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剣舞のあとで①
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蜂の攻撃を剣を振るって蹴散らし、この世界での 見なし友人第一号であるヘルメスを何とか守ることができた。
俺は ほっとするとともに、己の剣を活かすことへの手ごたえを感じ、この世界で生きていくための突破口が見えた気がしたのだった。
別邸のお母さま、この調子で俺がんばるよ!
偶然襲ってきた蜂は撃退したことだし、そのまま訓練続行だろうと思った俺は、皆に守られ囲まれているヘルメスに 俺も訓練に混ぜてもらって、剣での対魔法訓練をさせてもらえないか聞いてみるつもりだった。
だけど気づくとレオポルドとアレクシスが俺の手を取っていた。
二人ともヘルメスにお暇の挨拶をさらりとすると、俺が口を挟む隙もなく、さっさと侯爵家の馬車に乗り込み、帰ることになってしまったのだった・・・。せっかくの剣の訓練のチャンスが…無念。
そして今、馬車の中で、レオポルドとアレクシスから絶賛お説教中の俺である…
「カイン、僕とアレクが怒っている理由、分かってる?」
俺の向かいに座って腕を組んだレオポルドが、底冷えするような声で俺に問いかけた。
ひたりと俺を捉える その視線の奥に暴風が吹き荒れているのが見える。
声音は決して荒げているわけでなく、むしろ淡々としているのに、震えるほどに恐ろしい。
え、8歳の子供だよね、何この威圧感・・・。
「…ハイ。」
おれは、圧力に耐えかねて、ひざに置いた両の手をぎゅっと握りこむと、つい顔を伏せてしまった。
すると、つ とレオポルドの手が伸びてきて、指であごを掬われてしまった。
急に顔をあげさせられて、首がぐきっとした。このパターン、二回目である。
びっくりして見上げると、上からかぶさるように見つめるレオポルドの顔が飛び込んできた。
けぶるような金色のまつ毛の奥から覗く 極寒の海のような冷たい瞳に、強張った俺の顔が映っている。
息がかかるほどの近い距離に、俺は思わずごくりと唾をのむ。
・・・めちゃくちゃ怒っていらっしゃる。
「カインは魔力がないのに、魔物の前に突っ込んでいって…。
僕とアレクがどれだけ心配したか分かってる?」
常に冷静で、泰然とした佇まいの貴公子であるレオポルドからは想像もつかないほどの苛烈さだった。
とてもではないが、ヘルメスを助けたかったからとか、俺の言い分を主張できるような空気ではなかった。
俺はあまりの恐ろしさに涙目になって、カクカクと首を縦に振るしかできなかった。
「それに、不用意な行動からもし魔眼がばれたら、カインはここにいられなくなるかもしれないんだよ?
そんなこと、ぜったいにダメだろう・・・?」
顎にかかったレオポルドの指にこもる力は次第に増してくるのに反し、ささやくようなその声音はいっそ優しくて。
前世はひたすらに剣を振るい、今世ではのほほんと、ただ単純に暮らしてきた俺にとって、この状況は正に未知との遭遇だった。
苦しいほど濃密な空気に満たされた馬車の中、俺は混乱して目を閉じて耐えるのに精いっぱいだった。
俺は ほっとするとともに、己の剣を活かすことへの手ごたえを感じ、この世界で生きていくための突破口が見えた気がしたのだった。
別邸のお母さま、この調子で俺がんばるよ!
偶然襲ってきた蜂は撃退したことだし、そのまま訓練続行だろうと思った俺は、皆に守られ囲まれているヘルメスに 俺も訓練に混ぜてもらって、剣での対魔法訓練をさせてもらえないか聞いてみるつもりだった。
だけど気づくとレオポルドとアレクシスが俺の手を取っていた。
二人ともヘルメスにお暇の挨拶をさらりとすると、俺が口を挟む隙もなく、さっさと侯爵家の馬車に乗り込み、帰ることになってしまったのだった・・・。せっかくの剣の訓練のチャンスが…無念。
そして今、馬車の中で、レオポルドとアレクシスから絶賛お説教中の俺である…
「カイン、僕とアレクが怒っている理由、分かってる?」
俺の向かいに座って腕を組んだレオポルドが、底冷えするような声で俺に問いかけた。
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声音は決して荒げているわけでなく、むしろ淡々としているのに、震えるほどに恐ろしい。
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おれは、圧力に耐えかねて、ひざに置いた両の手をぎゅっと握りこむと、つい顔を伏せてしまった。
すると、つ とレオポルドの手が伸びてきて、指であごを掬われてしまった。
急に顔をあげさせられて、首がぐきっとした。このパターン、二回目である。
びっくりして見上げると、上からかぶさるように見つめるレオポルドの顔が飛び込んできた。
けぶるような金色のまつ毛の奥から覗く 極寒の海のような冷たい瞳に、強張った俺の顔が映っている。
息がかかるほどの近い距離に、俺は思わずごくりと唾をのむ。
・・・めちゃくちゃ怒っていらっしゃる。
「カインは魔力がないのに、魔物の前に突っ込んでいって…。
僕とアレクがどれだけ心配したか分かってる?」
常に冷静で、泰然とした佇まいの貴公子であるレオポルドからは想像もつかないほどの苛烈さだった。
とてもではないが、ヘルメスを助けたかったからとか、俺の言い分を主張できるような空気ではなかった。
俺はあまりの恐ろしさに涙目になって、カクカクと首を縦に振るしかできなかった。
「それに、不用意な行動からもし魔眼がばれたら、カインはここにいられなくなるかもしれないんだよ?
そんなこと、ぜったいにダメだろう・・・?」
顎にかかったレオポルドの指にこもる力は次第に増してくるのに反し、ささやくようなその声音はいっそ優しくて。
前世はひたすらに剣を振るい、今世ではのほほんと、ただ単純に暮らしてきた俺にとって、この状況は正に未知との遭遇だった。
苦しいほど濃密な空気に満たされた馬車の中、俺は混乱して目を閉じて耐えるのに精いっぱいだった。
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