9 / 21
第一章 電脳の少女
第09話 歪んだ正義
しおりを挟む
「そんな嘘の情報が、一般の匿名掲示版に流れたんです」
再び一同が黙り込んだ。俺は構わず話を続ける。
「掲示板は誹謗中傷の嵐でした。なにしろ、未成年による婦女暴行事件ですからね。しかも、相手は稀に見る程の美少女……まあ、見た目だけは、ですけどね。でも、それだけで十分、世間の食い付きは違いました。それだけ、センセーショナルな事件だったんでしょう……ネット住民には」
凄まじい勢いで立てられる、新しいスレ。そして、次々に書き込まれて行く、罵詈雑言と賛同の声。
真実なんてどうでもいい。そこに明確な『悪』がいるのだから、叩く。ただ、それだけだ。何故、明確な『悪』と言い切れるのか……それは勿論『皆んながそう言っているから』だ。
ネット上で俺を吊し上げ、叩く行為は、さぞ愉悦に浸れた事だろう。なにしろ俺は、明確な『悪』。一切、遠慮する必要なんか無い。自分の事は棚に上げて、さも、聖人であるかの如く振る舞い、発言し、裁きを下す。そうして、正義と言う名の下に、歪んだ正論を振りかざすんだ。自分の自尊心を満たす為に。気持ち良く無い訳がない。
「そしてある日、遂に俺の個人情報が流出しました……その掲示板に。誰が書き込んだのかは分かりません。だけど、後から見たその掲示板には、俺の自宅の住所から家族構成まで、事細かく書き込まれていました」
そうなるのは時間の問題だとは思っていた。だが、その時は、俺の予想よりも早く訪れた。そこからはもう、地獄だ。あの時の事は、今でも忘れられない。
「どこで調べたのか、誰かが漏らしたのか……ひっきりなしに俺の携帯が鳴るんです。メールやチャットの通知でね……直接、電話をかけてくる奴までいましたよ」
大体は無言電話か、取っても『死ね』とかの一言で切れるんだけど……。
「よく、電源切れば良いとか、通知をオフにすれば良いとか言いますけどね……そんな簡単な物じゃ無いんですよ。分からないかも知れませんけど……」
それならいっそ、携帯を解約してしまえば良い。だが、当時の俺……まだ、普通に携帯を使っていた頃の俺にとって、ネットの無い生活なんて考える事が出来なかった。
それに、見ない方が良いと分かっていても、つい掲示板を見てしまう。自分の事が何て書かれているのか、気になって仕方無いんだ。これは理屈じゃない。それに、もしかしたら、自分を擁護してくれる様な事が書き込んであるかも知れない。稀にだが、確かにそう言う書き込みもあった。ただ、直ぐに叩かれて埋もれてたけど……。
「分かるわ……」
悲壮な表情をした亜里沙さんが呟いた。俺の言葉に答えたと言うよりは、相槌に近い様な感じだけど。
「当時はまだ、俺は中学生でしたからね……そう簡単に、携帯の解約や番号変更は出来ませんでした。それに、その時はまだ、親には知られたくないと思ってましたんで……まあ、直ぐにバレたんですけどね」
俺は少し、自虐的に笑った。相変わらず、誰も反応しなかったけど……。
親にバレるのは早かった。あろう事か、自宅の固定電話にまで、かけてくる奴等が現れ始めたからだ。
『お前の息子は性犯罪者』
『親ならこんな息子を育てた責任を取れ』
『安心して暮らせない。町から出て行け』
『死ね』
毎日の様にかかって来る、嫌がらせの電話。母さんから話を聞いた親父が、警察等にも掛け合ってはくれたのだが、嫌がらせが止む事は無かった。
俺にとって唯一の救いは、両親が俺の事を信じてくれた事だった。俺の話を聞いた親父は激怒して、晴美の家に乗り込むと言い出した。だが、特に訴えられている訳でも無く、嘘の被害者も晴美だけでは無い。結局、下手に刺激しない方が良いと言う、母さんの意見を聞き入れる事になった。まあ、俺も今更、晴美が嘘を認めるとは思えなかったけど。
「嫌がらせはどんどんエスカレートしました。家の壁に落書きされたり、動物の死骸が投げ込まれたり……大量のコンドームが送り付けられて来た事もありましたね」
この頃が一番、嫌がらせはピークだったと思う。そして俺は、この時初めて、人間の本性の様な物を見た気がした。
自分に都合の良い事実しか認めない。弱い者の声は、たとえそれが真実でも届かないんだ……自分達にとって都合の悪い事実なら。面白ければ何でも良い、他人の生活を壊してでも、自分が優位に立っていると思いたい……そんな、どこまでも自分勝手で、破滅的な狂気。人間は匿名だと、そいつが顔を出し始めるんだ。
「暫くは親父も会社を休んでくれて、ひっそりと引き籠る様に暮らしました……俺も学校を休んで。既に、近所では色々と噂になってましたからね……。ですが元々、精神的に弱かった母さんは、心を病んでしまったんです。だから親父は会社を辞めて、三人で田舎に住もうと言い出したんです」
あの時の親父は、素直に凄いと思った。家族の為に、長年務めた会社をあっさり辞める決断をしたんだから。だからこそ俺は、これ以上、親父と母さんを巻き込みたく無いと思った。
田舎なんて、ここより人の噂が広まるのが早い。こう言う話は、不思議とどこかから漏れる物だ。しかも、親父達にとっての実家は最後の砦……あっちでまで噂が広まれば、母さんが安心出来る場所が無くなってしまう。俺のせいでそんな事になるなんて、絶対に嫌だ。
「これ以上、親に迷惑をかけたく無かったんです……だから俺は、どうしてもこっちで行きたい高校があるからと、嘘を付きました。俺は平気だから、この町に残りたいって」
「だから夏樹君、一人暮らしなのかぁ……」
いつも、家では一人だと言っていたからだろうか……希ちゃんは勝手に俺を、一人暮らしだと決め付けていた様だ。
「親父は渋々ですが、俺の夢の為に了承してくれました。まあ、夢なんて何も無いんですけどね……。それで俺は、暫く平気な顔をして、学校に通う姿を見せ続けたんです。正直、かなりキツかったですけど……ですが、お陰で親父達を安心させて田舎に帰す事が出来ました」
「優しいんですね……」
秋菜が柔らかい笑みを浮かべて呟いた。優しいのかと言われれば、俺にそんな自覚は無い。ただ、あの時はとにかく、親父と母さんに心配をかけたく無かった。
「別にそんな事はないよ……」
何だか相手が秋菜だと、どうしても無愛想になってしまう。自分でも照れ隠しなんて、情けないとは思うのだが……。俺は、気を取り直す様に珈琲を口に運んだ。そして、話を戻す。
「だけど、それからが大変でした。一応、高校受験が終わる迄は、親父が毎週泊まりに来てたんですが……。受験に合格してからは、母さんの治療に専念する事になったんです」
正直、毎週このS市まで、通って来るのも大変だったんだろう。親父の実家は同じ東北だが、それでも車で四時間はかかる。
「親父が来ないのは別にいいんですが、その分、携帯に電話がかかって来る事が多くなりました。まあ、大概『元気でやってるか』程度の他愛もない話なんですが。だけど、その電話に出ないと心配するんで、今まで以上に携帯に気を使わないといけなくなったんです」
それの何が問題なのか。皆んな、そんな表情をしている。それを見て、俺は続けた。
「実は流石にこの頃になると、殆ど家への嫌がらせは無くなっていたんですが……相変わらず、俺への嫌がらせは続いていたんです。それも、かなり酷くなって」
この頃、家族がいない事がバレたのかどうかは知らないが、家への直接的な嫌がらせは鎮火傾向にあった。だが、その分俺への直接攻撃は、更に酷い物になっていた。
相変わらず、心を抉られる様な書き込みの数々……それに加え、日に日に増していく嫌がらせの電話やメール。そして、中学よりも酷くなった高校生活。
「高校に行けば、何か変わるかなと思ったんですが……実際は、中学よりも酷くなっていたんです。原因は分かっていたんですけどね……」
俺も考えが甘かったんだ。高校に行けば、何かが変わるかも知れないなんて……。
「──晴美も同じ高校に合格していたんです」
再び一同が黙り込んだ。俺は構わず話を続ける。
「掲示板は誹謗中傷の嵐でした。なにしろ、未成年による婦女暴行事件ですからね。しかも、相手は稀に見る程の美少女……まあ、見た目だけは、ですけどね。でも、それだけで十分、世間の食い付きは違いました。それだけ、センセーショナルな事件だったんでしょう……ネット住民には」
凄まじい勢いで立てられる、新しいスレ。そして、次々に書き込まれて行く、罵詈雑言と賛同の声。
真実なんてどうでもいい。そこに明確な『悪』がいるのだから、叩く。ただ、それだけだ。何故、明確な『悪』と言い切れるのか……それは勿論『皆んながそう言っているから』だ。
ネット上で俺を吊し上げ、叩く行為は、さぞ愉悦に浸れた事だろう。なにしろ俺は、明確な『悪』。一切、遠慮する必要なんか無い。自分の事は棚に上げて、さも、聖人であるかの如く振る舞い、発言し、裁きを下す。そうして、正義と言う名の下に、歪んだ正論を振りかざすんだ。自分の自尊心を満たす為に。気持ち良く無い訳がない。
「そしてある日、遂に俺の個人情報が流出しました……その掲示板に。誰が書き込んだのかは分かりません。だけど、後から見たその掲示板には、俺の自宅の住所から家族構成まで、事細かく書き込まれていました」
そうなるのは時間の問題だとは思っていた。だが、その時は、俺の予想よりも早く訪れた。そこからはもう、地獄だ。あの時の事は、今でも忘れられない。
「どこで調べたのか、誰かが漏らしたのか……ひっきりなしに俺の携帯が鳴るんです。メールやチャットの通知でね……直接、電話をかけてくる奴までいましたよ」
大体は無言電話か、取っても『死ね』とかの一言で切れるんだけど……。
「よく、電源切れば良いとか、通知をオフにすれば良いとか言いますけどね……そんな簡単な物じゃ無いんですよ。分からないかも知れませんけど……」
それならいっそ、携帯を解約してしまえば良い。だが、当時の俺……まだ、普通に携帯を使っていた頃の俺にとって、ネットの無い生活なんて考える事が出来なかった。
それに、見ない方が良いと分かっていても、つい掲示板を見てしまう。自分の事が何て書かれているのか、気になって仕方無いんだ。これは理屈じゃない。それに、もしかしたら、自分を擁護してくれる様な事が書き込んであるかも知れない。稀にだが、確かにそう言う書き込みもあった。ただ、直ぐに叩かれて埋もれてたけど……。
「分かるわ……」
悲壮な表情をした亜里沙さんが呟いた。俺の言葉に答えたと言うよりは、相槌に近い様な感じだけど。
「当時はまだ、俺は中学生でしたからね……そう簡単に、携帯の解約や番号変更は出来ませんでした。それに、その時はまだ、親には知られたくないと思ってましたんで……まあ、直ぐにバレたんですけどね」
俺は少し、自虐的に笑った。相変わらず、誰も反応しなかったけど……。
親にバレるのは早かった。あろう事か、自宅の固定電話にまで、かけてくる奴等が現れ始めたからだ。
『お前の息子は性犯罪者』
『親ならこんな息子を育てた責任を取れ』
『安心して暮らせない。町から出て行け』
『死ね』
毎日の様にかかって来る、嫌がらせの電話。母さんから話を聞いた親父が、警察等にも掛け合ってはくれたのだが、嫌がらせが止む事は無かった。
俺にとって唯一の救いは、両親が俺の事を信じてくれた事だった。俺の話を聞いた親父は激怒して、晴美の家に乗り込むと言い出した。だが、特に訴えられている訳でも無く、嘘の被害者も晴美だけでは無い。結局、下手に刺激しない方が良いと言う、母さんの意見を聞き入れる事になった。まあ、俺も今更、晴美が嘘を認めるとは思えなかったけど。
「嫌がらせはどんどんエスカレートしました。家の壁に落書きされたり、動物の死骸が投げ込まれたり……大量のコンドームが送り付けられて来た事もありましたね」
この頃が一番、嫌がらせはピークだったと思う。そして俺は、この時初めて、人間の本性の様な物を見た気がした。
自分に都合の良い事実しか認めない。弱い者の声は、たとえそれが真実でも届かないんだ……自分達にとって都合の悪い事実なら。面白ければ何でも良い、他人の生活を壊してでも、自分が優位に立っていると思いたい……そんな、どこまでも自分勝手で、破滅的な狂気。人間は匿名だと、そいつが顔を出し始めるんだ。
「暫くは親父も会社を休んでくれて、ひっそりと引き籠る様に暮らしました……俺も学校を休んで。既に、近所では色々と噂になってましたからね……。ですが元々、精神的に弱かった母さんは、心を病んでしまったんです。だから親父は会社を辞めて、三人で田舎に住もうと言い出したんです」
あの時の親父は、素直に凄いと思った。家族の為に、長年務めた会社をあっさり辞める決断をしたんだから。だからこそ俺は、これ以上、親父と母さんを巻き込みたく無いと思った。
田舎なんて、ここより人の噂が広まるのが早い。こう言う話は、不思議とどこかから漏れる物だ。しかも、親父達にとっての実家は最後の砦……あっちでまで噂が広まれば、母さんが安心出来る場所が無くなってしまう。俺のせいでそんな事になるなんて、絶対に嫌だ。
「これ以上、親に迷惑をかけたく無かったんです……だから俺は、どうしてもこっちで行きたい高校があるからと、嘘を付きました。俺は平気だから、この町に残りたいって」
「だから夏樹君、一人暮らしなのかぁ……」
いつも、家では一人だと言っていたからだろうか……希ちゃんは勝手に俺を、一人暮らしだと決め付けていた様だ。
「親父は渋々ですが、俺の夢の為に了承してくれました。まあ、夢なんて何も無いんですけどね……。それで俺は、暫く平気な顔をして、学校に通う姿を見せ続けたんです。正直、かなりキツかったですけど……ですが、お陰で親父達を安心させて田舎に帰す事が出来ました」
「優しいんですね……」
秋菜が柔らかい笑みを浮かべて呟いた。優しいのかと言われれば、俺にそんな自覚は無い。ただ、あの時はとにかく、親父と母さんに心配をかけたく無かった。
「別にそんな事はないよ……」
何だか相手が秋菜だと、どうしても無愛想になってしまう。自分でも照れ隠しなんて、情けないとは思うのだが……。俺は、気を取り直す様に珈琲を口に運んだ。そして、話を戻す。
「だけど、それからが大変でした。一応、高校受験が終わる迄は、親父が毎週泊まりに来てたんですが……。受験に合格してからは、母さんの治療に専念する事になったんです」
正直、毎週このS市まで、通って来るのも大変だったんだろう。親父の実家は同じ東北だが、それでも車で四時間はかかる。
「親父が来ないのは別にいいんですが、その分、携帯に電話がかかって来る事が多くなりました。まあ、大概『元気でやってるか』程度の他愛もない話なんですが。だけど、その電話に出ないと心配するんで、今まで以上に携帯に気を使わないといけなくなったんです」
それの何が問題なのか。皆んな、そんな表情をしている。それを見て、俺は続けた。
「実は流石にこの頃になると、殆ど家への嫌がらせは無くなっていたんですが……相変わらず、俺への嫌がらせは続いていたんです。それも、かなり酷くなって」
この頃、家族がいない事がバレたのかどうかは知らないが、家への直接的な嫌がらせは鎮火傾向にあった。だが、その分俺への直接攻撃は、更に酷い物になっていた。
相変わらず、心を抉られる様な書き込みの数々……それに加え、日に日に増していく嫌がらせの電話やメール。そして、中学よりも酷くなった高校生活。
「高校に行けば、何か変わるかなと思ったんですが……実際は、中学よりも酷くなっていたんです。原因は分かっていたんですけどね……」
俺も考えが甘かったんだ。高校に行けば、何かが変わるかも知れないなんて……。
「──晴美も同じ高校に合格していたんです」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
この世界、貞操が逆で男女比1対100!?〜文哉の転生学園性活〜
妄想屋さん
SF
気がつけば、そこは“男女の常識”がひっくり返った世界だった。
男は極端に希少で守られる存在、女は戦い、競い、恋を挑む時代。
現代日本で命を落とした青年・文哉は、最先端の学園都市《ノア・クロス》に転生する。
そこでは「バイオギア」と呼ばれる強化装甲を纏う少女たちが、日々鍛錬に明け暮れていた。
しかし、ただの転生では終わらなかった――
彼は“男でありながらバイオギアに適合する”という奇跡的な特性を持っていたのだ。
無自覚に女子の心をかき乱し、甘さと葛藤の狭間で揺れる日々。
護衛科トップの快活系ヒロイン・桜葉梨羽、内向的で絵を描く少女・柊真帆、
毒気を纏った闇の装甲をまとう守護者・海里しずく……
個性的な少女たちとのイチャイチャ・バトル・三角関係は、次第に“恋と戦い”の渦へと深まっていく。
――これは、“守られるはずだった少年”が、“守る覚悟”を知るまでの物語。
そして、少女たちは彼の隣で、“本当の強さ”と“愛し方”を知ってゆく。
「誰かのために戦うって、こういうことなんだな……」
恋も戦場も、手加減なんてしてられない。
逆転世界ラブコメ×ハーレム×SFバトル群像劇、開幕。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる