神楽咲く

ツヨシ

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「どこ行くの」

「晩飯食べてくる」

「そう、行ってらっしゃい」

「君は食べないのか」

「食べないことは無いわ。味を楽しむためにね。でも食べなくても平気なの。食事なんて百年くらいしていないわ」

「そう」

「それじゃあ、おやすみなさい」

言い終わるやいなや、神楽は寝息をたてはじめた。寝顔は起きているときにも増して美しかった。

――これからどうなることやら。

円羅はさすがに不安を覚えた。当然のことだ。


「おはよう」

いきなり起こされた。

目を開けると神楽が正座をして円羅を覗き込んでいた。

もう少しでキスが出来そうなほどに、顔が近かった。

思わず顔をそむけると、そこには肉欲をそそるふとももがあった。

「どうした。まだ早いじゃないか」
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