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第十三章 卒業
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3月15日、福岡珈琲加藤ベーカリー姪浜店はひっそりとオープンした。
姪浜駅にオープン予告のポスターを出した以外は、店前に予告ポスターを出しただけで広告はしていない。
「今日は出来る事を確実にこなしましょう。
笑顔でご挨拶、これが一番です」
武内社長の挨拶で店を開ける。
オープンの為に特別な割引もやらないことにしていた。
これは絵美里たちが全員アルバイトの立場だから、無理な事はさせられない。
4月1日から雇用契約をして正式に入社となる。
それまでは、俺と武内女史は練習と割り切っていた。
「いらっしゃいませ」
絵美里が笑顔でお客様を出迎える。
「「いらっしゃいませ」」
貴大、涼介、紗彩がこだまのように続けて声をあげた。
俺と武内社長は、客のふりをして席に座っていた。
いきなり満席になるとは思っていなかったが、上々の様子だ。
イートインが多いのは、試食を兼ねているんだろう。
ここはみんなに任せて、純喫茶加藤に向かう。
「パンとケーキを持って来ました」
冷蔵ショーケースにケーキを並べて、食パンとバゲットをキッチンに置いた。
ランチに備えて、彩音と櫂がバゲットサンドを仕上げていく。
新店舗では、今まで以上にパンとケーキの売り上げを上げていきたいと考えていた。
「香山君のやり方は戦略的だな」
マスターが俺に囁く。
「マスターのように一人でコーヒーを煎れて、カレーやパスタ、オムライスまで作ることは難しいでしょう。
出来るだけ事前の準備をして、待たせないでお客様に提供したいんです」
「合理的だな、だがそれだけでは大手には勝てないぞ」
「合理的だと言っても、グループの個性を無くすわけじゃありません。
パンもケーキも内製化して、バリエーションを増やしていきます」
「確かにフルーツタルト、ショートケーキは良く出来ている」
「来年からはイチゴを龍崎農園からハウスごと買い付けます」
「そんなことまで考えてるのか?」
「年間契約でイチゴを買い付けて、ケーキやデザートに使います。
余った分は冷凍しておいて、夏のかき氷で使い切ることを考えました」
「だから奈良屋町の店にケーキファクトリーを併設するんだな」
「ええ、ケーキ、パン、コーヒーを各店で作ります。
天神か博多駅に店を出して、納品する体制を作ることを考えています」
マスターに、将来計画を話してみた。
「初めから考えていたのか?」
「純喫茶加藤を買う話が出た時に、将来プランを考えました。
店舗を広げていくには、創業43年の重みはありがたいんです」
「やっぱり君は考え方が違うな」
「武内社長の方が、私より買収には乗り気でしたよ」
「いいコンビだ」
「私達には経験が有りません。
知識だけでは補えないところは、マスターに頼ることになります」
「俺もまだ使い道があるってことか」
「ええ、奥様も元気な間は働いて欲しいって言ってたでしょう。
弟子を2期生、3期生と育ててもらわないといけません」
姪浜駅にオープン予告のポスターを出した以外は、店前に予告ポスターを出しただけで広告はしていない。
「今日は出来る事を確実にこなしましょう。
笑顔でご挨拶、これが一番です」
武内社長の挨拶で店を開ける。
オープンの為に特別な割引もやらないことにしていた。
これは絵美里たちが全員アルバイトの立場だから、無理な事はさせられない。
4月1日から雇用契約をして正式に入社となる。
それまでは、俺と武内女史は練習と割り切っていた。
「いらっしゃいませ」
絵美里が笑顔でお客様を出迎える。
「「いらっしゃいませ」」
貴大、涼介、紗彩がこだまのように続けて声をあげた。
俺と武内社長は、客のふりをして席に座っていた。
いきなり満席になるとは思っていなかったが、上々の様子だ。
イートインが多いのは、試食を兼ねているんだろう。
ここはみんなに任せて、純喫茶加藤に向かう。
「パンとケーキを持って来ました」
冷蔵ショーケースにケーキを並べて、食パンとバゲットをキッチンに置いた。
ランチに備えて、彩音と櫂がバゲットサンドを仕上げていく。
新店舗では、今まで以上にパンとケーキの売り上げを上げていきたいと考えていた。
「香山君のやり方は戦略的だな」
マスターが俺に囁く。
「マスターのように一人でコーヒーを煎れて、カレーやパスタ、オムライスまで作ることは難しいでしょう。
出来るだけ事前の準備をして、待たせないでお客様に提供したいんです」
「合理的だな、だがそれだけでは大手には勝てないぞ」
「合理的だと言っても、グループの個性を無くすわけじゃありません。
パンもケーキも内製化して、バリエーションを増やしていきます」
「確かにフルーツタルト、ショートケーキは良く出来ている」
「来年からはイチゴを龍崎農園からハウスごと買い付けます」
「そんなことまで考えてるのか?」
「年間契約でイチゴを買い付けて、ケーキやデザートに使います。
余った分は冷凍しておいて、夏のかき氷で使い切ることを考えました」
「だから奈良屋町の店にケーキファクトリーを併設するんだな」
「ええ、ケーキ、パン、コーヒーを各店で作ります。
天神か博多駅に店を出して、納品する体制を作ることを考えています」
マスターに、将来計画を話してみた。
「初めから考えていたのか?」
「純喫茶加藤を買う話が出た時に、将来プランを考えました。
店舗を広げていくには、創業43年の重みはありがたいんです」
「やっぱり君は考え方が違うな」
「武内社長の方が、私より買収には乗り気でしたよ」
「いいコンビだ」
「私達には経験が有りません。
知識だけでは補えないところは、マスターに頼ることになります」
「俺もまだ使い道があるってことか」
「ええ、奥様も元気な間は働いて欲しいって言ってたでしょう。
弟子を2期生、3期生と育ててもらわないといけません」
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