11 / 40
運が悪い男2
しおりを挟む
「まあ、ともかく山岸は京極に捕まったんだ。これ以上詳しいことは俺もわからないし、話せるのはここまでだ。でももしかしたら、そのうちニュースにでもなるかもな。」
「なんだか意味深ね。とっても気になる!・・・でもいいわ、あまり聞かないでいてあげる。」
雪穂はそう言って、軽やかに地雷を避けた。
「ところで、これまでずっと止まってたあの薬、やっと認可される見通しなのよね?
特措法が成立してようやく。仕方がないけれど時間かかったわよねぇ。」
おれは雪穂の言う それを複雑な思いを抱きながら聞いた。
「ああ、いろいろ絡んでなかなか大変だったみたいだぞ。
治療期間中の患者に不慮の番事故が起こらないよう貞操帯の装着義務を課すのは人権に引っかかったみたいだ。結局任意になった。
かといって何かおこった場合、先天性Ωの事故みたいに装着義務違反でのαからの契約解除を認めるわけにもいかない。結局それしかなかったって事だ。」
「でも、これまでぽつぽつあった突発性Ωの番事故の問題も一気に解決ね。」
雪穂がそういうのを受けて俺も頷いた。
「ああ。もともと後天性Ωにちゃんとした セーフティネットが無かったのに問題があったんだ。これまでは番契約の解除は道義的にゆるされないってだけだったからなぁ。番続行が推奨されるだけで拘束力はなかった。
新薬がきっかけで法制度化できて良かったんじゃないか?」
それは、セーフティネットなのか、捕らえるための網なのか。
友人を頭に浮かべながら、そんなことを思う浦田。
幼馴染の二人の夜は更けていった。
「なんだか意味深ね。とっても気になる!・・・でもいいわ、あまり聞かないでいてあげる。」
雪穂はそう言って、軽やかに地雷を避けた。
「ところで、これまでずっと止まってたあの薬、やっと認可される見通しなのよね?
特措法が成立してようやく。仕方がないけれど時間かかったわよねぇ。」
おれは雪穂の言う それを複雑な思いを抱きながら聞いた。
「ああ、いろいろ絡んでなかなか大変だったみたいだぞ。
治療期間中の患者に不慮の番事故が起こらないよう貞操帯の装着義務を課すのは人権に引っかかったみたいだ。結局任意になった。
かといって何かおこった場合、先天性Ωの事故みたいに装着義務違反でのαからの契約解除を認めるわけにもいかない。結局それしかなかったって事だ。」
「でも、これまでぽつぽつあった突発性Ωの番事故の問題も一気に解決ね。」
雪穂がそういうのを受けて俺も頷いた。
「ああ。もともと後天性Ωにちゃんとした セーフティネットが無かったのに問題があったんだ。これまでは番契約の解除は道義的にゆるされないってだけだったからなぁ。番続行が推奨されるだけで拘束力はなかった。
新薬がきっかけで法制度化できて良かったんじゃないか?」
それは、セーフティネットなのか、捕らえるための網なのか。
友人を頭に浮かべながら、そんなことを思う浦田。
幼馴染の二人の夜は更けていった。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
1,327
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる