神楽咲く

ツヨシ

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そのまま地面に激突するかと思われたが、直前で急ブレーキがかかり、地面にはゆっくりと着地した。

円羅は辺りを見回した。

何処かの田舎だということはわかるが、何処の田舎なのかはわからなかった。

「此処は何処だ」

「ちょっと待っててね」

神楽は空高く飛び上がると、そのまま行ってしまった。

「何なんだい、いったい」

仕方が無いのでその場で待っていると、神楽が帰ってきた。

その手には何かを抱えていた。

「お土産よ」

神楽は宙に浮かんだまま、そいつを無造作に放り投げた。

足が一本で手が三本のミイラみたいな奴。

そいつは最初きょろきょろと辺りを見回していたが、やがて円羅に目を留めた。

そして襲ってきた。

円羅はフレイルを振り回したが、そいつに掴まれてしまった。

円羅は力任せに引いたが、びくともしなかった。

しかしフレイルは一本の棒ではない。

曲がるのだ。

円羅はもう一方の棒の先で、そいつを思いっきり突いた。

それはそいつの鼻の辺りに当たった。
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