博多に移住して人生をやり直す

耶麻寿

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第十三章 卒業

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謝恩会の後、大名ガーデンシティのリッツ・カールトンにやって来た。
もちろん3人娘と一緒だ。

「香山さんに連れて行かれたティータイムで、人間の大きさを見せつけられました」
絵美里が思い出すように言った。

「今だから言うけど、脚が震えていました」
彩音も続いた。

「香山さんが味を覚えるのも勉強だって言ったけど、緊張で味が分からなかったです」
紗彩も思い出を口にした。

「今日はどうだ?」

「香山さんに付いてきて良かったです」
3人とも嬉しそうだった。
エレベーターで24階まで上がると、地上の喧騒とは別世界の空間が広がる。
スタッフに案内されて、予約席に座った。

「せっかくの卒業祝いだ、今日まで2年間一緒に頑張った同級生で行こう」

「分かりました、今日は無礼講ですね」

「そうだ、じゃあ乾杯しよう。卒業、おめでとう」
「「おめでとう」」
用意してもらったシャンパンで乾杯する。

「ティータイムの時、絵美里さんと香山さんがワインを飲んでいたのが羨ましかったです」
彩音は、思い出して話している。
3人とも、いい女になったって心の中で思っていた。

「ずっと不思議だったんですが、香山さんに女性の影が全く無いのは何故ですか?」
さっそく、絵美里がツッコんできた。

「まさか愛人でもいるんですか?」
紗彩も気になっていたようだ。

「君たちの想像に任せておくよ。ただ俺だって清廉潔白な男じゃない」
嘘でも本当でもない答えを選んだ。

「何処かに女は居るんですね」
彩音が冷たく言い放つ。

「さあな」

「花蓮は知ってるんですか?」
絵美里の追及が厳しい。

「花蓮には話してある。
俺に何があろうと関係無いって言っていた」

「卒業して考えるって言ってましたよね。
どうするんですか?」

「花蓮と二人で卒業旅行に行く」
これが3人にはショックだったようだ。

「どこに行くんですか?」

「内緒だ」

「私たちも、連れて行って下さい」

「貴大や涼介たちと一緒に、どこか行けばいいだろう」

「それと香山さんは別です」

「じゃあ、最後に班の4人で何処かに行こう」

「約束ですよ」

「俺が連れて行く。ここからは将来の話を聞こう。
絵美里はどうしたい?」

「今は任された姪浜店が成功する事だけです」

「じゃあ、彩音は?」

「うちの農園で作るフルーツのカフェをやりたいです」

「デザートが売り物のカフェだな、無理な夢じゃない。
紗彩は?」

「私は、地元の鹿児島でカフェをやりたいです」

「自分の店か、うちの支店でもいいか、考えておけ」

「叶えてくれるんですか?」

「俺が叶えるんじゃない。
一緒にやるんだ、それを実現可能なプランに落とし込む。
そうすれば、今自分がやるべき事が見えてくる」

「まだまだ、この4人の関係が続くんですね」

「縁があって知り合ったんだ。
手を携えて、それぞれの幸福を目指そう」

「まずは絵美里さんの店が成功するように、みんなで協力しましょう」

俺たちの関係がこれからも続く事を確認して、楽しい時間が過ぎていった。
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