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MORITARIN 10
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Episode -3 C
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
レオとエリの激しい攻撃にも、ダビの宇宙勇者チームは簡単には倒れず、彼らの反撃にむしろ
レオチームのほうが少しずつ焦り始めていた。このままではダビの勝利で終わりそうだ、と感じたレオは
溜め込んでいた力をまとめ、一気にダビチームのそばへ飛び込んだ。
レオは最後の勝負手として全体攻撃を仕掛ける。全体攻撃にダビチームが巻き込まれて被害を受ける前に、ダビは
仲間を守る防御スキルを発動する。
レオの計画は失敗に終わり、レオは慌てて持ち場へ戻った。
「今だ、エリ!」とレオが叫ぶ。
この隙を突いてエリは、全攻撃をダビチームへ一斉に叩き込む。
エリ:「諦めろ! 私たちの勝ちだ!」
ダビはもう一度、防御スキルを使おうとするが、再使用待機時間のせいで使用不可になっていた。
ダビ:「どうする!? もう手がない!」
宇宙勇者チームは、飛んでくるエリの攻撃物体を光線銃で一つ一つ撃ち落とすしかなかった。
パイ:「集中して、一本ずつ片づけよう!」
だが降り注ぐ量が多すぎて、数を減らしきれない。
それでも諦めず、必死に数を削ろうとする宇宙勇者チーム! だが力が足りない。
絶体絶命の瞬間――どこからか現れた二つの巨大な火の玉!!
そのうち一つが、降り注ぐ攻撃物体をすべて焼き尽くす。
続いて残った火の玉がレオへ飛んでいく。巨大な火の玉を見たレオとエリは驚いて互いに抱き合い、
丸く見開いた目のまま、喉が裂けるほど叫んだ。
「きぃぃぃぃぃ~~あ」
レオとエリへ向かって猛スピードで迫る火の玉!! ……ぶつかる、その瞬間――火の玉は一瞬で消えた。
叫び続けるエリとレオ。
「ぎゃっ……えっ!」
その時、どこからか跳び上がって判定を下す“赤い鶏”――イートが叫ぶ。
「SFシナリオ『宇宙勇者』において、『ファンタジー』魔法使用によりダビチームにペナルティ付与!
レオチーム体力10%回復! 残り時間5分! 物語再開!」
そう言い終えると、イートはどこかへ“ぴょん”と消えてしまった。
ロギはまた驚いて尋ねた。
ロギ:「あの子、誰? どこ行ったの?」
パイ:「うん~ あれはイートっていうの。会ったら紹介しようと思って、わざと言わなかった~」[笑顔で]
エティ:「うん! ロギお姉ちゃんへのサプライズ。」[明るく笑うエティ]
ロギ:「おお! 友だちがもう一人いたんだ~」
ヨナ:「うん…そうとも言えるね。」
ヨナ:「でもロギ…どうやったの?」
ロギ:「はは…は…」[気まずそうなロギ…]
火の玉を召喚したのはロギだった。
飛んでくる物体を処理する友だちの背後で、手持ち無沙汰に立っていたロギが冗談半分で呪文を唱え、
手を伸ばしてみたら、本当に巨大な火の玉が二つ生成されたのだ。
自分でも驚いて慌てたロギは、友だちの陰に隠れて「何もしていない」ふりをしていた。
しかし偶然、ヨナがそれを見ていた。
時間が経って物語は終了し、結局レオチームが勝利する。だがダビは相当悔しいらしい。
「こんなのありえない! このまま終わるなんてダメだ! そんなのない!」
悔しがり、混乱するダビを見たヨナは、悩んだ末にこの問題を解決するため『ドリトリ裁判』を提案した。
友だちは「ダビが悔しいのも分かる」と判断し、裁判を開くことに全員が同意した。
ロギは自分の行動が原因で問題が起きたので、とても申し訳なく思っているが、後ろで友だちが意味の分からない言葉を叫ぶ。
「王の名のもとに!」
その瞬間、周囲のすべてが消え、元の空き地へ戻っていた。
ロギは質問したいことが山ほどあったが、大きな失敗をしてしまった気がして黙っていることにした。
ひとまず各自いったん家へ戻って夕食を済ませた後、ダビの部屋に集まることになり、解散する。
ロギは自分のせいで事が大きくなり、ひどく不安だった。
そして混乱のあまり、イートのことを忘れてしまう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
夕食が終わる頃、少しずつ空も地面も暗くなり、薄暗い町を照らす街灯に灯りがともる。
子どもたちが一人、また一人とダビの家へ向かっている。
---
ここはダビの部屋だ。
最初からダビのために用意された部屋ではなかった。
本来はダビの父が使うつもりだった場所だが、
階数が高く移動が不便だという理由で、父は家の横にある小さな物置を使うことにした。
そのため、きれいに整えられた一室が空き、ダビがここを自分の部屋として使うことになった。
部屋の中には父の手垢がついた机と本棚、TVと棚、重たいタンス、そして床のカーペット以外には
特別なものはなく、ただ広い空間が広がっている。
時間になると、子どもたちが約束の場所へ一人、また一人と集まり始める。
今、ダビはとても真剣で、ロギは内心不安だ。ヨナは一人で何かを熱心に読んでいる。
[各自の物語が無事に完了すると、物語の主はイートから“物語ボーナスコイン”を獲得する。
このコインの数に応じて、各自の物語にバランスを崩さない程度の『一行作成権』を得られる。
今回のダビの物語は、一般的な冒険ジャンルとは異なり試合形式で進行するため、勝敗によって
コイン獲得方式が異なる。
勝てば相手の一定コインを奪い、負ければ自分の一定コインを失う――それがルールだ。
だから今のダビは、かなり苦しい状況に置かれている。]
のんびり時間を過ごしながらパイとレオを待っていると、ちょうどレオが到着した。
友だちに言うことがあるらしい。
「パイは用事があって少し遅れるって。先に俺たちだけで進めてって言ってた。」
その直後、ダビの部屋で友だちは裁判を始めようとする。まずヨナが叫んだ。
ヨナ:「さあ! それでは今から~ 第1回ドリトリ裁判を始めます~!」
ヨナ:「……でも、マニュアルを見ると、まずイートを呼んで来なきゃいけないみたいだね?」
レオ:「じゃあイート呼ぶか?」
ヨナ:「呼ぶならパイが来ないと。」
エリ:「待とう。みんな揃ってからにしよう。」
子どもたちはパイを待つ。しばらくしてパイが到着した。
片手に丸めた紙束を持っている。
ダビ:「揃ったな? じゃあ?」
レオ:「イートを呼ぼう~」
[子どもたちは部屋の中でイートを呼ぶと決め、“ドトリ”を叫んだ。]
「ドリトリ トリス!」
イートが現れた。そして事情をすべて聞いた後、第1回ドリトリ裁判を許可する。
しばらくして――
部屋が暗くなり、小さな法廷が開いた。
子どもたちは驚く。みんな初めて見る法廷だ。
裁判官席にはヨナとイートが座っている。
この状況でなぜ自分が裁判官席に座っているのか不思議そうなヨナ。
ヨナ:「イート~ なんで私が裁判官席に座ってるの?」
イート:「お前が提案したんだろ~?」
ヨナ:「私、裁判官やるって言ってないけど?」
イート:「この物語の世界観が……いや。あとで教える~」
面倒くさそうにイートが裁判開始を告げる。
「では、裁判を始めます。」
イートを見て記憶が戻ったロギがパイに尋ねた。
「そうだ! あの子って誰?」
隣に座っていたパイが答える。
「イートだよ~ 私たちの友だち」そう優しく答えた。
二人のやり取りを聞いていたレオが付け加える。
レオ:「物語遊びの管理者だよ~」
ロギ:「えっ…? 顔、なんでああなの?」
パイ:「赤い鶏だから…」[自分の答えに自信なさげな口調と表情]
ロギ:「鶏!? 人? どっち?」
レオ:「イートは…」[何か言いたいが言葉が出てこない様子]
エティ:「ただのイートだよ~」
その時イートが叫んだ。
「全員静粛に! 裁判中です~ 裁判官さま[ヨナ]、事件の説明をしてください~!」
「はい、裁判長さま[イート]。」
ヨナが事件のあらましを簡単に説明している。ダビはとても悔しそうな顔だ。
レオとエリは結果にそこまで興味がなさそうで、ロギは自分のせいで友だちに迷惑をかけた気がして
落ち着かない。
パイは落ち着いているようでいて、とても強い態度をしている。
イートはまずダビに発言の機会を与えた。
ダビ:「みんな、俺は悔しい!」
ダビ:「確かに俺たちダビチームはレオチームに勝てたはずなのに~ 今の問題が起きたんだ!」
ダビ:「もちろんロギのせいだって言ってるわけじゃないよ。ロギは初めてだし~」
ダビ:「俺が言いたいのは――!」
[ダビの話を聞いているレオは呆れた顔だ。不満が顔に出ている。]
レオ:「違う! エリの作戦で最後にレオチームが勝つチャンスを掴んだんだ!」
レオ:「嘘つくなよ。正直に言え!」
エリ:「みんな、こうしない? 問題が起きる前の状況からやり直すのはどう?」
エティ:「うん! それでいいよ!」
その時イートが厳かに、はっきり言った。
イート:「ダメです! 再試合はありません。」
エティ:「え~ もう一回やったらいいのに…」
イート:「この物語は完結しました。必要なら新しい物語として進行します。」
時間が経つほど、子どもたちはみんな沈んでいった。決定的な答えが見つからなかったからだ。
だがパイだけは違った。静かに機を待っていた。そして手を挙げ、皆の視線を集める。
そしてゆっくり、用意してきたものを語り始めた。
「みんな、私の手にあるこれは、昨日ダビがロギに渡した『宇宙勇者』のまとめ資料だよ。」
パイはそう言いながら紙の資料を広げ、レオに見せた。
レオは紙を見て驚き、叫ぶ。
「え? これ……!」
レオはダビを見る。ダビが尋ねる。
「どうした? 何か問題でも? ちゃんと渡しただろ?」
レオは黙ったまま、パイから受け取った紙をヨナとイートに渡す。
資料を受け取ったヨナとイートは少し驚いた表情を見せた後、ざわつく法廷の空気を落ち着かせた。
イートがヨナを見る。ヨナが頷く。イートが口を開いた。
「みなさん、この物語遊びの結果は、最初の通り――レオチームの勝利で終わりとします。」
レオとエリは両腕を上げて歓声を上げ喜んだ。ダビは理由を問い抗議している。
ここでヨナがパイを見て言った。
「これはパイが説明して。そっちの方が分かりやすいから。」
パイは笑って答える。
「うん、私が言うね~ みんな! ダビっていうこのドジがロギに渡したまとめ資料は~
『宇宙勇者』じゃなくて、最近ヨナが書いてる『魔法の子』の資料だったんだよ!」
驚いた友だちはダビを見る。
固まるダビ……ダビは故障した機械みたいに止まってしまった。パイは続ける。
「私はね、『いつもそそっかしいダビ』が今回も何かやらかしてるんじゃないかって思ったんだ。
だからここに来る前に、念のためロギの家に行ったの! それでこの証拠を確保してきたから遅れたの~」
ダビは絶叫している。
その騒ぎの中、ふと急いで言いたいことを思い出したロギがヨナに近づいて声をかけた。
「そうだ、ヨナ。『魔法の子』面白かったよ~ 続きいつ書くの?」
ロギの言葉にヨナがびくっとして答える。
ヨナ:(目を丸くして)「もう全部読んだの?」
ロギ:「うん~ すっごく面白かった」
ロギ:「続きも見たい」
ヨナ:「そ、そう? 面白いって言ってくれてありがと~ 続きは早めに書いてみるね~」
(少し考えて、意味ありげに)
ヨナ:「…あ! そういえばロギ、あなたも物語作らなきゃだよ~」
ロギ:(慌てて)「物語?……私、そんなの無理だよ。」
ヨナ:「私と一緒にやればいいよ~」
レオ:「ヨナは文章うまいよ。本もめっちゃ読むし~」
ロギ:「私ほんと無理…」
レオ:「俺も無理~ 俺の方がもっと無理だよ? でもヨナが全部やってくれた~」
ヨナ:「へへ~ 私も先生に教わりながらやってるだけだよ~」
ざわついた空気をまとめるためにパイが口を開く。
「じゃあ、次の物語は私の番! イート、準備して~お願い~」
イートは分かったと手を振る。
ロギはイートが気になって近づこうとするが、また後ろで友だちが叫ぶ。
「王の名のもとに!」
ロギは「ちょっと待って」と言いたかった。
「え、ちょっと待って!」
だが法廷は消え、再びダビの部屋へ戻っていた。
ロギはイートに一言も話せなかったのが、とても残念だ。しょんぼりするロギのそばへパイが来る。
パイ:「ロギ、次の物語は私のだよ! 今度はロギも楽しめたらいいな~」
ロギ:「え? うん…どんな話なの?」
パイ:「みんなで大自然の中を探検する話だよ~」
ロギは、この説明できない状況の中で聞きたいことがたくさんあった。
でも「物語を作らなきゃいけない」という負担がとてつもなく大きく重くのしかかり、
頭の中は物語作りのことでいっぱいになっていった。
-3 C END
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
レオとエリの激しい攻撃にも、ダビの宇宙勇者チームは簡単には倒れず、彼らの反撃にむしろ
レオチームのほうが少しずつ焦り始めていた。このままではダビの勝利で終わりそうだ、と感じたレオは
溜め込んでいた力をまとめ、一気にダビチームのそばへ飛び込んだ。
レオは最後の勝負手として全体攻撃を仕掛ける。全体攻撃にダビチームが巻き込まれて被害を受ける前に、ダビは
仲間を守る防御スキルを発動する。
レオの計画は失敗に終わり、レオは慌てて持ち場へ戻った。
「今だ、エリ!」とレオが叫ぶ。
この隙を突いてエリは、全攻撃をダビチームへ一斉に叩き込む。
エリ:「諦めろ! 私たちの勝ちだ!」
ダビはもう一度、防御スキルを使おうとするが、再使用待機時間のせいで使用不可になっていた。
ダビ:「どうする!? もう手がない!」
宇宙勇者チームは、飛んでくるエリの攻撃物体を光線銃で一つ一つ撃ち落とすしかなかった。
パイ:「集中して、一本ずつ片づけよう!」
だが降り注ぐ量が多すぎて、数を減らしきれない。
それでも諦めず、必死に数を削ろうとする宇宙勇者チーム! だが力が足りない。
絶体絶命の瞬間――どこからか現れた二つの巨大な火の玉!!
そのうち一つが、降り注ぐ攻撃物体をすべて焼き尽くす。
続いて残った火の玉がレオへ飛んでいく。巨大な火の玉を見たレオとエリは驚いて互いに抱き合い、
丸く見開いた目のまま、喉が裂けるほど叫んだ。
「きぃぃぃぃぃ~~あ」
レオとエリへ向かって猛スピードで迫る火の玉!! ……ぶつかる、その瞬間――火の玉は一瞬で消えた。
叫び続けるエリとレオ。
「ぎゃっ……えっ!」
その時、どこからか跳び上がって判定を下す“赤い鶏”――イートが叫ぶ。
「SFシナリオ『宇宙勇者』において、『ファンタジー』魔法使用によりダビチームにペナルティ付与!
レオチーム体力10%回復! 残り時間5分! 物語再開!」
そう言い終えると、イートはどこかへ“ぴょん”と消えてしまった。
ロギはまた驚いて尋ねた。
ロギ:「あの子、誰? どこ行ったの?」
パイ:「うん~ あれはイートっていうの。会ったら紹介しようと思って、わざと言わなかった~」[笑顔で]
エティ:「うん! ロギお姉ちゃんへのサプライズ。」[明るく笑うエティ]
ロギ:「おお! 友だちがもう一人いたんだ~」
ヨナ:「うん…そうとも言えるね。」
ヨナ:「でもロギ…どうやったの?」
ロギ:「はは…は…」[気まずそうなロギ…]
火の玉を召喚したのはロギだった。
飛んでくる物体を処理する友だちの背後で、手持ち無沙汰に立っていたロギが冗談半分で呪文を唱え、
手を伸ばしてみたら、本当に巨大な火の玉が二つ生成されたのだ。
自分でも驚いて慌てたロギは、友だちの陰に隠れて「何もしていない」ふりをしていた。
しかし偶然、ヨナがそれを見ていた。
時間が経って物語は終了し、結局レオチームが勝利する。だがダビは相当悔しいらしい。
「こんなのありえない! このまま終わるなんてダメだ! そんなのない!」
悔しがり、混乱するダビを見たヨナは、悩んだ末にこの問題を解決するため『ドリトリ裁判』を提案した。
友だちは「ダビが悔しいのも分かる」と判断し、裁判を開くことに全員が同意した。
ロギは自分の行動が原因で問題が起きたので、とても申し訳なく思っているが、後ろで友だちが意味の分からない言葉を叫ぶ。
「王の名のもとに!」
その瞬間、周囲のすべてが消え、元の空き地へ戻っていた。
ロギは質問したいことが山ほどあったが、大きな失敗をしてしまった気がして黙っていることにした。
ひとまず各自いったん家へ戻って夕食を済ませた後、ダビの部屋に集まることになり、解散する。
ロギは自分のせいで事が大きくなり、ひどく不安だった。
そして混乱のあまり、イートのことを忘れてしまう。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
夕食が終わる頃、少しずつ空も地面も暗くなり、薄暗い町を照らす街灯に灯りがともる。
子どもたちが一人、また一人とダビの家へ向かっている。
---
ここはダビの部屋だ。
最初からダビのために用意された部屋ではなかった。
本来はダビの父が使うつもりだった場所だが、
階数が高く移動が不便だという理由で、父は家の横にある小さな物置を使うことにした。
そのため、きれいに整えられた一室が空き、ダビがここを自分の部屋として使うことになった。
部屋の中には父の手垢がついた机と本棚、TVと棚、重たいタンス、そして床のカーペット以外には
特別なものはなく、ただ広い空間が広がっている。
時間になると、子どもたちが約束の場所へ一人、また一人と集まり始める。
今、ダビはとても真剣で、ロギは内心不安だ。ヨナは一人で何かを熱心に読んでいる。
[各自の物語が無事に完了すると、物語の主はイートから“物語ボーナスコイン”を獲得する。
このコインの数に応じて、各自の物語にバランスを崩さない程度の『一行作成権』を得られる。
今回のダビの物語は、一般的な冒険ジャンルとは異なり試合形式で進行するため、勝敗によって
コイン獲得方式が異なる。
勝てば相手の一定コインを奪い、負ければ自分の一定コインを失う――それがルールだ。
だから今のダビは、かなり苦しい状況に置かれている。]
のんびり時間を過ごしながらパイとレオを待っていると、ちょうどレオが到着した。
友だちに言うことがあるらしい。
「パイは用事があって少し遅れるって。先に俺たちだけで進めてって言ってた。」
その直後、ダビの部屋で友だちは裁判を始めようとする。まずヨナが叫んだ。
ヨナ:「さあ! それでは今から~ 第1回ドリトリ裁判を始めます~!」
ヨナ:「……でも、マニュアルを見ると、まずイートを呼んで来なきゃいけないみたいだね?」
レオ:「じゃあイート呼ぶか?」
ヨナ:「呼ぶならパイが来ないと。」
エリ:「待とう。みんな揃ってからにしよう。」
子どもたちはパイを待つ。しばらくしてパイが到着した。
片手に丸めた紙束を持っている。
ダビ:「揃ったな? じゃあ?」
レオ:「イートを呼ぼう~」
[子どもたちは部屋の中でイートを呼ぶと決め、“ドトリ”を叫んだ。]
「ドリトリ トリス!」
イートが現れた。そして事情をすべて聞いた後、第1回ドリトリ裁判を許可する。
しばらくして――
部屋が暗くなり、小さな法廷が開いた。
子どもたちは驚く。みんな初めて見る法廷だ。
裁判官席にはヨナとイートが座っている。
この状況でなぜ自分が裁判官席に座っているのか不思議そうなヨナ。
ヨナ:「イート~ なんで私が裁判官席に座ってるの?」
イート:「お前が提案したんだろ~?」
ヨナ:「私、裁判官やるって言ってないけど?」
イート:「この物語の世界観が……いや。あとで教える~」
面倒くさそうにイートが裁判開始を告げる。
「では、裁判を始めます。」
イートを見て記憶が戻ったロギがパイに尋ねた。
「そうだ! あの子って誰?」
隣に座っていたパイが答える。
「イートだよ~ 私たちの友だち」そう優しく答えた。
二人のやり取りを聞いていたレオが付け加える。
レオ:「物語遊びの管理者だよ~」
ロギ:「えっ…? 顔、なんでああなの?」
パイ:「赤い鶏だから…」[自分の答えに自信なさげな口調と表情]
ロギ:「鶏!? 人? どっち?」
レオ:「イートは…」[何か言いたいが言葉が出てこない様子]
エティ:「ただのイートだよ~」
その時イートが叫んだ。
「全員静粛に! 裁判中です~ 裁判官さま[ヨナ]、事件の説明をしてください~!」
「はい、裁判長さま[イート]。」
ヨナが事件のあらましを簡単に説明している。ダビはとても悔しそうな顔だ。
レオとエリは結果にそこまで興味がなさそうで、ロギは自分のせいで友だちに迷惑をかけた気がして
落ち着かない。
パイは落ち着いているようでいて、とても強い態度をしている。
イートはまずダビに発言の機会を与えた。
ダビ:「みんな、俺は悔しい!」
ダビ:「確かに俺たちダビチームはレオチームに勝てたはずなのに~ 今の問題が起きたんだ!」
ダビ:「もちろんロギのせいだって言ってるわけじゃないよ。ロギは初めてだし~」
ダビ:「俺が言いたいのは――!」
[ダビの話を聞いているレオは呆れた顔だ。不満が顔に出ている。]
レオ:「違う! エリの作戦で最後にレオチームが勝つチャンスを掴んだんだ!」
レオ:「嘘つくなよ。正直に言え!」
エリ:「みんな、こうしない? 問題が起きる前の状況からやり直すのはどう?」
エティ:「うん! それでいいよ!」
その時イートが厳かに、はっきり言った。
イート:「ダメです! 再試合はありません。」
エティ:「え~ もう一回やったらいいのに…」
イート:「この物語は完結しました。必要なら新しい物語として進行します。」
時間が経つほど、子どもたちはみんな沈んでいった。決定的な答えが見つからなかったからだ。
だがパイだけは違った。静かに機を待っていた。そして手を挙げ、皆の視線を集める。
そしてゆっくり、用意してきたものを語り始めた。
「みんな、私の手にあるこれは、昨日ダビがロギに渡した『宇宙勇者』のまとめ資料だよ。」
パイはそう言いながら紙の資料を広げ、レオに見せた。
レオは紙を見て驚き、叫ぶ。
「え? これ……!」
レオはダビを見る。ダビが尋ねる。
「どうした? 何か問題でも? ちゃんと渡しただろ?」
レオは黙ったまま、パイから受け取った紙をヨナとイートに渡す。
資料を受け取ったヨナとイートは少し驚いた表情を見せた後、ざわつく法廷の空気を落ち着かせた。
イートがヨナを見る。ヨナが頷く。イートが口を開いた。
「みなさん、この物語遊びの結果は、最初の通り――レオチームの勝利で終わりとします。」
レオとエリは両腕を上げて歓声を上げ喜んだ。ダビは理由を問い抗議している。
ここでヨナがパイを見て言った。
「これはパイが説明して。そっちの方が分かりやすいから。」
パイは笑って答える。
「うん、私が言うね~ みんな! ダビっていうこのドジがロギに渡したまとめ資料は~
『宇宙勇者』じゃなくて、最近ヨナが書いてる『魔法の子』の資料だったんだよ!」
驚いた友だちはダビを見る。
固まるダビ……ダビは故障した機械みたいに止まってしまった。パイは続ける。
「私はね、『いつもそそっかしいダビ』が今回も何かやらかしてるんじゃないかって思ったんだ。
だからここに来る前に、念のためロギの家に行ったの! それでこの証拠を確保してきたから遅れたの~」
ダビは絶叫している。
その騒ぎの中、ふと急いで言いたいことを思い出したロギがヨナに近づいて声をかけた。
「そうだ、ヨナ。『魔法の子』面白かったよ~ 続きいつ書くの?」
ロギの言葉にヨナがびくっとして答える。
ヨナ:(目を丸くして)「もう全部読んだの?」
ロギ:「うん~ すっごく面白かった」
ロギ:「続きも見たい」
ヨナ:「そ、そう? 面白いって言ってくれてありがと~ 続きは早めに書いてみるね~」
(少し考えて、意味ありげに)
ヨナ:「…あ! そういえばロギ、あなたも物語作らなきゃだよ~」
ロギ:(慌てて)「物語?……私、そんなの無理だよ。」
ヨナ:「私と一緒にやればいいよ~」
レオ:「ヨナは文章うまいよ。本もめっちゃ読むし~」
ロギ:「私ほんと無理…」
レオ:「俺も無理~ 俺の方がもっと無理だよ? でもヨナが全部やってくれた~」
ヨナ:「へへ~ 私も先生に教わりながらやってるだけだよ~」
ざわついた空気をまとめるためにパイが口を開く。
「じゃあ、次の物語は私の番! イート、準備して~お願い~」
イートは分かったと手を振る。
ロギはイートが気になって近づこうとするが、また後ろで友だちが叫ぶ。
「王の名のもとに!」
ロギは「ちょっと待って」と言いたかった。
「え、ちょっと待って!」
だが法廷は消え、再びダビの部屋へ戻っていた。
ロギはイートに一言も話せなかったのが、とても残念だ。しょんぼりするロギのそばへパイが来る。
パイ:「ロギ、次の物語は私のだよ! 今度はロギも楽しめたらいいな~」
ロギ:「え? うん…どんな話なの?」
パイ:「みんなで大自然の中を探検する話だよ~」
ロギは、この説明できない状況の中で聞きたいことがたくさんあった。
でも「物語を作らなきゃいけない」という負担がとてつもなく大きく重くのしかかり、
頭の中は物語作りのことでいっぱいになっていった。
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