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今まで避妊せずにセックスをした相手は何人もいたしそこまで気にしていなかったけど久志くんは避妊はおろか、中出しをしてくることもあった。
危ないよ、だめだよ。そう言っても、ちゃんと危ない日は避けてるから大丈夫って言われて、ほんとかな…と不安にはなりつつまだまだ子供だったあたしは自分より年上の久志くんにそう言われるとそうなんだ…って納得しちゃって言い返せなかった。
あたしの体のことなのに、なんで久志くんはわかるのかな?とは思っていたけど実際ちゃんと規則正しく生理は来てるから大丈夫なんだ…と、中出しをされることに段々抵抗が無くなっていった。
妊娠ってそう簡単にしないもんなんだ。
***
「ごめん久志くん、今日はしたくないねん。ちょっとしんどくて」
いつも寝る前にセックスしてたけど、その日はあんまり乗り気になれなかった。
「…そっか。風邪?熱測ってみ、熱あんねやったら学校休んだ方がいいで」
久志くんに体温計を借りて熱を測ると、37度3分。あー、やっぱり熱あるんだ…と思うと急に頭も痛くなってきて体もさっきよりだるくなってきた。
「やっぱ風邪引いてるやん。風邪薬飲んで寝て、明日は学校お休みし」
「うん」
「おかゆとか買ってくるわ、1人で待ってられる?」
「子供じゃないんやから」
「菜々は俺からしたらまだまだ子供やもん」
背伸びして付き合ってるつもりだったけど、やっぱり久志くんからしたら子供って思われてるんだな…とつい、口を尖らせてしまった。
「買いに行ってくれるん?夜遅いのにありがとう…」
車やから大丈夫、そう言って出て行って1時間ほど経った頃、久志くんは手にいっぱい買い物袋を下げて帰ってきた。
わざわざ24時間営業のドラッグストアにまで行って風邪薬を買ってきてくれたみたいだ。家にあった風邪薬は使いかけで、明日飲む分は無かったからって。飲み物におかゆに、氷枕まで買ってきた。たいした熱でもないのに大げさだな、と思いながらも嬉しかった。
「行きたくないけど休むわけにはいかへんし、明日いつも通り仕事行くわ。菜々は家で寝とき。熱上がってきたら絶対連絡してな、夜診ある病院も探しとくから」
本当に優しいな…こんなに気を使ってくれて、さすが年上の男の人だな。
あたしは付き合った当初よりも久志くんのことがどんどん好きになっていた。
2日後の晩には熱が下がって、その次の日から学校に行った。まだ体はだるかったけど、ただでさえ出席日数も危ないし…
遅刻、早退、欠席。全部、1年生の時に留年にならないギリギリのラインを攻めて進級した。通知表を見返すと遅刻と欠席で100回は超えていたけど、進級出来るもんなんだなーと感心して2年生になってからも同じ様に過ごしていた。
微熱が出る日もあったけど、欠席は遅刻、早退回数の限界よりずっと回数が少なかったので、極力欠席はしないようにと1週間ほど遅刻と早退を繰り返した。
家で寝ていたら回復するし、出来る時は相変わらず久志くんとセックスをした。
風邪うつっちゃうかもやしキスは軽くにしよ、とか言いながら。
なんでこんなに風邪が長引くんだろう…インフルエンザにでもなっちゃった方が一気に熱出て一気に下がりそうだから、いっそかかっちゃったらいいのになんて思ったりしながら毎日を過ごした。
***
「今日もしんどい?あんまり無理しんとき、明日学校行ける?」
「うん。欠席の残りゲージ少ないからとりあえず行くわ」
「残りゲージって。大丈夫なんかよ…とりあえず飲み物とか買ってくるし待っとき。何か欲しいものある?」
上着を着て、車のキーや家のキーを持って家を出る用意をしている久志くんが言った。
「うん…頼んでもいい?」
「何が欲しい?」
「…妊娠検査薬」
久志くんの手から車のキーと家のキーが滑り落ちて、がちゃん、という金属がぶつかり合う音がやけに耳に響いた。
「え?ほんまに言ってる?」
「…生理来てない。もう来てもいいはずやのに」
「どんくらい来てないの?」
「はっきりわからんけど、そろそろ来るかなって思ってから1週間くらい経ってると思う。生理痛みたいなんはあるんやけど」
「…そっかー…。…うん…、そっか…買ってくる」
明らかに久志くんは焦っていた。もしあたしが妊娠しててもあの感じじゃ…。
帰ってきてすぐに検査薬を使った。トイレのドアの向こうで久志くんが待ち構えていて、ただでさえそわそわして落ち着かないのにより一層落ち着かなかった。
…陰性だった。
「久志くん、大丈夫そう。陰性やわ。もう生理くるはず」
「ほんまか」
久志くんがほっとした顔をしている。あたしもほっとした。
妊娠はしてなかった。けどこんなに不安になるのはもう嫌だ…
怖い思いさせてごめんな。ちゃんとゴム付けなあかんな、今までごめん。これからは絶対避妊する、ってこの日久志くんが誓ってくれた。
そして次の日の夜、無事に生理が来た。
不安で不安で仕方なかったから、力が抜けて涙が出そうだった。
あたしは妊娠を意識するようになって、ネットで色々調べていると「ゴムを付けていても妊娠する場合がごく稀にある」という情報を得てしまった。
怖すぎる…じゃあどうしたらいいの?
今まで中出しまでしてたくせに急にびびってしまったあたしは更に「100パーセント妊娠しない方法とは?」とか、「絶対妊娠したくない」とかのワードで検索しまくってピルの存在を知った。
避妊効果はもちろん生理周期が整う、生理が来る日を把握出来るから予定も組みやすくなる。生理痛が軽くなる、PMS(生理前症候群)の治療にも使われる。
…PMSって何?と思っていたら読んでいた記事にご丁寧に説明がされていた。
ふーん、生理前のいらいらとか頭痛とかの、体と精神に与える色んな影響のことをそう言うんだ。っていうか名前あったんだ…
色々な情報を得て、あたしはピルを飲むことにした。今回みたいに遅れるのも怖いし、嫌だし!今日は金曜日だし、月曜になったら朝一で病院に貰いに行こう。遅刻してもいいや…
ピルを飲むことを決めたあたしは、月曜日に病院へ向かった。
診察してもらって、薬貰ってすぐ飲み始めよう…
危ないよ、だめだよ。そう言っても、ちゃんと危ない日は避けてるから大丈夫って言われて、ほんとかな…と不安にはなりつつまだまだ子供だったあたしは自分より年上の久志くんにそう言われるとそうなんだ…って納得しちゃって言い返せなかった。
あたしの体のことなのに、なんで久志くんはわかるのかな?とは思っていたけど実際ちゃんと規則正しく生理は来てるから大丈夫なんだ…と、中出しをされることに段々抵抗が無くなっていった。
妊娠ってそう簡単にしないもんなんだ。
***
「ごめん久志くん、今日はしたくないねん。ちょっとしんどくて」
いつも寝る前にセックスしてたけど、その日はあんまり乗り気になれなかった。
「…そっか。風邪?熱測ってみ、熱あんねやったら学校休んだ方がいいで」
久志くんに体温計を借りて熱を測ると、37度3分。あー、やっぱり熱あるんだ…と思うと急に頭も痛くなってきて体もさっきよりだるくなってきた。
「やっぱ風邪引いてるやん。風邪薬飲んで寝て、明日は学校お休みし」
「うん」
「おかゆとか買ってくるわ、1人で待ってられる?」
「子供じゃないんやから」
「菜々は俺からしたらまだまだ子供やもん」
背伸びして付き合ってるつもりだったけど、やっぱり久志くんからしたら子供って思われてるんだな…とつい、口を尖らせてしまった。
「買いに行ってくれるん?夜遅いのにありがとう…」
車やから大丈夫、そう言って出て行って1時間ほど経った頃、久志くんは手にいっぱい買い物袋を下げて帰ってきた。
わざわざ24時間営業のドラッグストアにまで行って風邪薬を買ってきてくれたみたいだ。家にあった風邪薬は使いかけで、明日飲む分は無かったからって。飲み物におかゆに、氷枕まで買ってきた。たいした熱でもないのに大げさだな、と思いながらも嬉しかった。
「行きたくないけど休むわけにはいかへんし、明日いつも通り仕事行くわ。菜々は家で寝とき。熱上がってきたら絶対連絡してな、夜診ある病院も探しとくから」
本当に優しいな…こんなに気を使ってくれて、さすが年上の男の人だな。
あたしは付き合った当初よりも久志くんのことがどんどん好きになっていた。
2日後の晩には熱が下がって、その次の日から学校に行った。まだ体はだるかったけど、ただでさえ出席日数も危ないし…
遅刻、早退、欠席。全部、1年生の時に留年にならないギリギリのラインを攻めて進級した。通知表を見返すと遅刻と欠席で100回は超えていたけど、進級出来るもんなんだなーと感心して2年生になってからも同じ様に過ごしていた。
微熱が出る日もあったけど、欠席は遅刻、早退回数の限界よりずっと回数が少なかったので、極力欠席はしないようにと1週間ほど遅刻と早退を繰り返した。
家で寝ていたら回復するし、出来る時は相変わらず久志くんとセックスをした。
風邪うつっちゃうかもやしキスは軽くにしよ、とか言いながら。
なんでこんなに風邪が長引くんだろう…インフルエンザにでもなっちゃった方が一気に熱出て一気に下がりそうだから、いっそかかっちゃったらいいのになんて思ったりしながら毎日を過ごした。
***
「今日もしんどい?あんまり無理しんとき、明日学校行ける?」
「うん。欠席の残りゲージ少ないからとりあえず行くわ」
「残りゲージって。大丈夫なんかよ…とりあえず飲み物とか買ってくるし待っとき。何か欲しいものある?」
上着を着て、車のキーや家のキーを持って家を出る用意をしている久志くんが言った。
「うん…頼んでもいい?」
「何が欲しい?」
「…妊娠検査薬」
久志くんの手から車のキーと家のキーが滑り落ちて、がちゃん、という金属がぶつかり合う音がやけに耳に響いた。
「え?ほんまに言ってる?」
「…生理来てない。もう来てもいいはずやのに」
「どんくらい来てないの?」
「はっきりわからんけど、そろそろ来るかなって思ってから1週間くらい経ってると思う。生理痛みたいなんはあるんやけど」
「…そっかー…。…うん…、そっか…買ってくる」
明らかに久志くんは焦っていた。もしあたしが妊娠しててもあの感じじゃ…。
帰ってきてすぐに検査薬を使った。トイレのドアの向こうで久志くんが待ち構えていて、ただでさえそわそわして落ち着かないのにより一層落ち着かなかった。
…陰性だった。
「久志くん、大丈夫そう。陰性やわ。もう生理くるはず」
「ほんまか」
久志くんがほっとした顔をしている。あたしもほっとした。
妊娠はしてなかった。けどこんなに不安になるのはもう嫌だ…
怖い思いさせてごめんな。ちゃんとゴム付けなあかんな、今までごめん。これからは絶対避妊する、ってこの日久志くんが誓ってくれた。
そして次の日の夜、無事に生理が来た。
不安で不安で仕方なかったから、力が抜けて涙が出そうだった。
あたしは妊娠を意識するようになって、ネットで色々調べていると「ゴムを付けていても妊娠する場合がごく稀にある」という情報を得てしまった。
怖すぎる…じゃあどうしたらいいの?
今まで中出しまでしてたくせに急にびびってしまったあたしは更に「100パーセント妊娠しない方法とは?」とか、「絶対妊娠したくない」とかのワードで検索しまくってピルの存在を知った。
避妊効果はもちろん生理周期が整う、生理が来る日を把握出来るから予定も組みやすくなる。生理痛が軽くなる、PMS(生理前症候群)の治療にも使われる。
…PMSって何?と思っていたら読んでいた記事にご丁寧に説明がされていた。
ふーん、生理前のいらいらとか頭痛とかの、体と精神に与える色んな影響のことをそう言うんだ。っていうか名前あったんだ…
色々な情報を得て、あたしはピルを飲むことにした。今回みたいに遅れるのも怖いし、嫌だし!今日は金曜日だし、月曜になったら朝一で病院に貰いに行こう。遅刻してもいいや…
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