神楽咲く

ツヨシ

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顔の一部を覆うコリント式兜をもってしても、女の美しさを隠せないでいた。

女がもう一度言った。

「逃げなさい」

その言葉を聞いた巡査は、弾かれるように走り出した。

女は巡査を見送ると、吸血鬼のような男に言った。

「食事中のところ、邪魔して悪かったわね」

「おまえ誰だ」

「でも食事なんてもう必要ないのよ。あなたは今ここで死ぬのだから」

 それを聞いた怪人が動いた。

一瞬の間に女の前に移動すると、その両肩を掴み、そのまま首にかぶりつこうとした。

が、女が手にしていた日本刀がくるりと回った。

そいつの動きが止まった。

女が軽く押すと、そいつの首がころりと落ち、その身体もゆっくりと倒れた。

女は倒れた怪人に手をかざした。

「ハッ!」

すると怪人の体が炎のようなものに包まれた。

ただその形状や動きは炎に似ていたが、その色は紫であった。

紫の炎はしばらく燃えていたが、やがて消えた。

すると倒れていた怪人の身体も跡形も無く消え去っていた。

女は血まみれで倒れている女を見たが、やがて小さく呟いた。

「目撃者がいるから、あれは今更どうしようもないわね」

女はそのまま倉庫を後にすると、闇の中に姿を消した。
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