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小峠はその様子を黙って見ていたが、待つのが嫌だったようで、大道に声をかけてきた。
「おい、どうした」
大道が言った。
「ひょっとすると、殴られるのが怖かったのではなく、殴ったものが怖かったんじゃないでしょうか」
「……」
小峠はしばらく呆けていたが、やがて言った。
「なるほど。そうかもしてんな。それは気がつかなかったぜ、うん、貴重な意見だ。貴重な意見だが……」
「だが?」
「この事件も迷宮入りだ」
「でしょうね」
「まったく。顔見知りの刑事が殺されたと言うのに、捜査初日で迷宮入り確定だなんて、前代未聞だぜ」
「確かに」
小峠は頭をぼりぼりかくと、身を乗り出してきた。
「ところで、おまえさんはどうする?」
「どうする……とは?」
「取材だよ」
大道は小峠の言っている意味がわかった。
「ああ、少女ですか。もちろん二度と近づきませんよ」
「それがいいだろう。命は一つしかないからな」
小峠は携帯灰皿を取り出して、タバコに火をつけた。
「それにどうせ、この事件の本は出せないんだろう」
「いや、出せますよ」
「えっ、出すのか。解決しないのに」
「解決しなくとも、真相が書けなくても、本にすることは出来ますよ。憶測を入れたり、なんやかんやで」
小峠はタバコを口にくわえたが、すぐにはなして言った。
「なんやかんやか。まあそれなら、おまえさんお今までの苦労も無駄ではなかったということになるのかな。それならよかったじゃないか」
「心配してくれてたんですか?」
「俺だって自分の苦労が報われなかったら、嫌だからな。おまえさんも同じだろう」
「そうですね」
小峠はタバコを深く吸い込むと、一気に吐き出した。
「おい、どうした」
大道が言った。
「ひょっとすると、殴られるのが怖かったのではなく、殴ったものが怖かったんじゃないでしょうか」
「……」
小峠はしばらく呆けていたが、やがて言った。
「なるほど。そうかもしてんな。それは気がつかなかったぜ、うん、貴重な意見だ。貴重な意見だが……」
「だが?」
「この事件も迷宮入りだ」
「でしょうね」
「まったく。顔見知りの刑事が殺されたと言うのに、捜査初日で迷宮入り確定だなんて、前代未聞だぜ」
「確かに」
小峠は頭をぼりぼりかくと、身を乗り出してきた。
「ところで、おまえさんはどうする?」
「どうする……とは?」
「取材だよ」
大道は小峠の言っている意味がわかった。
「ああ、少女ですか。もちろん二度と近づきませんよ」
「それがいいだろう。命は一つしかないからな」
小峠は携帯灰皿を取り出して、タバコに火をつけた。
「それにどうせ、この事件の本は出せないんだろう」
「いや、出せますよ」
「えっ、出すのか。解決しないのに」
「解決しなくとも、真相が書けなくても、本にすることは出来ますよ。憶測を入れたり、なんやかんやで」
小峠はタバコを口にくわえたが、すぐにはなして言った。
「なんやかんやか。まあそれなら、おまえさんお今までの苦労も無駄ではなかったということになるのかな。それならよかったじゃないか」
「心配してくれてたんですか?」
「俺だって自分の苦労が報われなかったら、嫌だからな。おまえさんも同じだろう」
「そうですね」
小峠はタバコを深く吸い込むと、一気に吐き出した。
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