モリタリン

MORITARIN

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MORITARIN 9

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Episode -3 B
♢ ♢ ♢ ♢ ♢

翌日の午後。

子どもたちは勉強部屋で昼食を終え、空き地へ向かっている。その姿は昨日とよく似ていた。

だが今日は、いっそう温かかった。子どもたちはすでに完全な友だち同士になっていた。

昨日のぎこちなさやよそよそしさは、もう残っていないように見える。

昨夜のチャットの内容を話題に、楽しい会話を続ける。そしていつの間にか目的地に到着した。

時間になった。今日も昨日と同じように、それぞれの位置へ移動する。

勉強部屋からここへ来る途中や昨夜の会話の中でも、友だちはロギに「物語遊び」について

いろいろ説明してくれていた。

だがロギには、まだ多くのことが理解できていない。どうやら想像力を使うゲームらしい…としか思えない。

準備が終わると、ヨナが大きな声で叫んだ。

「それじゃ、始めるよ~!」

その時、ダビがロギに向かって、あまりにも真剣な表情でもう一度言う。

「ロギ、スーツを着たらすぐに俺のところへ来い!」

ロギは分かったと頷く。だが、どんなスーツを着ろというのか…あまりにも真剣なダビの様子に、

少し戸惑ってしまう。実のところロギは、着るふりだけして友だちのところへ走るつもりだった。

ダビがもう一度叫ぶ。

「ドトリ!」

すると子どもたちが声を揃えて叫んだ。

「ドリトリ トリス!」

その瞬間、ロギは友だちが言っていた位置へ移動しようと、ゆっくり後ろを向く。

振り返った少女の目に、説明できない不思議な光景が飛び込んできた。

ついさっきまで何もなかった空き地には、いつの間にか巨大な構造物が現れ、

その中には見たこともない機械装置が数多く並んでいる。

さらに驚いたことに、ロギの周囲に突然ピンク色の花びらが舞い始めた。

手のひらを空に向けると、花びらが一枚、そっと落ちてくる。

呆然と花びらを見つめるロギ。

そして再び周囲を見回すと、至る所に爆発の残骸が散乱していた。

その瞬間――神秘に見とれる暇もなく、四方から爆発音が響く。

[ドォン][ドドォン]

驚いたロギは悲鳴を上げ、目に入った構造物の陰へと飛び込んだ。

急いで友だちを探すロギ。

友だちはすでに宇宙服のようなスーツを着て、手には見たことのない装置を持っている。

昨夜、友だちが拙く説明してくれた意味不明だった話のパズルが、

今ようやく順番に噛み合い始めた気がした。

そしてロギはレオとエリがいた方向を見る。

空も大地も、すべてが見たことのない景色に変わっていた。

空はピンクと青と赤が混ざり合い、はるか上空では何かが飛び回っている。

そして――それはダビの周りに集まる子どもたちに向かって、何かを次々と撃ち込んでいた。

ロギは空を飛ぶそれをよく見る。

なんと――

それはエリだった!

ロギ:「なにこれ!? 空を飛んでる?」[ロギの大きな目が丸くなる]

ロギ:「いったい何が起きてるの?」

ロギ:「きゃああ!」[自分に飛んできた何かに驚き悲鳴を上げる]

ダビ:「ロギ何してんだ! 早く中に入ってスーツ着ろ!」

ロギ:「えええ!?」

[驚きと戸惑いのまま、体はすでに言われた場所へ走り出している。悲鳴を上げながら]

ロギ:「きゃあああ~!」

ロギが駆け込んだ場所には、複雑に絡み合った機械と無数のボタンが並んでいた。

その中から、友だちが教えてくれた「人の絵が描かれた大きな緑のボタン」を探さなければならない。

慌てていたせいか場所が思い出せない。だがロギは目を閉じ、必死に記憶をたどる。

「……あった!」

ボタンを見つけたロギがすぐに手を置くと、重々しい機械音とともに装置が作動する。

小さなハッチが開き、現れたのはメダルほどの大きさの平たい金属片。

ロギはそれを両手で大切に持ち、教えられた通り顎の下へと近づけた。

その瞬間、金属片は手から離れ、頭上へと奇妙に跳ね上がる。

驚いて見上げた次の瞬間――

金属は生きた液体のように流れ、ロギの全身を包み込んだ。

冷たい金属の感触が体をなぞり、体格に合わせて頑丈なスーツが形成されていく。

遠くで、黒いマントと鎧、両側に角の付いた兜をかぶったレオが勝利を確信し叫んだ。

レオ:「ダビ、もう諦めろ! 時間は残り少ない! 俺とエリの勝ちだ!」

だがダビは不敵な笑みで叫び返す。

ダビ:「いや、俺たちの勝ちだ! お前の体力はもう底だろ~ それに時間は十分ある!」

[その時、ダビの方へロギが走ってくる]

ロギ:「みんな~来たよ!」

パイ:「ロギ~」[にっこり笑って]「来たね! びっくりしたでしょ?」

エティ:「お姉ちゃん~似合ってる!」[楽しそうに笑う]

ロギ:「ははは、これ何!? いったいどうなってるの?」

ロギ:「これが…これがみんなの言ってた物語遊びなんだ!」

驚き叫んでいたロギだが、友だちのそばに来ると緊張が一気にほどけた。

すべてが楽しく、わくわくしてくる。胸が高鳴る。

その間もダビはレオとエリへ光線銃を撃ち続け、二人も攻撃を止めない。

四方から鳴り響く爆発音!

「子どもたちは誰一人として恐れたり震えたりせず、むしろ明るく楽しげな空気に包まれていた。」

エティ:「くすくすくす~ >_<」

♦ ♦ ♦ ♦ ♦

ポルンはイートを落ち着かせようとして――諦め、別の方法を取った。

それは本来ここへ来た目的。

ポルンはイートに、王の巻物を取り出した。

ポルン:「イート、聞け。王からお前へ命令が下った。俺への怒りは少し置いておけ!」

ポルン:「これを見ろ! 王命だ!」

[イートは“王”という言葉に反応し、襟首をつかんでいた手を離した]

イート:「なっ…王が? ……どんな命令なんだ?」

イートはひどく怯えていた。

さっきまでの怒りは消え、関心はただ王の命が記された光る巻物の内容へ。

知りたい――だが怖い。

ポルンは怯えるイートを宥める。

ポルン:「赤い鶏、落ち着け! 俺も内容は知らない。だから読もう~読んでやろうか?」

イート:「ま、待て!」[大きく深呼吸]

ポルン:「いいぞ~待つ。」

月明かりが輝く美しい夜。

広大な野原で、オルピン最高司令官と伝説の存在が二人、

やたら大騒ぎしていた。

イート:「ふぅ…ふぅ… フクロウ…始めよう。」

ポルン:「よし、読むぞ。」

イート:「お、おう…」

ポルンは正式に巻物を広げ、王の命を代読した。

内容は――!?

二人は読み進めながら喜び、恐れ、笑い、そして涙ぐむ。

ポルン:「以上、ポルンは赤い鶏イートに王命をすべて伝達した。」

イート:「それで…ポルン、説明してくれ。俺はこれからどうなる?」

ポルン:「つまりお前は復権! 復帰だ!」

イート:「じゃあ…俺は…元の姿に戻れるのか?」

ポルン:「たぶん…でも今すぐじゃないみたいだ~ とにかく全権限は戻る!」

イート:「ありがとうございます! 王よ!」[二人は興奮して踊る]

イートは跪き、両手を合わせ王に感謝する。

ポルン:「それでイート。」

イート:「うん!」

ポルン:「お前は復権した。で、俺の方が階級上だから、また俺が上司だな~」

イート:「は?」

ポルン:「総司令官ポルン様と呼べ?」

イート:「ふざけんな。」

イート:「おいフクロウ!」

ポルン&イート:「ははははは!」

緊張が解け、二人は大笑いした。

そしてポルンは追加の王命を伝える。

それは――

イートが今いる惑星を離れ、人間が住む場所へ向かうこと。

イート:「俺がなんでそこへ?」

ポルン:「ここじゃ説明長すぎる~ 移動中に分かる仕組みがある。」

ポルンが指を鳴らすと、

ウグとモンドの近くに宇宙空間を高速移動する通路が開いた。

その横には移動用の小惑星が浮かんでいる。

イート:「あれは?」

ポルン:「移動用小惑星だ。あれで人間の世界へ行け。」

[小さな惑星の周りには太陽と月が回り、雲も浮かんでいる]

ポルン:「じゃ登録するぞ?」

イート:「何を?」

ポルンは答えず登録を実行。

すると小惑星の使用者としてイートが登録された。

登録者のみが重力の影響を受ける。

惑星に引き寄せられるイート――

まるで落ちるように。

「うわああ!」

[ドスン]

全身に衝撃。

震えるイートへ駆け寄るポルン。

ポルン:「大丈夫か~赤い鶏!」

イート:「お前…許さん。」

ポルン:「何言ってる~いい日だろ?」

イート:「この野郎!」

小惑星はゆっくり動き始めた。

イートは最後に全力で跳ぶ。

届かない。

もう一度跳ぶ――だが距離は離れるばかり。

イート:「ポルン! この野郎!」

ポルン:「何だ~?」

イート:「お前の…頬…」

イート:「一発だけ殴らせろ!」

ポルン:「頬? 面倒だな~また今度~」

ポルンは笑い手を振る。

イートは諦めた。

やがて通路へ。

その途中、モンドとウグが見えた。

モンドは葉で身を隠そうとしている。

目が合う。

モンドは平伏する。

モンド:「お助けください守護者様!」

イート:「…モンド。」

モンド:「お許しを…」

イート:「元気でな。ありがとう。」

モンド:「……え?」

ぶっきらぼうな別れ。

イートは通路へ消えた。

モンドは消えるまで見つめた。

モンド:「……さようなら…守護者様。」

人間世界へ向かう通路の中、

イートの悲鳴が響く。

光より速く移動中。

乗り心地は最悪だった。

「うわああああ~!」

-3 B END
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