神楽咲く

ツヨシ

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巡査が仲間を数名引き連れて戻ってみると、そこには胸を中心に上半身の多くが消失している女の遺体があるだけだった。
 
 
夜、円羅真空(えんら まくう)がテレビをつけると、ニュースが始まった。

トップニュースは女が動物ではなく、人間に食い殺されたと言う猟奇事件だった。

昨夜未明のことだから、おそらく朝からやっているニュースなのだろう。

それも犯行現場はどこかの倉庫であると言う事だ。

――倉庫?

殺人犯が被害者を喰うという話は、まれにだがある。

ただそのほとんどは犯人の自宅で行われており、倉庫などと言う家としての概念がない他人の土地で人を喰うなどという事件は、円羅は聞いたことが無かった。

――何か悪い前触れでなければよいのだが。

円羅は自分のカンがよく当たることを知っていた。

それも悪いほうが特に。

――もう寝てしまおう。

円羅は無理やりにでも寝てしまうことにした。
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