9 / 16
9
しおりを挟む
「おい、この俺をいったいどうするつもりだ」
「おやおや、まだわからないのかい。恋の恨みと言うのは、たいそう恐ろしいものなんだよ。だから僕は君を、ここに閉じ込めておくことにしたんだ。それも一生ね」
「一生? そんなのは無理だ」
「無理かどうかは、やってみないとわからないね」
「……ここは、どこだ?」
「そんな大事なこと、君に教えるはずがないだろう。たとえ知ったとしても、逃げられないから関係ないと言えば関係ないけどね。その鎖は、たとえ牛が暴れたとしても切れないほどの強度がある。人間では何をどうやっても、なんとかなるような代物じゃないよ」
そう言うと、宇崎は出て行った。
やつが去った後、俺は声の限りに叫んだ。
「誰かーーっ! 助けてくれーーっ!」
朝なのか?
とにかく目覚めた。
何せ窓がないからわからない。
時計もないのだ。
座り込み、どうしたもんかと思案していると、ドアが開き、小さな台車を押しながら宇崎が入って来た。
俺はなにか言おうとして、自分の喉がかすれてしまっていることに気付いた。
「おやおや、どうやらけっこう長い時間騒いでいたみたいだね。ご苦労なことだ。騒ぎたいんなら、好きなだけ騒ぐといいよい。たとえどんない大きな声を出したとしても、人間の声が外まで届くことはないから」
「おやおや、まだわからないのかい。恋の恨みと言うのは、たいそう恐ろしいものなんだよ。だから僕は君を、ここに閉じ込めておくことにしたんだ。それも一生ね」
「一生? そんなのは無理だ」
「無理かどうかは、やってみないとわからないね」
「……ここは、どこだ?」
「そんな大事なこと、君に教えるはずがないだろう。たとえ知ったとしても、逃げられないから関係ないと言えば関係ないけどね。その鎖は、たとえ牛が暴れたとしても切れないほどの強度がある。人間では何をどうやっても、なんとかなるような代物じゃないよ」
そう言うと、宇崎は出て行った。
やつが去った後、俺は声の限りに叫んだ。
「誰かーーっ! 助けてくれーーっ!」
朝なのか?
とにかく目覚めた。
何せ窓がないからわからない。
時計もないのだ。
座り込み、どうしたもんかと思案していると、ドアが開き、小さな台車を押しながら宇崎が入って来た。
俺はなにか言おうとして、自分の喉がかすれてしまっていることに気付いた。
「おやおや、どうやらけっこう長い時間騒いでいたみたいだね。ご苦労なことだ。騒ぎたいんなら、好きなだけ騒ぐといいよい。たとえどんない大きな声を出したとしても、人間の声が外まで届くことはないから」
0
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる