133 / 142
第十六章 チャレンジ
10
しおりを挟む
1月1日、夜明け前に涼介と健太を叩き起こして車で初詣に向かう。
佐賀では、一番有名な祐徳稲荷神社を目指した。
駐車場に車を停めて、神社まで参道を歩く。
大変な人の数だが、これも新年の行事だと思えば清々しい気持ちで進んでいく。
日本三大稲荷だけあって、豪華絢爛な社殿には圧倒される。
「香山さん、何祈りました?」
「商売繁盛に決まってるだろ」
「お賽銭、1万円札でしたね」
「硬貨でお願いを聞いてもらおうとか、虫が良すぎるよ」
「やべー、奮発して100円玉にしたのに」
二人と帰り道に馬鹿話をしながら、古湯まで戻った。
帰るとすぐに、本宅で元旦の行事になる。
まずはお正月の挨拶をしてから、お屠蘇を回し飲み、お雑煮をいただく。
涼介のいとこ夫婦2組も子供連れで来ているので、子供たちにお年玉を配った。
おせち料理は重箱ではなく、有田焼の大皿に盛り付けてある。
総勢13人、親族の集まりに参加した正月など初めてだ。
他人の俺を迎え入れてくれた、懐の広さには感動する。
途中、涼介と健太が台所でケーキを作ってきた。
スポンジケーキと生クリームを持ち込んでいたので、イチゴを山ほど盛り付けている。
子供4人が大喜びして、順番に切り分けてもらう。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「ケーキ、おいしいよ」
子どもから見れば、パティシエはヒーローだ。
涼介の照れる顔が微笑ましい。
飲み食いが終わった後は、昼間から温泉に向かい男同士の裸の付き合いだ。
温めの湯にゆっくりと漬かって温まると、またビールが美味い。
「香山さんが立派なクエを差し入れしてくれました。
せっかくの機会ですので、クエ鍋にしました」
皆さんから感謝の言葉をいただき、恐縮してしまう。
「美味いな、初めて食ったよ」
「俺も久しぶりです」
健太も涼介も、滅多に食べられないようだ。
皆さんからお酒を注がれて、しこたま酔ってしまった。
2日の午前中に、古湯を発つ。
涼介と一緒に本宅に寄って、彼の祖父、祖母に挨拶をしてから博多に向かう。
三瀬トンネルを抜けて福岡市内に出たら、順番に二人を降ろした。
一旦、家に戻ってから車を置いて、天神に花蓮を迎えに行く。
西鉄福岡駅の下まで行くと、ダウンジャケットを着た花蓮が待っていた。
「おう、おめでとう」
「毅、おめでとう。
涼介の田舎は面白かった?」
「最高だったよ、初めての体験だったんだ」
話しながら、初詣に行くために地下鉄の駅に向かう。
一駅で櫛田神社前駅に着いた。
初詣の行列に並んで、お参りをする。
花蓮に誘われておみくじを引くと中吉だった。
「大吉だあ、今年は良いことがありそう」
彼女が喜んでいる、そのほうが平和でいい。
「毅は中吉だね」
「俺は、運には頼らないから平気だよ」
「合理主義者だもんね」
「そうか? 本物の合理主義なら花蓮とは付き合わないよ」
「私と付き合うって不合理なの?」
「好きっていう気持ちは、理屈じゃないって事だ」
「毅って、私をドキドキさせるのが上手すぎるよ」
佐賀では、一番有名な祐徳稲荷神社を目指した。
駐車場に車を停めて、神社まで参道を歩く。
大変な人の数だが、これも新年の行事だと思えば清々しい気持ちで進んでいく。
日本三大稲荷だけあって、豪華絢爛な社殿には圧倒される。
「香山さん、何祈りました?」
「商売繁盛に決まってるだろ」
「お賽銭、1万円札でしたね」
「硬貨でお願いを聞いてもらおうとか、虫が良すぎるよ」
「やべー、奮発して100円玉にしたのに」
二人と帰り道に馬鹿話をしながら、古湯まで戻った。
帰るとすぐに、本宅で元旦の行事になる。
まずはお正月の挨拶をしてから、お屠蘇を回し飲み、お雑煮をいただく。
涼介のいとこ夫婦2組も子供連れで来ているので、子供たちにお年玉を配った。
おせち料理は重箱ではなく、有田焼の大皿に盛り付けてある。
総勢13人、親族の集まりに参加した正月など初めてだ。
他人の俺を迎え入れてくれた、懐の広さには感動する。
途中、涼介と健太が台所でケーキを作ってきた。
スポンジケーキと生クリームを持ち込んでいたので、イチゴを山ほど盛り付けている。
子供4人が大喜びして、順番に切り分けてもらう。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「ケーキ、おいしいよ」
子どもから見れば、パティシエはヒーローだ。
涼介の照れる顔が微笑ましい。
飲み食いが終わった後は、昼間から温泉に向かい男同士の裸の付き合いだ。
温めの湯にゆっくりと漬かって温まると、またビールが美味い。
「香山さんが立派なクエを差し入れしてくれました。
せっかくの機会ですので、クエ鍋にしました」
皆さんから感謝の言葉をいただき、恐縮してしまう。
「美味いな、初めて食ったよ」
「俺も久しぶりです」
健太も涼介も、滅多に食べられないようだ。
皆さんからお酒を注がれて、しこたま酔ってしまった。
2日の午前中に、古湯を発つ。
涼介と一緒に本宅に寄って、彼の祖父、祖母に挨拶をしてから博多に向かう。
三瀬トンネルを抜けて福岡市内に出たら、順番に二人を降ろした。
一旦、家に戻ってから車を置いて、天神に花蓮を迎えに行く。
西鉄福岡駅の下まで行くと、ダウンジャケットを着た花蓮が待っていた。
「おう、おめでとう」
「毅、おめでとう。
涼介の田舎は面白かった?」
「最高だったよ、初めての体験だったんだ」
話しながら、初詣に行くために地下鉄の駅に向かう。
一駅で櫛田神社前駅に着いた。
初詣の行列に並んで、お参りをする。
花蓮に誘われておみくじを引くと中吉だった。
「大吉だあ、今年は良いことがありそう」
彼女が喜んでいる、そのほうが平和でいい。
「毅は中吉だね」
「俺は、運には頼らないから平気だよ」
「合理主義者だもんね」
「そうか? 本物の合理主義なら花蓮とは付き合わないよ」
「私と付き合うって不合理なの?」
「好きっていう気持ちは、理屈じゃないって事だ」
「毅って、私をドキドキさせるのが上手すぎるよ」
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる