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住宅街の奥まったところにある道。
近所の人、それも限られた人以外はまず通らない道。
そんな利用者数が絶対的に少ない場所で、一つの噂が立った。
キュッキュッ。
最初に聞いたときには、一体何のことやらさっぱりわからなかったが、どうやら靴音のようだ。
澤部さんところの小学生の女の子が聞いたと言う。
「夕方に家に帰ろうとしたら、キュッキュッと小さな子供が歩いているような足音がはっきりと聞こえたんだけど、なんにも見えなかった」と。
聞いたのは幸田さんの家の前だと言うことだ。
幸田さんは先月末に奥さんが、心の臓の病で急死していた。
なんの前触れもなかったそうだ。
今は旦那さんが一人で住んでいる。
子供は四歳の女の子がいたが、二十年ほど前に不幸な事故にあい、そのまま帰らぬ人となっていた。
かく言う私の家は、西隣が幸田さんの家で、二軒東が澤部さんの家だ。
「キュッキュッねえ。そういえば真美ちゃんがいつもそんな音のする靴を履いていたわねえ」
母がそう言う。
私は二十年前にはまだ生まれていなかったので、当然のことながら真美ちゃんという女の子は見たことがない。
そんなある日の夕方のこと。
暇を持て余していた私は、ふと外に出てみようと思いついた。
近所の人、それも限られた人以外はまず通らない道。
そんな利用者数が絶対的に少ない場所で、一つの噂が立った。
キュッキュッ。
最初に聞いたときには、一体何のことやらさっぱりわからなかったが、どうやら靴音のようだ。
澤部さんところの小学生の女の子が聞いたと言う。
「夕方に家に帰ろうとしたら、キュッキュッと小さな子供が歩いているような足音がはっきりと聞こえたんだけど、なんにも見えなかった」と。
聞いたのは幸田さんの家の前だと言うことだ。
幸田さんは先月末に奥さんが、心の臓の病で急死していた。
なんの前触れもなかったそうだ。
今は旦那さんが一人で住んでいる。
子供は四歳の女の子がいたが、二十年ほど前に不幸な事故にあい、そのまま帰らぬ人となっていた。
かく言う私の家は、西隣が幸田さんの家で、二軒東が澤部さんの家だ。
「キュッキュッねえ。そういえば真美ちゃんがいつもそんな音のする靴を履いていたわねえ」
母がそう言う。
私は二十年前にはまだ生まれていなかったので、当然のことながら真美ちゃんという女の子は見たことがない。
そんなある日の夕方のこと。
暇を持て余していた私は、ふと外に出てみようと思いついた。
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