異住人

ツヨシ

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俺のように外からぶらりとやって来た可能性もある。

いろんな思いが頭の中を巡ったが、俺は最終的にこう言った。

「ここに住んでるんですか?」

男は答えた。

「ああ、住んでるけど」

「こんな汚いところにですか?」

男の顔が強張る。

しまった、と思ったが、もうおそい。

男が言った。

「こんな汚いところねえ。それじゃああんたは、こんな汚いところじゃなくて、もっと清潔なところに住めと言いたいんだな」

「……いや、こういうわけでは」

「わかった。ならあんたの言うとおりにしよう」

男はそう言った後、目の前から一瞬で消えた。

俺は数秒固まった後、その場を走り出した。


「ただいま」

アパートに着き、そう言った。

俺は一人住まいだが、いつの間にか部屋に帰るとそう言う習慣が身についていた。

当然のことながら、いつもは返事がない。

が、今日はあったのだ。

「おかえり」

視線の先には先ほどの大男が、ソファーに深々と腰を掛けて笑っていた。


         終
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