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第一章 準備
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俺が博多に移住を決めたのは、ただの思いつきではない。
社長時代に夏と冬に休暇を取って、1週間程度の一人旅をしていた。
日本中を回ったが、複数回訪れたのは札幌と博多だけだ。
共に飯が美味く酒も旨いし、美人が多い。
その上、博多にはCoffeeが美味い店が幾つもあった。
世界一になったCoffee豆の焙煎士やバリスタチャンピオンを輩出して、独自のCoffee文化を形成している。
街中に個性的なCafeが点在し、味を競い合っていた。
食を学ぶならこの地にしようと、俺が考えたのは必然だろう。
東京に戻り、担当の金融manager/佐藤氏と打ち合わせを重ねる。
土地の半分を駐車場管理会社に貸すことは了承して、家の設計に入った。
「俺一人だからゲストルームを入れても、2LDKで十分だ。
ただし、防音、防犯、地震に強い家にしてほしい」
「せっかくですから、電動シャッター付きの大型ガレージを作りましょう。
将来、賃貸する時にフェラーリやメルセデスが入る大きさがあると有利になります」
佐藤氏は、俺が思い付かないような意見を出してくれる。
全部の条件を建築会社に丸投げすると、纏め上げた設計図が出来てきた。
俺がGOサインを出すと直ぐに契約して着工は10月に決まり、来年の専門学校入学には十分に間に合うスケジュールになっている。
8月に入り、夏休みのオープンキャンパスシーズンがやって来た。
6校から4校に絞りこんで、スケジュールを合わせていく。
旧盆を挟んで前半の週末2日間で2校、後半の週末2日間で2校を回る事にする。
各学校のHPから参加のエントリーをしていき、無事に成功して全部の予約が取れた。
家を建てる契約をしたので、移住は決定事項だ。
璃咲に報告する為、食事に誘ってみる。
いつものカフェで待ち合わせていると、涼しげなワンピースの彼女がやって来た。
「毅、随分と明るい顔になったのね。
何かあったの?」
「詳しい話は後だ、まずは飯でも食おう」
カフェを出て、近くのビルまで歩いてスペイン料理の店に入る。
窓際の予約席に案内されて席に着くと、俺は彼女に話を始めた。
「来年、俺は博多に移住する。
向こうでバリスタになる勉強を始めるんだ」
「いきなりの話だね、私が料理人が向いてるって言ったから?」
「それもきっかけの一つだが、全てじゃない。
ただ、璃咲には感謝してる」
料理とワインが運ばれて、食事が始まる。
会話が途切れて、二人共に静かに食べ続けた。
「女でも出来た?」
「いや、女はいないよ」
「でしょうね。毅が女の為に移住するとか、想像もつかない」
デザートを頬張りながら、俺をディスってくる。
「専門学校に行く」
「じゃあ、私が博多に行ったら泊めてね」
「もう10年も、そういう関係じゃないだろ」
「関係が無いから、泊まっても大丈夫でしょ?」
「彼女がいなければ、泊まって良いよ」
「私と別れた後、誰とも付き合ってないんでしょ。
間違いなく泊まれるね」
社長時代に夏と冬に休暇を取って、1週間程度の一人旅をしていた。
日本中を回ったが、複数回訪れたのは札幌と博多だけだ。
共に飯が美味く酒も旨いし、美人が多い。
その上、博多にはCoffeeが美味い店が幾つもあった。
世界一になったCoffee豆の焙煎士やバリスタチャンピオンを輩出して、独自のCoffee文化を形成している。
街中に個性的なCafeが点在し、味を競い合っていた。
食を学ぶならこの地にしようと、俺が考えたのは必然だろう。
東京に戻り、担当の金融manager/佐藤氏と打ち合わせを重ねる。
土地の半分を駐車場管理会社に貸すことは了承して、家の設計に入った。
「俺一人だからゲストルームを入れても、2LDKで十分だ。
ただし、防音、防犯、地震に強い家にしてほしい」
「せっかくですから、電動シャッター付きの大型ガレージを作りましょう。
将来、賃貸する時にフェラーリやメルセデスが入る大きさがあると有利になります」
佐藤氏は、俺が思い付かないような意見を出してくれる。
全部の条件を建築会社に丸投げすると、纏め上げた設計図が出来てきた。
俺がGOサインを出すと直ぐに契約して着工は10月に決まり、来年の専門学校入学には十分に間に合うスケジュールになっている。
8月に入り、夏休みのオープンキャンパスシーズンがやって来た。
6校から4校に絞りこんで、スケジュールを合わせていく。
旧盆を挟んで前半の週末2日間で2校、後半の週末2日間で2校を回る事にする。
各学校のHPから参加のエントリーをしていき、無事に成功して全部の予約が取れた。
家を建てる契約をしたので、移住は決定事項だ。
璃咲に報告する為、食事に誘ってみる。
いつものカフェで待ち合わせていると、涼しげなワンピースの彼女がやって来た。
「毅、随分と明るい顔になったのね。
何かあったの?」
「詳しい話は後だ、まずは飯でも食おう」
カフェを出て、近くのビルまで歩いてスペイン料理の店に入る。
窓際の予約席に案内されて席に着くと、俺は彼女に話を始めた。
「来年、俺は博多に移住する。
向こうでバリスタになる勉強を始めるんだ」
「いきなりの話だね、私が料理人が向いてるって言ったから?」
「それもきっかけの一つだが、全てじゃない。
ただ、璃咲には感謝してる」
料理とワインが運ばれて、食事が始まる。
会話が途切れて、二人共に静かに食べ続けた。
「女でも出来た?」
「いや、女はいないよ」
「でしょうね。毅が女の為に移住するとか、想像もつかない」
デザートを頬張りながら、俺をディスってくる。
「専門学校に行く」
「じゃあ、私が博多に行ったら泊めてね」
「もう10年も、そういう関係じゃないだろ」
「関係が無いから、泊まっても大丈夫でしょ?」
「彼女がいなければ、泊まって良いよ」
「私と別れた後、誰とも付き合ってないんでしょ。
間違いなく泊まれるね」
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