神楽咲く

ツヨシ

文字の大きさ
3 / 27

3

しおりを挟む
つまり眼球に当たった筈なのに、まるで鋼鉄にでも当たったかのようにひしゃげてしまったのだ。

そいつは何事も無かったかの、ようにそのまま真っ直ぐ歩いて来る。

巡査の恐怖はピークに達した。

その時である。

「逃げなさい」

若い女の声だった。

振り返るとそこには奇妙な格好の女が立っていた。

一言で言えば、着物を着た女性である。

しかし紫をベースとしたその着物には下袖がなく、身丈が短くて健康的な太ももがほとんどあらわになっていた。

帯ではなく帯締めのようなもので締めており、それが結構長い。

そして一応和式の服に反発するかのように、頭は古代ギリシャで使用されたコリント式兜に似たものを被っていた。

コリント式兜は後頭部が丸く、その上にモヒカンのような飾りがつき、眉間から鼻当てが伸びている兜である。

手には中世ヨーロッパで使われたガントレットと呼ばれる手甲に似たものが装着されており、膝から下は同じく中世ヨーロッパで使用されていたゴシック式の装甲で覆われていた。

巡査は西洋の武器防具のマニアだったため、それらが全てわかった。

そしてその女が手にしているものは、刃渡りが長めではあるが、どう見ても日本刀だった。

異様な出で立ちに目を奪われていた巡査は、ようやく女の顔を見た。

黒髪で、驚異的と言っても決しておおげさではないほどの美人だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

烏の王と宵の花嫁

水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。 唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。 その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。 ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。 死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。 ※初出2024年7月

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

その出会い、運命につき。

あさの紅茶
恋愛
背が高いことがコンプレックスの平野つばさが働く薬局に、つばさよりも背の高い胡桃洋平がやってきた。かっこよかったなと思っていたところ、雨の日にまさかの再会。そしてご飯を食べに行くことに。知れば知るほど彼を好きになってしまうつばさ。そんなある日、洋平と背の低い可愛らしい女性が歩いているところを偶然目撃。しかもその女性の名字も“胡桃”だった。つばさの恋はまさか不倫?!悩むつばさに洋平から次のお誘いが……。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...