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しかし桜井は大場を信じることにした。
若いが真っすぐで強い目をしている。
一途で迷いのない目だ。
おそらくびらんを見ても、その気持ちに揺るぎはないだろう。
桜井はそう思った。
本部が電話を切ってからしばらくすると、また本部から連絡が入った。
「もしもし」
「ああ本部だ。桜井さん、急な話だが、明日びらんを封印するぞ」
「明日ですか」
確かに急な話だ。
封印の準備は整ったのだろうか。
考えていると本部が言った。
「全員の前にびらんがそのすがたを見せた。それでもみな、びらんの封印を躊躇していない。期は満ちた。無駄に間を開けることなく明日なら、みな本来の力を発揮してくれることだろう。だから明日やる。それが一番いい」
「封印の準備は整ったのですか?」
「五人の気が高まったとき、それが封印の準備が整った時だ」
「わかりました」
「それじゃ、明日正午に迎えに行く」
「はい、待ってます」
電話は切られた。
桜井は明日仕事があるが、適当な理由をつけて休むことにした。
桜井が明日のことを考えていると、スマホが鳴った。
見れば大場さやからだ。
お互い一応連絡先を交換していたが、今まで一度も連絡を取り合ったことはなかった。
出ると大場が言った。
「もしもし桜井さん」
「どうした」
「実はびらんが出てきたの」
「知っている。五人全員の前に出た」
「あんなに気味の悪い姿をしていたなんて」
「確かに気味の悪い姿をしているな。それで大場さんは大丈夫?」
「大丈夫? なんのことですか」
「いや、びらんを実際に見て怖くなったとか」
「そんなことがあるわけがないわ。あいつは姉の仇なのよ。姿は確かに気味が悪かったけど、見た時に怒りと憎しみしかわいてこなかったわ。明日必ず私の手で封印してやるわ」
当然だが、大場も本部から明日封印することを聞いたのだ。
「うん、そうだ。私も妹の仇だ。絶対に封印してやるさ」
「そうよ、桜井さん。必ず封印しましょうね」
「出来たら封印ではなくて、消滅させたいんだけど」
「同感だわ。でもそれは無理だって言われたんだけど」
桜井は笑った。
桜井も本部にびらんを消滅させたいと言ったら、びらんの霊力が強すぎて無理だと言われていたのだ。
大場にも同じことを言っていたなんて。
「私も本部さんに同じことを言ったら、無理だと言われたよ」
「あら」
大場は笑い出した。
ころころと。
桜井もまた笑った。
二人でしばらく笑った後で桜井が言った。
「明日びらんを必ず封印しよう」
「もちろんよ、桜井さん。あいつを必ず封印しましょうね」
「二度とこの世に出てこれないようにね」
大場がまた笑い、桜井も笑った。
そして桜井が言った。
「それじゃあ、明日必ず」
「それじゃあ」
「はい、それでは」
電話は切られた。
大場と話をしていると、桜井の疲れた心が少しだけ癒された。
桜井が待っていると、正午きっかりに呼び鈴が鳴らされた。
でるとやはり本部だった。
「それじゃあ、行くぞ」
部屋を出て駐車場に行くと、本部が指さす車の運転席に中年の男がいた。
そして後部座席には若い男が。
この二人がかつてびらんを封印した男の息子と孫なのだろう。
桜井はそう思った。
車に着くと本部が言った。
「運転席にいるのが昔びらんを封印した男の息子、草野正司だ。そして後ろにいるのが草野の息子、信一だ」
桜井の予想通りだ。
若いが真っすぐで強い目をしている。
一途で迷いのない目だ。
おそらくびらんを見ても、その気持ちに揺るぎはないだろう。
桜井はそう思った。
本部が電話を切ってからしばらくすると、また本部から連絡が入った。
「もしもし」
「ああ本部だ。桜井さん、急な話だが、明日びらんを封印するぞ」
「明日ですか」
確かに急な話だ。
封印の準備は整ったのだろうか。
考えていると本部が言った。
「全員の前にびらんがそのすがたを見せた。それでもみな、びらんの封印を躊躇していない。期は満ちた。無駄に間を開けることなく明日なら、みな本来の力を発揮してくれることだろう。だから明日やる。それが一番いい」
「封印の準備は整ったのですか?」
「五人の気が高まったとき、それが封印の準備が整った時だ」
「わかりました」
「それじゃ、明日正午に迎えに行く」
「はい、待ってます」
電話は切られた。
桜井は明日仕事があるが、適当な理由をつけて休むことにした。
桜井が明日のことを考えていると、スマホが鳴った。
見れば大場さやからだ。
お互い一応連絡先を交換していたが、今まで一度も連絡を取り合ったことはなかった。
出ると大場が言った。
「もしもし桜井さん」
「どうした」
「実はびらんが出てきたの」
「知っている。五人全員の前に出た」
「あんなに気味の悪い姿をしていたなんて」
「確かに気味の悪い姿をしているな。それで大場さんは大丈夫?」
「大丈夫? なんのことですか」
「いや、びらんを実際に見て怖くなったとか」
「そんなことがあるわけがないわ。あいつは姉の仇なのよ。姿は確かに気味が悪かったけど、見た時に怒りと憎しみしかわいてこなかったわ。明日必ず私の手で封印してやるわ」
当然だが、大場も本部から明日封印することを聞いたのだ。
「うん、そうだ。私も妹の仇だ。絶対に封印してやるさ」
「そうよ、桜井さん。必ず封印しましょうね」
「出来たら封印ではなくて、消滅させたいんだけど」
「同感だわ。でもそれは無理だって言われたんだけど」
桜井は笑った。
桜井も本部にびらんを消滅させたいと言ったら、びらんの霊力が強すぎて無理だと言われていたのだ。
大場にも同じことを言っていたなんて。
「私も本部さんに同じことを言ったら、無理だと言われたよ」
「あら」
大場は笑い出した。
ころころと。
桜井もまた笑った。
二人でしばらく笑った後で桜井が言った。
「明日びらんを必ず封印しよう」
「もちろんよ、桜井さん。あいつを必ず封印しましょうね」
「二度とこの世に出てこれないようにね」
大場がまた笑い、桜井も笑った。
そして桜井が言った。
「それじゃあ、明日必ず」
「それじゃあ」
「はい、それでは」
電話は切られた。
大場と話をしていると、桜井の疲れた心が少しだけ癒された。
桜井が待っていると、正午きっかりに呼び鈴が鳴らされた。
でるとやはり本部だった。
「それじゃあ、行くぞ」
部屋を出て駐車場に行くと、本部が指さす車の運転席に中年の男がいた。
そして後部座席には若い男が。
この二人がかつてびらんを封印した男の息子と孫なのだろう。
桜井はそう思った。
車に着くと本部が言った。
「運転席にいるのが昔びらんを封印した男の息子、草野正司だ。そして後ろにいるのが草野の息子、信一だ」
桜井の予想通りだ。
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