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第十五章 ステップアップ
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「香山さん、私あの人が苦手です」
やっぱり絵美里は、日野かすみとは合わない様子だ。
白黒はっきりとした性格の兵藤碧とは打ち解けているので、相性の問題だろう。
「でも仕事は出来るんだろう?」
「製パンの腕は確かです。接客も問題はありません」
絵美里の言いたいことは分かってる。
俺も彼女が苦手だ、だが共感を口にする訳にはいかない。
「これからも苦手な部下が入るかもしれない。
訓練だと思って、対応してくれ」
「分かりました」
「ただストレスになるなら、報告して欲しい。対応策を考えるのは、俺の仕事でもある」
「ありがとうございます」
俺の言葉で絵美里が笑顔になった。
冷凍配送は、今のところ上手く行っている。
当初は週1回配送を予定していたが、週2回配送する必要になったのは想定外だった。
2週間後には福津店も配送する事になったので、週2回配送でも採算は合うはずだ。
「冷凍配送になったから、店では焼くだけに専念出来る。
夫婦だけでやるには、最適だ」
高橋さんが配送システムを絶賛してくれる。
奥様と二人でパンを作っても、必要最低限だった。
焼くだけに専念すれば、常時20種類は用意出来る。
他の作業をしながら、少量多品種を達成するにはこれしか無い。
「ここだけ離れてます、途中に店が欲しいですね」
「香椎か千早、照葉ぐらいに店を出したらどうだ?」
「考えておきます」
天神、博多駅周辺は競争が激しい。
もっと力をつけるまで、ここで遠回りするのも悪くない。
社長と出店計画について、詳しく相談する必要があった。
8月は、江口花蓮の誕生日がある。
プレゼントの希望を聞いたら、二人で旅行に行きたいと言う。
だが連休を取る為に、花蓮に有給休暇が付与されるのは10月以降になる。
11月を目処にソウルか東京に行く約束をして、8月は日帰りドライブをする予定にしていた。
「角島大橋って、海の上を走るんだよ。楽しみ」
助手席で花蓮がはしゃいでいる。
前日の仕事帰りに俺の家に来て泊まっていたので、早朝に出発した。
フォレスターは九州自動車道を静かに進んで、自宅を出てから1時間ほどで関門橋を渡る。
小月ICで高速を下りて北に向かうと海が見えて来た。
しばらく海岸線を走ると、目的地の角島に着いた。
「見て、海の上に道が続いてる」
展望台から見る角島大橋は、エメラルドグリーンの海に映えていた。
「じゃあ、渡ってみよう」
散々車のCMやプロモーションビデオで見た橋の上を車で走る。
通行料無料の上に、関東とは比べ物にならないほど車が少ないので快適だ。
島の西端まで行くと、眼下に日本海が広がる岬に着く。
灯台の下で、花蓮が俺にくっついてツーショット撮っていた。
もう一度角島大橋を渡り、元乃隅神社に向かう。
40分ほど走ったら、到着。まずは神社にお参りをする。
「毅、何を祈ったの?」
「内緒だ」
「ずるい」
「俺は聞かないから、対等だろう」
二人で海に向かって続く、赤い鳥居をくぐって行く。
最後の大鳥居を抜けると、青空が広がって断崖絶壁の場所に立っていた。
「素敵、毅と一緒に来て良かった」
「ああ、良いところだな」
やっぱり絵美里は、日野かすみとは合わない様子だ。
白黒はっきりとした性格の兵藤碧とは打ち解けているので、相性の問題だろう。
「でも仕事は出来るんだろう?」
「製パンの腕は確かです。接客も問題はありません」
絵美里の言いたいことは分かってる。
俺も彼女が苦手だ、だが共感を口にする訳にはいかない。
「これからも苦手な部下が入るかもしれない。
訓練だと思って、対応してくれ」
「分かりました」
「ただストレスになるなら、報告して欲しい。対応策を考えるのは、俺の仕事でもある」
「ありがとうございます」
俺の言葉で絵美里が笑顔になった。
冷凍配送は、今のところ上手く行っている。
当初は週1回配送を予定していたが、週2回配送する必要になったのは想定外だった。
2週間後には福津店も配送する事になったので、週2回配送でも採算は合うはずだ。
「冷凍配送になったから、店では焼くだけに専念出来る。
夫婦だけでやるには、最適だ」
高橋さんが配送システムを絶賛してくれる。
奥様と二人でパンを作っても、必要最低限だった。
焼くだけに専念すれば、常時20種類は用意出来る。
他の作業をしながら、少量多品種を達成するにはこれしか無い。
「ここだけ離れてます、途中に店が欲しいですね」
「香椎か千早、照葉ぐらいに店を出したらどうだ?」
「考えておきます」
天神、博多駅周辺は競争が激しい。
もっと力をつけるまで、ここで遠回りするのも悪くない。
社長と出店計画について、詳しく相談する必要があった。
8月は、江口花蓮の誕生日がある。
プレゼントの希望を聞いたら、二人で旅行に行きたいと言う。
だが連休を取る為に、花蓮に有給休暇が付与されるのは10月以降になる。
11月を目処にソウルか東京に行く約束をして、8月は日帰りドライブをする予定にしていた。
「角島大橋って、海の上を走るんだよ。楽しみ」
助手席で花蓮がはしゃいでいる。
前日の仕事帰りに俺の家に来て泊まっていたので、早朝に出発した。
フォレスターは九州自動車道を静かに進んで、自宅を出てから1時間ほどで関門橋を渡る。
小月ICで高速を下りて北に向かうと海が見えて来た。
しばらく海岸線を走ると、目的地の角島に着いた。
「見て、海の上に道が続いてる」
展望台から見る角島大橋は、エメラルドグリーンの海に映えていた。
「じゃあ、渡ってみよう」
散々車のCMやプロモーションビデオで見た橋の上を車で走る。
通行料無料の上に、関東とは比べ物にならないほど車が少ないので快適だ。
島の西端まで行くと、眼下に日本海が広がる岬に着く。
灯台の下で、花蓮が俺にくっついてツーショット撮っていた。
もう一度角島大橋を渡り、元乃隅神社に向かう。
40分ほど走ったら、到着。まずは神社にお参りをする。
「毅、何を祈ったの?」
「内緒だ」
「ずるい」
「俺は聞かないから、対等だろう」
二人で海に向かって続く、赤い鳥居をくぐって行く。
最後の大鳥居を抜けると、青空が広がって断崖絶壁の場所に立っていた。
「素敵、毅と一緒に来て良かった」
「ああ、良いところだな」
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