銀の皇太子と漆黒の聖女と

枢氷みをか

文字の大きさ
19 / 94
第一章 始まり 第三部 反乱軍『リュシテア』編

穏やかな王と覇王

しおりを挟む
 目覚めたミルリミナは、自分が今どこにいるのか皆目見当がつかなかった。

 見慣れぬ天井を不可解に思い、部屋をゆっくりと見渡してみる。殺風景な部屋でベッドとソファしか置かれていないが、反面、布団は柔らかく暖かい。太陽の匂いがする布団が何だかこの部屋にそぐわなくて、ミルリミナは無意識に笑みをこぼした。

 そうして体を起こして、ベッドの脇にある窓に目線を移す。一応窓としてのていを維持してはいるが、木材でできた窓の桟は所々破損し、この時期でもなければ隙間風で寒い事この上ないだろう。窓から見える周りの建物もやはりどれもそんな感じで、まだましと言ってもいい部類だった。

 ミルリミナはそんな窓を軽く押してみる。わずかな力で軽く開くところを見ると、蝶番もその役目を果たしていないらしい。
 開いた窓から吹き抜けた、朝の清々しい風がミルリミナの頬を撫でる。だがその中に、あまりにそぐわない血の匂いを嗅いだような気がして、ミルリミナの鼓動は強く弾けた。

 それは風の中に存在したものではない。ミルリミナの鼻の奥にずっとこびりついて離れない血の匂いが、記憶と共に蘇ったのだ。

「…シスカ様……っ!」

 ミルリミナはその血の主を探そうと、布団を払いのけてベッドから立ち上がろうとする。だがその足は呆気ないほど簡単に崩れ落ち、その場から離れる事を許さなかった。

「…どうして……」

 足が動かない事など些末さまつな事だと思った。実際今まではそれほど不便に思った事はない。それはユーリシアから貰った車いすのおかげか、傍にいてくれたティーナのおかげか、あるいはその両方なのかもしれなかったが、歩けない事を忌々しく思った事などなかった。

 だが今はどうだ。車いすもティーナもいない。兄のように慕った人が傷ついているのに、その傍に行く事すらできないもどかしさを感じて、ミルリミナはその場にうずくまった。

「…目が覚めたのか?」

 聞き覚えのある声が上から降ってきて、ミルリミナは弾かれるように顔を上げる。扉を開けて入ってきた黒髪の男は、ベッドから落ちて蹲っているミルリミナを見てぎょっとした。

「おい、何してるんだ。あんた足が動かないんだろう?無茶をするな」

 言って、ミルリミナを抱きかかえてベッドに座らせる。

「…どこか痛むのか?」

 そう問いかける男の顔は青白い。蹲っていた事に対する質問なのだろうが、どう見ても男の方が調子が悪そうだった。

「いえ…シスカ様が………いえ、それよりも大丈夫ですか?…お顔の色が優れないようですが……」

 シスカの事を訊きたかったが、あまりに体調が悪そうで思わず質問を変えてみる。男は、ああ、と呟いて軽く手を振った。

「…構うな。これはただ血を抜き過ぎただけだ。悪いがソファを借りるぞ」

 血を…、と口の中で小さく反芻しながら、居候の身で借りるも何もあったものではないと思いつつも、とりあえず肯定の意を示す。男は頷くミルリミナを待ってから、ソファに仰々しく身を預けて大きく息を吐いた。

「……ダスクは…いや、シスカは隣の部屋で寝ている。頑強な男だからな。二、三日もすれば目が覚めるそうだ」

 聞きたかった答えが聞けて、ミルリミナはほっと胸を撫で下ろす。

「心配だろうが会うのは諦めてくれ。…高魔力者に近づけるなとシスカが意識を失う前に言ったんでな」

 一瞬のうちに顔色が変わったミルリミナを、男は見逃さなかった。

「…その理由を、あんたは知っているみたいだな」

 まるで咎めるような言い方に、ミルリミナはさらに顔色を悪くする。
 いや、咎めているわけではないだろう。何があったかこの男は知らない。咎めているように聞こえるのは、他ならぬミルリミナが罪悪感を抱いてしまったからだ。

 説明を求めているように感じたが、ミルリミナはどう答えていいか判らず口をつぐんだ。周りに被害が及ばぬよう、すべて報告したほうがいい。そう思う反面、この醜く残虐な力を持っている事実を知られる事がひどく恐ろしかった。

 後ろ指を指されるかもしれない。化け物と罵られても仕方がないだろう。シスカ以外に知り合いもなく、そのシスカも意識がない中でそれを告げる事はあまりに恐ろしく、躊躇われた。

「…そんなに怯えるな。まるで俺がいじめているみたいだろう」

 猫に睨まれた鼠のようにひどく怯えるので、男は困ったように軽く息を吐く。

「言いたくなければ言わなくていいし、別に無理やり吐かせるつもりもない。…どうせシスカが目覚めれば判るんだ。あんたもシスカと一緒なら問題ないんだろう?」

 あまりに呆気なく引き下がるので、ミルリミナは拍子抜けしてしまった。てっきり尋問でもされるのかと身構えたが、どうやらこの言い方だと嫌だと言えば一切訊く気がないようだ。

 ミルリミナは頷きながら記憶の糸を手繰たぐってみる。そういえばシスカの腕を切り落とす前、それを見せないように背を向けさせてくれたのはこの男ではなかっただろうか。口は悪いが、その行動一つ一つに誠実さがあると、ミルリミナは感じた。

「…あの、閣下はシスカ様とはお付き合いが長いのですか?」

 名前は確かユルングルと呼ばれていたような気がするが、定かではない。あまりに多くの事が一度に起こり過ぎて、記憶が混乱していた事もあるが、ひどく曖昧だ。なので明言は避けたが、盛大に顔をしかめてあからさまに不機嫌になる男を見て、ミルリミナは怪訝に思った。

「…俺は最近会ったばかりだが、どうやら向こうは俺のおむつも変えた事があるらしいぞ。…そんな事より何であんたまで閣下と呼ぶんだ?」

 どうやら機嫌を損ねたのは、閣下、という呼び名らしい。そういえばシスカにそう呼ばれた時も、同じ反応を見せてはいなかっただろうか。

「…シスカ様がそうお呼びになっておられましたので。…違うのですか?」
「違う。俺にはそんな大層な身分はない。あいつは俺が嫌がるのを判って、わざとそう呼んでいるだけだ」

 そうだろうか、とミルリミナは思う。

 確かに口は悪いし、身なりがいいわけでもない。だが、よく見ていれば一つ一つの所作が綺麗でどこかしら気品を感じる。威風堂々と言う言葉をそのまま体現している人物に思えた。ユーリシアが温室育ちの生まれながらの穏やかな王だとすれば、彼は自らの力で地位を築き上げる猛々しい覇王だろうか。
 加えて、シスカや金髪の従者らしき人物の彼に対する態度は、ひどく敬意を払い礼を尽くしているように見える。上流階級の生まれである事は間違いないだろう。

 そう思ったが、目の前にいる人物が心底迷惑そうな顔をしているので、あえて言及は避けた。

「では何とお呼びすれば?」
「ユルングルでいい。言いにくければユルンでも好きに呼んでくれ」
「承知いたしました。ではユルングル様で」
「様もつけるな。それからその堅苦しい物言いもやめろ」

 意外な要求を突き付けられて、ミルリミナは目を丸くする。礼を尽くされていい気分になる事はあっても、不快に思う者はそういないだろう。

「…不快でございますか?」
「不快どころか耳がおかしくなる。ここは皇宮でも貴族の屋敷でもないんだ。見ての通り廃墟寸前のおんぼろ家屋で誰も馬鹿丁寧な物言いなんて望んじゃいない」

 本当に口が悪い、とミルリミナは軽く息を吐く。

 『言葉を崩す』というのはミルリミナにとって存外難しい要求だった。確かに侍女や目下の者にはそうしていたが、彼は侍従というわけではない。彼は認めないが上流階級の生まれは確実だろうし、ましてやここではミルリミナは居候の身だ。どう見ても『リュシテア』の首領であるユルングルに対し『言葉を崩す』事がひどく憚られた。

 それは、ミルリミナが十七年の人生の中で、ほとんど人付き合いというものをした事がない事に起因しているのだろう。
 そのほとんどが病に伏し部屋で寝ている事が多かった。両親もそんなミルリミナを不憫に思い、積極的に人付き合いを勧める事もなかったし、そもそもそれができる体力もなかった。公爵令嬢という立場ゆえに、幼少の頃から一通りの教養と言葉遣いや所作を叩きこまれたミルリミナは、結果、正しい言葉遣いだけが定着していったのだ。

 一人でも言葉を崩せるような友人と呼べる令嬢がいれば、また違った結果があったのかもしれない。

「…善処しますが、あまり期待はしないでください」

 少しだけ言葉を崩してみる。今はこれが限界だ。それを悟って、ユルングルは多少バツが悪そうに頭を掻く。

「…まあ、徐々に崩していけばいい。____で?」

 何を問われているのか判らず、ミルリミナは首を傾げた。

「あんたの名前は?いつまでもあんたじゃ嫌だろう?」
「あ…」

 申し遅れました、と言いかけて慌てて口を噤む。

「…ミルリミナ=ウォーレンといいます」

 ひどく簡素な自己紹介になったが、相手は思いのほか満足そうだった。

「ミルリミナ、ね」

 そう、ひとりごちたユルングルの言葉と同時に、部屋の扉を叩く音が聞こえた。

「…やはりこちらにおいででしたか、ユルングル様」

 ため息交じりに入ってきた金髪の男は、ミルリミナが目覚めている事に気付くと軽く一礼した。

「…申し訳ございません。お目覚めでしたか。私はユルングル様の従者ダリウスと申します。以後お見知りおきを」
「俺に従者はいない。いい加減その名乗りはやめろ、ダリウス」

 彼にも同じようにしかめっ面を見せるので、ミルリミナは失笑する。礼を尽くされる事に、これほど拒絶反応を見せる人物も珍しい。

「それよりお前はここに入るなと言っただろう。ダスクの言葉を忘れたのか」
「ダスクさんは『触れるな』とおっしゃっておりました。ならば近づく分には問題ないという事でしょう」
「そうだったか?」

 言いながらユルングルはミルリミナの顔を窺う。ミルリミナは意を察して頷くと、ユルングルはその返答に満足そうに頷き返して再び目線をダリウスに戻す。

「…ダスクの様子はどうだ?」
「昨夜と変わりありません。昨日の今日ですからね。ただ随分と顔色が良くなられておりましたよ」
「良くなってもらわなきゃ困る。どれだけ俺の血を渡したと思ってるんだ」

 呆れたように言い放つユルングルに、ミルリミナはあまりにひどい彼の顔色の理由を得心した。
 同時に最近出会ったばかりだという人物に、これほど蒼白になるまで己の血を差し出すユルングルの献身的な行動に、ミルリミナは思わず驚嘆する。

 いや、誠実な男であろうという事はすでに判っていた。だが、それでも善行と彼がなかなか結び付かないのは、おそらく口の悪さと不遜なまでのこの態度のおかげだろうか。

「代わりに貴方のお顔の色はひどい有様ですからね。おまけに少しも安静にしてくださらない…」

 ダリウスは心底心配そうに、深く息を吐く。

「ダスクが目覚めた時に俺の顔色を見れば、少しは罪悪感を持ってくれるかもしれないだろう?」
「ユルングル様の憎まれ口は、ダスクさん相手だと大盤振る舞いですね」

 くつくつと笑うユルングルに、ダリウスはやれやれ、と肩をすくめた。

 ミルリミナは二人の会話を聞きながら、口の中で小さく、ダスク、と反芻する。
 ミルリミナの中で『ダスク』という名前は違和感しかない。シスカは出会った時からずっと『シスカ』で、それ以外の名前はまるで他人を示しているように聞こえた。

 そう、まさに他人だ。

 二人が現れてからのシスカはミルリミナの知っているシスカとは、やはりどこか違って見えた。自分の事を『おれ』と呼び、ただ優しく穏やかな神官は、わずかばかり意地悪で冷たい影が見え隠れしていた。あれは『シスカ』から『ダスク』に変わった瞬間なのだろう。

 おそらく二人にとっても、同じなのかもしれない。 
 先ほどまでユルングルは自分に合わせてシスカと呼んでくれていたが、二人にとって『シスカ』こそが異名なのだ。

「…シスカ様はこちらでは『ダスク』と呼ばれておいでなのですか?」

 この質問にユルングルは答えない。ただソファの脇に立つダリウスの顔を、ミルリミナと同じように眺めて答えを待っているようだった。

「『シスカ』というお名前が、教会内での通り名なのですよ」

 わずかに笑んで、ダリウスは答える。
 ああ、なるほど、と合点がいったのはユルングルで、対するミルリミナは意を得ず、心中で首を傾けた。

「俺はてっきりダスクも偽名だとばかり思っていたが…」

 そこまで言って、ミルリミナが内心首を傾けている事に気付く。

「…神官が教会に入る時、俗世との関りを断つのは知っているか?」

 それは、と言いかけてミルリミナはようやく意を察した。

「…『ダスク』という俗世でのお名前を捨てて、『シスカ』という名が与えられた?」

 つまり『ダスク』という名前こそが本名なのだ。

「察しがよくて助かる」

 ユルングルは軽く笑う。
 
 ならば二人がダスクと呼ぶのはごく自然な事だろう。おそらく当の本人もこちらの方がしっくりくるのかもしれない。いや、二十四年もの間シスカと呼ばれていたのだから、こちらにもそれなりの愛着があるのだろう。
 あってほしいとミルリミナは思う。

「ユルングル様、朝食をご用意しておりますので少しお休みになられてください。ミルリミナ様にもご用意いたしますので、しばらくお待ちいただけますか?」

 そう告げてわずかに微笑むダリウスに、ミルリミナは視線を向けた。
 あまり表情を崩さないので、ぶっきら棒な印象があったが、笑うと柔らかい印象を受ける。不愛想というよりも穏やかな人物なのだろう。物腰柔らかく告げたダリウスに、ミルリミナも同じく笑顔で頷いた。

「…休むのは苦手なんだ」

 誰にともなく不満を呟きながらユルングルはソファから立ち上がる。そして二、三歩進んだところで唐突に止まって、大仰に息を吐いた。

「………すまないな」

 背を向けたまま、小さく呟いたその言葉にミルリミナは呆然とする。記憶を辿ったが謝られるような事は特に思い当たらず、果たしてその言葉が自分に向けられた言葉なのかもミルリミナは判らなかった。

 反応に困って次の言葉を待っていると、ユルングルは気まずそうに頭を掻いた。

「…ここに居続けるのなら、黙っているわけにはいかないだろう。あんたは誰が自分を殺したのか気にならないのか?」

 そこまで言われてようやく謝罪の意味を悟った。

 同時にあの日の事を思い出す。弓矢が視界に入る前、フードを被った黒髪の男がいなかっただろうか。思えば体つきも良く似ている。どこかで会った事があるような既視感はこれだったのかと、ミルリミナは胸につっかえたものが取れたようなすっきりとした気分になった。

 そして、ふと思い至る。あの弓矢は誰を狙ったものだっただろうか。

「…ユーリシア殿下のお命を、狙っているのですか?」
「…あんたには関係のない事だ」

 一瞬にして場の空気が変わる。
 あからさまにユルングルの態度が硬化したのを悟ったが、ミルリミナは構わず続けた。

「なぜです?ユーリシア殿下は今も昔も、低魔力者たちの待遇改善を掲げ寄り添ってくださいました。貴方がたにとっても有難い存在なはず。感謝こそすれお命を狙う理由が私には判りません」
「うるさい!あんたには関係のない事だと言っただろう!首を突っ込むな!」

 背を向けたまま、ユルングルはたまらず声を荒げる。
 それは決して触れてほしくはない、という表れだろうか。

「……私怨、なのですか?」
「…!」

 あまりに頑なな態度に、ミルリミナは気付いてしまった。
 これは『リュシテア』としての行動ではない。おそらくユルングル個人の思惑だ。そしてそれは『皇族』に対する私怨ではなく、ユーリシアという個人に向けられた感情だろう。

 ならば二人は出会った事があるのだろうか。
 一体どこで?上流階級の生まれだとは思うが、相手は皇太子。容易に会えるはずもない。何より人に恨まれるような人物ではない事も良く知っている。

 接点を見出す事はできなかったが、ミルリミナにはどうしても看過する事はできなかった。もとより、ここに来たのはユーリシアを救う為。それなのにユーリシアの命を狙う者を見過ごす事など、本末転倒だろう。

「でしたら、なおさらです。今後ユーリシア殿下に手を出す事は、私が許しません…!」

 毅然と言い放つ少女の眼差しは、光を帯びたように強い。
 先ほどまでの少し控えめな少女とはあまりにかけ離れ過ぎて、その態度がいっそうユルングルの癪に障った。

「…それは、聖女としての言葉か?なら、なおさら聞く義理はない!!!!」
「ユルングル様…!」

 怒気を露わにして声を荒げた後、ユルングルは足早に部屋を出て行く。
 その背中を、ダリウスはため息交じりに見送った。

「…申し訳ございません、ミルリミナ様」

 ダリウスは申し訳なさそうに、深々とこうべを垂れる。

「…皇太子のご婚約者である貴女にはさぞご不快でしょうが、あの方にも事情がおありなのです。許しを頂けるとも思っておりませんし、あの方を理解していただきたいと申し上げるつもりもございません。ですがどうか、あの方の存在を否定なさらないでください」

 祈りにも似た懇願に、ミルリミナは思わずダリウスに視線を向ける。

 彼には彼の事情があるのだろう。
 それがミルリミナの望む望まないに関わらず、彼には彼なりの事情があってユーリシアの命を狙っているのだ。それはミルリミナにとっては些末な事かもしれないし、そうでないのかもしれない。
 いずれにせよ、自分はその事情を何も知ろうとはせず、ただ彼を否定してしまったのだろうか。

 だが彼の性格のこと、たずねて素直に教えてくれるという事はないだろう。
 ただそれでも、ユルングルをおもんばかっているダリウスに、ひどく申し訳ない気持ちになった。

「…彼とユーリシア殿下に、一体何があったのですか?」
「…申し訳ございませんが、私の口からそれをお伝えする事はできません」
「……ダリウスさんも、ユーリシア殿下のお命を狙っているのですか?」

 ミルリミナは懇願するようにダリウスを見た。
 その問いかけに、ダリウスは一呼吸置いてから答える。

「…それも、お答えできかねます」

 その態度もやはり、頑なだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

神々の寵愛者って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!? 元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。

最強剣士が転生した世界は魔法しかない異世界でした! ~基礎魔法しか使えませんが魔法剣で成り上がります~

渡琉兎
ファンタジー
政権争いに巻き込まれた騎士団長で天才剣士のアルベルト・マリノワーナ。 彼はどこにも属していなかったが、敵に回ると厄介だという理由だけで毒を盛られて殺されてしまった。 剣の道を極める──志半ばで死んでしまったアルベルトを不憫に思った女神は、アルベルトの望む能力をそのままに転生する権利を与えた。 アルベルトが望んだ能力はもちろん、剣術の能力。 転生した先で剣の道を極めることを心に誓ったアルベルトだったが──転生先は魔法が発展した、魔法師だらけの異世界だった! 剣術が廃れた世界で、剣術で最強を目指すアルベルト──改め、アル・ノワールの成り上がり物語。 ※アルファポリス、カクヨム、小説家になろうにて同時掲載しています。

私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました

山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。 ※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。 コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。 ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。 トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。 クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。 シモン・グレンツェ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。 ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。 シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。 〈あらすじ〉  コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。  ジレジレ、すれ違いラブストーリー

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

転生賢者は安心して死にたい ~転生者カノイの一生~

ファンタジー
優しい異世界に転生したカノイは大好きな家族達と共に一生を生きる。 目指すは60歳、大往生の末の老衰だ。 毎日0時更新242話+α予定です。 ※こちらの小説は小説家になろう様、カクヨム様との重複投稿でお送りしております。 ※小説家になろう様、カクヨム様側では2025/06/27に完結済みとなります。 ※2025/06/19エブリスタ様、TALES様にも投稿はじめました。

処理中です...