11 / 12
MORITARIN 11
しおりを挟む
Episode -3 D
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
翌日、ロギは「物語づくり」の問題を解決するため、ヨナと一緒に勉強部屋へ向かう~
先生はヨナとロギを嬉しそうに迎えてくださる。
勉強部屋はいつだって、子どもたちが自由に出入りしても何の問題もない、当たり前の~子どもたちの空間だ。
先生は子どもたちに飲み物とおやつを出してくださり、いっしょに席につく。
ロギは最近起きたすべての神秘的な出来事とともに、今すぐ自分だけの物語を作らなければならないという悩みを打ち明けた。
そうしているうちにロギは、先生が自分の話を信じてくれないのではと怖くなり…顔色をうかがう。
「先生、ほんとなんです! うそじゃないですよ~」
先生は少しも驚いたり疑ったりなさらない。むしろ現状をロギよりもずっと詳しく知っているような様子だ。
「そうよ、うそじゃない~ それに今は物語を組み立てるのが一番の問題よね! 先生が手伝ってあげる~」
ロギは驚いた! 先生はもう全部知っているんだ、と感じた。けれど何を聞けばいいのか分からなかった。
ヨナがノートと鉛筆を取り出す。ノートを開くとすぐに書く準備を整え、ロギを見る。
ヨナ:「ロギ、あなたは何が好き? まず好きなものから言ってみて。」
ロギ:「私が好きなもの! …」\[顎の下で両手を合わせ、考え込む。]
先生は、子どもたちが互いの「好き」を真剣に話し合う姿を愛おしそうに見守っている。
ヨナが熱心にロギとの会話内容を記録していた、その時だった。
ヨナの左腕にはめていた手袋のようなものが、トン、と下へ抜け落ちてしまう。
ロギはびくっとした。手袋が外れたヨナの左腕は、肘から下が…何もなかったからだ。
ヨナ:「あ! 先生、これまた外れちゃいました~」
先生:「うん~ ちょっと待っててね~」
先生は落ち着いてヨナの腕の状態を見てくださる。
擦れたところや皮膚に問題がないかを確認する。
そして義手の内側とヨナの腕の汗を拭き取り、義手をまた装着してくださった。
ロギは目を丸くしている。すると先生が優しい声で話される。
「ヨナは生まれつき、左腕と右足がなかったの~ だからこうやって義手と義足を着けているのよ。」
先生の微笑みには、どこか切なさが宿っているように見えた。ロギは悲しそうな顔で、何も言えなかった。
「先生、ありがとうございます。」ヨナが言った。そしてすぐにまたペンを取る。
先生はヨナの額と頬に何度もキスをされる。
その後もいろいろ話すが、ロギはなかなか物語のテーマを見つけられずにいる。
その時、先生が二人の会話にひとつ質問を投げかけた。
先生:「ロギ、最近うちのロギが一番楽しいって思ったのは何かしら?」
ロギ:「うーん…」(目を閉じて考える)
ヨナ:「物語遊び」
ロギ:「物語遊びも良かったけど…それより。」
ヨナ:「ほか?」
ロギ:「あ! そうだ。」
ヨナ:「あは! ダビ事件?」\[物語まとめ資料の誤配送事件]
ロギ:「ちがう~ 『魔法の子』が一番面白かった。」
ヨナ:「うっ…」
先生はヨナが書いた『魔法の子』のことを知っていた。
「おほほ! うちのヨナが作ったお話が、ロギにはそんなに面白かったのね?」
ヨナの顔が少し赤くなる。「はは…はぁ~…」
照れているヨナを、ロギがじっと見つめる~
「はい、すごく面白くて。私、そのお話の中で、ほんとに何か触ったり、歩き回ったりもしてみたかったです。」
ヨナはまだ照れていて、ロギは自分が感じたことを説明したいのに、表現の仕方が分からない。
先生はヨナとロギに、『魔法の子』の後半を二人で一緒に作ってみるよう勧めた。
ロギの目がきらっと光る。嬉しくなったロギが、ヨナにあれこれ意見を言い始めた。
ロギ:「私は、魔法と話が通じたらいいな。」
ヨナ:「話が通じるって?」
ロギ:「お互いに会話できて、仲良くなれたりしたらいいって思ったの。」
ヨナ:「なるほど! みんなが魔法と会話できる設定!」
ロギ:「ちがう、私だけ!」
ヨナ:「うっ…パイと同じだ~」
ロギ:「パイも魔法と話すの?」
ヨナ:「ちがう。パイは動植物と話すの~ ひとりだけ。」
ロギ:「あっ! 私も動物と話したい。」
ヨナ:「それはパイに許可もらわないと。」
ロギ:「じゃあ…それは次に。」
何か糸口が見えると、ロギとヨナは夢中で想像したことを出し合い、書き留めていき始めた。
そんな子どもたちの純粋な姿が、先生の目にはとても可愛く、愛おしく映る。
-二人は時間が経つのも忘れている。
-3 D END
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
翌日、ロギは「物語づくり」の問題を解決するため、ヨナと一緒に勉強部屋へ向かう~
先生はヨナとロギを嬉しそうに迎えてくださる。
勉強部屋はいつだって、子どもたちが自由に出入りしても何の問題もない、当たり前の~子どもたちの空間だ。
先生は子どもたちに飲み物とおやつを出してくださり、いっしょに席につく。
ロギは最近起きたすべての神秘的な出来事とともに、今すぐ自分だけの物語を作らなければならないという悩みを打ち明けた。
そうしているうちにロギは、先生が自分の話を信じてくれないのではと怖くなり…顔色をうかがう。
「先生、ほんとなんです! うそじゃないですよ~」
先生は少しも驚いたり疑ったりなさらない。むしろ現状をロギよりもずっと詳しく知っているような様子だ。
「そうよ、うそじゃない~ それに今は物語を組み立てるのが一番の問題よね! 先生が手伝ってあげる~」
ロギは驚いた! 先生はもう全部知っているんだ、と感じた。けれど何を聞けばいいのか分からなかった。
ヨナがノートと鉛筆を取り出す。ノートを開くとすぐに書く準備を整え、ロギを見る。
ヨナ:「ロギ、あなたは何が好き? まず好きなものから言ってみて。」
ロギ:「私が好きなもの! …」\[顎の下で両手を合わせ、考え込む。]
先生は、子どもたちが互いの「好き」を真剣に話し合う姿を愛おしそうに見守っている。
ヨナが熱心にロギとの会話内容を記録していた、その時だった。
ヨナの左腕にはめていた手袋のようなものが、トン、と下へ抜け落ちてしまう。
ロギはびくっとした。手袋が外れたヨナの左腕は、肘から下が…何もなかったからだ。
ヨナ:「あ! 先生、これまた外れちゃいました~」
先生:「うん~ ちょっと待っててね~」
先生は落ち着いてヨナの腕の状態を見てくださる。
擦れたところや皮膚に問題がないかを確認する。
そして義手の内側とヨナの腕の汗を拭き取り、義手をまた装着してくださった。
ロギは目を丸くしている。すると先生が優しい声で話される。
「ヨナは生まれつき、左腕と右足がなかったの~ だからこうやって義手と義足を着けているのよ。」
先生の微笑みには、どこか切なさが宿っているように見えた。ロギは悲しそうな顔で、何も言えなかった。
「先生、ありがとうございます。」ヨナが言った。そしてすぐにまたペンを取る。
先生はヨナの額と頬に何度もキスをされる。
その後もいろいろ話すが、ロギはなかなか物語のテーマを見つけられずにいる。
その時、先生が二人の会話にひとつ質問を投げかけた。
先生:「ロギ、最近うちのロギが一番楽しいって思ったのは何かしら?」
ロギ:「うーん…」(目を閉じて考える)
ヨナ:「物語遊び」
ロギ:「物語遊びも良かったけど…それより。」
ヨナ:「ほか?」
ロギ:「あ! そうだ。」
ヨナ:「あは! ダビ事件?」\[物語まとめ資料の誤配送事件]
ロギ:「ちがう~ 『魔法の子』が一番面白かった。」
ヨナ:「うっ…」
先生はヨナが書いた『魔法の子』のことを知っていた。
「おほほ! うちのヨナが作ったお話が、ロギにはそんなに面白かったのね?」
ヨナの顔が少し赤くなる。「はは…はぁ~…」
照れているヨナを、ロギがじっと見つめる~
「はい、すごく面白くて。私、そのお話の中で、ほんとに何か触ったり、歩き回ったりもしてみたかったです。」
ヨナはまだ照れていて、ロギは自分が感じたことを説明したいのに、表現の仕方が分からない。
先生はヨナとロギに、『魔法の子』の後半を二人で一緒に作ってみるよう勧めた。
ロギの目がきらっと光る。嬉しくなったロギが、ヨナにあれこれ意見を言い始めた。
ロギ:「私は、魔法と話が通じたらいいな。」
ヨナ:「話が通じるって?」
ロギ:「お互いに会話できて、仲良くなれたりしたらいいって思ったの。」
ヨナ:「なるほど! みんなが魔法と会話できる設定!」
ロギ:「ちがう、私だけ!」
ヨナ:「うっ…パイと同じだ~」
ロギ:「パイも魔法と話すの?」
ヨナ:「ちがう。パイは動植物と話すの~ ひとりだけ。」
ロギ:「あっ! 私も動物と話したい。」
ヨナ:「それはパイに許可もらわないと。」
ロギ:「じゃあ…それは次に。」
何か糸口が見えると、ロギとヨナは夢中で想像したことを出し合い、書き留めていき始めた。
そんな子どもたちの純粋な姿が、先生の目にはとても可愛く、愛おしく映る。
-二人は時間が経つのも忘れている。
-3 D END
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる