龍神様はここにいる

ツヨシ

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あちらこちらから何かを叫ぶ声が聞こえます。

どうやら龍神様が来ることを、村のみんなに知らせているようです。

いつの間にか父が横に立っていました。

「俺も行ってくる」

酔ってふらつきながらも、父はそのまま出て行きました。

その間も叫ぶ大きな声が幾つも飛び交っていました。

気付けば車が走り回っています。

二台。

私よりも年下の子供たちを集めているようです。

ひっきりなしに叫ぶ大きな声。

走り回る車。

そして二台の車はそのまま南へと向かい、山の中に入って行きました。

しばらくすると父が帰って来ました。

「子供たちを集めて、とりあえず非難させた」

「それがいいよ。龍神様は子供を喰うからね」

「わかるのか?」

「動物の本能に近いけど、ちゃんと意志を持っているからね」

「そうか。で、今、何処にいる?」

私は前方を指差しました。

私が指を指すのを待っていたかのように、龍神様がその姿を現しました。
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