上 下
30 / 67

30

しおりを挟む
「その前にやるべきことがある」

「それはなんだ?」

「封印の風穴」

「封印の風穴?」

「封印の風穴だ。まああやかし斬りには違いないんだが、最終試練と言ったところか」

「最終試練? 面白そうじゃねえか。いつやるんだ?」

「ちょっと待て。いろいろとあるが、そんなには長くはないだろう」

「よっしゃあ。一日も早くやりたいけど、しょうがない。待つぜ」

「そうしてくれ。それじゃあお二方、これで失礼します」

二人に頭を下げると、私は魁斗を連れて神社を後にした。


翌日、私は神社に出向き、青柳に会った。

「で、話ってなんだ、飛燕」

「今度、魁斗が封印の風穴に入るだろう」

「ああ、入るな」

「そこに紫苑も連れて行ってもらいたいんだ」

「紫苑? まだ修行が終わっていないが」
しおりを挟む

処理中です...