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刑事が言った。
「ちょっとお聞きしたいことがありまして」
「はい、いいですよ」
「ゆうべのことなんですが、何か見たり聞いたりしませんでしたか。どんな些細なことでもいいですから」
雨宮はゆうべ見聞きしたことを全部言った。
その間、刑事は黙ってきていたが、最初はするどかった目が途中から弱弱しくなり、雨宮に興味をなくしたかのように変化していった。
雨宮がしゃべり終えると刑事が言った。
「そうですか。お手数おかけしました」
それだけ言うと、刑事は立ち去った。
権藤とまだ若い刑事が歩いている。
若い刑事が声をかけた。
「権藤さん、もう終わりですか?」
「終わりだ」
「でもいくらなんでも早くはないですか。あの人の家のまん前で、事件が起こっているんですよ」
「おまえも聞いたろう。あそこの住人が全員同じことを言っている。音を聞いた後も、ブロック塀にへばりついた死体しか見ていないと。音を聞いてからすぐに窓から外を見た者、すぐに家から飛び出したやつが数人いるが、これもおまえがさっき聞いたとおりだ」
「それじゃあ犯人はどうやって殺したんですかね」
「それがわからん。検死官の話では、人の力であれほどまでに強く人間を叩きつけるなんてことは不可能だ。何かの機械を使ったとしても、そんなものは見たことも聞いたこともない。仮にあったとしても、誰にも気付かれずに静かな夜の住宅街にそんなものを運び込んで、男を殺した後にあっという間に持ち去るなんてことができるとは、とうてい思えないな」
「じゃあどうするんですか?」
「様子見だな」
「様子見?」
「ちょっとお聞きしたいことがありまして」
「はい、いいですよ」
「ゆうべのことなんですが、何か見たり聞いたりしませんでしたか。どんな些細なことでもいいですから」
雨宮はゆうべ見聞きしたことを全部言った。
その間、刑事は黙ってきていたが、最初はするどかった目が途中から弱弱しくなり、雨宮に興味をなくしたかのように変化していった。
雨宮がしゃべり終えると刑事が言った。
「そうですか。お手数おかけしました」
それだけ言うと、刑事は立ち去った。
権藤とまだ若い刑事が歩いている。
若い刑事が声をかけた。
「権藤さん、もう終わりですか?」
「終わりだ」
「でもいくらなんでも早くはないですか。あの人の家のまん前で、事件が起こっているんですよ」
「おまえも聞いたろう。あそこの住人が全員同じことを言っている。音を聞いた後も、ブロック塀にへばりついた死体しか見ていないと。音を聞いてからすぐに窓から外を見た者、すぐに家から飛び出したやつが数人いるが、これもおまえがさっき聞いたとおりだ」
「それじゃあ犯人はどうやって殺したんですかね」
「それがわからん。検死官の話では、人の力であれほどまでに強く人間を叩きつけるなんてことは不可能だ。何かの機械を使ったとしても、そんなものは見たことも聞いたこともない。仮にあったとしても、誰にも気付かれずに静かな夜の住宅街にそんなものを運び込んで、男を殺した後にあっという間に持ち去るなんてことができるとは、とうてい思えないな」
「じゃあどうするんですか?」
「様子見だな」
「様子見?」
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