位あたしが剛くんのことを諦められてない、なんて勘違いは絶対されたくないから。

「それなりに遊んでんねや」

「…別に普通やもん」

「大人なんやしいいと思う。可愛いからモテるやろし」

…大人だから、とかじゃなくて高校生の頃から遊びまくってたけど。

「けど菜々ちゃん体はあんま開発されてないよなー」

「は?」

なんなの。あたし、今までそれなりに経験してきたんだけど。

「開発っていうか調教されてないな」

調教。どういうのをそんな風に呼ぶの?…そう思ってる時点であたしは調教っていうのをされたことがないってことだよね。

あたしには彼氏と1年以上付き合った経験がない。長く付き合うとマンネリ化しない為にも色んなことするとか聞いたことがあるけど、マンネリなんて経験しないまま、色んなこともしないままお別れしてる。

遊びが多くて、一人とやりこんだことが無いからかもしれない。やりこんだって言い方、ゲームみたいだけどあたしの中でセックスはスポーツやゲームみたいなものだからあながち間違ってはいない。

フェラの仕方とか、腰の動かし方とかは色んな人に教えられたけど…そういうのは調教っていうのかな?

「菜々ちゃん自分では気付いてないと思うけどめっちゃMやで」

「責められるのは好きやし自分でわかってるもん。めっちゃかはわからんけど」

「うーん…また違うねんな。自分の体をよく知った方がいいと思うよ」

***

「はぁ、はぁ…もう…」

「どうしたん?ちゃんと舐めて」

剛くんに中に指を入れられながら、あたしは自分の乳首を舐めさせられていた。

胸を持ち上げ、辿々しく舐める舌先が乳首に当たるたびに快感で脳の奥が痺れる。

「恥ずかしいよぉ…んっ」

こんなの、オナニー見せてるのと同じじゃん…

「おっぱい大っきい子しか出来ひんねんからしな勿体ないやん」

勿体ないって何よ…

指の動きが少しずつ早くなってくるにつれ、更なる快感が襲ってくる。

「あっ、あ!だめそんなにしたらっ」

「やめちゃうよ」

「や…」

こんなの見られたくないし、したくないけど…ちょっとでもやめたらいかせてあげない、って言われてずっと舐めさせられてる。

舌の動きを止めれば指も止められてしまう。いきそうなのにいけない。気持ちいいのに、あとちょっとなのに。早く!早くいかせて…

「ん…んっ」

「自分の乳首舐めて興奮してんの?」

「はぁっ…んんっ…」

「そろそろいっちゃおっか」

「あ!!っん、ん!!」

激しく音を立てながら中を弄ばれ、自分の乳首を舐めながらあたしは絶頂した。

やっといけた…全身の力が抜けてあたしは剛くんに抱きついた。剛くんが頑張ったね、って言わんばかりにあたしの頭を撫でてキスをした。

「今までしたことなかったん?」

「はぁ、はぁ、無いよっこんなの…」

「やっぱ自分の体をまだまだ知らんねんな。調教してもっとエロい女にしたいわ」

胸がきゅんとした。それは恋心では決してなくて、今まで色んな人とのセックスで気持ちいい思いをしたけどもっと気持ちよくなれるのかな…という期待からくる胸の高鳴り。

「俺だけの女になってな」

「…」

あたしは黙り込んだ。

「あー。他の男ともエッチするつもりやろ」

「…だってわからんし。保証出来ひんもん、彼氏出来たりするかもしれんし」

彼氏が欲しいとは思わないけど、先のことはわからない。結婚してる人に俺だけの女になれって言われて縛られるなんてたまったもんじゃない。

「まぁそのうち俺としか出来ひん体にするからそれまでは好きにし」

…すごい自信。まぁ、剛くんには自信を持つ要素しかないからな。昔からイケメンで運動神経抜群で、今は社長でお金があって地位もあって結婚してて、セックスが上手くて。自信家になって当然か。

「続きしよっか」

バックの体制になる様に言われその通りにすると、剛くんがあたしの腰を高く上げた。けどあたしの中に入ってくる気配が無い。このポーズ、恥ずかしいんですけど…

「入れてくれへんの…?」

「もうちょっとしたら。今俺から菜々ちゃんのお尻の穴丸見えなんわかる?」

そうなの。それをわかってるから恥ずかしいの。早く入れてよ…!

「どうしたん?なんかひくひくしてんで」

「そんなに見たら嫌!…あ!!」

剛くんがあたしのお尻の穴を舐め始めた。何すんのこの人!?

「汚いからやめてっ!」

「さっきお風呂入ったしむしろ綺麗やけど」

「でも嫌、恥ずかしいっ」

「恥ずかしいのが気持ちよくなってくるから」

「やぁんっ、や、いやっ…」

剛くんはあたしの言葉を無視して舐め続ける。こんなの嫌!

でも、気持ちよくなってきちゃった…。舐められてるのが気持ちいいっていうよりこんなところを見られて恥ずかしいのが気持ちいい。今までされたことなかったし。剛くんの言った通り…

「…っ、…ん…やぁ」

「後ろでしたことある?」

「無いよっ…」

「してみる?」

剛くんがあたしのお尻の穴にモノをあてがった。

「絶対嫌!!やめて!ほんまに嫌、お願いやめて!!」

必死で剛くんから体を離そうとしたけどあたしの腰は掴まれたままだった。あたしが本気で嫌がっているのを察した剛くんが苦笑いをした。

「わかったわかった、入れへんって」

「絶対嫌やから。嫌いになるから!」

「じゃ今は好きなん?」

「あぁ!!」

剛くんがあたしの中に入ってきた。お尻の穴じゃなくて、ちゃんと膣の方に。

「俺のこと好きなん?」

「ちが、そういうのじゃ…あぁんっっ」

「俺は好きなんやけど」

「あっ…もうっ、いらんそんなのっ…あ、あぁ」

「恋は突然始まるもんやねんで」

更に腰を動かされ、あたしはまたいってしまいそうだった。…あたしこんなに敏感だったっけ…

「あんっ、あんっだめ、だめだめ…あ!」

剛くんがあたしを羽交い締めにして体を起こし、繋がったまま座らせた。

「菜々ちゃんが気持ちいい様に動いてみて」

「んんっ、はあ、はぁ…」

あたしは剛くんの膝に手を置いて腰を振った。剛くんの手が背後から伸びてきて、あたしの胸を揉む。それがたまらなく興奮した。

「めっちゃ上手いやん…気持ちいい…」

「あっ…うれしいっ…」

褒められたのがなんだか嬉しくて、快感で疎かになることもあれどあたしは激しく腰を振った。

「…待ってこのままじゃ中出ししてまう」

「いいのっ、大丈夫なのっ…出していいから、止めたくないのっ」

「あっ…やばい、ほんまに出るって」

「いいからっ!あんっ!!あ、あたしもいっちゃうっ」

あたしの中に熱いものが出ている。剛くんがくすぐったい、って言う前に最後の力を振り絞り腰を振って、あたしもいった。

「あー…出ちゃった」

「うん…はぁ、はぁっ…」

剛くんの体にもたれかかるあたしの背中に、剛くんがキスをした。

初めてのこと、いっぱいされちゃった…。あたし…剛くんに調教、されたいかも。

「菜々ちゃん、また会ってくれる?」

剛くんが息を弾ませながらあたしの耳元で囁いた。

「…うん」

剛くんからそんなこと言うなんて、相性良いって思ったのかな。あたしは剛くんと相性抜群だって思ったから…だから、「今夜だけ」なんて選択肢は無かった。

そして、あたしはどんどん剛くんとのセックスに溺れていき今に至るのだ。
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